ヤマハから登場した新作ヘッドホン「YH-4000(B)」。
究極のフラッグシップモデルとして名高い「YH-5000SE」と瓜二つの外観を持ちながら、価格は40万円台ということもあり、その実力や違いについて気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、YAMAHA YH-4000(B)の音質やスペック、特徴を専門店のレビューを交えながら徹底的に解説します。
さらに、多くの方が最も知りたいであろうYH-5000SEとの比較を通じて、YH-4000(B)がどのようなヘッドホンなのか、そしてどんな方におすすめなのかを明らかにしていきます。

YAMAHA YH-4000(B) レビュー解説|結論、YH-5000SEとは違う”ポップス最強”のリスニングヘッドホン
フラッグシップの遺伝子を受け継ぐ「YH-4000(B)」の立ち位置とは?
YAMAHA YH-4000(B)は、2022年に発売されたフラッグシップモデル「YH-5000SE」の技術や設計思想を色濃く受け継いだ、新しいハイエンド開放型ヘッドホンです。
YH-5000SEと同じく、ヤマハ独自の「オルソダイナミックドライバー」を搭載し、軽量なマグネシウム筐体や快適な装着感を実現する基本構造も共有しています。
しかし、単なる廉価版ではなく、フィルターや吸音材の調整によって、YH-5000SEとは異なるサウンドキャラクターを追求した「もう一つの選択肢」として位置づけられています。
豊かな中低域と高い解像度を両立したサウンドが最大の特徴
YH-4000(B)の最大の特徴は、開放型ヘッドホンでありながら、豊かでリアリティのある中低域の広がりを実現している点です。
一般的な開放型ヘッドホンが持つ抜けの良さや高域の伸びやかさに加え、しっかりとした低音の迫力と密度感を両立させています。
高い解像度を持ちつつもモニターライクになりすぎず、音楽をダイナミックに楽しむための「リスニング体験」に特化したサウンドチューニングが施されています。
この記事でわかること一覧
- YH-4000(B)の詳しいスペック、価格、発売日
- 専門家による詳細な音質レビュー
- YH-5000SEとYH-4000(B)の具体的な5つの違い
- 芸術的な外観デザインと圧倒的な装着感
- 購入前に知っておきたい注意点や良い評判
- YH-4000(B)がどんな人におすすめなのか
YAMAHA YH-4000(B)のスペック・価格・発売日は?
YH-4000(B)のスペック一覧表
YAMAHA YH-4000(B)の主な仕様を以下にまとめました。
項目 | スペック |
---|---|
モデル | YH-4000 |
型式 | オーバーイヤー / 開放型 |
ドライバー | 平面磁界型(オルソダイナミックドライバー) |
ドライバー口径 | 50mm |
再生周波数帯域 | 5Hz~70kHz |
インピーダンス | 34Ω |
感度 | 97 dB/mW |
ケーブル | 約2m / 着脱式 Y型 |
質量 | 約320g(ケーブル除く) |
価格は426,800円、発売日は10月23日
YAMAHA YH-4000(B)のメーカー希望小売価格は426,800円(税込)です。
発売日は2025年10月23日(木)から順次開始されています。
ハイエンドモデルに位置づけられる価格帯ですが、フラッグシップモデルYH-5000SEの技術を継承していることを考えると、コストパフォーマンスに優れたモデルとも言えるでしょう。
付属品一覧:5000SEとの違いも解説
YH-4000(B)の付属品は、実用性を重視した構成になっています。
- アンバランスケーブル(3.5mmステレオプラグ、約2m)
- 6.3mm 変換プラグ
- ハイブリッド素材イヤーパッド(本体に装着済み)
- キャリングケース
- クイックガイド、セーフティーガイド
YH-5000SEに付属していたバランスケーブルや専用ヘッドホンスタンドは付属せず、キャリングケースが同梱されるなど、よりカジュアルに使用できるパッケージ内容に変更されています。
【音質レビュー】YH-4000(B)はどんな音がする?
特徴は「豊かな中低域の広がり」と「リアリティのある低音」
YH-4000(B)の音質を聴いて最も印象的なのは、開放型ヘッドホンとは思えないほど豊かで気持ちよく広がる中低域です。
通常、開放型は音の抜け感や高域の繊細さが際立ちますが、YH-4000(B)はそれに加えて、しっかりと実在感のある低音を鳴らしてくれます。
これにより、ドラムとベースが織りなすグルーヴ感を心地よく楽しむことができ、音楽の土台をしっかりと体感できるサウンドに仕上がっています。
高解像度なのにモニターライクにならない絶妙なサウンドチューニング
ドライバーにはYH-5000SEと同じオルソダイナミックドライバーを採用していますが、音のチューニングは大きく異なります。
YH-4000(B)では、ハウジング内部のPETメッシュフィルターを新開発のものに変更し、YH-5000SEで採用されていた吸音材をあえて使用しないなどの調整が施されました。
これにより、非常に高い解像度を維持しながらも、音が硬くなりすぎず、よりダイナミックで音楽的な躍動感を感じられるサウンドを実現しています。
分析的に音を聴くモニターサウンドとは一線を画す、純粋な音楽鑑賞のためのヘッドホンと言えるでしょう。
YH-4000(B)が得意な音楽ジャンルは?(ポップス・バンドサウンドに最適)
そのサウンドキャラクターから、YH-4000(B)は特にボーカルを中心とした歌物、ポップス、ロックなどのバンドサウンドに最適です。
情熱的に歌い上げるボーカルや、楽器一つひとつの音の迫力をリアルに再現し、リスナーを音楽の熱量の中心へと引き込みます。
音の分離感も程よく、音楽全体の一体感を損なうことなく楽しませてくれるため、幅広い現代の音楽ジャンルにマッチするでしょう。
最重要比較!YH-5000SEとYH-4000(B)の5つの違いは?
違い①:音質のキャラクター(ポップス向け vs クラシック・ジャズ向け)
最も大きな違いは音質の方向性です。
YH-4000(B)は、前述の通り中低域に厚みがあり、音楽をダイナミックに楽しむリスニング向けのサウンドです。
一方、YH-5000SEは、超広大な音場と緻密で高い解像度が魅力で、音の一つひとつを正確に描き出すモニターライクな側面も持ち合わせています。
そのため、YH-4000(B)はポップスやロックに、YH-5000SEはクラシックやジャズといった楽器の繊細な表現を楽しむジャンルに、より適していると言えます。
違い②:外観デザインとカラーリング
全体のフォルムは酷似していますが、細部のカラーリングに違いがあります。
YH-5000SEがほぼオールブラックに差し色のイエローで構成されているのに対し、YH-4000(B)はオールブラックに銀と白の差し色が加わり、よりクールで洗練された印象を与えます。
また、ハウジング中央のヤマハの音叉マークも、YH-4000(B)の方が白くくっきりと印字されており、見分ける際のポイントになります。
違い③:イヤーパッド(ハイブリッド1種 vs 2種付属)
イヤーパッドの種類も異なります。
YH-4000(B)には、肌に触れる面にスエード素材、外周部にレザー素材を組み合わせた新開発のハイブリッドイヤーパッドが1種類付属します。
対してYH-5000SEには、レザータイプとスウェードタイプの2種類が独立して付属し、好みで付け替えることが可能です。
違い④:付属ケーブル(アンバランス1本 vs バランス・アンバランス2本)
付属するケーブルも異なります。
YH-4000(B)には3.5mmアンバランスケーブルが1本のみ付属します。
一方、YH-5000SEにはアンバランスケーブルに加えて、4.4mm 5極のバランスケーブルも付属しており、より多様な再生環境に対応可能です。
結論:上位・下位モデルではなく、音の好みで選ぶべき2台
これらの違いを総合すると、YH-4000(B)はYH-5000SEの単なる下位モデルではないことがわかります。
付属品などをシンプルにすることでコストダウンを図りつつも、音質面では全く異なるキャラクターを目指してチューニングされています。
どちらが優れているかではなく、どちらのサウンドが自分の好みに合うかで選ぶべき、並列の関係にある2つのフラッグシップモデルと考えるのが正しいでしょう。
YH-4000(B)の外観と装着感を写真付きでレビュー
芸術的なハウジングとロボットのような機能美を両立したデザイン
YH-4000(B)のデザインは、極限まで無駄をそぎ落とした機能美が際立ちます。
ハウジングのメッシュ奥に垣間見える機構部分は芸術的で、所有欲を強く満たしてくれるでしょう。
全体的にはロボットのようなメカニカルな印象も受けますが、その緊張感のある造形は音楽の持つ躍動感を表現しており、ヤマハならではの高いデザイン性を感じさせます。
本体重量320g!数値以上に軽く感じる圧倒的な装着感
本体重量は約320gと、数字だけ見れば特別軽いわけではありません。
しかし、実際に装着するとその数値が信じられないほど軽く感じられます。
これは、軽量かつ高剛性なマグネシウムを筐体に採用していることや、側圧を最適化した2層構造のヘッドバンド、頭部に柔軟にフィットするヘッドパッドなど、徹底した重量バランスの追求によるものです。
長時間のリスニングでも全く疲れを感じさせない、理想的な装着感を実現しています。
熟練の職人が手掛けるジャパンメイドの品質とディテール
このヘッドホンは、ヤマハのグランドピアノやオーディオのフラッグシップモデルを手掛ける国内の掛川工場で、熟練の職人の手によって一台ずつ丁寧に組み立てられています。
実際に手に取ると、パーツの精度や仕上げの美しさから、まるで伝統工芸品のような細部に宿る迫力を感じることができます。
厳しい品質管理を経て出荷されるジャパンメイドの高い品質は、長期間にわたって安心して愛用できる信頼の証です。
YH-4000(B)の良い評判・口コミと気になる注意点
【良い評判】専門家が語るYH-4000(B)のおすすめポイント
イヤホン・ヘッドホン専門店のレビューでは、「解放型でローがしっかりしてるヘッドホンが欲しい、しかも解像度も高い」という、多くのオーディオファンが抱えるであろうニーズに完璧に応える製品だと絶賛されています。
「硬くなりすぎず、もっとポップにリスニング体験として使える」とも評されており、音楽を純粋に楽しむためのヘッドホンとしての完成度の高さがうかがえます。
【注意点】購入前に知っておきたいこと(付属品や音のキャラクター)
購入前に注意すべき点として、まずバランス接続をしたい場合は、標準ではケーブルが付属しないため、別途用意する必要があることが挙げられます。
また、YH-5000SEの緻密でモニターライクなサウンドを期待して聴くと、キャラクターの違いに驚くかもしれません。
あくまで音楽の熱量や迫力を楽しむリスニング志向のモデルであることを理解しておくことが重要です。
YAMAHA YH-4000(B)はどんな人におすすめ?
自宅でじっくり最高のリスニング体験をしたい方
YH-4000(B)は、長時間の装着でも快適な着け心地と、没入感の高いサウンドを両立しているため、自宅のリスニング環境をアップグレードしたい方に最適です。
解放型のため音漏れには配慮が必要ですが、静かな環境でじっくりと好きな音楽の世界に浸る、贅沢な時間を提供してくれます。
解像度の高さと低音の迫力を両立させたい方
「高解像度なヘッドホンは音がスッキリしすぎて物足りない」「低音が豊かなヘッドホンは音がこもりがち」といった悩みを抱えている方にとって、YH-4000(B)はまさに理想的な一台となるでしょう。
クリアでありながら迫力のあるサウンドは、これまでどちらかを諦めていたリスナーに新たな音楽体験をもたらします。
YH-5000SEのサウンドがモニター的すぎると感じた方
フラッグシップモデルYH-5000SEを試聴し、そのあまりの解像度の高さや分析的なサウンドが「少し聴き疲れる」「もっと音楽的に楽しみたい」と感じた方には、YH-4000(B)がぴったりです。
同じドライバーのポテンシャルを活かしながら、よりフレンドリーで情熱的なサウンドにチューニングされているため、素晴らしい代替案となるはずです。
YAMAHA YH-4000(B)に関するよくある質問(Q&A)
バランス接続はできますか?
YH-4000(B)本体はバランス接続に対応していますが、付属のケーブルは3.5mmアンバランスケーブルのみです。
バランス接続を行うには、別売りのYH-5000SE用バランスケーブル「HPC-X5544Y5」などを別途購入する必要があります。
YH-5000SEのイヤーパッドやケーブルは使えますか?
はい、使用可能です。
YH-5000SEに付属するイヤーパッド(レザータイプ、スエードタイプ)やケーブル類は、YH-4000(B)と互換性があります。
イヤーパッドを交換することで音質の変化を楽しむこともできるため、好みに合わせてカスタマイズするのも一興です。
どこで試聴できますか?
e☆イヤホンをはじめとする、全国のヘッドホン・オーディオ専門店で試聴機が設置されている場合があります。
高価な製品ですので、購入前にはぜひ一度、ご自身の耳でそのサウンドを確かめてみることを強くおすすめします。
保証期間は何年ですか?
YAMAHA YH-4000(B)には、購入日から5年間の長期製品保証が付与されています。
これはヤマハの品質に対する自信の表れであり、ユーザーは長期間にわたって安心して製品を愛用することができます。
まとめ:YAMAHA YH-4000(B) レビュー解説の総括
- YH-4000は5000SEの技術を継承した開放型ヘッドホンである
- 価格は426,800円(税込)、発売日は2025年10月23日である
- 最大の特徴は豊かな中低域とリアリティのある低音だ
- 高解像度でありながら音楽的なリスニングサウンドを実現している
- ポップスやバンドサウンドとの相性が特に良い
- YH-5000SEとは上位・下位ではなく音のキャラクターが異なる
- 5000SEは緻密、4000はよりフレンドリーで迫力あるサウンドを持つ
- 本体重量320gで数値以上に軽く感じる優れた装着性を備える
- バランス接続には別売りケーブルが必要となる
- 自宅で最高の音楽体験を求めるリスニングユーザーに最適だ
