2023年10月の発売以降、その圧倒的なコストパフォーマンスで話題となったXiaomiの「Redmi 12 5G」。
発売から月日が経過し、2025年現在において「今から買っても大丈夫なのか?」「スペック的に古くないか?」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Xiaomi Redmi 12 5Gの実機レビュー解説を行います。
実際に使用して分かったスペックの実力やカメラ性能、バッテリー持ちといった基本情報はもちろん、悪い口コミで散見される「タスクキル」や「重さ」についても徹底的に検証しました。
メリットだけでなく、購入前に知っておくべき明確なデメリットも包み隠さずお伝えします。
2万円前後で購入できるエントリースマホの実力を、ぜひ確かめてください。
Xiaomi Redmi 12 5G レビュー総評:2025年でも「コスパ最強」は本当か?
結論:ライトユーザーやサブ機には最適だが「割り切り」も必要
Xiaomi Redmi 12 5Gは、2025年時点においても、ライトユーザーやサブ機としての利用であれば「コスパ最強」と呼べる一台です。
最大の理由は、価格に対するビルドクオリティの高さと、普段使いには十分な処理性能にあります。
Webブラウジング、SNS、動画視聴、LINEなどの連絡用途であれば、Snapdragon 4 Gen 2チップセットのおかげでストレスなく動作します。
また、おサイフケータイ(FeliCa)やイヤホンジャック、防水防塵(IP53)といった日本市場で求められる機能をしっかり搭載している点も評価できます。
一方で、カメラ性能やスピーカー音質、充電速度といった部分にはコストカットの影響が見られます。
これらを「価格相応」と割り切れるかどうかが、この機種に対する満足度を左右するポイントとなります。
Redmi 12 5Gを買って幸せになれる人・後悔する人の特徴
このスマートフォンを購入して満足できるのは、スマートフォンに「連絡手段」や「情報閲覧」としての役割を主に求める方です。
具体的には、初めてスマートフォンを持つお子様やシニア世代、あるいは仕事用や決済用としての2台目を探している方に最適です。
背面ガラスの高級感あるデザインは所有欲を満たしてくれますし、大画面は文字が見やすく実用的です。
逆に、3Dゲームを快適にプレイしたい方や、旅行先で美しい写真や動画を残したいと考えている方は後悔する可能性が高いでしょう。
カメラの手ブレ補正がなく、スピーカーもモノラルのため、マルチメディア体験を重視する場合には力不足を感じる場面があります。
また、頻繁にアプリを切り替えてマルチタスクを行う方にとっては、メモリ(RAM)容量の選択が重要になります。
Redmi 12 5Gのメリット・デメリット要約リスト
Xiaomi Redmi 12 5Gの特徴を簡潔にまとめると、以下のようなメリットとデメリットが挙げられます。
メリット
- 背面ガラス素材を採用し、エントリー機とは思えない高級感がある
- Snapdragon 4 Gen 2搭載で、日常動作はサクサク動く
- 約6.8インチの大画面フルHD+ディスプレイで情報量が多い
- 5000mAhの大容量バッテリーで電池持ちが非常に良い
- おサイフケータイ、イヤホンジャック、指紋・顔認証に対応している
- 中古市場も含めると1万円台から購入可能で非常に安価
デメリット
- モノラルスピーカーのため、横持ち動画視聴時の臨場感に欠ける
- 動画撮影時に手ブレ補正がなく、歩き撮りなどは厳しい
- 液晶ディスプレイの最大輝度が低く、晴れた屋外では画面が見にくい
- 充電速度が最大18Wと遅く、満充電まで時間がかかる
- 4GBメモリモデルではタスクキル(アプリ落ち)が発生しやすい
Xiaomi Redmi 12 5GのスペックとAnTuTuベンチマークスコア解説
詳細スペック表とSnapdragon 4 Gen 2の実力
Redmi 12 5Gの心臓部には、Qualcomm製の「Snapdragon 4 Gen 2」というプロセッサーが搭載されています。
これはエントリークラス(入門機)向けのチップセットですが、従来の同クラス製品と比較して処理能力が大幅に向上しているのが特徴です。
製造プロセスが4nmと微細化されており、省電力性能とパフォーマンスのバランスが優れています。
実際の操作感としても、ブラウザのスクロールやアプリの起動速度において、もっさり感を感じることは少ないでしょう。
ディスプレイは解像度2460×1080のフルHD+を採用しており、画面の粗さを感じることはありません。
ただし、リフレッシュレートは最大90Hzであり、上位機種の120Hzと比較すると数値上は劣りますが、日常使いでは十分に滑らかです。
AnTuTuベンチマークスコアは約44万点!ゲームは快適に動く?
スマートフォンの処理性能を測る指標となるAnTuTuベンチマーク(Ver.10)のスコアは、実測で約43万〜44万点を記録しています。
この数値は、数年前のミドルレンジスマートフォンに匹敵するスコアです。
エントリーモデルで40万点を超えてくるのは驚異的であり、LINEやYouTube、Web検索といった一般的な用途で不満が出ることはまずありません。
しかし、ゲーム性能に関しては注意が必要です。
GPU性能(グラフィック処理能力)を測る3DMarkなどのテストではスコアが低く、FPS(フレームレート)が出にくい傾向にあります。
「原神」や「崩壊:スターレイル」といった高負荷な3Dゲームは、画質設定を最低に落としてもカクつきが発生する可能性が高いです。
パズルゲームや2Dのカジュアルゲームであれば問題なく遊べますが、ゲーミング用途として購入するのはおすすめできません。
メモリ(RAM)は4GBで足りる?8GBモデルを強く推奨する理由
Redmi 12 5Gには、メモリ(RAM)が4GBのモデルと8GBのモデルが存在します。
結論から申し上げますと、長く快適に使いたいのであれば8GBモデルを強く推奨します。
Android OS自体が近年肥大化しており、システムだけで一定のメモリを消費するため、4GBでは空き容量が逼迫しがちです。
実際に4GBモデルを使用しているユーザーからは、複数のアプリを開いた際にバックグラウンドのアプリが強制終了(タスクキル)されるという報告が挙がっています。
例えば、ブラウザで調べ物をしながら地図アプリを開き、再びブラウザに戻るとページが再読み込みされるといった挙動です。
8GBモデルであればメモリに余裕があり、アプリの切り替えもスムーズに行えるため、数千円の価格差であれば8GBモデルを選ぶ価値は十分にあります。
外観デザインとディスプレイ品質のレビュー
2万円台とは思えない高級感?ガラス素材の背面デザインと質感
Redmi 12 5Gの最大の魅力の一つが、その外観デザインです。
通常、低価格帯のスマートフォンはコストダウンのために背面素材にプラスチックを採用することが多いですが、本機はガラス素材を採用しています。
実際に手に取ると、ひんやりとしたガラス特有の質感があり、光の当たり方によって上品な反射を見せます。
特に「ポーラーシルバー」や「スカイブルー」といったカラーは、10万円近いハイエンド機と見間違えるほどのビルドクオリティです。
側面フレームはプラスチック製ですが、マットな仕上げになっており安っぽさは感じさせません。
デザイン性を重視してスマホを選びたいが予算は抑えたい、という方には非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
6.8インチ大画面FHD+の視認性は?屋外だと画面が暗い?
ディスプレイは約6.8インチと非常に大きく、動画視聴やWeb閲覧時の情報量が多いのがメリットです。
解像度もフルHD+を確保しており、文字や画像の精細感に問題はありません。
しかし、採用されているパネルが有機ELではなく液晶(LCD)である点には留意が必要です。
液晶パネル特有の視野角の狭さがあり、画面を斜めから見ると少し暗く見えることがあります。
また、画面の最大輝度が550nit(HBM)とそれほど高くないため、直射日光下の屋外では画面が見えにくくなるという弱点があります。
「サンライトモード」など輝度を補助する機能もありますが、真夏の屋外などでは視認性が低下することを覚えておきましょう。
リフレッシュレート90Hzのスクロール滑らかさと操作感
本機は最大90Hzのリフレッシュレートに対応しています。
これは1秒間に画面を書き換える回数を示しており、一般的な60Hzのスマホよりも画面の動きが滑らかに見えます。
Twitter(X)やInstagramのタイムライン、Webサイトをスクロールする際に、残像感が少なくスムーズに動くため、体感的な「サクサク感」が向上します。
設定で60Hzに固定することも可能ですが、バッテリー持ちに大きな影響が出ない範囲で自動調整されるため、基本的には90Hz設定での運用がおすすめです。
タッチ操作の追従性(タッチサンプリングレート)も日常使いには十分なレベルで、文字入力などで違和感を感じることは少ないでしょう。
Redmi 12 5Gのカメラ性能を徹底検証
5000万画素メインカメラの実力は?日中の作例と画質評価
背面のカメラユニットは、約5000万画素のメインカメラと約200万画素の深度センサーという構成です。
実質的にはシングルカメラでの撮影となりますが、日中の明るい場所であれば十分に綺麗な写真が撮れます。
5000万画素の高解像度を活かし、風景や料理などをくっきりと記録することができます。
色味は過度な味付けがなく自然な発色傾向にあり、見た目に近い写真を撮りたい方には好印象でしょう。
ただし、AI補正やHDR(ハイダイナミックレンジ)の効きはハイエンド機ほど強力ではありません。
逆光シーンや明暗差の激しい場所では、空が白飛びしたり、影が黒く潰れたりすることがあります。
SNSへの投稿やメモ代わりの記録用としては十分合格点を与えられる画質です。
夜景撮影やズーム機能は使える?白飛びやノイズの許容範囲
夜景撮影や暗所での撮影に関しては、価格相応の性能と言わざるを得ません。
「夜景モード」を使用すればある程度明るく撮ることは可能ですが、光源の白飛びや暗部ノイズが目立ちやすくなります。
特に街灯や看板などの強い光がある場所では、フレアやゴーストが発生しやすく、全体的にぼやけた印象の写真になりがちです。
また、望遠レンズを搭載していないため、ズーム撮影はデジタルズームに頼ることになります。
2倍程度なら許容範囲ですが、5倍、10倍と倍率を上げると画質の劣化が著しく、文字が潰れて判読できなくなることもあります。
遠くの被写体を綺麗に撮りたい場合や、夜景撮影を楽しみたい場合には不向きです。
動画撮影の手ブレ補正はなし?撮影時の注意点
動画撮影機能における最大の弱点は、手ブレ補正機能が搭載されていないことです。
光学式手ブレ補正(OIS)はもちろん、電子式手ブレ補正(EIS)も効きが弱く、歩きながらの撮影では映像が大きく揺れてしまいます。
視聴していて酔ってしまうようなブレが発生することもあるため、動きながらのVlog撮影などには適していません。
定点での撮影や、あまり動かない被写体を撮る分には、フルHD画質でそれなりに綺麗に撮れます。
動画撮影を重視する方は、別途ジンバルを用意するか、より上位のモデルを検討する必要があります。
バッテリー持ちと日常使いの機能性(おサイフケータイ・音質)
5000mAhバッテリーの実持ち時間は?YouTube連続再生の結果
Redmi 12 5Gは5000mAhの大容量バッテリーを搭載しており、電池持ちに関しては非常に優秀です。
省電力なSnapdragon 4 Gen 2プロセッサーとの組み合わせにより、待機時の電力消費も抑えられています。
実際の検証レビュー等では、YouTubeを2時間連続再生してもバッテリー減少が14%程度に留まるといった結果も出ています。
また、PCMarkなどのバッテリーテストでは11時間以上の連続駆動時間を記録することもあり、一般的な使い方であれば1日は余裕で持ちます。
ライトな使用頻度であれば、2日に1回の充電でも運用可能なレベルのスタミナを持っています。
おサイフケータイ(FeliCa)とイヤホンジャック搭載のメリット
日本市場向けにローカライズされているため、おサイフケータイ(FeliCa)にしっかり対応しています。
モバイルSuicaやPASMO、iD、QUICPayなどの電子決済が利用できるため、メイン端末として財布代わりに持ち歩くことができます。
本体上部にはFeliCaマークがあり、改札やレジでの反応も問題ありません。
さらに、最近のスマートフォンでは廃止されがちな3.5mmイヤホンジャックを搭載している点も大きなメリットです。
有線イヤホンを変換アダプタなしで直接挿せるため、遅延を気にするゲームユーザーや、お気に入りの有線イヤホンを使いたい方には嬉しい仕様です。
モノラルスピーカーの音質は残念?動画視聴時の注意点
オーディオ面での明確なデメリットとして、スピーカーがモノラルであることが挙げられます。
本体下部にのみスピーカーがあり、横持ちで動画を見る際、片側からしか音が聞こえないためステレオ感や臨場感に欠けます。
音質自体も中高音寄りで低音が弱く、音楽鑑賞には不向きです。
YouTubeでニュースや解説動画を見る分には声が聞き取りやすく問題ありませんが、映画や音楽ライブ映像を楽しむ際はイヤホンの使用を推奨します。
イヤホンジャックやBluetooth接続を活用することで、この弱点はカバーすることができます。
悪い評判は本当?Redmi 12 5Gの口コミと注意点
「重い」「デカい」という口コミは本当?片手操作と重量感
ユーザーの口コミでよく見られるのが「本体が大きくて重い」という意見です。
カタログスペック上の重量は約200gあり、ケースやガラスフィルムを装着するとさらに重くなります。
6.8インチの大画面を搭載しているため横幅も約76mmあり、手の小さい方が片手で操作するのは困難です。
ポケットに入れた際の存在感も大きいため、コンパクトなスマホを好む方にはストレスになるかもしれません。
しかし、この大きさと重さは、高級感あるガラスボディと大画面、大容量バッテリーとのトレードオフでもあります。
両手操作を前提とするか、スマホリングなどのアクセサリーを活用することで、ある程度は緩和できるでしょう。
タスクキルが激しい?アプリが落ちる現象とメモリ不足の関係
「アプリが勝手に落ちる」「LINEの通知が来ないことがある」といった口コミも散見されます。
これは主に、メモリ4GBモデルにおけるメモリ不足や、Xiaomi独自のOS(MIUI/HyperOS)による強力なバッテリー節約機能が原因の場合が多いです。
特に4GBモデルでは、重いアプリを起動すると裏で動いているアプリが終了させられやすくなります。
対策としては、設定から「メモリ増設機能」をオフにすることで挙動が安定するという報告もあります。
また、通知が来ない問題に関しては、アプリごとのバッテリーセーバー設定を「制限なし」に変更するなどの設定見直しで改善されるケースがあります。
充電速度18Wは遅い?満充電までの時間と運用方法
バッテリー容量は大きいですが、充電速度は最大18Wと控えめです。
最近では30Wや60W、120Wといった急速充電に対応した機種が増えている中で、18W充電は遅く感じられます。
残量ゼロから満充電までには約2時間程度かかるため、朝の支度時間だけで急いで充電するといった使い方は難しいでしょう。
就寝中に充電を行う運用スタイルであれば問題ありませんが、日中に頻繁に継ぎ足し充電をする方には不便かもしれません。
なお、パッケージには充電器(ACアダプタ)やケーブルが同梱されていない場合があるため、別途PD対応などの充電器を用意する必要があります。
Xiaomi Redmi 12 5Gの価格と最も安く買う方法
SIMフリー版とキャリア版(au/UQ/SoftBank)の価格比較
Redmi 12 5Gは、メーカー直販のSIMフリー版に加え、au、UQ mobile、SoftBankなどのキャリアからも販売されています。
発売当初の価格は4GB/128GBモデルで29,800円前後でしたが、現在は価格改定やキャンペーンによりさらに安価に入手可能です。
特に通信キャリアの乗り換え(MNP)キャンペーンを利用すると、一括数千円や実質1円といった破格の値段で販売されていることもあります。
Amazonや楽天市場などのECサイトでも、SIMフリー版が1万円台後半から2万円台前半で販売されており、単体購入もしやすくなっています。
中古相場が狙い目?1万円台で購入するためのポイント
とにかく安く手に入れたい場合は、中古市場や「未使用品」を狙うのがおすすめです。
キャリア版のバラマキ販売の影響で、中古ショップやフリマアプリには「新品同様」や「未使用品」の状態の良い端末が大量に流通しています。
これらは1万円台前半から中盤で取引されていることが多く、コストパフォーマンスは抜群です。
ただし、キャリア版を購入する際は、ネットワーク利用制限の状態(◯、△など)を確認することをおすすめします。
また、au版やSoftBank版であってもSIMロックはかかっていないため、他社のSIMカードでも基本的には利用可能です(対応バンドの確認は必要です)。
まとめ:Xiaomi Redmi 12 5G レビュー解説総括
Xiaomi Redmi 12 5Gは、割り切るべき点を理解して使えば、2025年現在でも非常に満足度の高いスマートフォンです。
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- Snapdragon 4 Gen 2搭載で日常動作はサクサク快適
- AnTuTuスコアは約44万点でライトユースには十分な性能
- 重い3Dゲームや高度な動画編集には不向き
- 背面ガラス素材のデザインは価格以上の高級感がある
- 5000mAhバッテリーで電池持ちは非常に優秀
- カメラは日中撮影なら綺麗だが、夜景や手ブレ補正は弱い
- モノラルスピーカーのため動画視聴の臨場感は控えめ
- 屋外での画面視認性がやや低く、充電速度も18Wと遅め
- 長く使うならメモリ8GBモデルの購入を強く推奨
- 中古市場なら1万円台で購入でき、サブ機として最強クラス
