「昨日まで普通に観れていたのに、急にテレビが映らなくなった…」
「テレビ画面にE202と表示されているけど、どういう意味?」
突然テレビが視聴できなくなり、E202というエラーコードが表示されてお困りではないでしょうか。
このエラーは、ご自身で簡単に解決できる場合もあれば、専門業者への依頼が必要なケースもあります。
この記事では、テレビが急に受信できなくなりE202が表示される主な原因から、今すぐ自分で試せる具体的な直し方、そしてどうしても解決しない場合の相談先まで、網羅的に解説します。
最後までお読みいただくことで、エラーの原因を正しく理解し、落ち着いて適切な対処ができるようになるでしょう。
まず確認!テレビにE202が表示される6つの原因
テレビにE202エラーが表示される場合、その原因は一つとは限りません。
まずは、どのような原因が考えられるのかを把握することが、解決への第一歩となります。
E202エラーコードの基本的な意味は「電波を受信できていない」
E202エラーコードは、テレビに放送電波が正常に届いていない状態を示す共通のコードです。
アンテナで受信した電波が、何らかの理由でテレビ本体まで届いていない、もしくは電波が著しく弱い場合に表示されます。
「信号が受信できません」「アンテナ接続か受信環境に不具合があります」といったメッセージが併記されることもあります。
【チェックリスト】あなたのテレビが映らない原因はどれ?
テレビが映らない原因は、ご自宅の設備に問題がある「内的要因」と、天候や周辺環境による「外的要因」に大別されます。
以下のチェックリストで、ご自身の状況に近いものを確認してみてください。
- □ テレビ周りの配線を最近動かした
- □ B-CASカードを抜き差しした
- □ 台風や大雨、強風など天候が悪い
- □ 引っ越しをしたばかり、またはテレビを新しく購入した
- □ アンテナを設置してから10年以上経過している
- □ 近所で大きな工事が始まった、または高い建物ができた
原因1:ケーブル配線の抜けや緩み
最も多く見られる原因の一つが、アンテナケーブルの接続不良です。
テレビの裏や壁のアンテナ端子に接続されているケーブルが、掃除や機器の移動などで緩んだり抜けたりすることがあります。
また、レコーダーなどを経由している場合、配線の接続先を間違えている可能性も考えられます。
原因2:B-CASカードの接触不良や不具合
テレビに挿入されているB-CASカードの接触不良や、ICチップ部分の汚れ・破損によってもE202エラーは発生します。
カードが正しく奥まで挿入されていなかったり、長年の使用でICチップが劣化したりすると、テレビは放送信号を正しく認識できなくなります。
原因3:アンテナの向きのズレや故障・劣化
屋外に設置されているテレビアンテナは、台風や強風、積雪などの影響で向きがズレてしまうことがあります。
アンテナは特定の方向に正確に向けることで電波を受信するため、わずかなズレでも受信レベルは大きく低下します。
また、アンテナ本体の寿命は一般的に10年〜15年程度とされており、経年劣化による受信性能の低下や故障も原因となります。
原因4:悪天候(大雨・台風・大雪)による一時的な電波障害
大雨や大雪、台風といった悪天候時には、電波が雨や雪に吸収・散乱されることでテレビまで届きにくくなり、一時的にE202エラーが表示されることがあります。
これは「降雨減衰」「降雪減衰」と呼ばれる現象で、特に衛星放送(BS/CS)で起こりやすいです。
この場合、天候が回復すれば自然に復旧することがほとんどです。
原因5:チャンネル設定の不具合(引っ越し後など)
引っ越しをした際や、新しいテレビを設置した際には、その地域で受信可能なチャンネルを設定する「チャンネルスキャン」が必要です。
以前住んでいた地域のチャンネル設定のままだと、新しい場所の電波を正しく受信できず、エラーが表示されます。
また、何らかの理由で設定情報がリセットされてしまった場合も同様の症状が起こりえます。
原因6:周辺環境の変化による電波障害
自宅と電波塔の間に高層ビルが建設されたり、近隣でモバイル基地局の運用が開始されたりすると、電波が遮られたり干渉を受けたりして受信環境が悪化することがあります。
この場合は周辺一帯で同様の障害が発生している可能性があり、個人での対処が難しいケースです。
【今すぐ試せる】E202エラーを自分で直す応急処置5ステップ

専門業者に連絡する前に、まずはご自身で試せる簡単な対処法があります。
軽度な問題であれば、以下のステップで解決する可能性がありますので、順番に試してみてください。
ステップ1:テレビ本体を再起動する
最も簡単で最初に試すべき対処法が、テレビの再起動です。
一時的なソフトウェアの不具合であれば、再起動することで正常な状態に戻ることがあります。
- テレビ本体の主電源を切ります。
- 電源プラグをコンセントから抜きます。
- 1〜2分ほど待ってから、再度電源プラグをコンセントに差し込みます。
- テレビの電源を入れ、エラーが解消されたか確認します。
ステップ2:テレビ周りの配線を確認・挿し直す
次に、テレビやレコーダーに接続されているアンテナケーブルの状態を確認します。
壁のアンテナ端子、レコーダー、テレビ本体の各接続部分で、ケーブルがしっかり奥まで差し込まれているか、緩みがないかを確認してください。
一度すべてのケーブルを抜き、再度しっかりと差し直してみることで、接触不良が改善される場合があります。
ステップ3:B-CASカードを挿し直す
B-CASカードの接触不良が疑われる場合は、以下の手順で挿し直しを試します。
- テレビの電源を完全に切ります。
- テレビの側面や背面に挿入されているB-CASカードを抜きます。
- カードの裏面にある金色のICチップ部分を、乾いた柔らかい布で優しく拭きます。
- カードの向きを確認し、奥までしっかりと挿入します。
- テレビの電源を入れ、改善されたか確認します。
ステップ4:チャンネルを再設定(初期スキャン)する
引っ越し後や、お住まいの地域の放送局情報が変更された場合に有効なのがチャンネルの再設定です。
リモコンの「メニュー」や「設定」ボタンから設定画面を開き、「チャンネル設定」などの項目を選択します。
「地上デジタル自動設定」や「再スキャン」といった項目を選び、お住まいの地域に合わせてチャンネル情報を更新してください。
ステップ5:テレビの設定画面からアンテナレベルを確認する
多くのテレビには、受信している電波の強度(アンテナレベル)を確認する機能があります。
チャンネル設定と同様に、リモコンの設定メニューから「アンテナレベル」や「受信設定」の画面を表示させてみましょう。
メーカーが推奨する基準値を大幅に下回っている場合や、レベルが「0」になっている場合は、アンテナの向きのズレや故障の可能性が高いと判断できます。
【状況別】住まいや症状ごとの原因と対処法
E202エラーは、お住まいの環境や症状によって原因や対処法が異なります。
ここでは、よくある状況別の解決策を解説します。
【マンション・アパート】の場合の連絡先と確認ポイント
マンションやアパートなどの集合住宅では、建物全体でアンテナ設備(共同アンテナ)を共有しています。
そのため、もし近隣の部屋でも同様にテレビが映らない場合は、共同アンテナやブースター(電波増幅器)など共用部分の設備に問題がある可能性が高いです。
この場合は個人で業者を手配せず、まずは建物の管理会社や大家さんに連絡して状況を伝えましょう。
【地デジだけ映らない(BSは映る)】場合に考えられる原因は?
「BS/CS放送は問題なく映るのに、地デジだけE202が表示される」というケースがあります。
これは、地デジとBS/CSでは使用しているアンテナや電波が異なるために起こります。
この場合、地デジアンテナ本体の不具合、または地デジ用の配線やブースターに問題が発生している可能性が考えられます。
テレビの入力切換がBS/CSになっているだけの可能性もあるため、リモコンの「地デジ」ボタンを押して確認してみましょう。
【地デジのアンテナレベルが突然0に】なったときの対処法
昨日まで問題なく映っていたのに、アンテナレベルが突然「0」になった場合、アンテナからの信号が完全に途絶えている状態です。
アンテナケーブルが完全に抜けてしまった、アンテナが強風で倒れた・折れた、ブースターの電源が切れている、といった深刻なトラブルの可能性があります。
配線やブースターの電源を確認しても改善しない場合は、アンテナ本体の物理的な故障が考えられるため、専門業者による点検が必要です。
【シャープ・パナソニックなど】メーカー別の設定確認方法は?
テレビの再起動やチャンネルスキャンの基本的な操作方法はどのメーカーも似ていますが、リモコンのボタン名称やメニュー画面の階層が異なります。
シャープ(AQUOS)であれば「ホーム」→「設定」、パナソニック(VIERA)であれば「メニュー」ボタンから設定画面に入ることが一般的です。
操作方法が分からない場合は、無理に操作せず、テレビ本体の取扱説明書や各メーカーの公式サイトで手順を確認することをおすすめします。
自分で直らない!E202エラーの相談先はどこ?
自分でできる対処法をすべて試しても改善しない場合は、専門家への相談が必要です。
お住まいの状況によって連絡先が異なりますので、以下を参考にしてください。
【戸建て住宅】にお住まいの場合はアンテナ工事専門業者へ
戸建ての持ち家でアンテナに原因があると思われる場合は、アンテナ工事の専門業者に相談するのが最適です。
プロは専用の測定器を使って電波状況を正確に調査し、原因を特定してくれます。
屋根の上など高所での作業は大変危険ですので、アンテナの向き調整や修理は決して自分で行わず、専門業者に依頼しましょう。
【マンション・アパート】にお住まいの場合はまず管理会社・大家さんへ
前述の通り、賃貸住宅や分譲マンションの場合は、まず管理会社や大家さんに連絡することが基本です。
共用設備の不具合であれば、管理会社側で修理業者を手配してくれます。
自己判断で業者を呼んでしまうと、修理費用が自己負担になる可能性があるため注意が必要です。
【ケーブルテレビ・光回線】を契約している場合は各サポート窓口へ
アンテナを設置せず、ケーブルテレビや光回線のテレビサービスを利用している場合、E202エラーの原因はアンテナではありません。
この場合は、契約しているサービスの提供元に問題が発生している可能性があります。
各事業者の公式サイトで障害情報を確認するか、カスタマーサポートの窓口に問い合わせて指示を仰いでください。
信頼できるアンテナ工事業者の選び方5つのポイント
いざアンテナ工事業者に依頼する際、どの業者を選べばよいか迷うかもしれません。
信頼できる業者を選ぶためには、以下の5つのポイントを確認するとよいでしょう。
- 事業歴と施工実績が豊富か: 長年の経験は技術力の証です。
- 明確な料金体系か: 事前に見積もりを提示してくれるか確認しましょう。
- 保証制度が充実しているか: 施工後のアフターフォローがしっかりしていると安心です。
- 問い合わせ時の対応が丁寧か: スタッフの対応も重要な判断基準です。
- 代表者の顔や会社の情報が見えるか: 公式サイトなどで情報が公開されているか確認します。
アンテナ工事専門業者に依頼した場合の費用相場と工事内容
アンテナの不具合で専門業者に修理を依頼した場合、どのような作業が行われ、費用はどのくらいかかるのでしょうか。
ここでは、代表的な工事内容とその費用相場をご紹介します。
アンテナの向き調整の費用相場:5,000円〜15,000円
強風などでアンテナの方向がズレてしまった場合に行う作業です。
専用の測定器を使って、電波の受信レベルが最大になるようアンテナの角度をミリ単位で調整します。
高所作業費などが含まれるため、料金に幅があります。
アンテナ本体の交換費用相場:33,000円〜60,000円
アンテナが経年劣化や破損によって修理不可能な場合、新しいアンテナに交換します。
アンテナ本体の価格に加え、古いアンテナの撤去費用や新しいアンテナの設置工事費が含まれます。
デザインアンテナや4K8K対応BS/CSアンテナなど、設置するアンテナの種類によって費用は変動します。
ブースター(電波増幅器)の交換費用相場:15,000円〜30,000円
アンテナが受信した電波を増幅する「ブースター」が故障した場合の交換作業です。
ブースターの寿命もアンテナ同様10年程度が目安です。
電波の弱い地域や、複数の部屋でテレビを視聴している家庭では必須の機器であり、これが故障すると全部屋でテレビが映らなくなることがあります。
テレビのE202エラーに関するよくある質問
最後に、テレビのE202エラーに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
E202以外のエラーコード(E201, E203など)にはどんな意味がある?
テレビにはE202以外にも様々なエラーコードがあります。
代表的なものとして、「E201」は電波レベルの低下を示し、映像は映るもののブロックノイズが発生する場合などに表示されます。
「E203」は放送休止中のチャンネルを選択している場合に表示されますが、受信状態が悪いときに誤って表示されることもあります。
エラーの再発を防ぐためのアンテナメンテナンス方法は?
アンテナを長持ちさせ、トラブルを未然に防ぐためには定期的な点検が有効です。
ご自身でできることとしては、台風が通過した後などに、地上からアンテナが傾いていないか、破損がないかを目視で確認することです。
本格的なメンテナンスは専門業者に依頼するのが安全かつ確実で、設置から5〜10年を目安に一度点検してもらうと安心でしょう。
まとめ:テレビが急に受信できないE202エラーの解決策
- E202エラーはテレビに放送電波が届いていない状態を示す
- 主な原因は配線不良、B-CASカード、アンテナ不具合、悪天候など多岐にわたる
- 最初に試すべき対処法はテレビの再起動や配線の確認である
- B-CASカードの挿し直しやチャンネル再設定も有効な場合がある
- 集合住宅でのエラーはまず管理会社や大家へ連絡する
- 地デジのみ映らない場合は地デジアンテナや関連機器の不具合を疑う
- 自分で対処しても直らない場合はアンテナ工事専門業者へ相談するのが確実
- 戸建ての場合は専門業者、賃貸の場合は管理会社が基本的な相談先である
- 業者が行う修理には向き調整や本体交換などがあり費用は作業内容によって異なる
- エラーの再発防止には定期的なアンテナの点検が推奨される
