突然テレビの画面がチカチカし始めると、故障したのではないかと不安になりますよね。
視聴の妨げになるだけでなく、テレビの寿命が来たのか、修理や買い替えが必要なのかと悩む方も多いでしょう。
この記事では、テレビ画面がチカチカする原因から、専門家を呼ぶ前に自分で簡単に試せる直し方までを網羅的に解説します。
さらに、修理と買い替えの判断基準や、メーカー別の対処法についても詳しく説明しますので、この問題を解決するための具体的なステップが見つかります。
テレビがチカチカ!まずは自分でできる5つの応急処置と直し方
テレビ画面のチカチカは、簡単な操作で改善することがあります。
修理を依頼する前に、まずはご自身で以下の5つの応急処置を順番にお試しください。
【STEP1】最も簡単で効果的!テレビの電源リセットを試す
テレビに一時的な不具合が発生している場合、本体をリセットすることで症状が改善される可能性があります。
最も簡単で効果が期待できる対処法です。
手順は、まずテレビ本体の電源を切り、次に電源プラグをコンセントから抜きます。
そのまま5分から30分ほど放置し、テレビ内部の電気を完全に放電させてから、再度電源プラグを差し込んで電源を入れてみてください。
【STEP2】意外な見落とし?アンテナやHDMIなど配線の接続を確認
配線の接触不良が原因で、映像が乱れることがあります。
テレビに接続されているアンテナケーブルや、レコーダー、ゲーム機などにつながるHDMIケーブルが、しっかりと奥まで差し込まれているかを確認しましょう。
一度ケーブルを抜き、再度しっかりと差し直すことで、接続が安定しチカチカが解消される場合があります。
ケーブル自体が劣化している可能性も考えられるため、可能であれば別のケーブルで試してみるのも有効です。
【STEP3】省エネモードが原因かも?テレビの設定を見直す
テレビに搭載されている省エネモードや明るさセンサー機能が、意図せず画面の明るさを調整し、チカチカとして感じられることがあります。
これらの機能は、部屋の明るさに応じてバックライトを自動調整するため、周期的に明るさが変わることが原因です。
テレビの設定メニューから「省エネモード」や「明るさ自動調整」といった項目を探し、一度オフにして症状が改善するか確認してみてください。
【STEP4】特定のチャンネルだけ映らない場合はB-CASカードを挿し直す
特定のチャンネルを視聴している時だけチカチカする場合、B-CASカードの接触不良が考えられます。
テレビの電源を切り、B-CASカードを一度抜いてください。
ICチップ部分を乾いた柔らかい布で優しく拭き、カードの向きを間違えないように奥までしっかりと挿し直してから、電源を入れてみましょう。
【STEP5】レコーダーやゲーム機を外し、テレビ本体の問題か切り分ける
ブルーレイレコーダーやゲーム機など、外部機器を接続している場合にのみチカチカが発生することもあります。
一度すべての外部機器を取り外し、テレビ放送が正常に映るかを確認してください。
もしテレビ放送では問題がなく、特定の外部機器を接続した時だけチカチカするのであれば、原因はテレビ本体ではなく、その機器や接続ケーブルにある可能性が高いです。
テレビ画面がチカチカする5つの主な原因【症状別に解説】

自分でできる対処法を試しても改善しない場合、テレビ本体に何らかの問題が発生している可能性が考えられます。
ここでは、症状別に考えられる主な原因を5つ解説します。
原因1:バックライトの劣化や寿命(画面全体が暗くチカチカする)
液晶テレビは、画面の裏側にあるバックライトが光ることで映像を映し出しています。
このバックライトが経年劣化すると、光が不安定になり、画面全体が暗くなったり、チカチカと点滅したりする症状が現れます。
テレビの平均使用年数は約10年と言われており、長年使用しているテレビの場合はバックライトの寿命が原因である可能性が高いでしょう。
原因2:内部基板の故障(映像が乱れる、電源が落ちる)
テレビ内部には、映像信号を処理する基板や電源を制御する基板など、複数の電子回路が搭載されています。
これらの基板が故障すると、画面のチカチカだけでなく、映像に線が入ったり、色が乱れたり、突然電源が落ちたりといった様々な不具合を引き起こします。
落雷による過電流や、内部に溜まったホコリによるショートなどが原因となることもあります。
原因3:接続ケーブルの接触不良・断線(特定の入力映像だけチカチカする)
テレビ放送は問題ないのに、HDMIで接続したゲーム機やレコーダーの映像だけがチカチカする場合、ケーブルの不具合が疑われます。
ケーブル内部での断線や、端子部分の接触不良によって、映像信号が正しく伝わっていない可能性があります。
見た目には問題がなくても、ケーブルを動かすと症状が変わる場合は、ケーブルの交換で改善することがほとんどです。
原因4:電波の受信不良(ブロックノイズや音の途切れも発生する)
大雨や強風などの悪天候によって、アンテナが受信する電波レベルが低下し、映像が不安定になることがあります。
この場合、画面のチカチカに加えて、映像がブロック状に乱れる「ブロックノイズ」や、音声が途切れるといった症状を伴うことが多いです。
天候が回復すれば自然に直ることがほとんどですが、頻繁に発生する場合はアンテナの向きやケーブルの劣化を確認する必要があります。
原因5:電源周りのトラブル(電源コードの劣化や発熱)
テレビ本体の電源コードや、コンセントに差し込んでいる電源プラグが劣化している場合も、電力供給が不安定になりチカチカの原因となり得ます。
電源コードが異常に熱くなっていたり、ひび割れが見られたりする場合は危険な状態です。
使用を続けると火災につながる恐れもあるため、直ちにコンセントからコードを抜き、メーカーのサポートに連絡してください。
それ、本当に故障?テレビの寿命と勘違いしやすい症状

テレビの調子が悪いとすぐに故障や寿命を疑ってしまいますが、中には勘違いしやすい症状もあります。
買い替えや修理を検討する前に、以下のケースに当てはまらないか確認しましょう。
悪天候による一時的な電波障害
前述の通り、大雨や大雪、強風などの悪天候は、衛星放送や地上デジタル放送の電波受信に影響を与えます。
これにより映像や音声が一時的に乱れることがありますが、これはテレビ本体の故障ではありません。
天候が回復するまで待ってみて、症状が改善されるようであれば問題ないでしょう。
リモコンの電池切れや故障
テレビがリモコン操作に反応しない、または反応が悪い場合、テレビ本体の故障ではなくリモコン側に問題がある可能性が高いです。
まずはリモコンの電池を新しいものに交換してみてください。
それでも改善しない場合は、ボタンの隙間に溜まったホコリが原因であったり、リモコン内部の基板が故障していたりすることも考えられます。
リモコンを新しく購入することで、問題が解決する場合があります。
オフタイマーや無操作電源オフの設定
テレビの電源が勝手に切れる場合、故障ではなくオフタイマー機能や無操作電源オフ機能が設定されている可能性があります。
一定時間が経過すると自動で電源がオフになる便利な機能ですが、意図せず設定されていることもあります。
テレビの設定画面を確認し、これらの機能がオンになっていないかチェックしてみましょう。
音割れやノイズ(スピーカー周辺の問題)
映像は正常なのに音だけが割れたりノイズが混じったりする場合、スピーカーの故障を疑う前に、テレビ周りの環境を確認してみてください。
スピーカーの近くに物が置かれていると、振動してノイズが発生することがあります。
また、単純に音量が大きすぎることが原因の場合もあります。
テレビ周りを整理しても改善しない場合は、スピーカー部品の故障の可能性が考えられます。
【メーカー別】テレビがチカチカする場合の確認ポイント

基本的な対処法はどのメーカーも共通ですが、メーカーごとに特有のリセット方法や確認すべき点があります。
お使いのテレビメーカーに合わせて確認してみてください。
パナソニック(ビエラ)の直し方:電源ランプの点滅回数を確認
パナソニックのテレビ「ビエラ」では、本体に異常が発生した場合、電源ランプが赤く点滅して状態を知らせる機能があります。
点滅回数によって異常の内容を特定できるため、もしランプが点滅している場合はその回数を数えてみましょう。
公式サイトや取扱説明書で点滅回数ごとの対処法を確認し、それでも改善しない場合は点滅回数を控えた上で修理相談窓口に連絡するとスムーズです。
シャープ(アクオス)の直し方:配線確認とリセット操作
シャープの「アクオス」でチカチカが発生した場合も、まずは電源コードの抜き差しによるリセットが有効です。
公式サイトでは、電源プラグを抜いて1分ほど待つことが推奨されています。
また、アンテナ線の接続が緩んでいないか、しっかりと確認することも重要です。
基本的な配線確認とリセット操作を行っても直らない場合は、故障の可能性が高まります。
ソニー(ブラビア)の直し方:電源ボタン長押しでの強制リセット
ソニーの「ブラビア」には、通常の電源リセットに加えて、本体の電源ボタンを長押しすることによる強制リセット(電源サイクル)という方法があります。
電源プラグをコンセントから抜いた状態で、テレビ本体の電源ボタンを30秒ほど長押しします。
その後、5分ほど待ってから再度電源プラグを差し込むことで、内部のソフトウェアがリセットされ、症状が改善することがあります。
東芝(レグザ)の直し方:設定のリセットと放電手順
東芝の「レグザ」でも、基本的な対処法は電源プラグの抜き差しによる放電です。
すべての接続ケーブルを一旦外し、電源プラグを抜いて1分以上待つことが推奨されています。
また、映像設定が何らかの原因で不適切になっている可能性も考えられます。
設定メニューから映像設定を初期化(リセット)してみることで、チカチカが解消される場合もあります。
何をしても直らない…修理と買い替えの判断基準

様々な対処法を試してもテレビのチカチカが直らない場合、修理に出すか、新しいものに買い替えるかの選択が必要になります。
ここでは、その判断基準について解説します。
テレビの平均寿命は何年?(液晶・有機EL)
内閣府の消費動向調査(令和6年3月実施調査結果)によると、カラーテレビの平均使用年数は10.7年となっています。
一般的に、液晶テレビの寿命はバックライトの寿命に依存し、約8~10年と言われています。
一方、有機ELテレビはパネル自体の劣化が早く、寿命は4~10年とやや幅があります。
お使いのテレビの使用年数がこの期間に近づいている、あるいは超えている場合は、寿命が近いサインかもしれません。
購入から8年以上なら買い替えがおすすめな理由とは?
テレビを修理するためには、交換用の部品が必要です。
しかし、メーカーが修理用部品を保有する期間は、製品の生産終了後から約8年間と定められています。
そのため、購入から8年以上経過したテレビは、そもそも修理するための部品がなく、修理自体が不可能な場合があります。
たとえ修理できたとしても、他の部品も同様に劣化しているため、次々と別の箇所が故障するリスクが高まります。
修理費用の目安はいくら?バックライト交換は高額?
修理費用は故障箇所によって大きく異なりますが、電源基板の交換で3万円前後、バックライトを含む液晶パネル全体の交換となると、新しいテレビが購入できるほどの高額な費用がかかることが一般的です。
特に、チカチカの原因がバックライトの寿命である場合、修理費用が高額になりやすいため、買い替えを選択した方が経済的であるケースが多いでしょう。
メーカーの部品保有期間を過ぎていないか確認する方法
お使いのテレビの部品保有期間は、メーカーの公式サイトで確認できます。
サポートページなどでテレビの型番を検索し、「補修用性能部品の保有期間」といった項目を確認しましょう。
この期間を過ぎている場合は修理が難しいため、買い替えを検討するのが現実的です。
テレビの寿命を延ばす使い方と正しい処分方法
新しいテレビを購入したら、できるだけ長く快適に使いたいものです。
ここでは、テレビの寿命を延ばすためのコツと、古いテレビの正しい処分方法についてご紹介します。
新しいテレビを長持ちさせる3つのコツ(掃除・設置場所・使用時間)
1つ目は、こまめな清掃です。
テレビの通気口にホコリが溜まると、内部に熱がこもり部品の劣化を早めます。
定期的にホコリを拭き取りましょう。
2つ目は、設置場所に気をつけることです。
直射日光が当たる場所や、湿度の高い窓際は避けてください。
高温や湿気は電子部品にとって大敵です。
3つ目は、長時間の連続使用を避けることです。
見ていないときはこまめに電源を切る習慣をつけるだけで、バックライトやパネルの消耗を抑え、寿命を延ばすことにつながります。
古いテレビの正しい処分方法とは?(家電リサイクル法)
テレビは家電リサイクル法の対象品目であり、自治体の粗大ごみとして捨てることはできません。
処分するには、主に3つの方法があります。
一つ目は、新しいテレビを購入する販売店に引き取ってもらう方法です。
二つ目は、自治体が指定する方法に従って、指定引取場所へ自分で持ち込むか、許可業者に収集を依頼する方法です。
三つ目は、不用品回収業者に依頼する方法です。
いずれの方法でもリサイクル料金と収集運搬料金がかかります。
買い替えにおすすめの最新テレビの特徴
地デジ化された2011年頃にテレビを購入した場合、すでに10年以上が経過しており、性能も大きく進化しています。
現在のテレビは、4Kや8Kの高画質はもちろん、インターネットに接続して動画配信サービスを楽しめる機能が標準搭載されています。
また、バックライトもLEDが主流となり、従来の蛍光管タイプに比べて寿命が長く、消費電力も少なくなっています。
まとめ:テレビがチカチカする時の直し方完全ガイド
- テレビのチカチカはまず電源リセットで対処する
- 配線やB-CASカードの接続確認も有効な直し方である
- 画面のチカチカはバックライトの寿命が主な原因である
- 省エネモードなどテレビの設定が原因の場合もある
- 購入から8年以上経過している場合は買い替えを検討する
- メーカーは部品を生産終了後約8年間保有する
- バックライト交換は高額な修理費用がかかる
- パナソニックやソニーなどメーカー別のリセット方法も存在する
- テレビの寿命を延ばすには掃除や設置場所が重要である
- 古いテレビは家電リサイクル法に基づき正しく処分する