Surface Pro Copilot+ PCレビュー解説!AI機能や性能、注意点まで

Microsoftが提唱する新しいAIパソコンの形、「Copilot+ PC」。

その代表格として登場したのが「Surface Pro Copilot+ PC」です。

タブレットの軽快さとノートPCの性能を両立させ、さらに強力なAI機能を搭載したことで、大きな注目を集めています。

しかし、その実力や使い勝手、特にArm版Windowsという新しいプラットフォームへの不安など、購入前には気になる点も多いのではないでしょうか。

この記事では、Surface Pro Copilot+ PCのスペックや特徴、各種ベンチマーク結果から、実際の評判や購入前の注意点まで、あらゆる角度から徹底的にレビュー解説します。

未来のスタンダードとなりうるこの一台が、本当にあなたに最適な選択なのか、じっくりと見極めていきましょう。

目次

Surface Pro Copilot+ PCをレビュー解説!特徴と性能

Surface Pro Copilot+ PCの主な特徴

Surface Pro Copilot+ PCは、従来の2in1 PCの概念をさらに進化させた、多くの特徴を持つデバイスです。

その最大の特徴は、Microsoftが提唱する「Copilot+ PC」規格に準拠している点にあります。

これにより、クラウド上だけでなくデバイス上で高速なAI処理が可能となり、これまでにない新しい体験を提供します。

また、ハードウェア面では、タブレットとしての利便性を極限まで高めた設計が魅力です。

キーボードと画面が分離するデタッチャブルタイプであり、本体重量は約895gと非常に軽量。

背面には無段階で角度調整が可能なキックスタンドを内蔵しており、別途スタンドを用意することなく、動画視聴やペン入力に最適な角度で自立させることができます。

プロセッサーには、ArmアーキテクチャをベースとしたQualcomm社の「Snapdragon Xシリーズ」を採用。

これにより、高い処理性能と優れた電力効率を両立し、長時間のバッテリー駆動を実現しています。

まさに、携帯性、性能、そして未来のAI体験を一台に凝縮した、新時代のデバイスと言えるでしょう。

Surface Pro Copilot+ PCのスペック詳細

Surface Pro Copilot+ PCは、ディスプレイの種類やプロセッサー、メモリ、ストレージ容量によって複数のモデルが用意されています。

自分の用途や予算に合わせて最適な構成を選ぶことが可能です。

以下に、主なスペックを表形式でまとめました。

スペック項目Snapdragon X PlusモデルSnapdragon X Eliteモデル
OSWindows 11 Home (Arm版)Windows 11 Home (Arm版)
CPUSnapdragon X Plus (10コア)Snapdragon X Elite (12コア)
NPUQualcomm Hexagon (45TOPS)Qualcomm Hexagon (45TOPS)
グラフィックスQualcomm AdrenoQualcomm Adreno
メモリ16GB LPDDR5x16GB / 32GB LPDDR5x
ストレージ256GB / 512GB UFS512GB / 1TB Gen4 SSD
ディスプレイ13インチ PixelSense Flow (LCD)13インチ PixelSense Flow (OLED)
解像度2880 x 1920 (267 PPI)2880 x 1920 (267 PPI)
リフレッシュレート最大120Hz最大120Hz
ポートUSB4 (Type-C) x2, Surface ConnectUSB4 (Type-C) x2, Surface Connect
ワイヤレスWi-Fi 7, Bluetooth 5.4Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4
カメラ1440p フロント / 10MP リア1440p フロント / 10MP リア
生体認証Windows Hello 顔認証Windows Hello 顔認証
重量約895g約895g
バッテリー最大14時間 (ローカル動画再生)最大14時間 (ローカル動画再生)

大きな違いは、ディスプレイが液晶(LCD)か有機EL(OLED)か、そしてCPUがSnapdragon X Plusか、より高性能なEliteかという点です。

より鮮やかな映像美と高いパフォーマンスを求めるならOLED・Elite搭載モデル、コストを抑えたいならLCD・Plus搭載モデルが選択肢となるでしょう。

Copilot+ PCとしてのAI機能と使い方

Surface Proが「Copilot+ PC」であることの最大のメリットは、デバイス上で高速に動作する独自のAI機能を利用できる点です。

これは、45TOPS(1秒間に45兆回)という高い処理性能を持つNPU(AI処理専門のプロセッサ)を搭載しているからこそ実現できています。

Copilotキー

まず、キーボードにはAIアシスタントを瞬時に呼び出すための専用「Copilotキー」が搭載されています。

これを押すだけで、検索や質問、文章の要約などをすぐに行うことが可能です。

Cocreator (コクリエイター)

標準のお絵描きソフト「ペイント」に搭載された、画期的な画像生成機能です。

簡単な手書きのイラストと、生成したい画像のイメージを文章(プロンプト)で入力するだけで、AIがハイクオリティな画像をリアルタイムに生成してくれます。

「へのへのもへじ」がアニメキャラクターに生まれ変わるなど、AIとの共同作業で新しい創造性を引き出すことができます。

Recall (リコール)

PC上で行った過去の操作を記憶し、「青い服の人が写っていたプレゼン資料」のように曖昧な言葉で検索できる機能です。

ただし、この機能はプライバシーとセキュリティへの懸念から、当初の予定より提供が遅れており、現在はテスト段階にあります。

その他のAI機能

  • ライブキャプション: 外国語の動画やオンライン会議の音声を、リアルタイムで日本語の字幕に翻訳して表示します。
  • Windows Studio エフェクト: Webカメラの映像に、背景ぼかしや自動フレーミング、目線をカメラに合わせる補正などを適用できます。
  • 自動スーパー解像度: 対応するゲームの解像度をAIが向上させ、より滑らかな映像でプレイできます。

これらのAI機能は、今後のアップデートでさらに強化されていくことが期待されます。

Surface Pro Copilot+ PCのベンチマーク結果

Surface Pro Copilot+ PCの心臓部である「Snapdragon Xシリーズ」が、どの程度の性能を持つのか、各種ベンチマークテストの結果を見ていきましょう。

今回は上位モデルに搭載される「Snapdragon X Elite」を中心に解説します。

CPU性能 (Cinebench / Geekbench)

CPUの純粋な計算能力を測る「CINEBENCH 2024」では、マルチコアスコアが800点前後を記録しています。

これは、IntelのCore Ultra 7 155Hといった最新のノートPC向けCPUを上回る場合もある、非常に高い数値です。

特に、複数のコアを同時に使用するマルチタスク性能に優れていることがわかります。

シングルコア性能においても、最大4.0GHzで動作するブースト機能により、高いスコアを叩き出しています。

総合性能 (PCMark)

文書作成やWeb会議など、実際のオフィスワークを想定したテスト「PCMark 10 Applications」でも良好なスコアを記録しており、ビジネス用途でも快適に動作することが証明されています。

グラフィックス・ゲーム性能 (3DMark / FFベンチ)

ゲーム性能を測る「FINAL FANTASY XIV」ベンチマークでは、フルHDに近い解像度・標準品質の設定で「やや快適」という評価を得ています。

プロセッサー内蔵のグラフィック機能としては高めですが、最新の重い3Dゲームを高画質で快適にプレイするには力不足な面もあります。

また、Arm版Windowsであるため、一部のゲームやベンチマークソフトが正常に動作しない場合がある点にも注意が必要です。

総じて、タブレットのフォームファクターでありながら、多くの最新ノートPCに匹敵、あるいは凌駕するほどの高いパフォーマンスを持っていると言えます。

Surface Pro Copilot+ PCをレビュー解説!購入前の注意点

Surface Pro Copilot+ PCのおすすめな点

Surface Pro Copilot+ PCは、多くの魅力を持つデバイスですが、特に注目すべきおすすめポイントをいくつかご紹介します。

タブレットとPCの完璧な融合

最大の魅力は、タブレットの手軽さとノートPCの生産性を高いレベルで両立している点です。

約895gという軽さで持ち運びが苦にならず、キーボードを外せば完全にタブレットとして使えます。

内蔵キックスタンドにより、どんな場所でも最適な角度で画面を固定できるのも非常に便利です。

圧倒的なディスプレイ品質

上位モデルに搭載される有機EL(OLED)ディスプレイは、息をのむほどの美しさです。

2880×1920という高解像度に加え、黒の表現力に優れたOLEDならではのコントラスト、そして最大120Hzのリフレッシュレートによる滑らかな表示は、動画視聴やクリエイティブ作業の質を格段に向上させます。

長時間駆動と静音性

Snapdragon Xシリーズの優れた電力効率により、公称で最大14時間という長いバッテリー駆動時間を実現しています。

外出先で充電を気にせず使えるのは大きなメリットです。

また、高負荷時でも本体が熱くなりにくく、ファンの稼働音も非常に静かなため、作業に集中できます。

高品質なオンライン会議機能

1440pの高解像度Webカメラと、AIによるノイズ除去機能を持つスタジオマイクを搭載。

Windows Studioエフェクトと組み合わせることで、いつでもどこでもクリアな映像と音声でオンライン会議に参加できます。

Surface Pro Copilot+ PCの評判・口コミ

実際にSurface Pro Copilot+ PCを使用したユーザーやメディアからは、さまざまな評判や口コミが寄せられています。

購入を判断する上で、これらの生の声は非常に参考になります。

ポジティブな評判・口コミ

  • 性能とバッテリーの両立: 「処理速度が速いのに、バッテリーが一日中持つことに驚いた」「Armプロセッサーの性能は想像以上。ファンがほとんど回らず静か」といった、パフォーマンスと省電力性のバランスを評価する声が多数あります。
  • 軽さと使いやすさ: 「とにかく軽くて持ち運びが楽」「キックスタンドが便利で、タブレットとしての完成度が高い」など、ハードウェアの設計を称賛する意見も多いです。
  • ディスプレイの美しさ: 「OLEDディスプレイは本当に綺麗で、動画を見るのが楽しくなった」「画面が明るく、屋外でも見やすい」と、ディスプレイ品質に満足する声が目立ちます。
  • AI機能の将来性: 「Cocreatorは面白い。AIがこれからのPCの中心になることを実感した」など、新しいAI機能への期待感を示す口コミも見られます。

ネガティブな評判・口コミ

  • 価格: 「本体も高いが、キーボードとペンを揃えると非常に高額になる」「コストパフォーマンスが良いとは言えない」という価格に関する指摘が最も多く見られます。
  • アプリの互換性: 「普段使っているソフトが動くか不安」「一部の専門的なソフトやゲームはまだ対応していない」など、Arm版Windowsへの互換性を懸念する声は根強くあります。
  • インターフェイス: 「USB-Cポートが2つだけなのは不便。ハブが必須」と、ポートの少なさを指摘する意見もあります。
  • サポート体制: 「電話サポートがないのは、いざという時に不安」と、サポート体制に物足りなさを感じるユーザーもいるようです。

Surface Pro Copilot+ PCの注意点と互換性

Surface Pro Copilot+ PCの購入を検討する上で、最も重要かつ注意すべきなのが「Arm版Windowsの互換性」です。

従来のWindows PC(x86/x64アーキテクチャ)とは根本的に設計が異なるため、すべてのソフトウェアがこれまで通りに動くわけではありません。

アプリケーションの互換性

Arm版Windows 11には「Prism」と呼ばれるエミュレーション機能が搭載されており、多くの従来のWindowsアプリ(x86/x64)を動作させることができます。

しかし、このエミュレーションは完璧ではなく、一部のアプリケーションではパフォーマンスが低下したり、正常に動作しなかったりする場合があります。

特に、以下のようなソフトウェアは注意が必要です。

  • ハードウェアに深く関わるソフト: プリンターやスキャナーなどの特殊なドライバー。
  • アンチチート機能を搭載したゲーム: 多くのオンラインゲームは、不正防止プログラムがArm版Windowsに対応していないため起動できません。
  • 一部のセキュリティソフトやVPNソフト。
  • 古いアプリケーションや、開発が終了しているソフトウェア。

一方で、Microsoft Officeや主要なWebブラウザ、その他多くの有名アプリケーションはArmにネイティブ対応しており、これらは非常に快適に動作します。

自分が必ず使いたいソフトウェアがArm版Windowsに対応しているか、事前に開発元の公式サイトなどで確認することが不可欠です。

価格と別売りキーボード・ペンの注意点

Surface Pro Copilot+ PCは、本体だけでも高価ですが、その真価を発揮するためには別売りのキーボードやペンがほぼ必須となります。

この点が、総額を押し上げる大きな要因となっています。

本体価格

最も安価な構成(LCD/Snapdragon X Plus/16GB/256GB)でも、メーカー公式価格で20万円を超えます。

上位のOLED/Snapdragon X Elite搭載モデルとなると、30万円近く、あるいはそれ以上になります。

別売りのアクセサリ

  • Surface Pro Flexキーボード: 本体から取り外した状態でもBluetoothでワイヤレス接続できる新しいキーボードです。ペン付きのモデルは約8万円、ペンなしでも約6万円と非常に高価です。
  • Surface Pro キーボード: 従来型の、本体に装着した状態でのみ使用できるキーボード。それでもペン付きで約4.5万円、ペンなしで約2.4万円します。
  • Surface スリムペン: 単体で購入すると約2.3万円です。

このように、ノートPCとして快適に使うためにキーボードとペンを揃えると、合計金額は最低でも25万円以上、上位構成では40万円近くになる可能性もあります。

この価格を許容できるかどうかが、購入の大きな分かれ目となるでしょう。

単に高性能なノートPCが欲しいだけであれば、同価格帯でよりパワフルなゲーミングノートPCなども選択肢に入ってきます。

Surface Pro Copilot+ PCが持つ「タブレットとしての利便性」や「AI機能」にどれだけ価値を見出せるかが、判断の鍵となります。

まとめ:Surface Pro Copilot+ PCのレビュー解説

  • Surface Pro Copilot+ PCはAI処理に特化した新世代の2in1 PCである
  • CPUにArmベースのSnapdragon Xシリーズを搭載し、高性能と省電力を両立している
  • 約895gと軽量で、キックスタンドによりタブレットとしての使い勝手が非常に良い
  • 上位モデルの有機ELディスプレイは高解像度・高リフレッシュレートで極めて美しい
  • Cocreatorやライブキャプションなど、デバイス上で高速に動作するAI機能が利用可能である
  • ベンチマークでは多くの最新ノートPCに匹敵する高いパフォーマンスを示した
  • バッテリー持ちが良く、高負荷時でも発熱やファン音が静かである
  • 最大の注意点はArm版Windowsのアプリ互換性であり、事前の確認が必須である
  • キーボードとペンは別売りで、すべて揃えると総額がかなり高価になる
  • 価格と互換性の課題を許容できれば、未来を先取りできる非常に魅力的なデバイスである
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