Surface Go 4を徹底レビュー解説!スペックや注意点も紹介

2023年9月に登場したMicrosoftの「Surface Go 4」。

10.5インチという絶妙なサイズ感と、Surfaceシリーズならではの洗練されたデザインで、モバイルPCを探している方にとっては非常に気になる存在ではないでしょうか。

しかし、このSurface Go 4は「法人向け」とされており、一般販売の状況やその真の実力については、情報が少ないのが現状です。

「前モデルのGo 3からどれくらい性能が上がったの?」「ベンチマークのスコアは?」「実際に使ってみた人の評判や口コミが知りたい」といった疑問をお持ちの方も多いはずです。

この記事では、そんなSurface Go 4のスペックや特徴を徹底的にレビュー解説します。

購入前に知っておきたい注意点やデメリット、そして一時受注停止になった背景まで、あらゆる角度からその実態に迫ります。

目次

Surface Go 4の性能をレビュー解説

Surface Go 4の法人向けモデルとしての特徴

Surface Go 4は、個人向けではなく「法人向け」として位置づけられています。

これにはいくつかの明確な理由があります。

最大の特徴は、OSに「Windows 11 Pro」を標準搭載し、ハードウェアレベルでの高いセキュリティを実現する「Secured-core PC」に準拠している点です。

これにより、企業のIT管理者はデバイスをリモートで効率的に管理でき、機密データをより安全に取り扱うことが可能になります。

具体的には、仮想化基盤であるHyper-Vや、ストレージを暗号化するBitLocker、ドメイン参加といった法人利用で必須となる機能に対応しています。

また、IT部門が従業員のデバイス設定をクラウド経由で一括して行える「Windows Autopilot」にも対応しており、大規模な導入(ゼロタッチ展開)をスムーズに行えるよう設計されています。

さらに、NFC(近距離無線通信)が搭載されたことも法人向けならではの特徴です。

ICカードを用いた社員証でのログインや、会員管理システムとの連携など、製造、建設、物流、教育といった様々な現場での活用が想定されています。

このように、Surface Go 4は単なる小型PCではなく、企業のセキュリティポリシーや管理体制に最適化された、まさにビジネスの現場で真価を発揮するデバイスなのです。

Surface Go 4の詳しいスペックと仕様

Surface Go 4の性能を理解するために、まずはその詳細なスペックを見ていきましょう。

前モデルであるSurface Go 3からの変更点を中心に、表形式で比較します。

Surface Go 4 vs Surface Go 3 スペック比較表

仕様Surface Go 4Surface Go 3
OSWindows 11 Pro / Windows 10 ProWindows 11 Home (Sモード)
CPUIntel Processor N200Intel Pentium Gold 6500Y / Core i3-10100Y
メモリ8GB (LPDDR5)4GB / 8GB (LPDDR3)
ストレージ64GB / 128GB / 256GB (UFS)64GB (eMMC) / 128GB (SSD)
ディスプレイ10.5インチ PixelSense (1920×1280)10.5インチ PixelSense (1920×1280)
サイズ245 x 175 x 8.3 mm245 x 175 x 8.3 mm
重量521g544g (Wi-Fiモデル)
バッテリー最大12.5時間最大11時間 (Wi-Fiモデル)
カメラ前面:1080p / 背面:8MP 1080p前面:5MP / 背面:8MP
セキュリティWindows Hello顔認証, Secured-core PCWindows Hello顔認証
通信Wi-Fi 6, Bluetooth 5.1, NFCWi-Fi 6, Bluetooth 5.0
外部端子USB-C 3.1, 3.5mmヘッドホン, Surface Connect, microSDXCUSB-C 3.0, 3.5mmヘッドホン, Surface Connect, microSDXC

最大の進化点は、CPUが「Intel Processor N200」に変更されたことです。

これにより、前モデル比で最大80%のパフォーマンス向上が謳われています。

また、メモリもより高速な「LPDDR5」規格となり、バッテリー駆動時間も約1.5時間延びています。

一方で、注意すべきはストレージです。

Surface Go 3の上位モデルでは高速な「SSD」が採用されていましたが、Surface Go 4ではすべてのモデルで「UFS (Universal Flash Storage)」に変更されました。

これは、スマートフォンのようなモバイルデバイスで広く使われている規格ですが、一般的にSSDほどの読み書き速度は出ません。

この変更が、実際の使用感にどう影響するのかが重要なポイントとなります。

Surface Go 4のベンチマークスコアを比較

スペック表だけでは分からない実際の性能を、各種ベンチマークソフトの結果から客観的に見ていきましょう。

複数のレビューサイトで計測されたスコアを総合すると、Surface Go 4の性能特性が明らかになります。

CPU性能

CPUの性能を測る「Geekbench 6」や「PassMark」のスコアでは、Surface Go 4に搭載されたIntel N200が、Surface Go 3のPentium Gold 6500YやCore i3-10100Yを大幅に上回る結果を示しています。

特にマルチコア性能では2倍近いスコアを記録するケースもあり、CPUの進化は本物と言えます。

これにより、WebブラウジングやOfficeソフトの操作、ビデオ会議といった日常的なタスクは、Go 3で感じられた「もっさり感」がかなり解消され、快適に行えるようになっています。

ストレージ性能

問題はストレージ性能です。

「CrystalDiskMark」による読み書き速度のテストでは、Surface Go 4のUFSドライブが、Surface Go 3のSSDモデルのスコアを大きく下回る結果となっています。

レビューによっては、読み込み・書き込み共に4割程度のパフォーマンス低下が見られたとの報告もあります。

これは、Windows Updateや大容量のファイルコピー、複数のアプリケーションを同時に動かすといった、ストレージへのアクセスが集中する場面でボトルネックとなる可能性があります。

特に、物理メモリが8GBと限られているため、メモリが不足した際にストレージを仮想メモリとして利用する(ページファイル)場面では、この速度低下が体感的なレスポンスの悪化に繋がることも考えられます。

総合的な評価

総合的に見ると、Surface Go 4は「CPU性能は大きく向上したが、ストレージ性能は低下した」という、一長一短の性能を持つデバイスです。

日常的な軽作業の快適性は向上しましたが、ヘビーなマルチタスクには向かないという、キャラクターがより明確になったと言えるでしょう。

Surface Go 4のおすすめな点とメリット

性能に一長一短はあるものの、Surface Go 4にはそれを補って余りある独自の魅力とメリットが存在します。

圧倒的な携帯性

まず挙げられるのが、約521gという軽さと10.5インチのコンパクトな筐体です。

このサイズ感でありながら、フル機能のWindows 11 Proが動作する点は最大の魅力です。

カバンに気軽に入れて持ち運べ、どこでもすぐに作業環境を構築できます。

高品質なディスプレイとキーボード

ディスプレイは、高精細な1920×1280解像度の「PixelSenseディスプレイ」を搭載。

アスペクト比が3:2であるため、一般的な16:9のディスプレイに比べて縦方向の表示領域が広く、Webサイトの閲覧や文書作成がしやすいという利点があります。

また、別売りの「タイプカバー」は、このサイズのキーボードとしては非常に打鍵感が良いと評判で、長文入力も快適に行えます。

堅牢で美しいデザイン

Surfaceシリーズ共通のマグネシウム合金製の筐体は、高級感がありながら堅牢性も高く、安心して持ち運ぶことができます。

無段階で角度調整が可能なキックスタンドは、ペン入力や動画視聴など、あらゆる場面で最適な角度を提供してくれます。

AI時代への対応

Microsoftが強力に推進しているAIアシスタント「Copilot」の活用も、Surface Go 4の価値を高める要素です。

ローカルでの処理能力に依存しないクラウドベースのAI機能を活用すれば、非力なマシンでも高度な作業が可能になります。

最小限の入力で文書や資料の草案を作成したり、データ分析を行ったりと、これからの働き方を先取りできるデバイスと言えるかもしれません。

Surface Go 4購入前の注意点をレビュー解説

Surface Go 4の注意点とデメリット

多くのメリットがある一方で、Surface Go 4には購入前に必ず知っておくべき注意点やデメリットも存在します。

スペックに対して割高な価格

最大のデメリットは、その価格設定です。

最も安価な64GBモデルでも10万円近く、ストレージやタイプカバーを追加していくと15万円を超えることもあります。

同等のCPUを搭載した他社製のノートPCが5~7万円程度で購入できることを考えると、かなり割高に感じられるでしょう。

この価格には、高品質な筐体やディスプレイ、法人向けのセキュリティ機能などの付加価値が含まれていますが、純粋なコストパフォーマンスを求めるユーザーには向いていません。

ストレージ速度と容量

前述の通り、ストレージにSSDではなくUFSを採用しているため、読み書き速度が遅い点は大きな懸念材料です。

特に、多くのアプリケーションをインストールしたり、大容量のデータを扱ったりするユーザーは、動作が遅くなる場面に遭遇する可能性があります。

また、ストレージは換装不可能なため、購入時に将来的な利用方法を見越した容量を選択する必要があります。

ペン入力の遅延

Surfaceペンに対応しているものの、描画の追従性には遅延があるとの指摘が多く見られます。

会議のメモを取ったり、PDFに簡単な注釈を入れたりする程度であれば問題ありませんが、イラスト制作のような精密で高速なペン操作を求める用途には不向きです。

ペン性能を重視する場合は、iPadや他の高性能な2-in-1デバイスを検討する方が良いでしょう。

高負荷時の発熱

Intel N200は省電力なCPUですが、高負荷な作業を続けると筐体がかなり熱を持つ、いわゆる「灼熱筐体」になるとの報告があります。

ただし、Surface Go 4はタブレット本体の背面にメインボードが配置されているため、タイプカバーを装着して膝の上で使うような場面では、熱が直接伝わりにくいという構造上のメリットもあります。

Surface Go 4の評判・口コミまとめ

実際にSurface Go 4を購入したユーザーからの評判や口コミをまとめると、このデバイスの評価がより明確になります。

良い評判・口コミ

  • 「とにかく軽くて小さい。このサイズでWindowsがフルで使えるのは唯一無二」
  • 「N200になって、Go 3までのモッサリ感が嘘のように消えた。ブラウジングやOfficeなら全くストレスがない」
  • 「タイプカバーのキーボードが秀逸。このサイズでこれだけ打てれば十分」
  • 「画面が綺麗で、3:2のアスペクト比が作業しやすい」
  • 「Windows Helloの顔認証が速くなって快適になった」

悪い評判・口コミ

  • 「値段が高すぎる。このスペックなら半額でもいいくらい」
  • 「セットアップにすごく時間がかかった。ストレージが遅いのは本当だった」
  • 「複数のアプリを立ち上げると途端に重くなる」
  • 「ペンは期待外れ。おまけ程度に考えた方がいい」
  • 「動画のエンコードなど重い作業をすると、背面が触れないくらい熱くなる」

これらの評判から、Surface Go 4は「軽作業をメインとするモバイル用途に特化した、ニッチな需要を満たすデバイス」であると言えます。

多くの人におすすめできる万能機ではありませんが、その特性を理解し、用途が合致するユーザーにとっては、他に代えがたい最高の相棒となり得るのです。

Surface Go 4の一般販売と購入方法

Surface Go 4は法人向けモデルですが、個人でも購入することは可能です。

主な購入ルートは以下の通りです。

  • Microsoft Store(公式オンラインストア):
    法人向けページから、個人事業主や個人として購入が可能です。Office Home & Businessが付属するモデルなどが選択できます。
  • Amazon.co.jp:
    Microsoftの公式出品や、他の販売業者から購入できます。Officeが付属しないモデルも選択できる場合があり、価格を抑えたい場合に有力な選択肢となります。
  • 認定リセラー:
    ビックカメラやヨドバシカメラなどの一部の家電量販店でも、法人向けカウンターなどを通じて取り寄せや購入が可能な場合があります。

ただし、法人向けという位置づけのため、個人ユーザー向けのレビューや情報が少なく、トラブルシューティングなどで苦労する可能性がある点は念頭に置いておく必要があります。

また、購入チャネルによって付属するソフトウェア(Officeの有無など)や保証内容が異なる場合があるため、購入前によく確認することが重要です。

Surface Go 4が受注停止になった理由

Surface Go 4は、発売後の2024年1月から3月にかけて、一時的に受注が停止されるという事態が発生しました。

これについて、立教大学の購買部などを運営するセントポールプラザは、「日本を含めた全世界でSurface Go 4全モデルのデバイス需要が高くなった関係により、入荷が難しい状況となり、受注を停止させていただくこととなりました」と公式に発表しています。

このことから、法人向けというニッチな市場を狙った製品でありながら、その需要はメーカーの予測を上回るものだったことがうかがえます。

特に、リモートワークや現場でのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れの中で、高いセキュリティと携帯性を両立したSurface Go 4のようなデバイスへのニーズが高まっていたと考えられます。

現在は供給状況が改善され、再び購入が可能になっていますが、この受注停止の事実は、Surface Go 4が特定の市場において非常に魅力的な製品であることを裏付ける出来事と言えるでしょう。

まとめ:Surface Go 4のレビュー解説と購入ガイド

  • Surface Go 4はセキュリティを強化した法人向け2-in-1デバイスである
  • CPU性能は前モデルから大幅に向上し、日常的な作業は快適になった
  • ストレージはSSDからUFSに変更され、読み書き速度は低下している
  • 最大のメリットは521gという軽さとフル機能のWindowsが使える携帯性である
  • タイプカバーの打鍵感やディスプレイの品質は高く評価されている
  • スペックに対して価格が割高であることが最大のデメリットである
  • ペン入力には遅延があり、本格的な描画用途には向かない
  • 高負荷時には本体が発熱するが、構造上、膝上での使用では問題になりにくい
  • 特定のニーズを持つユーザーにとっては唯一無二の選択肢となり得るニッチな製品である
  • 一時受注停止になるほど法人市場での需要が高かった実績がある
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