ASUSから登場したポータブルゲーミングPC「ROG Ally」。
高い性能とWindows搭載という魅力から大きな話題を呼びましたが、一方で「やめとけ」「買って後悔した」という声も少なくありません。
この記事では、なぜROG Allyが「やめとけ」と言われるのか、その具体的な理由を徹底的に深掘りします。
さらに、グラフィック性能の比較や、それでもROG Allyを選ぶべきメリット、後継機の情報まで、購入を検討しているあなたのあらゆる疑問に答えます。
なぜROG Allyは「やめとけ」と言われるのか?5つの致命的な理由
ROG Allyが「やめとけ」と評価される背景には、主に5つの致命的ともいえる理由が存在します。
購入後に後悔しないためにも、まずはこれらのデメリットを正確に理解しておくことが重要です。
理由1:バッテリー持ちが悪すぎて外出先で遊べない
ROG Allyが「やめとけ」と言われる最大の理由は、そのバッテリー持続時間の短さです。
高性能なCPUを搭載している分、電力消費が激しく、最新のAAAタイトルなどをプレイすると1〜2時間程度でバッテリーが切れてしまうという報告が多数あります。
せっかくのポータブル機でありながら、電源のない場所で長時間遊ぶのは困難です。
モバイルバッテリーは必須アイテムと言えるでしょう。
理由2:爆音ファンと本体の発熱問題
高性能なゲームをプレイすると、本体はかなりの熱を持ちます。
それを冷却するためにデュアルファンが高速で回転しますが、このファンの音が「うるさい」と感じるユーザーは少なくありません。
特に静かな環境では、ゲームへの没入感を妨げる可能性があります。
また、排気口付近はかなりの高温になるため、持ち方にも注意が必要です。
ただし、後のBIOSアップデートでファンの回転数は調整され、初期に比べて静かになったという意見もあります。
理由3:microSDが壊れる?不安定なソフトウェアとバグ
発売初期に特に問題視されたのが、microSDカードスロットの熱問題です。
高負荷時にスロットが高温になり、挿入しているmicroSDカードが物理的に故障するという報告が相次ぎました。
ASUS側もこの問題を認識しており、ファン設定のアップデートなどで対応していますが、根本的な解決には至っていないという見方もあります。
また、専用ソフト「Armoury Crate」の動作が不安定であったり、アップデートによって予期せぬバグが発生することもあり、ソフトウェア面の不安定さも指摘されています。
理由4:初心者には難しい?複雑すぎる設定項目
ROG AllyはWindows 11を搭載した「パソコン」です。
そのため、ゲーム機のように買ってすぐに最適な環境で遊べるわけではありません。
TDP(電力設定)、VRAMの割り当て、ファンの回転数など、パフォーマンスを最大限に引き出すにはユーザー自身による細かい設定が必要です。
これらの設定はPC知識がある人にとってはカスタマイズの楽しみになりますが、PC初心者にとっては非常に複雑で、大きなハードルとなる可能性があります。
理由5:USB-Cは1つだけ?不便なインターフェース
初代ROG Allyに搭載されているUSB-Cポートは1つだけです。
このポートは充電、映像出力、データ転送を兼ねているため、充電しながら他の周辺機器(コントローラーやマウスなど)を有線で接続することができません。
この拡張性の低さは大きなデメリットであり、快適に使用するには別途USBハブやドッキングステーションの購入がほぼ必須となります。
ROG Allyのグラフィック性能は?PS5やSteam Deckと徹底比較
「やめとけ」と言われる一方で、ROG Allyの性能、特にグラフィック性能は高く評価されています。
ここでは、その実力を他のデバイスと比較しながら詳しく見ていきましょう。
スペック上のGPU性能はGTX1650以下?TFlopsの罠
ROG Ally(Z1 Extremeモデル)のGPU性能は最大8.6TFlopsと公表されており、これはPS5(10.28TFlops)に迫る数値です。
しかし、このTFlopsという指標だけで実際のゲーム性能を判断することはできません。
なぜなら、ゲーム性能はメモリの速度(帯域幅)にも大きく影響されるからです。
ROG Allyのメモリ帯域幅は、専用のグラフィックメモリ(GDDR6)を搭載するPS5に比べて大幅に劣ります。
そのため、実際のグラフィック性能はNVIDIAのグラフィックボードで言うと「GTX1650」と同等か、それ以下というのが多くのレビューでの見解です。
実際のゲーム性能は?人気タイトルは快適に遊べるのか
スペック上の数値はさておき、実際のゲームはどの程度快適にプレイできるのでしょうか。
結論から言うと、多くの人気タイトルは設定次第で快適に遊ぶことが可能です。
ゲームタイトル | 推奨設定 | フレームレート目安 |
---|---|---|
Apex Legends | 自動設定(中~高) | 60~75fps |
Fortnite | パフォーマンスモード | 100fps前後 |
Cyberpunk 2077 | 自動設定(中) | 50~70fps |
原神 | 最高設定 | 60fps |
ホグワーツ・レガシー | 低~中設定 | 30~50fps |
このように、多くのゲームでフルHD解像度・60fps前後でのプレイが可能です。
ただし、ホグワーツ・レガシーのような非常に重い最新AAAタイトルでは、画質設定をかなり下げる必要があります。
Steam Deckとの性能差はどれくらい?
ライバル機であるSteam Deckと比較すると、CPU・GPUの純粋な性能ではROG Allyが上回っています。
しかし、Steam Deckはゲームに特化した「SteamOS」によって最適化されており、少ない設定で安定した動作が期待できます。
一方、ROG AllyはWindowsの汎用性がある反面、ゲームごとの最適化はユーザーに委ねられます。
「とにかく性能重視で、自分で設定をいじりたい」ならROG Ally、「コスパと手軽さ、安定性」を求めるならSteam Deck、という棲み分けになるでしょう。
カクつく時の対処法は?FSRとRSRでフレームレートを向上させる
ゲームがカクつく、フレームレートが安定しないという場合は、AMDのアップスケーリング技術を活用するのが有効です。
ゲーム側が対応していれば「FSR(FidelityFX Super Resolution)」を、対応していなければドライバレベルで機能する「RSR(Radeon Super Resolution)」をオンにしましょう。
これらの機能は、内部的には低い解像度でゲームを動かし、それをAI技術で高解像度に引き伸ばして表示することで、画質の低下を最小限に抑えながらフレームレートを大幅に向上させることができます。
コマンドセンターから簡単にオン・オフを切り替えられるので、パフォーマンスに不満がある場合はぜひ試してみてください。
それでもROG Allyを選ぶべき5つのメリット
多くのデメリットがある一方で、ROG Allyにはそれを補って余りある強力なメリットも存在します。
ここでは、ROG Allyならではの魅力を5つご紹介します。
メリット1:Windows搭載でPCゲームも仕事もこれ1台
最大のメリットは、完全なWindows 11が動作することです。
これにより、Steamだけでなく、Epic GamesやXbox Game Passなど、あらゆるプラットフォームのPCゲームを遊ぶことができます。
さらに、ゲーム以外の通常のPCとしても使用できるため、外出先での資料作成やブラウジングなど、仕事や普段使いにも活用できる高い汎用性を持っています。
メリット2:Ryzen Z1 Extremeの圧倒的なCPU性能
GPU性能に注目が集まりがちですが、搭載されている「Ryzen Z1 Extreme」プロセッサーはCPU性能も非常に優秀です。
8コア16スレッドという構成は、多くのゲーミングノートPCに匹敵します。
これにより、ゲームプレイはもちろん、複数のアプリケーションを同時に動かすようなマルチタスクも快適にこなすことが可能です。
メリット3:120Hz対応の美麗なフルHDディスプレイ
7インチのディスプレイは、1920×1080のフルHD解像度に対応しています。
さらに、120Hzの高リフレッシュレートに対応しているため、非常に滑らかな映像でゲームを楽しむことができます。
輝度も最大500ニトと明るく、屋外での視認性も良好です。
タッチパネルの感度も良く、直感的な操作が可能です。
メリット4:優秀な独自ソフト「コマンドセンター」の存在
ASUS独自の管理ソフト「Armoury Crate」と、そこから呼び出せる「コマンドセンター」は非常に優秀です。
ゲーム中でもボタン一つでパフォーマンスモードの切り替え、リアルタイムモニターの表示、スクリーンショットの撮影などが簡単に行えます。
複雑な設定を手軽に変更できるこの機能は、ROG Allyの使い勝手を大きく向上させています。
メリット5:家電量販店で買える安心感と入手のしやすさ
Steam Deckやその他の中華系ポータブルゲーミングPCが、主にオンラインでの直接購入に限られるのに対し、ROG Allyは全国の家電量販店や大手ECサイトで気軽に購入できます。
実際に実機を触ってから購入を決められたり、店舗独自の保証やサポートを受けられたりする点は、大きな安心材料と言えるでしょう。
購入後に後悔しないためのチェックリスト
ROG Allyの購入を決めた場合でも、その性能を最大限に活かし、快適に使い続けるためにはいくつかのポイントがあります。
購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためのチェックリストです。
必須アクセサリーは?ケースやドックは必要か
ROG Allyを快適に使うためには、いくつかのアクセサリーを揃えることをお勧めします。
まず、本体を保護するための「キャリングケース」と「画面保護フィルム」は必須です。
また、前述の通りUSB-Cポートが1つしかないため、複数の周辺機器を接続したり、大画面モニターに出力したりするためには「ドッキングステーション」または「USBハブ」がほぼ必須となります。
バッテリー問題を解消するため、65W以上の出力に対応した「モバイルバッテリー」もあると安心です。
最初にやるべき初期設定とファン設定
購入後、最初に行うべきは各種アップデートです。
Windows Update、MyASUS、Armoury Crateの3つをすべて最新の状態にすることで、多くの初期バグが解消され、動作が安定します。
また、発熱やファン音が気になる場合は、Armoury Crateの「手動モード」でファン設定をカスタマイズすることをおすすめします。
早めにファンの回転数を上げる設定にすることで、内部パーツの温度上昇を抑え、特にmicroSDカードスロットの熱問題を軽減する効果が期待できます。
VRAMの割り当て変更でパフォーマンスは向上する?
ROG Allyは、メインメモリの一部をグラフィック用のVRAMとして使用します。
この割り当て量は、Armoury Crateの設定から変更可能です(デフォルトは4GB)。
VRAMを大量に消費するゲームでカクつきが発生する場合、この割り当てを6GBや8GBに増やすことでパフォーマンスが改善することがあります。
ただし、VRAMを増やすとシステム側で使えるメモリが減るため、プレイするゲームに合わせて最適なバランスを見つけることが重要です。
中古で買うのはアリ?注意点と確認ポイント
中古品は価格が魅力ですが、いくつか注意点があります。
最も重要なのはバッテリーの消耗具合です。
ポータブル機であるため、バッテリーの劣化は致命的です。
また、microSDカードスロットが正常に動作するかどうかも確認したいポイントです。
個人売買の場合は保証が切れていることがほとんどなので、フリマアプリなどで購入する際は、出品者の評価をよく確認し、リスクを理解した上で検討しましょう。
ROG Allyの後継機は出る?将来性と今買うべきか
テクノロジーの進化が速いゲーミングデバイスにおいて、後継機の存在は常に気になるところです。
ROG Allyの将来性と、今購入するべきかについて考察します。
バッテリーとメモリが強化された「ROG Ally X」が登場
2024年には、初代ROG Allyの弱点を大幅に改善した上位モデル「ROG Ally X」が登場しました。
最大の変化はバッテリー容量が40Whから80Whへと倍増した点です。
さらに、メモリは24GBに増量、SSDも1TBとなり、USB-Cポートも2つに増設されるなど、ユーザーの不満点に的確に応えた「完全版」ともいえるモデルになっています。
次世代機「ROG Ally 2」の噂と期待されるスペック
さらなる後継機として「ROG Ally 2」の噂も出始めています。
次世代のAPU「Ryzen Z2 Extreme」を搭載し、パフォーマンスがさらに向上するのではないかと期待されています。
また、ディスプレイがOLED(有機EL)になる可能性や、操作性のさらなる改善も望まれています。
正式な発表はまだですが、2025年以降の登場が予測されています。
今、旧モデルのROG Allyを買うのはアリか?
後継機である「ROG Ally X」が登場した今、あえて旧モデルのROG Allyを選ぶ選択肢はあるのでしょうか。
最大のメリットは価格です。
新品・中古ともに価格が下がってきており、コストパフォーマンスは向上しています。
バッテリーの持ちやUSB-Cポートが1つである点に目をつぶれるのであれば、今でも十分強力なポータブルゲーミングPCとして活躍します。
「主に家で、電源に繋いで使う」「ドッキングステーションの利用が前提」といった使い方であれば、お買い得な選択肢と言えるかもしれません。
まとめ:ROG Allyは「やめとけ」は本当?買うべき人・やめるべき人
- バッテリー持ちの悪さが最大のデメリットである
- 発熱とファンの音はBIOSアップデートで改善傾向にある
- microSDカードスロットの熱問題には注意が必要
- Windows搭載による自由度の高さが最大のメリット
- グラフィック性能は設定次第で多くのAAAタイトルをプレイ可能
- Steam Deckと比較すると性能は高いが設定が複雑
- コマンドセンターによる手軽な設定変更は非常に便利
- 後継機「ROG Ally X」では弱点の多くが改善されている
- PC知識があり設定を楽しめる上級者向けのデバイス
- 手軽さを求めるなら他の選択肢を検討すべき