NOVA3D FastCure2 SEをレビュー解説!特徴と価格を網羅

光造形3Dプリンターで精巧なモデルを作成した後、その性能を最大限に引き出すために不可欠なのが「二次硬化」の工程です。

この後処理の質が、造形物の強度や耐久性、最終的な仕上がりを大きく左右します。

市場には多くの二次硬化機が存在しますが、その中でも「NOVA3D FastCure2 SE」は、その性能と使いやすさから注目を集めているモデルの一つです。

この記事では、大型モデルにも対応できる二次硬化機を探している方や、NOVA3D FastCure2 SEの具体的な特徴、スペック、そして実際の評判や価格について詳しく知りたいと考えている方に向けて、網羅的なレビュー解説をお届けします。

購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

NOVA3D FastCure2 SEレビュー解説【特徴とスペック】

NOVA3D FastCure2 SEの主な特徴

NOVA3D FastCure2 SEは、光造形3Dプリンターで出力したモデルの後処理を、プロレベルの品質で効率的に行うために設計された二次硬化機です。

この製品が持つ主な特徴は、「高速かつ強力な硬化能力」「広大な硬化スペース」「直感的な操作性」の3点に集約されます。

これらの特徴により、趣味のモデリングから業務での試作品製作まで、幅広いニーズに応えることが可能です。

まず、硬化能力については、内部に搭載された24個の高出力UV-LEDライトと、360度回転するターンテーブルが大きな役割を果たします。

これにより、モデルのあらゆる角度から均一に紫外線を照射し、硬化ムラを防ぎます。

特に、回転しながら帯状の光を当てる革新的な設計は、一点集中の光源で起こりがちな照射漏れや不十分な硬化といった問題を解決し、最短わずか3分という驚異的なスピードで処理を完了させます。

次に、その広大な硬化スペースも特筆すべき点です。

大型の造形物や、複数の小さなモデルを一度に硬化させることができ、作業効率を大幅に向上させます。

そして、これらの高性能を誰でも簡単に扱えるようにするのが、2.8インチのカラータッチパネルです。

タイマー設定や操作が直感的に行えるため、3Dプリンターの初心者であっても迷うことなく使用を開始できるでしょう。

さらに、便利な左開きのドアや、紫外線をカットしつつ内部の様子を確認できる透明な窓、50-60dBという静音設計など、ユーザーの使いやすさを徹底的に追求した設計が随所に見られます。

NOVA3D FastCure2 SEのスペック詳細

NOVA3D FastCure2 SEの性能をより深く理解するために、その詳細なスペックを見ていきましょう。

以下の表に、主要な仕様をまとめました。

これらの数値は、製品を選ぶ上で重要な判断材料となります。

項目スペック詳細
製品名NOVA3D FastCure2 SE
硬化サイズ250(幅) x 200(奥行) x 260(高さ) mm
本体サイズ320(幅) x 250(奥行) x 400(高さ) cm
本体重量10 kg
対応波長365nm – 405nm
UVライト24個の高出力UV-LED
UV出力120 – 300mW/c㎡
操作パネル2.8インチ カラータッチパネル
騒音レベル50 – 60dB
入力電源AC100-240V, 50/60Hz
付属品二次硬化機本体、ターンテーブル、電源ケーブル
その他機能タイマー機能、水中硬化対応、1年間のメーカー保証

このスペックから分かるように、FastCure2 SEは非常に大きな硬化サイズを誇ります。

これは、市場に出回っている多くのコンシューマー向け光造形3Dプリンターの造形サイズを十分にカバーできる大きさであり、分割して出力した大型パーツの硬化にも対応可能です。

また、対応波長が365nmから405nmと幅広いため、市販されているほとんどのUV硬化レジンを使用できる点も大きなメリットと言えるでしょう。

本体重量は10kgと、安定感のあるしっかりとした作りになっています。

その分、設置場所の確保と移動には少し注意が必要ですが、この重量が動作時の安定性にも寄与しています。

付属品はシンプルで、本体とターンテーブル、電源ケーブルのみです。

届いてすぐに使用を開始できる構成となっています。

NOVA3D FastCure2 SEの高速な硬化速度

NOVA3D FastCure2 SEが持つ最大の魅力の一つは、その圧倒的な硬化速度です。

光造形の後処理工程は、洗浄、乾燥、そして二次硬化と続きますが、この二次硬化にかかる時間を劇的に短縮できることは、作業全体の効率化に直結します。

この高速硬化を実現している背景には、2つの重要な技術があります。

一つは、前述の通り、回転可能な帯状の光スポットを利用した照射システムです。

従来の二次硬化機では、単一または複数の固定された光源から光を当てるものが多く、モデルの形状によっては影になる部分ができてしまい、均一な硬化が難しいという課題がありました。

しかしFastCure2 SEは、モデル自体をターンテーブルで回転させつつ、内部のライトも効果的に配置することで、複雑な形状のモデルであっても、隅々までムラなく紫外線を届けることができます。

もう一つの理由は、最大300mW/c㎡という非常に高いUV出力です。

この強力な紫外線がモデルの内部深くまで浸透し、レジンの化学反応を強力に促進します。

これにより、表面だけでなく内部までもしっかりと硬化させることができ、造形物の強度、硬度、寸法精度を大幅に向上させることが可能になるのです。

公式サイトや商品説明では「最短3分」で硬化が完了すると謳われており、これは従来の硬化機が数十分から1時間以上かかることもあったのを考えると、驚異的なスピードです。

もちろん、使用するレジンの種類やモデルのサイズ、求める硬度によって最適な硬化時間は変わってきますが、この基本性能の高さが、後処理の待ち時間を大幅に削減し、次の作業へスムーズに移行できる環境を提供してくれます。

NOVA3D FastCure2 SEの広々とした造形サイズ

NOVA3D FastCure2 SEを語る上で、その広大な硬化サイズは欠かせない要素です。

具体的なサイズは、幅250mm、奥行き200mm、高さ260mmとなっており、これは家庭用からプロ向けの二次硬化機の中でもトップクラスの容量を誇ります。

この大きなサイズがもたらすメリットは計り知れません。

大型モデルの一括硬化

近年、3Dプリンターの大型化が進み、一度に大きなモデルを出力できるようになりました。

例えば、等身大フィギュアのパーツや、工業製品の大型プロトタイプ、建築模型などです。

FastCure2 SEの広大なスペースがあれば、このような大型モデルも分割することなく、一度に硬化させることが可能です。

これにより、パーツの接着工程を省き、より一体感のある美しい仕上がりを実現できます。

複数モデルの同時処理による効率化

小さなアクセサリーやミニチュアフィギュア、交換用パーツなどを多数製作する場合、この大容量は絶大な効果を発揮します。

複数のモデルを一度に庫内に入れて同時に硬化できるため、一つ一つ処理する場合と比較して、作業時間を大幅に短縮することが可能です。

特に、小規模なビジネスや、多くの試作品を短期間で製作する必要がある開発現場などでは、この効率化が生産性の向上に直接つながるでしょう。

対応プリンターの幅広さ

この硬化サイズは、NOVA3D社製のプリンターはもちろんのこと、市場に出回っているほとんどの光造形3Dプリンターの造形物を余裕をもって受け入れることができます。

例えば、大型機として知られるELEGOOのSaturnシリーズやAnycubicのPhoton Mono Xシリーズなどで出力した最大サイズの造形物でも、問題なく硬化させることが可能です。

将来的にプリンターを大型のものに買い替えたとしても、二次硬化機はFastCure2 SEを使い続けられるという安心感は、長期的な視点で見ても大きなメリットと言えるでしょう。

NOVA3D FastCure2 SEレビュー解説【価格と評判】

NOVA3D FastCure2 SEの価格情報

NOVA3D FastCure2 SEの購入を検討する上で、最も気になる要素の一つが価格でしょう。

これだけの高性能と大容量を備えていると、かなり高価なのではないかと考える方も多いかもしれません。

2025年7月現在、NOVA3D FastCure2 SEの価格は、販売チャネルによって若干異なります。

  • Amazon.co.jpでの販売価格:通常、45,999円(税込)前後で販売されています。ただし、Amazonではタイムセールやクーポンが発行されることがあるため、タイミングによってはこれよりも安く購入できる可能性があります。
  • NOVA3D公式サイトでの販売価格:公式サイトでは、セール価格として41,999円(税込)で販売されていることがあります。公式サイトでは定期的にセールが行われるため、購入前には必ずチェックすることをおすすめします。

この価格をどう評価するかですが、同等クラスの大型二次硬化機と比較すると、非常にコストパフォーマンスに優れていると言えます。

例えば、他社の大型洗浄・硬化機の中には、7万円を超える製品も存在します。

もちろん、洗浄機能が一体化しているなどの違いはありますが、純粋な「大型硬化」という機能に絞って考えた場合、FastCure2 SEの価格設定は非常に魅力的です。

趣味で使うには少し高価に感じるかもしれませんが、大型モデルの製作を頻繁に行う方や、複数のモデルを効率的に処理したいと考えている方にとっては、その時間短縮効果や仕上がりの品質向上を考えれば、十分に投資価値のある価格と言えるでしょう。

なお、価格は変動する可能性があるため、購入を検討する際は、必ず最新の情報をAmazonや公式サイトで確認するようにしてください。

NOVA3D FastCure2 SEのおすすめな点

NOVA3D FastCure2 SEには、これまで述べてきた特徴以外にも、ユーザーにとって嬉しい「おすすめな点」が数多く存在します。

ここでは、特に注目すべきポイントをいくつか挙げて解説します。

直感的で使いやすい操作パネル

2.8インチのタッチパネルは、視認性が高く、操作も非常にシンプルです。

硬化時間の設定やスタート・ストップなどを直感的に行えるため、マニュアルを熟読しなくてもすぐに使いこなすことができます。

タイマー機能を使えば、希望の時間で正確に硬化を完了させ、過硬化や硬化不足といった失敗を防げるのも嬉しいポイントです。

安全性と作業環境への配慮

便利な左開きのドアには、PMMA(アクリル)製のフィルタープレートが採用されています。

これにより、内部の硬化の様子を目で確認しながらも、有害な紫外線が外部に漏れるのを防ぎ、安全に作業を進めることができます。

また、動作音が50-60dBに抑えられている点も見逃せません。

これは、静かな事務所や会話程度の騒音レベルであり、家庭内や夜間の作業でも、周囲を気にすることなく使用できる静音性を実現しています。

水中での二次硬化に対応

FastCure2 SEは、水中での二次硬化にも対応しています。

造形物を水の中に入れて硬化させることで、酸素による硬化阻害を防ぎ、より均一で完全な硬化を促進する効果が期待できます。

特に、反りを抑えたい薄いパーツや、表面のべたつきを完全になくしたい場合に有効な手法です。

この柔軟性は、より高品質な仕上がりを追求するユーザーにとって大きなアドバンテージとなるでしょう。

安心のメーカーサポート体制

海外メーカーの製品を購入する際に不安なのがサポート体制ですが、NOVA3Dは1年間のメーカー保証を付けており、日本語での問い合わせにも対応しています。

Amazonのレビューなどを見ると、初期不良や部品の不具合があった際にも、LINEなどを通じて迅速かつ丁寧に対応してもらえたという声が多く見られます。

万が一のトラブル時にも安心して相談できる体制が整っている点は、大きな評価ポイントです。

NOVA3D FastCure2 SEの購入前の注意点

多くのメリットを持つNOVA3D FastCure2 SEですが、購入してから後悔しないために、事前に知っておくべき注意点もいくつか存在します。

ここでは、潜在的なデメリットや考慮すべき点を解説します。

設置スペースと重量の確認

最も注意すべき点は、本体のサイズと重量です。

本体サイズは幅32cm×奥行25cm×高さ40cm、重量は10kgと、決してコンパクトではありません。

購入前には、必ず設置したい場所に十分なスペースがあるか、また、その場所が10kgの重量に耐えられるかを確認する必要があります。

Amazonから届く際の梱包サイズもかなり大きいため、搬入経路や開封場所も想定しておくとスムーズです。

レジンごとの設定値の模索

FastCure2 SEは強力な硬化能力を持っていますが、使用するレジンの種類(メーカー、色、特性など)によって最適な硬化時間は異なります。

特に、他社製のレジンや特殊なレジンを使用する場合、最初はメーカー推奨値を参考にしつつも、何度かテストを行って自身の環境に合った最適な設定値を見つける作業が必要になることがあります。

レビューの中には、「SK本舗のレジンを使う場合、情報が少なくパラメータ検証が必要だった」といった声もありました。

この試行錯誤を楽しめると考えられる方には問題ありませんが、手間をかけたくない方は、まずはNOVA3D純正のレジンから試してみるのが良いでしょう。

細かな機能の有無

ユーザーレビューを参考にすると、いくつかの改善要望も見受けられます。

例えば、「硬化完了を知らせるブザー音がないため、終わったことに気づきにくい」という点です。

FastCure2 SEは非常に静かに動作するため、タイマーを別途セットするなどの工夫が必要になるかもしれません。

また、あくまで「二次硬化」に特化した機械であるため、洗浄機能は搭載されていません。

洗浄から乾燥、硬化までを一台で完結させたい場合は、洗浄機能付きのモデル(例:Anycubic Wash & Cureシリーズなど)を検討する必要があります。

これはデメリットというよりは製品の仕様ですが、3Dプリンター初心者の方は、二次硬化機に洗浄機能が含まれていると誤解しないよう注意が必要です。

NOVA3D FastCure2 SEの評判・口コミを分析

製品の実際の使い勝手を知る上で、購入者による評判や口コミは非常に参考になります。

ここでは、Amazonなどのレビューサイトに寄せられた肯定的な意見と、改善を望む否定的な意見の両方を分析し、ユーザーがどのように評価しているかを見ていきましょう。

肯定的な評判・口コミ

全体として、NOVA3D FastCure2 SEは非常に高い評価を得ています。

特に多く見られた肯定的な意見は以下の通りです。

  • 硬化性能と速度への満足感:「とにかく硬化が速い」「大きなモデルもムラなく綺麗に硬化できる」「後処理の時間が劇的に短縮された」といった、基本性能の高さを評価する声が多数を占めていました。
  • 使いやすさと静音性:「タッチパネルの操作が直感的で簡単」「初心者でもすぐに使えた」という意見に加え、「動作音が非常に静かで、夜でも気兼ねなく使える」「携帯のバイブ音より少し大きいくらい」など、静音性を高く評価する声も目立ちます。
  • 大容量であることの利便性:「大型プリンターの造形物も余裕で入る」「複数の小物を一度に処理できて効率的」など、その広大な硬化スペースをメリットとして挙げるユーザーが多くいました。
  • 手厚いメーカーサポート:「初期不良があったが、LINEで連絡したらすぐに交換部品を送ってくれた」「サポートの対応が迅速かつ丁寧で安心できる」といった、メーカーのサポート体制を称賛するレビューが非常に多く、これが購入の決め手になったという人もいるようです。

否定的な評判・口コミ

一方で、少数ながら改善を望む声や、注意を促す意見も見られました。

  • 本体の重量とサイズ:「想像以上に重くて設置に苦労した」「箱が大きくて驚いた」など、その大きさと重量に関する指摘がありました。これは性能とのトレードオフではありますが、購入前の確認が必須です。
  • 情報の少なさ:「ユーザーが少ないのか、レジンの設定値に関する情報があまり見つからない」という声がありました。特に他社製レジンを使う場合は、自分で設定を検証する必要があるようです。
  • 細かな機能への要望:「硬化終了時のアラーム機能が欲しい」「USBポートが背面にあるのが少し不便」といった、より使い勝手を向上させるための細かな要望が見受けられました。

これらの評判・口コミを総合すると、NOVA3D FastCure2 SEは、その基本性能である「高速・均一な硬化」と「大容量」という点において、多くのユーザーを満足させていることがわかります。

いくつかの注意点や改善要望はあるものの、それを補って余りある性能と、手厚いサポート体制が、高い顧客満足度につながっていると言えるでしょう。

まとめ:NOVA3D FastCure2 SEレビュー解説で分かったこと

  • FastCure2 SEは高速・高出力な二次硬化機である
  • 24個のUVライトと回転テーブルで均一な硬化を実現する
  • 硬化時間は最短3分で、後処理の効率が大幅に向上する
  • 250x200x260mmの広大な硬化サイズで大型モデルに対応可能である
  • 複数のモデルを同時に処理でき、生産性が高い
  • 2.8インチのタッチパネルで直感的な操作が可能である
  • 動作音は50-60dBと非常に静かで、作業環境を選ばない
  • 価格は同等スペックの他社製品と比較して高いコストパフォーマンスを誇る
  • 手厚い日本語サポートと1年保証で安心して使用できる
  • 設置には十分なスペースが必要で、本体重量が10kgある点には注意が必要だ
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