Noble Audio Shogun レビュー解説|55万円の将軍IEM 剛柔併せ持つ武士の音

「ハイエンドIEMの購入を検討しているけれど、55万円という価格に見合う価値があるのか分からない」

「Noble Audio Shogunの実際の音質や使用感が気になる」——そんな悩みを抱えていませんか?

本記事では、Noble Audioが2025年11月に発売した13ドライバー搭載のフラッグシップIEM「Shogun」について、スペック・音質・装着感・競合製品との比較まで徹底的に解説します。

実際のユーザー評価や注意点も包み隠さずお伝えしますので、購入判断の参考にしてください。

目次

Noble Audio Shogunの特徴・概要

サムライ精神を体現した唯一無二のデザインコンセプト

Noble Audio Shogunは、東京の徳川幕府跡地で出会った浮世絵に描かれた将軍の姿から着想を得て開発されたフラッグシップIEMです。

「現代人がサムライの精神を体感できるHi-Fiイヤホン」というコンセプトのもと、デザインから音響設計まで一貫した世界観で作り込まれています。

フェイスプレートには「具足」鎧をベースにした高精度アートスプレー技術が施され、金色の「鬼面」装飾や「目貫」のディテールが細部まで表現されています。

赤と黒のストライプが印象的な3Dプリント樹脂シェルに、黒の金属リングを組み合わせた力強いデザインは、Noble Audio史上最も複雑で印象的な外観と評されています。

付属ケーブルも本体と統一されたデザインで、プラグ部分は日本刀の柄を模しており、実際にサメ皮のような質感が再現されています。

IEM本体からケーブルまで、ここまで徹底的にテーマを貫いた製品は他に類を見ません。

13ドライバー・クアッドブリッド構成が生み出す圧倒的な音場表現

Shogunの最大の特徴は、片側13基のドライバーを搭載した「クアッドブリッド」構成にあります。

ダイナミック、BA(バランスドアーマチュア)、静電、骨伝導という4種類のドライバーを組み合わせることで、各帯域を最適なユニットが担当する設計です。

10mmデュアル磁気回路複合振動板ダイナミックドライバーが超低域を担当し、深さとダイナミクスを両立。

6基のBAドライバーが中〜高域をカバーしてボーカルや楽器の精密な描写を実現します。

4基のSonion製静電ドライバーは超高域を担い、「鍛造された刃」のようなトランジェントとディテールを表現。

そして2基の骨伝導ドライバーが音場の知覚を強化し、サムライの「死角なき視界」を象徴する広大なサウンドステージを生み出します。

この構成により、Shogunは「ホログラフィック」と形容される3次元的な音場表現を実現しています。

楽器の配置が立体的に感じられ、左右だけでなく前後・上下の空間まで明確に描き出す能力は、多くのユーザーから高い評価を得ています。

Noble Audio史上最もバランスの取れたチューニング

Shogunのチューニングは、Noble Audioの「地・水・火・風」の鍛刀哲学に基づいて設計されています。

低域は適度な深さと太鼓のような余韻で威厳を保ちつつ過剰にならないバランス。

中域は声帯の振動に近い密度で、鋭さと茶道のような温かみを両立しています。

高域は刀の輝きのように伸びやかで透明感があり、冷たすぎない絶妙な塩梅に調整されています。

全体的な音質傾向としては、緩やかな「W字型」のサウンドシグネチャーを持ち、極端なピークや谷がないのが特徴です。

同社の他機種と比較すると、Onyxのようなダークで低域重視のL字型でもなく、Roninのような高域が際立つ明るいサウンドでもありません。

まさに「剛柔併せ持つ武士の音」という表現がふさわしい、バランスの取れたチューニングに仕上がっています。

Noble Audio Shogunのスペック・仕様

ドライバー構成と各ユニットの役割

Shogunのドライバー構成は以下の通りです。

ドライバータイプ:ハイブリッド型(クアッドブリッド)

総ドライバー数:片側13基

構成内訳

  • 10mmデュアル磁気回路複合振動板ダイナミックドライバー×1(低域担当)
  • 複合骨伝導ドライバー×2(音場拡大・空間知覚強化)
  • BAドライバー×6(中〜高域担当)
  • Sonion製静電ドライバー×4(超高域担当)

各ドライバーには明確な役割分担があります。

ダイナミックドライバーは複合振動板と特別設計のサスペンションにより「剛柔併せ持つ」低音を実現。

BAドライバーは多管構造による中域イメージング技術でボーカルの繊細なディテールを再現します。

静電ドライバーはBAとの融合で刃の反射のような金属的な輝きを表現し、骨伝導ドライバーは独自の音響空間設計により楽器間の「非粘着性」な機動性を実現しています。

電気特性・駆動条件

インピーダンス:23Ω

感度:110dB SPL/mW

周波数特性:12Hz – 40kHz

形式:密閉型

23Ωというインピーダンスと110dB/mWの感度は、ハイエンドIEMとしては比較的駆動しやすい部類に入ります。

良質なドングルDACやポータブルDAPで十分に鳴らすことが可能です。

ただし、10mmダイナミックドライバーの本領を発揮させるには、パンチのあるクリーンなアンプとの組み合わせが推奨されています。

同社のRonin(17Ω/114dB)と比較するとやや駆動力が必要ですが、Viking Ragnar(17Ω/112dB)よりは感度が高く、実使用では同等かそれ以上に鳴らしやすいという報告が多いです。

付属品・ケーブル仕様

ケーブル仕様

  • タイプ:独自カスタムメイド4芯ケーブル
  • 長さ:約120cm
  • 素材:銅・金・パラジウムメッキシルバー・純銀の複合(4N〜7N純度)
  • 構造:デュアルPVC構造(Litz構造)
  • コネクター:IEM 2pin 0.78mm
  • プラグ:4.4mmバランス(ストレート)

ケーブルはデュアルPVC構造により、マイクロフォニクス(タッチノイズ)がほぼなく、メモリー(癖)も残りにくい設計です。

プラグ部分は日本刀の柄を模したデザインで、本体との統一感が高く評価されています。

付属品

  • シングルフランジシリコンイヤーピース:3ペア(S/M/L)
  • ダブルフランジシリコンイヤーピース:3ペア(S/M/L)
  • フォームイヤーピース:3ペア(S/M/L)
  • クリーニングツール
  • ポーチ
  • キャリングケース(小)
  • キャリングケース(大)レザー仕様

保証期間

  • 本体:1年
  • ケーブル・付属品:90日

価格:550,000円(税込)

日本国内代理店:株式会社アユート(2025年9月より)

Noble Audio Shogunのおすすめポイント

ホログラフィックな3次元サウンドステージ

Shogunの最大の魅力は、その圧倒的なサウンドステージ表現にあります。

「ホログラフィック」と形容される音場は、単に左右に広いだけでなく、前後・上下の空間まで明確に描き出します。

骨伝導ドライバーと静電ドライバーの組み合わせにより、楽器の配置が3次元的に感じられ、まるでコンサートホールの中央で聴いているような没入感を味わえます。

特に静かなアコースティック楽曲では、ギターが左から右へと滑らかに移動する様子や、ボーカルが空間の中央に浮かび上がる感覚を鮮明に体験できます。

イメージングの精度も高く、複雑なオーケストラ楽曲でも各楽器の位置関係が明確に把握できます。

この空間表現能力は、同価格帯の競合製品と比較しても最高峰レベルと評価されています。

長時間でも疲れにくい滑らかな音質

Shogunのチューニングは、極端なピークや谷がない「W字型」のバランスを持ち、長時間リスニングでも聴き疲れしにくい設計になっています。

特に高域は、4基の静電ドライバーにより空気感と精密さを持ちながらも、刺さりや歯擦音がありません。

下側の高域(5-8kHz付近)がやや控えめにチューニングされているため、シンバルやハイハットの金属的な響きが耳に痛くなることがなく、何時間でも快適に音楽を楽しめます。

中域は自然でやや温かみがあり、ボーカルの表現が非常に秀逸です。

声帯の振動に近い密度感があり、歌手の息遣いや感情の機微まで感じ取れる解像度を持ちながら、決して分析的になりすぎない音楽的な表現力を兼ね備えています。

低域もタイトでコントロールが効いており、中域への被りがありません。

深く沈み込むサブベースから、パンチのあるミッドベースまで、力強さを持ちながらも品位を保った低音が楽しめます。

ジャンルを選ばない汎用性の高さ

Shogunはそのバランスの取れたチューニングにより、あらゆる音楽ジャンルに対応できる汎用性を持っています。

EDMやヒップホップでは、骨伝導ドライバーが生み出す聴くだけでなく「感じられる」低音が威力を発揮します。

ロックやメタルでは、ダイナミックレンジの広さとスピード感のあるトランジェントが楽曲の迫力を余すことなく伝えます。

ジャズやクラシックでは、広大なサウンドステージと繊細な空気感が、ライブ演奏の臨場感を再現します。

ポップスやR&Bでは、滑らかなボーカル表現と適度な低域の温かみが心地よいリスニング体験を提供します。

駆動のしやすさも汎用性に貢献しています。

23Ω/110dBという仕様は、良質なドングルDACでも十分に鳴らせるため、外出先でも自宅でも、様々なソース機器と組み合わせて使用できます。

Noble Audio Shogunの注意点・デメリット

派手なデザインは好みが分かれる

Shogunの最も賛否が分かれるポイントは、そのデザインです。

赤×黒×金の大胆な配色と、将軍をモチーフにした精緻なフェイスプレートは、Noble Audio史上最も印象的なデザインと評される一方で、「派手すぎる」「けばけばしい」と感じるユーザーも少なくありません。

IEMは日常的に使用するものであり、控えめなデザインを好む方にとっては、購入の大きなハードルになる可能性があります。

音質面でShogunに魅力を感じていても、デザインが合わないという理由で他機種を選ぶケースも報告されています。

同社のRoninやOnyxは、より落ち着いたデザインで同様に高い音質評価を得ていますので、デザインに不安がある場合はそちらの検討もおすすめします。

高域の控えめさと低音テクスチャーの物足りなさ

Shogunの「聴き疲れしない」チューニングは、裏を返せば「やや暗め」「控えめ」という評価にもつながります。

特に5-8kHz付近の高域が抑えられているため、シンバルやハイハットの存在感が薄く感じられることがあります。

同社のRoninやViking Ragnarと比較すると、高域の輝きや存在感は明らかに控えめです。

キラキラとした高域の煌めきを好むユーザーや、分析的でディテールを重視するリスナーにとっては、物足りなく感じる可能性があります。

また、低域についても、パンチと深さはあるものの、テクスチャー(質感・粒立ち)が価格帯に対してやや物足りないという指摘があります。

同価格帯の競合製品であるEmpire Ears Ravenと比較すると、サブベースの沈み込みや低域の解像度で劣るという評価も見られます。

「空間が音で埋め尽くされているが、そのせいで細部が聞き取りにくい」という意見もあり、リッチすぎる音が好みに合わないユーザーもいます。

大きめの筐体とソース機器との相性

13ドライバーを搭載しているため、Shogunの筐体は必然的に大きくなっています。

同社のRoninと比較しても、シェルサイズはほぼ同等かやや大きめです。

耳の小さい方にとっては、装着感がタイトに感じられる可能性があり、長時間使用での快適性に個人差が出やすい設計です。

また、Shogunはソース機器との相性を比較的選ぶ傾向があります。

パンチのある、クリーンなサウンドのDAPやドングルとの組み合わせで本領を発揮しますが、柔らかい・レイドバックなソースと組み合わせると、ソフトすぎる音になってしまうことがあります。

推奨されるソース機器としては、iBasso DC-Elite、Luxury Precision W2、iBasso DX340、HiBy R8 IIなどが挙げられています。

逆に、R-2Rタイプのウォームなサウンドのソースとは相性があまり良くないという報告もあります。

イヤーチップの選択も音質に大きく影響します。

付属の広口シリコン(青軸)はダイナミックで没入感が高く推奨されていますが、狭口シリコン(グレー)やフォームチップでは控えめな音になるため、購入後の調整が必要になる場合があります。

Noble Audio Shogunの評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

サウンドステージの圧倒的な表現力

Shogunの音場表現は、多くのユーザーから最高峰レベルと評価されています。

「ホログラフィック」「3次元的」「没入感がある」といった表現が頻繁に使われており、特に空間表現にこだわりを持つオーディオファイルから高い支持を得ています。

テスト音源やバイノーラル録音を再生すると、「思わず笑顔になるほどリアル」という感想も見られます。

疲れにくい滑らかな音質

長時間リスニングでも聴き疲れしないチューニングは、日常的にIEMを使用するユーザーから好評です。

「何時間でも聴いていられる」「通勤中に毎日使っても快適」という声が多く、実用性の高さが評価されています。

デザインと所有感

デザインについては賛否両論あるものの、好きな人には「唯一無二」「所有する喜びがある」と非常に高く評価されています。

フェイスプレートの精緻な作り込みや、ケーブルまで統一されたコンセプトは、Noble Audioのクラフトマンシップを感じさせるものとして支持されています。

付属品の充実度

55万円という価格に見合う豪華な付属品も好評です。

特にレザー仕様のキャリングケースや、高品質な専用ケーブルは、フラッグシップモデルとしての格を感じさせると評価されています。

駆動のしやすさ

23Ω/110dBという仕様により、高価なハイエンドDAPがなくても良質なドングルDACで十分に駆動できる点が、コストパフォーマンスの観点から評価されています。

購入前に確認すべき注意点

デザインの派手さ

「フェイスプレートのデザインがかなりイヤ」「派手すぎて使う場所を選ぶ」という意見は一定数存在します。

高額な買い物だけに、デザインが合わないと後悔する可能性があるため、可能であれば実機を確認してから購入することが推奨されています。

音質の好み

「非常にリッチなサウンドだが、空間が音で埋め尽くされていて細部が聞き取りにくい」「いい音だとは思うが、全く好みのサウンドではない」という評価も見られます。

特に、分析的で高解像度な音を好むユーザーや、高域の煌めきを重視するユーザーからは、物足りないという声があります。

同社他機種との音の違い

同じNoble Audioでも、ShogunとKronosは「真逆のサウンド」と評されており、ブランド内でも音の傾向が大きく異なります。

「Noble Audioだから」という理由だけで購入すると、期待と異なる可能性があるため、試聴は必須と言えます。

筐体サイズ

「耳が小さいと窮屈に感じる」「長時間使用で疲れる」という報告があり、装着感については個人差が大きいです。

フィット感の確認なしでの購入はリスクがあります。

競合製品との比較評価

vs Empire Ears Raven($3,599)

最も直接的な競合とされるRavenとの比較では、「Ravenの方がサブベースの沈み込みが深い」「イメージング・低域・中域でRavenが優れる」という評価がある一方、「Shogunの方がサウンドステージが広い」「Shogunの方が聴き疲れしない」という意見もあります。

価格はShogunが約$300高く、コストパフォーマンスではRavenに軍配が上がるという見方もあります。

vs Noble Audio Ronin(同価格)

同社・同価格のRoninとの比較では、「Roninの方が高域の存在感があり、明るく繊細」「Shogunの方が低域が豊かで温かみがある」という傾向が報告されています。

デザインはRoninの方が控えめで、普段使いしやすいという意見も多いです。

vs Noble Audio Viking Ragnar($4,000)

同社の上位機種Ragnarとの比較では、「Ragnarは高域が強調されて硬質な音」「Shogunの方がバランスが良く聴きやすい」「Ragnarの方が低域の解像度が高い」という評価が見られます。

Ragnarは金属筐体で、遮音性はShogunの方が高いとされています。

まとめ:Noble Audio Shogun

総合評価:どんな人におすすめか

Noble Audio Shogunは、Noble Audio史上最もバランスの取れたハイエンドハイブリッドIEMです。

13ドライバー・クアッドブリッド構成が生み出すホログラフィックな音場表現と、長時間でも疲れにくい滑らかな音質が最大の魅力です。

一方で、派手なデザインや控えめな高域は好みが分かれるポイントであり、55万円という価格に対する価値判断は個人によって異なります。

Shogunがおすすめな人

  • サウンドステージの広さと3次元的なイメージングを重視する方
  • 長時間リスニングでも疲れにくい音質を求める方
  • ジャンルを問わず様々な音楽を楽しみたい方
  • 個性的で唯一無二のデザインに魅力を感じる方
  • 「エンドゲームIEM」として長く愛用したい方

Shogunが合わない可能性がある人

  • 分析的で高解像度な音を好む方
  • 高域の煌めきや存在感を重視する方
  • 控えめでシンプルなデザインを好む方
  • 耳が小さく、大型IEMのフィット感に不安がある方

購入前のチェックポイントと試聴のすすめ

  • 55万円という高額な買い物のため、必ず試聴してから購入することを強く推奨
  • eイヤホン秋葉原店など、試聴可能な店舗で実機を確認する
  • イヤーチップで音が大きく変わるため、複数のチップで試聴する
  • デザインの好みを確認し、日常使いに支障がないか検討する
  • 手持ちのソース機器との相性を確認する(パンチのあるクリーンなDAPやドングル推奨)
  • 同価格帯の競合製品(Empire Ears Raven、Noble Audio Ronin等)との比較試聴も検討
  • 4.4mmバランス端子が標準のため、3.5mm環境では変換アダプターが必要
  • 2025年9月以降の購入分は株式会社アユートがサポート対応
  • 保証期間は本体1年、ケーブル・付属品90日。購入証明の保管が必須
  • 中古購入の場合は保証状況を事前に確認する
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