NICEHCK 泪 Tears レビュー解説|5千円台で広がる音場革命

「5,000円台で本格的なサウンドステージを体験できるイヤホンはないだろうか」「予算を抑えつつも、開放的で疲れにくい音を楽しみたい」——そんな悩みを持つ方に注目されているのが、NICEHCKの「泪 Tears」です。

独自の音響迷路チャンバーとオープンバック構造を採用し、価格帯を超えた空間表現で話題を集めています。

この記事では、実際のユーザーレビューや各種評価を基に、Tearsの音質・装着感・使い勝手を徹底的に検証。

3.5mm版とType-C版の違い、競合製品との比較、購入前に知っておくべき注意点まで、購入判断に必要なすべての情報をお届けします。

目次

NICEHCK 泪 Tearsの特徴・概要

NICEHCK 泪 Tearsは、2026年1月に発売された有線イヤホンです。

最大の特徴は、独自開発の「音響迷路チャンバー」とオープンバック構造の組み合わせにあります。

この価格帯では珍しい設計思想により、エントリークラスながら上位機種に迫る空間表現を実現しています。

音響迷路チャンバーが生み出す独自のサウンド設計

Tearsの心臓部とも言えるのが、3Dプリント技術で作られた「音響迷路チャンバー」です。

従来の単一経路設計を廃し、多層のコイル状構造を採用することで、音波の経路を延長し空気の流れを最適化しています。

この構造により、低域はより深く、弾力性に富んだ質感を実現。

単なる量感ではなく、質の高い低音再生を可能にしています。

ドライバーには10mmのデュアルマグネット・デュアルチャンバー・ダイナミックドライバーを搭載し、高磁束による優れた駆動力と過渡応答を確保。

対称型構造により漏れ磁束を打ち消し、ボイスコイルへの電磁干渉を抑制することで、歪みの少ないクリアな音質を追求しています。

オープンバック構造による開放的な音場表現

Tearsのもう一つの大きな特徴が、セミオープンバック構造です。

背面には細密なリリーフベントアレイと多段ダンピングフィルタを配置し、空気の流れを理想的に誘導。

定在波や共振を抑制することで、高域エネルギーの過度な蓄積を解消しています。

この設計により、一般的なカナル型イヤホンにありがちな閉塞感や圧迫感を軽減。

振動板の動きを妨げないオープン構造は、ボーカルの息遣いや弦楽器の豊かな倍音まで、繊細なディテールを余すことなく表現します。

多くのユーザーが「スピーカーで聴いているような開放的な音場」と評価しており、この価格帯では類を見ない空間表現が最大の魅力となっています。

Type-C版はアプリ対応で自分好みにカスタマイズ可能

Tearsには3.5mmアナログ版とType-C版の2種類がラインナップされています。

特にType-C版は、内蔵DACチップとDSP機能により、専用アプリを通じた音質カスタマイズが可能です。

Android向け専用アプリ「NICEHCK」では、8バンドのパラメトリックEQをリアルタイムに調整できます。

プリセットとして「Pop」「Balance」「Rock」の3種類が用意されており、特に「Balance」はJM-1チューニングをベースとした推奨設定として評価されています。

EQ設定はケーブル側のDSPに保存されるため、一度設定すればアプリなしでも維持される点も実用的です。

なお、iOS版アプリも存在しますが、現時点ではBluetooth機器のみの対応となっており、有線のTearsでは使用できません。

Type-C版の真価を発揮するには、Android端末との組み合わせが必要です。

NICEHCK 泪 Tearsのスペック・仕様

ドライバー・電気特性

Tearsのドライバーユニットは、10mmのデュアルマグネット・デュアルチャンバー・ダイナミックドライバーを採用しています。

振動板には高品質PET(ポリエチレンテレフタレート)素材を使用し、内部配線には6N単結晶銀を採用することで、信号伝達のロスを最小限に抑えています。

インピーダンスは20Ω @ 1kHzと低めに設定されており、スマートフォンやポータブルプレーヤーでも十分な音量を確保できます。

感度は127dB/Vrmsと非常に高く、「超高感度IEM」を謳うにふさわしい数値です。

この高感度特性により、非力な出力のデバイスでも余裕を持ったドライブが可能ですが、一方でアンプのノイズフロアが高い場合はヒスノイズを拾いやすいという側面もあります。

再生周波数帯域は20Hz〜20kHzをカバーし、一般的な可聴域を網羅しています。

筐体・構造・付属品

筐体素材には軽量なABS樹脂を採用しています。

本体重量はペアでわずか約6.7g、ケーブルとイヤーピース込みでも約20gという軽さを実現。

長時間装着でも疲れにくい設計となっています。

筐体形状は一般的なセミカスタム型とは異なり、ドライバーと音響チャンバーの配置を優先した独特のアンギュラー(角張った)デザインを採用。

角の部分は丸く処理されており、装着時の圧迫感を軽減しています。

ノズル部分にはフィボナッチ・アコースティックメッシュを採用し、チューブの音響特性を最適化。

カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色が用意されています。

ケーブルは着脱式で、0.78mm 2Pinコネクタを採用。

線材には銀メッキ高純度無酸素銅(OFC)を使用し、ケーブル長は1.2mです。

3.5mmプラグはL字型、Type-Cプラグはストレート型となっています。

なお、ケーブルにはチンスライダーが付属していない点は留意が必要です。

付属品として、シリコン製イヤーピース(5サイズ)、レザー製キャリングポーチ、ドキュメント類が同梱されています。

イヤーピースは同社の「NiceHCK 07」が採用されており、単品でも評価の高いアクセサリーが標準装備されている点は好印象です。

3.5mm版とType-C版の仕様比較

3.5mm版とType-C版では、単なるプラグ形状の違い以上に、チューニング特性が異なります。

3.5mm版はアナログ出力のため、接続するDAC/DAPの特性がダイレクトに反映されます。

リケーブルにより、お好みのケーブルに交換して音質を調整することも可能です。

ただし、周波数特性上、12kHz付近にわずかな高域ピークがあり、音源によっては刺さりを感じる場合があると報告されています。

Type-C版は内蔵DACチップにより最大PCM 384kHz/32bitのハイレゾ音源再生に対応。

DSPによる補正が入るため、3.5mm版と比較して下部中域が補強されており、男性ボーカルの厚みが改善されています。

高域ピークも抑えられており、より安定したチューニングとなっています。

専用アプリを使用すれば、さらに細かな音質調整が可能です。

価格面では、3.5mm版が約4,800円〜5,800円、Type-C版が約5,350円〜6,200円と、Type-C版の方が500円〜1,000円程度高い設定となっています。

NICEHCK 泪 Tearsのおすすめポイント

価格を超えた広大なサウンドステージと音の分離感

Tearsの最大の魅力は、この価格帯を大きく超えた空間表現力にあります。

音響迷路チャンバーとオープンバック構造の相乗効果により、一般的なバジェットIEMにありがちな「頭の中で鳴っている」感覚から解放され、より自然で開放的なサウンドステージを体験できます。

楽器の位置関係が明確に把握でき、各音源のレイヤリング(重なり)表現も優秀です。

特にバンドサウンドやオーケストラなど、多くの楽器が同時に鳴る楽曲では、その真価を発揮します。

ロック、ジャズ、レゲエ、エレクトロニカなど、幅広いジャンルとの相性が良いと評価されています。

多くのユーザーが「$100以上のIEMに匹敵する空間表現」「この価格でこのサウンドステージは驚異的」と評価しており、コストパフォーマンスの高さは業界内でも注目を集めています。

長時間でも疲れにくい滑らかなチューニング

Tearsのチューニングは、Etymotic Target Curveを参考にした「リアリティ溢れる」方向性を目指しています。

全体的にはマイルドなU字型(または緩やかなV字型)の特性で、派手さよりも聴きやすさを重視した設計となっています。

高域は十分な情報量を保ちながらも、刺さりや疲労感を引き起こしやすい帯域のエネルギーが抑えられています。

これにより、長時間のリスニングセッションでも聴き疲れしにくく、BGMとして流しておくような使い方にも適しています。

低域は量感を追求するのではなく、タイトでコントロールされた質の高い再生を目指しており、中域への被りも最小限に抑えられています。

「派手な音で驚かせるタイプではないが、クリアで抜けが良く長時間聴いても疲れにくい」「音の角が丸められており刺々しさがない」という評価が多く見られ、日常使いのイヤホンとして高い実用性を持っています。

軽量コンパクト設計で抜群の装着感

本体重量わずか約6.7g(ペア)という軽さは、装着感において大きなアドバンテージとなっています。

筐体が小型であることに加え、ABS樹脂の軽量特性により、長時間装着しても耳への負担が最小限に抑えられます。

オープンバック構造による通気性の確保も、快適性向上に貢献しています。

密閉型イヤホンで発生しがちな耳内の圧力蓄積がなく、長時間使用でも不快感を感じにくい設計です。

「装着していることを忘れるほど快適」「枕に頭を載せた状態でも使える」という声も多く、就寝前のリスニングにも適しています。

小型軽量であることから、帽子やビーニーの下に装着しても目立たず、外出時のステルス性も高いと評価されています。

女性や耳の小さい方にも適したサイズ感で、幅広いユーザーに対応できる設計となっています。

NICEHCK 泪 Tearsの注意点・デメリット

サブベースのインパクトと解像度は控えめ

Tearsの低域は質の高さで評価されていますが、サブベース域のインパクトやパンチ感については「物足りない」という声も少なくありません。

音響迷路チャンバーにより深い低域の再生は可能ですが、「空気感はあるが質量感が薄い」「ドライで力強いパンチが不足している」という評価があります。

特にEDMやヒップホップなど、力強いキックドラムやベースラインを求めるジャンルでは、物足りなさを感じる可能性があります。

重低音重視のリスナーや、いわゆる「ベースヘッド」の方には向いていないかもしれません。

また、解像度についても、同価格帯のトップクラス製品と比較するとわずかに劣るという指摘があります。

高速なパッセージや複雑な楽曲では、音がやや「ファジー(ぼんやり)」に感じられることがあり、細部を顕微鏡的に観察したい方には物足りない可能性があります。

ただし、この点はコストとのトレードオフであり、価格を考慮すれば十分に許容できるレベルと言えます。

開放型ゆえの遮音性の低さと音漏れ

オープンバック構造は開放的な音場表現をもたらす一方で、遮音性の低さという明確なデメリットも伴います。

外部の騒音が入りやすく、逆に音漏れも発生するため、電車内やオフィスなど公共の場での使用には注意が必要です。

遮音性は密閉型IEMと比較すると明らかに劣り、騒がしい環境では音楽に集中しづらくなります。

通勤・通学時のメイン機として使用するには不向きな面があり、使用シーンが限定される点は購入前に考慮すべきポイントです。

静かな環境での使用や、自宅でのリスニング用途であれば問題ありませんが、外出先でのあらゆるシーンで活躍できる万能型を求める方には、別の選択肢を検討した方が良いでしょう。

ABS樹脂筐体の質感とType-C版のホワイトノイズ

軽量化に貢献しているABS樹脂筐体ですが、質感については「プラスチッキーで安っぽい」「プレミアム感がない」という評価があります。

耐久性や装着感には問題ありませんが、所有欲を満たすような高級感は期待できません。

金属やレジン製筐体を好む方には物足りなく感じるかもしれません。

Type-C版特有の問題として、無音時のホワイトノイズ(ヒスノイズ)が挙げられます。

音楽再生中は気にならないレベルですが、無音状態ではシーという音が聞こえることがあります。

127dB/Vrmsという超高感度特性が、アンプのノイズフロアを拾いやすくしている側面があり、これは高感度IEM全般に共通する課題でもあります。

また、付属のキャリングポーチが小型すぎて、ケーブルとイヤホン本体は収納できるものの、ドングルDACなどのアクセサリーを一緒に収納するスペースがない点も、実用面での小さな不満点として挙げられています。

NICEHCK 泪 Tearsの評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

Tearsに対する肯定的な評価の中で最も多く見られるのは、やはり「価格を超えたサウンドステージ」に関するものです。

「$30以下でこの空間表現は信じられない」「$100以上のIEMと比較しても恥ずかしくない」といった声が数多く寄せられており、コストパフォーマンスの高さが広く認められています。

装着感についても高評価が集中しています。

「装着していることを忘れるほど軽い」「3時間以上の連続使用でも疲れない」「横になっても使える」といったコメントが見られ、日常使いのイヤホンとしての実用性が評価されています。

音質面では、「クリアで抜けが良い」「長時間聴いても疲れにくい」「音の角が丸められており刺々しさがない」という評価が多く、聴き疲れしにくいチューニングが支持されています。

また、Type-C版については「アプリでEQを調整できるのが便利」「Androidユーザーには最適」という声があり、カスタマイズ性の高さも評価ポイントとなっています。

バンドサウンドとの相性の良さも多く指摘されており、「ロックやジャズとの相性が抜群」「ライブ感と響きを楽しめる」という評価が見られます。

雰囲気よく音楽を楽しむ方向性が、多くのリスナーに受け入れられているようです。

購入前に確認すべき注意点

一方で、購入前に確認すべきネガティブな評価も存在します。

最も多いのは「サブベースのインパクト不足」に関するもので、「キックドラムに力強さが欲しい」「重低音好きには物足りない」という声が見られます。

解像度についても「普段から高解像なイヤホンを使っている人は最初物足りなく感じるかもしれない」「やや霞がかかったように感じることがある」という指摘があります。

モニター的な原音忠実再生を求める方には向いていない可能性があります。

筐体の質感については「見た目がシンプルすぎる」「プラスチック感が安っぽい」という評価があり、所有欲を重視する方には物足りないかもしれません。

また、「耳が大きい人には小さすぎる」という声もあり、フィット感には個人差があることが示唆されています。

遮音性の低さと音漏れについても、「電車では使いづらい」「静かな場所限定」という意見が見られ、使用シーンが限定される点を懸念する声があります。

競合製品との比較で見えてくる立ち位置

同価格帯の競合製品との比較では、Tearsは「空間表現特化型」という独自のポジションを確立していると評価されています。

TANGZU Wan’er S.G IIと比較すると、Wan’erは中域がより自然で肉厚ですが、Tearsは解像度と音場の広さで優位に立つとされています。

Tanchjim Bunnyとの比較では、Bunnyがわずかに解像度で上回るものの、Tearsはレイヤリングと立体的な空間表現で差別化できるという評価です。

TRN Starfishとの比較では、Starfishがサブベースで優位に立つ一方、Tearsは技術面と空気感で勝るという見方が一般的です。

AFUL Magic Oneとの比較では、価格差を考慮した「コスト対価値」でTearsが圧倒的という評価になっています。

総じて、「この価格帯でオープンバック設計と音響迷路チャンバーを採用した製品は他にない」という独自性が、Tearsの最大の強みとして認識されています。

空間表現と聴き疲れのしにくさを重視するなら最適な選択肢である一方、重低音や解像度を最優先する場合は他の選択肢も検討すべき、というのが一般的な評価の傾向です。

まとめ:NICEHCK 泪 Tears

こんな人におすすめ・おすすめしない人

Tearsは、すべての人に適したイヤホンではありません。

しかし、特定のニーズを持つユーザーにとっては、非常に魅力的な選択肢となります。

おすすめできるのは、開放的なサウンドステージを重視する方、長時間でも聴き疲れしないイヤホンを求める方、バンドサウンドやアコースティック楽曲をよく聴く方、軽量で快適な装着感を優先する方、そしてコストパフォーマンスを重視するエントリー〜ミドルクラスのオーディオファンです。

一方、おすすめしにくいのは、重低音やパンチのある低域を求める方、高い遮音性が必要な環境で使用する方、モニターライクな原音忠実再生を求める方、そして高級感のある外観や質感を重視する方です。

3.5mm版とType-C版、どちらを選ぶべきか

3.5mm版とType-C版の選択は、使用環境と目的によって決まります。

3.5mm版は、既にお気に入りのDAC/DAPを持っている方、将来的にリケーブルを楽しみたい方、iPhoneなど変換アダプタ経由での使用を想定している方に適しています。

価格も若干安く、シンプルに使いたい方にも向いています。

Type-C版は、Androidスマートフォンで直接使用したい方、アプリによるEQカスタマイズを試したい方、より安定したチューニング(高域ピーク補正済み)を求める方におすすめです。

ただし、iOS環境ではアプリのフル機能が使用できない点には注意が必要です。

迷った場合は、Android端末をメインに使用するならType-C版、それ以外なら3.5mm版を選ぶのが無難な選択と言えるでしょう。

総合評価と購入判断のポイント

  • 独自の音響迷路チャンバーとオープンバック構造により、5,000円台とは思えない広大なサウンドステージを実現
  • デュアルマグネット・デュアルチャンバー・ダイナミックドライバー搭載で、歪みの少ないクリアな音質
  • 127dB/Vrmsの超高感度設計により、スマートフォン直挿しでも十分な音量を確保
  • 本体約6.7gの超軽量設計で、長時間装着でも疲れにくい抜群の装着感
  • Type-C版は専用アプリ(Android対応)で8バンドPEQによる音質カスタマイズが可能
  • 高域の刺さりを抑えた滑らかなチューニングで、長時間リスニングに最適
  • サブベースのインパクトと解像度は控えめで、重低音好きには物足りない可能性あり
  • オープンバック構造のため遮音性が低く、音漏れも発生するため使用シーンが限定される
  • ABS樹脂筐体は軽量だが質感は価格相応、プレミアム感は期待できない
  • 総合評価として、空間表現と聴き疲れのしにくさを重視するユーザーにとって、この価格帯では最有力候補の一つ
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