「有線イヤホンで手軽に良い音を楽しみたいけど、どれを選べばいいか分からない」
「Type-C接続のイヤホンで音質の良いものを探している」——そんな悩みをお持ちではないでしょうか。
NF AUDIO RA05は、プロ用イヤーモニターメーカーが手がけた約5,000円のエントリーモデルです。
この記事では、実際の使用感や音質の特徴、競合製品との比較、購入前に知っておくべき注意点まで、詳しく解説します。
NF AUDIO RA05の製品概要
NF AUDIO RA05は、中国・深圳に拠点を置くNF Audio(NF ACOUS)が2023年10月に発売したカナル型イヤホンです。
NF Audioは2014年の創業以来、プロのステージミュージシャン向けカスタムIEM(インイヤーモニター)を手がけてきたブランドで、その技術とノウハウを一般ユーザー向けに凝縮したのがRA05です。
3.5mmステレオミニ接続の「RA05」と、USB Type-C接続でDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を内蔵した「RA05 Type-C」の2種類がラインナップされています。
国内では伊藤屋国際が正規代理店として取り扱っており、1年間のメーカー保証が付属します。
NF AUDIO RA05の特長
プロ用技術を継承した自社開発ドライバー
RA05の最大の特長は、NF Audioが自社開発した6mm口径マイクロダイナミックドライバー「MCL-6C」を搭載している点です。
一般的なイヤホンに採用される高剛性振動板とは異なり、音質を重視した中剛性の6μポリマーダイアフラムを採用。
ネオジウム磁気回路と組み合わせることで、15Hz〜30,000Hzという広い周波数帯域をカバーし、クリアでパワフルなサウンドを実現しています。
さらに、HRTF(頭部伝達関数)に基づいた周波数カーブのチューニングが施されており、自然な音場感と正確な定位を両立しています。
人間工学に基づいたコンパクト設計
NF Audioは長年のカスタムIEM製造で蓄積した膨大な耳型データを研究し、イヤホン形状において重要な3つの角度を人間工学的観点から定義しました。
この知見を活かしてRA05のイヤーシェルは設計されており、驚くほど軽量でコンパクトな仕上がりになっています。
ハウジング素材には軽量なポリカーボネートを採用。
装着すると耳に吸い付くようにフィットし、長時間使用しても疲れにくい設計です。
フェイスプレートにはギターピックを模したアルミプレートがあしらわれ、ミュージシャンとの繋がりが深いブランドならではの意匠も魅力です。
Type-C版はDSP内蔵で音質最適化済み
RA05 Type-Cには、プラグ部分にDSPとDACチップが内蔵されています。
NF Audioのエンジニアチームがイヤホンの特性に合わせて音質を最適化しているため、別途USBドングルDACを用意する必要がありません。
スマートフォンやPCに直接接続するだけで、チューニングされた高音質サウンドを楽しめます。
また、ケーブルには高性能な無指向性MEMSマイクを内蔵した3ボタンリモコンが搭載されており、音声通話やオンライン会議、ゲームのボイスチャットにも対応します。
スペック・仕様
| 項目 | RA05(3.5mm版) | RA05 Type-C |
|---|---|---|
| ドライバー | 6mmダイナミック(MCL-6C) | 6mmダイナミック(MCL-6C) |
| 再生周波数帯域 | 15Hz〜30,000Hz | 15Hz〜30,000Hz |
| インピーダンス | 16Ω | 16Ω |
| 感度 | 102dB/mW | 102dB/mW |
| 最大音圧レベル | 125dB | 125dB |
| 歪率 | 1%未満 | 1%未満 |
| 遮音性 | 最大-24dB | 最大-24dB |
| ケーブル | 5N OFC(無酸素銅)約1.2m | 5N OFC(無酸素銅)約1.2m |
| ハウジング素材 | ポリカーボネート | ポリカーボネート |
| プラグ | φ3.5mm金メッキステレオミニ | USB Type-C |
| DSP/DAC | なし | 内蔵 |
| マイク | なし | MEMSマイク内蔵リモコン |
| 価格(税込) | 4,999円 | 5,999円 |
| カラー | グレー/ブルー/ピンク | グレー/ブルー/ピンク |
付属品
- MS42シリコンイヤーピース(XS/S/M/L)各1ペア
- イヤホンケース(PVCポーチ)
- 交換用フィルター×3ペア
音質レビュー
低音域:量より質を重視したタイトなベース
RA05の低音は、重低音を強調するタイプではありません。
サブベースから中低音にかけて、タイトで引き締まった質感が特徴です。
バスドラムやベースラインは輪郭がはっきりしており、他の帯域を邪魔することなく、楽曲の土台をしっかりと支えます。
量感を求めるベースヘッドの方には物足りなく感じる可能性がありますが、低音の質感やスピード感を重視する方には非常に好印象な仕上がりです。
EDMやヒップホップよりも、ジャズやアコースティック系の楽曲との相性が良いでしょう。
中音域:ボーカルが際立つクリアな表現
RA05が最も得意とするのが中音域です。
ボーカルや楽器の中音域が非常にクリアで、音像が前に出てくる印象を受けます。
男性ボーカル、女性ボーカルともに明瞭で、歌詞の一つひとつがしっかりと聴き取れます。
ピアノやアコースティックギターの響きも美しく、この価格帯とは思えない質感と表現力があります。
ただし、音量を上げすぎたり、録音品質の低い音源を再生すると、上位中音域がやや荒れる場合があります。
高音域:刺さらない聴き疲れしないサウンド
高音域はニュートラルな味付けで、過度な強調がありません。
シンバルやハイハットの響きは適度なきらめきがあり、それでいて耳に刺さるような刺激音はほとんど感じません。
同価格帯の製品で問題になりやすいシビランス(歯擦音の強調)もRA05では抑えられており、長時間のリスニングでも聴き疲れしにくい仕上がりです。
音場・定位:価格以上の広がりと正確性
RA05の音場は、6mmという小型ドライバーからは想像できないほど広がりがあります。
特に左右の広がりが印象的で、楽器やボーカルの配置がしっかりと感じられます。
奥行き方向もそれなりに表現されており、立体的な音像を楽しめます。
定位感(イメージング)も良好で、FPSゲームなどで敵の位置を把握する用途にも十分対応できます。
装着感・使い勝手
着けていることを忘れる軽さ
RA05を実際に装着してみると、その軽さとコンパクトさに驚きます。
耳の穴にすっぽりと収まり、まるで着けていることを忘れてしまうほどです。
イヤーシェルの形状が絶妙で、耳への圧迫感がほとんどありません。
長時間の使用でも耳が痛くなりにくく、通勤・通学時の使用はもちろん、在宅ワーク中のBGMリスニングにも最適です。
絡まりにくいしなやかなケーブル
5N OFC(無酸素銅)ケーブルは細くしなやかで、取り回しが非常に良好です。
表面の被膜はサラサラとした質感で、ゴムのようなベタつきがありません。
ポケットやカバンに入れても絡まりにくく、外出時の使い勝手は抜群です。
また、ケーブルを触ったときに発生するタッチノイズ(マイクロフォニクス)が少ないのも嬉しいポイントです。
遮音性の高さ
最大-24dBのパッシブノイズリダクション効果により、外部の騒音をしっかりと遮断します。
電車内や騒がしいカフェでも音楽に集中でき、音量を上げすぎる必要がありません。
結果として、聴覚への負担を軽減できます。
マイク性能(Type-C版)
Type-C版に搭載されたMEMSマイクの性能は実用的です。
オンライン会議や音声通話で相手にクリアな声を届けることができ、ビジネスシーンでも問題なく使用できます。
3ボタンリモコンの操作感も良く、カチッとした確かなクリック感があります。
競合製品との比較
vs Moondrop Chu 2 DSP(約4,600円)
Moondrop Chu 2 DSPは同価格帯の人気モデルですが、いくつかの違いがあります。
Chu 2 DSPは上位中音域がやや強調される傾向があり、ボーカルがシャウティ(叫ぶような)に感じることがあります。
一方、RA05はより自然なトーナリティで、長時間聴いても疲れにくい印象です。
低音に関してはRA05の方が質感で優位。
ただし、Chu 2 DSPはケーブルが着脱可能なため、断線時の交換やリケーブルによる音質カスタマイズが可能という利点があります。
vs 7Hz Zero 2(約3,000円台)
7Hz Zero 2は価格がさらに安いエントリーモデルです。
Zero 2は初代Zeroで指摘されていたシビランスが改善され、低音も強化されましたが、RA05と比較すると低音の質感はRA05が優位です。
また、RA05は付属品(高品質イヤーピース、ケース)が充実しており、トータルでのコストパフォーマンスを考えるとRA05に軍配が上がります。
vs Tangzu Waner SG(約4,000円台)
Tangzu Waner SGはボーカル重視の方に人気のモデルです。
ボーカルの表現力ではWaner SGが若干優れる場面もありますが、低音の質感や装着感ではRA05が優位という評価が多く見られます。
また、Waner SGは付属ケーブルの品質があまり良くないという指摘があり、別途リケーブルを購入すると総コストが上がってしまいます。
vs Apple EarPods
iPhone 15以降のユーザーがType-C接続のイヤホンを探している場合、RA05 Type-Cは有力な選択肢です。
音質面ではRA05が明確に優れており、カナル型ならではの遮音性も大きなアドバンテージ。
Apple EarPodsからのアップグレードとして最適な製品と言えます。
評判・口コミまとめ
ユーザーが評価するおすすめな点
装着感・携帯性について
多くのユーザーが、RA05の軽さとコンパクトさを高く評価しています。
「着けているのを忘れるほど軽い」「耳が小さい自分でもフィットした」という声が多く、長時間使用での疲れにくさも好評です。
ケーブルのしなやかさや絡まりにくさも、日常使いにおいて重宝されています。
音質について
「この価格でこの音質は驚き」「ボーカルがクリアで聴きやすい」という評価が目立ちます。
シビランスの少なさも評価ポイントで、「以前使っていたイヤホンより耳が疲れない」という声もあります。
音場の広さについても「価格を考えると十分すぎる」と好意的な意見が多いです。
付属品・パッケージについて
同価格帯では珍しいケースの付属や、4サイズ展開の高品質イヤーピースが付属する点が評価されています。
「開封した瞬間から満足感がある」「イヤーピースを別途買う必要がなかった」という声が見られます。
Type-C版の利便性
Type-C版については「ドングルなしで高音質が楽しめる」「マイク性能が予想以上に良い」という評価があります。
オンライン会議やゲームのボイスチャットで問題なく使えるという実用性も好評です。
購入前に確認すべき注意点
ケーブル着脱不可について
RA05はケーブルが固定式のため、断線した場合は修理が困難です。
リケーブルによる音質のカスタマイズもできません。
ケーブルの耐久性を心配する声や、長期使用を考えると着脱式が良かったという意見があります。
低音の量感について
「重低音好きには物足りない」「EDMやヒップホップには向かない」という指摘があります。
低音の質は良いものの、量感を求めるユーザーには別の選択肢を検討した方が良いかもしれません。
フィット感の個人差
ノズルが短めの設計のため、耳が大きい方はフィット感を得にくい場合があります。
「シェルが小さすぎて安定しない」という声もあり、購入前に可能であれば試着することをおすすめします。
3.5mm版の機能制限
3.5mm版にはマイクが搭載されていないため、通話や会議での使用はできません。
通話機能が必要な場合はType-C版を選ぶ必要があります。
おすすめな人・おすすめしない人
RA05をおすすめできる人
- 5,000円前後で音質の良い有線イヤホンを探している人
- ボーカル中心の楽曲をよく聴く人
- 長時間装着しても疲れにくいイヤホンが欲しい人
- Type-C接続で手軽に高音質を楽しみたいスマートフォンユーザー
- Apple EarPodsからのアップグレードを考えているiPhone 15以降のユーザー
- 通勤・通学で使いやすいコンパクトなイヤホンを求める人
- FPSゲームなどで定位感の良いイヤホンを探している人
RA05をおすすめしない人
- 重低音を重視する人、ベースヘッドの人
- ケーブルの着脱・交換機能が必要な人
- リケーブルによる音質カスタマイズを楽しみたい人
- EDMやヒップホップをメインで聴く人
まとめ
- 価格:3.5mm版4,999円、Type-C版5,999円と手頃な価格設定
- ドライバー:自社開発6mmダイナミックドライバー「MCL-6C」搭載
- 音質傾向:中音域重視のクリアなサウンド、低音は量より質を重視
- 装着感:非常に軽量コンパクトで長時間使用でも疲れにくい
- 遮音性:最大-24dBのパッシブノイズリダクションで外音をしっかり遮断
- Type-C版の強み:DSP内蔵で音質最適化済み、マイク付きリモコン搭載
- 付属品:高品質イヤーピース4サイズ、ケース付属と同価格帯では充実
- 注意点:ケーブル着脱不可、低音の量感は控えめ
- 競合比較:Moondrop Chu 2 DSPやTangzu Waner SGと比較してトーナリティの自然さで優位
- 総合評価:プロ用メーカーの技術が詰まった高コスパエントリーモデル。ボーカル重視のリスナーや、Type-C接続で手軽に良い音を楽しみたい人に特におすすめ
