motorola razr 60 レビュー解説！進化したAIと使用感を徹底解説

2025年10月に登場した、モトローラの最新折りたたみスマートフォン「motorola razr 60」。

「折りたたみスマホは高嶺の花」というイメージを覆す手頃さと、実用的な大型アウトディスプレイで注目を集めた前モデルから、さらにAI機能と基本性能が進化した一台です。

「実際に使ってみてどうなのか？」

「Galaxy Z Flipシリーズと比べて何が違うのか？」

「AI機能は本当に便利なのか？」

このような疑問を持つ方のために、忖度なしで徹底的にレビューします。

本記事を読めば、スペック表だけでは分からないリアルな使用感や、あなたにとって「買い」の一台かどうかが明確になるでしょう。

motorola razr 60 レビュー解説：結論は「買い」か？

結論から申し上げますと、motorola razr 60は、初めて折りたたみスマートフォンを手にする方にとって間違いなく「買い」のモデルです。

なぜなら、ハイエンドモデルに迫る高級感あるデザインと、日常使いに十分な性能、そして何より「折りたたみならではの新しい体験」を、競合他社よりも抑えられた価格で提供しているからです。

ただし、3Dゲームをガッツリ遊びたいゲーマーの方や、カメラ性能に妥協したくない方には、より高性能な選択肢も検討すべきでしょう。

【総評】デザイン・機能・価格のバランスが取れた「縦折りスマホ」の完成形

本機を一言で表すなら、「バランスの取れた優等生」です。

SoC（プロセッサ）には「MediaTek Dimensity 7400X」を採用し、SNSやブラウジング、動画視聴といった普段使いでは全くストレスを感じさせない軽快な動作を実現しています。

さらに、閉じたままでほとんどの操作が完結する3.6インチのアウトディスプレイは、一度使うと手放せないほどの利便性を提供してくれます。

価格と性能、そしてデザインのバランスが非常に良く、縦折りスマホの完成形と言っても過言ではない仕上がりです。

razr 60が「おすすめな人」と「やめておいた方がいい人」

このスマホが特におすすめなのは、以下のような方です。

• スマホをコンパクトに持ち歩きたい人：ポケットや小さなバッグにすっぽり収まる携帯性は抜群です。
• 通知チェックや返信を効率化したい人：開かずにアウトディスプレイでサクッと対応できます。
• デザイン性を重視する人：レザー調の質感やPANTONEカラーがおしゃれです。

一方で、以下のような方にはあまり向いていないかもしれません。

• 重い3Dゲーム（原神など）を最高画質でプレイしたい人：スペック的に少し物足りなさを感じる可能性があります。
• 遠くの被写体を撮ることが多い人：望遠レンズが搭載されていないため、ズーム撮影は苦手です。

先代razr 50からの主な進化ポイントまとめ

前モデルであるrazr 50と比較すると、主に以下の点が進化しています。

• SoCの強化：Dimensity 7300Xから7400Xになり、処理能力が向上しました。
• バッテリー増量：4200mAhから4500mAhへ増え、電池持ちが改善されています。
• AI機能の搭載：日本語対応の「moto ai」により、通知の要約やボイスメモの文字起こしが可能になりました。
• ヒンジ耐久性と防塵性能：IP48に対応し、水だけでなく異物への耐性も向上しています。

外観・デザインとディスプレイ性能

手に取ってまず感じるのは、その洗練されたデザインと質感の高さです。

折りたたみスマホにおいて最も重要な「見た目」と「持ち心地」について、詳しく見ていきましょう。

高級感あるレザー調仕上げと持ちやすいサイズ感

背面パネルには、ヴィーガンレザー（人工皮革）調の素材が採用されています。

これにより、一般的なガラス素材のスマホと比べて指紋が目立ちにくく、手に持ったときに滑りにくいという実用的なメリットがあります。

触り心地はしっとりとしており、ケースを付けずにそのまま使いたくなるような温かみのある質感です。

重量は約188gと、6.9インチの大画面スマホとしては比較的軽量で、長時間持っていても疲れにくいバランスに仕上がっています。

折り目は目立つ？6.9インチメインディスプレイの没入感

開いた状態のメインディスプレイは、約6.9インチの有機EL（pOLED）パネルです。

気になるディスプレイ中央の「折り目」ですが、画面を点灯させて正面から見ている分にはほとんど気になりません。

指でなぞるとわずかに窪みを感じますが、操作に支障が出るレベルではなく、使用しているうちにすぐに慣れてしまうでしょう。

120Hzのリフレッシュレートに対応しているため、スクロールも非常に滑らかで、縦長の画面はSNSのタイムライン閲覧に最適です。

ヒンジの耐久性とIP48（防水防塵）対応の実用性

ヒンジ部分は新たに設計が見直され、開閉の動作が非常にスムーズかつ静かになりました。

また、本機は「IP48」の防水防塵性能を備えています。

これは水深1.5mに30分沈めても耐えられる防水性能（IPX8相当）に加え、直径1mm以上の固形物が内部に入らない防塵性能（IP4X相当）を持っていることを意味します。

完全な防塵（砂埃など）ではありませんが、日常のポケットの中の埃程度なら安心して使える耐久性を確保しています。

最大の魅力！3.6インチ「アウトディスプレイ」でできること

razr 60のアイデンティティとも言えるのが、背面のほぼ全体を覆う3.6インチのアウトディスプレイです。

他社の縦折りスマホと比較しても、この画面の実用性は頭一つ抜けています。

閉じたままでOK！LINE返信、マップ、PayPay（おサイフケータイ）の操作感

アウトディスプレイでは、スマホを開くことなく多くのことができます。

例えば、LINEのメッセージが届いたら、その場で内容を確認し、ソフトウェアキーボードを使って返信まで完了できます。

Googleマップを開いてナビゲーションを確認したり、PayPayのバーコードを表示して決済したりといった操作も、閉じたままでスムーズに行えます。

おサイフケータイ（FeliCa）にも対応しているため、改札を通る際も本体を閉じたままタッチするだけでOKです。

アプリの対応状況は？YouTubeやゲームはアウトディスプレイで動くか

驚くべきことに、razr 60では設定次第でほぼ全てのAndroidアプリをアウトディスプレイで起動可能です。

YouTube動画の視聴はもちろん、Kindleで漫画を読んだり、軽いゲームアプリを遊んだりすることもできます。

画面サイズは約3.6インチと小さめですが、電車での移動中など、わざわざスマホを開くほどではない「ちょっと使い」のシーンで絶大な威力を発揮します。

ウィジェットとカスタマイズ性：自分だけのホーム画面を作る

アウトディスプレイ専用のパネル（ホーム画面）は、自由にカスタマイズが可能です。

カレンダー、天気、Spotifyなどのウィジェットを配置できるほか、よく使うアプリへのショートカットを並べておくことができます。

お気に入りのキャラクターや家族の写真を壁紙に設定すれば、スマホを閉じた状態でも自分らしさを表現できるデジタルアクセサリーとして楽しめます。

カメラ性能レビュー：作例と「フレックスビュー」の使い勝手

カメラ性能に関しては、ハイエンドモデルと比較すると「そこそこ」ですが、折りたたみならではの撮影スタイルがそれを補って余りある魅力を生み出しています。

5000万画素メインカメラの実力：昼間の撮影と夜景モード

メインカメラは約5000万画素のセンサーを搭載しており、光学式手ブレ補正（OIS）にも対応しています。

明るい日中の撮影では、色鮮やかでくっきりとした写真が撮れます。

また、夜景モードを使用すれば、ノイズを抑えた明るい写真を撮影可能ですが、極端に暗い場所では細部の解像感が甘くなる傾向があります。

「記録用」や「SNSへの投稿用」としては十分すぎる画質ですが、作品作りを目指すような用途には少し物足りないかもしれません。

自撮りが捗る！アウトディスプレイを使った高画質セルフィー

razr 60のカメラ機能で最も強力なのが、アウトディスプレイを使った自撮り（セルフィー）です。

本体を閉じた状態でアウトディスプレイをファインダー（鏡代わり）にすることで、高画質なメインカメラを使って自撮りができます。

インカメラよりも圧倒的に画質が良いため、肌の質感や背景のボケ味を活かした美しいセルフィーが簡単に撮影可能です。

ハンディカムスタイルやスタンド撮影など「折りたたみ」ならではの撮影体験

本体をL字型に折って机に置けば、三脚なしで安定した撮影が可能です。

集合写真やタイムラプス動画の撮影時に非常に便利です。

また、横持ちにしてビデオカメラのように構える「ハンディカムスタイル」での動画撮影も可能で、撮影中の手ブレを抑えつつ、撮影自体を楽しむギミックが満載です。

超広角・マクロ撮影と動画性能（手ブレ補正）のチェック

約1300万画素の超広角カメラは、マクロ撮影機能も兼ね備えています。

広大な風景を撮るだけでなく、花や小物に数センチまで寄って撮影できるのは意外と便利です。

動画撮影においては、4K撮影に対応しており、手ブレ補正も効きますが、激しく動くシーンでは若干のブレを感じることがあります。

日常のVlog撮影程度なら問題なくこなせるレベルです。

性能・スペック検証：Antutuベンチマークとゲーム動作

見た目重視と思われがちなrazr 60ですが、中身の処理性能もしっかり検証しました。

MediaTek Dimensity 7400Xの実力とは？Antutuスコア計測結果

搭載されているSoC「MediaTek Dimensity 7400X」は、ミドルハイレンジ（中級上位）に位置するチップです。

ベンチマークアプリ「Antutu Benchmark（Ver.10）」での計測結果は、約72万点〜73万点前後を記録しました。

これは、最新のハイエンド機（100万点超え）には及びませんが、一般的なアプリ操作において遅さを感じることはまずない数値です。

原神や重い3Dゲームは快適に動く？発熱と動作の安定性

人気ゲーム「原神」をプレイしてみたところ、画質設定を「中」または「低」に落とせば、比較的スムーズに遊ぶことができました。

しかし、最高画質設定や60fpsモードでは、負荷の高いシーンでカクつき（フレームレートの低下）が見られます。

また、長時間プレイしているとカメラ付近がほんのりと温かくなりますが、持てなくなるほどの熱さは感じませんでした。

ガチゲーマーには向きませんが、暇つぶしに軽く遊ぶ程度なら十分対応できます。

日常使い（ブラウジング・SNS）でのレスポンスとメモリ12GBの恩恵

Webサイトの閲覧、InstagramやX（旧Twitter）のスクロール、アプリの切り替えといった日常動作は非常に快適です。

SIMフリー版では12GBの大容量メモリを搭載しているため、複数のアプリを同時に開いていても動作が重くなりにくく、タスクキル（アプリが勝手に終了すること）も発生しにくい印象です。

キャリア版（ドコモ・ソフトバンク）の一部モデルはメモリ8GBの場合がありますが、それでも通常利用で困ることは少ないでしょう。

進化した「moto ai」とバッテリー持ちの実力

razr 60の大きなトピックの一つが、AI機能の強化です。

日本語対応「moto ai」でできること（とりまリスト・おまとメモ・要約機能）

独自のAI機能「moto ai」が日本語に完全対応しました。

特に便利なのが「とりまリスト」機能です。これは、LINEやメールなどの大量の通知をAIが解析し、重要な要件だけを要約して教えてくれる機能です。

また、「おまとメモ」を使えば、ボイスレコーダーで録音した会議の内容を自動で文字起こしし、さらに要約まで作成してくれます。

精度も実用レベルに達しており、ビジネスシーンでも役立つ頼もしい機能です。

バッテリー容量4500mAhは1日持つ？YouTube再生で検証

折りたたみスマホの弱点とされてきたバッテリー持ちですが、razr 60は4500mAhまで容量をアップさせました。

実際に朝から晩まで、SNSチェック、音楽再生、動画視聴、カメラ撮影などをあわせて使用してみましたが、帰宅時でも20〜30%程度のバッテリーが残っていました。

YouTube動画を連続再生させるテストでも、省電力なSoCのおかげか、バッテリーの減りは緩やかです。

よほどハードな使い方をしなければ、モバイルバッテリーなしでも1日は十分に持ちます。

30W急速充電とワイヤレス充電の充電速度テスト

充電に関しては、最大30Wの急速充電「TurboPower」に対応しています。

バッテリー残量0%の状態からでも、約30分あれば50%近くまで回復できるため、朝の忙しい時間の充電し忘れにも対応可能です。

また、15Wのワイヤレス充電（Qi）にも対応しており、デスクワーク中に置くだけで充電できるのは非常に便利です。

徹底比較：razr 50やGalaxy Z Flip7との違いは？

購入を検討する際、どうしても気になるのがライバル機種との比較です。

【比較】motorola razr 60 vs razr 50：乗り換える価値はある？

前モデルのrazr 50をお持ちの方にとって、買い替えの判断は難しいところです。

外観サイズはほぼ同じですが、処理性能とバッテリー持ち、そしてAI機能の実用性は確実に向上しています。

「現状の動作速度や電池持ちに不満がある」という方なら乗り換える価値は十分にありますが、そうでなければ今回は見送っても良いかもしれません。

【比較】motorola razr 60 vs Galaxy Z Flip7：性能・価格・使い勝手どっち選ぶ？

最大のライバルであるSamsungのGalaxy Z Flip7と比較すると、以下のような違いがあります。

• 処理性能：Galaxy Z Flip7の方がSnapdragon 8シリーズを搭載しており、ゲーム性能などは圧倒的に上です。
• アウトディスプレイ：razr 60の方が画面占有率が高く、アプリの対応度（自由度）も高い傾向にあります。
• 価格：razr 60の方が一般的に安価に設定されており、コストパフォーマンスに優れています。

「ゲーム性能やカメラ重視ならGalaxy」、「価格とアウトディスプレイの自由度重視ならrazr」という選び方がおすすめです。

ドコモ版（60d）・ソフトバンク版（60s）・SIMフリー版の違い

razr 60には、SIMフリー版のほかにキャリア版（ドコモ版：razr 60d、ソフトバンク版：razr 60s）が存在します。

基本的な機能は同じですが、以下の点に注意が必要です。

• メモリ・ストレージ：SIMフリー版が12GB/512GBであるのに対し、キャリア版は8GB/256GBとスペックが抑えられている場合があります。
• 対応バンド：各キャリアの周波数帯に最適化されていますが、基本的にはどのモデルも主要キャリアのプラチナバンドに対応していることが多いです。
• プリインストールアプリ：キャリア版には独自のアプリが多数入っています。

購入時は、スペック（特にメモリとストレージ）の違いをよく確認することをおすすめします。

motorola razr 60の良い評判・メリット（おすすめな点）

ここまでのレビューを踏まえ、razr 60のメリットを整理します。

メリット1：閉じたままほぼ全てのアプリが使える圧倒的な利便性

他機種ではウィジェットのみの対応など制限が多い中、razr 60は「閉じたまま普通のスマホとして使える」点が最強のメリットです。

満員電車でスマホを開けない時や、片手でサクッと操作したい時に、この自由度の高さは感動レベルです。

メリット2：折りたたみスマホとしては「手頃」なコストパフォーマンス

10万円台前半（実売価格によってはそれ以下）で購入できる折りたたみスマホは貴重です。

機能やデザインに妥協することなく、この価格帯を実現しているのはモトローラならではの企業努力と言えるでしょう。

メリット3：デザイン性と携帯性の高さ（ポケットに収まる快適さ）

コンパクトに折りたたんでポケットに入れた時の「収まりの良さ」は、一度体験すると板状のスマホには戻れなくなる魅力があります。

ファッションアイテムとしても映えるデザインは、持っているだけで気分を上げてくれます。

購入前に知っておくべき注意点・デメリット

一方で、購入後に後悔しないために知っておくべきデメリットもあります。

注意点1：ハイエンド機と比較するとゲーム性能は「中の上」

前述の通り、最新の重いゲームを最高設定で楽しみたい人にはパワー不足です。

あくまで「日常使いには十分だが、ゲーミングスマホではない」という点を理解しておく必要があります。

注意点2：望遠レンズ非搭載のためズーム撮影には弱い

カメラは広角と超広角の2眼構成であり、望遠レンズ（光学ズーム）はありません。

デジタルズームで拡大することは可能ですが、画質の劣化は避けられません。

遠くの風景や、運動会での撮影などをメインに考えている場合は注意が必要です。

注意点3：音量ボタンの位置やスピーカー音質など細かい操作性

構造上、音量ボタンと電源ボタンが本体の上部に寄っており、開いた状態だと少し指が届きにくいと感じることがあります。

また、ボタン自体が小さくクリック感が浅いため、押し間違いやすいという声もあります。

スピーカーはステレオ対応ですが、音質は「普通」レベルで、音楽鑑賞用としては少し軽めの音に聞こえるかもしれません。

motorola razr 60の価格・発売日と販売キャリア

最後に、購入情報についてまとめます。

SIMフリー版・ドコモ・ソフトバンク・MVNO（IIJmio等）の価格比較

• SIMフリー版（公式・家電量販店など）：一括13万5800円前後が定価ですが、ECサイトではポイント還元などで実質安くなる場合があります。
• ソフトバンク（razr 60s）：「新トクするサポート」などの端末購入プログラムを利用することで、実質負担額が月々数円〜数千円と非常に安価になるケースがあります。
• ドコモ（razr 60d）：「いつでもカエドキプログラム」などが適用可能です。
• MVNO（IIJmioなど）：MNP乗り換え限定で、大幅な割引価格（10万円切りなど）で販売されるセールが行われることがあります。

キャリアのキャンペーン情報と最安で購入する方法

最安で手に入れるなら、ソフトバンクなどのキャリアが行っている「端末返却プログラム」を利用するか、IIJmioなどのMVNOが行う「乗り換えキャンペーン」を狙うのが賢い方法です。

特にキャリアの施策は時期によって変動するため、最新の情報をショップや公式サイトで確認しましょう。

まとめ：motorola razr 60 レビューの総括

今回は、モトローラの最新折りたたみスマホ「motorola razr 60」をレビューしました。

本機は、尖ったスペックよりも「使いやすさ」と「体験」を重視して作られた、非常に完成度の高いスマートフォンです。