水月雨(Moondrop)空鳴 VOID レビュー解説!音質・装着感を徹底評価

水月雨(Moondrop)から登場した開放型ヘッドホン「空鳴 VOID」について、その音質や特徴が気になっている方も多いのではないでしょうか。

開発に3年を費やしたというこのモデルは、手頃な価格帯でありながら高いポテンシャルを秘めていると話題ですが、一方でビルドクオリティに関する厳しい意見も見られます。

この記事では、水月雨 Moondrop 空鳴 VOIDの音質、装着感、デザインといった特徴から、実際のユーザーによる評判・口コミ、そして購入前に知っておくべき注意点まで、あらゆる情報を網羅的にレビュー解説します。

競合製品との比較も交えながら、空鳴 VOIDが本当に「買い」なのかを徹底的に掘り下げていきます。

目次

【結論】水月雨 空鳴 VOIDの評価は?買うべきか徹底解説

空鳴 VOIDはこんな人におすすめ!

水月雨 空鳴 VOIDは、特に「音質を最優先し、外観や作りよりもサウンドの質を重視する方」におすすめできるヘッドホンです。

具体的には、開放型ならではの広く自然な音の抜け感を好み、長時間のリスニングでも疲れにくい軽量なモデルを探している方に最適です。

また、水月雨ブランド特有の繊細で美しい中高音域の表現が好きな方や、ボーカル曲をクリアに楽しみたいというニーズにも応えてくれるでしょう。

ビルドクオリティの低さを許容でき、自宅での音楽鑑賞をメインに使用する方であれば、価格以上の満足感を得られる可能性が高いです。

購入前に注意!こんな人には向かない可能性

一方で、空鳴 VOIDはすべての人におすすめできるわけではありません。

まず、「ヘッドホンの質感やビルドクオリティを重視する方」には向いていない可能性が高いです。

多くのレビューで指摘されている通り、プラスチック感が強く、価格相応の高級感は期待できません。

また、「迫力のある重低音を求める方」や、ロックやEDMといったジャンルをパワフルに楽しみたい方には、低音の量感が物足りなく感じられるかもしれません。

そして、開放型ヘッドホンの特性上、音漏れが非常に大きいため、電車内や図書館など屋外や静かな場所での使用を考えている方には全く適していません。

SNSやレビューサイトでのリアルな評判・口コミまとめ

空鳴 VOIDの評判を調査すると、評価は「音質」と「それ以外」で大きく分かれる傾向にあります。

ポジティブな口コミとしては、「価格を考えれば音は素晴らしい」「水月雨らしい綺麗な高音が良い」「軽くて長時間でも疲れない」といった、音質と装着感の軽さを称賛する声が多数見られます。

その一方で、ネガティブな口コミでは、「見た目が値段不相応にチープ」「プラスチックのきしむ音が気になる」「側圧が弱くフィット感が合わない」など、ビルドクオリティと装着感に関する不満点が目立ちます。

総じて、「音は良いが、作りはチープ」というのが多くのユーザーに共通する評価と言えるでしょう。

水月雨 Moondrop 空鳴 VOIDとは?まずは特徴とスペックを確認

開発期間3年!水月雨が手掛ける初の本格ヘッドホンシリーズ

空鳴 VOIDは、高品質なイヤホンでオーディオファンの間で高い評価を得ている中国のブランド「水月雨(Moondrop)」が、約3年の開発期間を経て市場に投入した、ブランド初となる本格的な開放型ダイナミックヘッドホンです。

同社が培ってきたサウンドチューニング技術をヘッドホンという新たなフィールドで表現した意欲作であり、手頃な価格帯でフラッグシップレベルの性能を目指して設計されています。

イヤホンで確立した「水月雨サウンド」をヘッドホンでどのように実現しているのか、多くの注目を集めているモデルです。

独自開発50mmダイナミックドライバーがもたらすサウンド

空鳴 VOIDの心臓部には、独自に開発された50mm径の大型ダイナミックドライバーが搭載されています。

このドライバーは、柔軟性の高い「柔性エッジ」と剛性の高い「金属メッキドーム」を組み合わせた特殊な振動板を採用。

さらに、1テスラ以上の磁束密度を誇る内磁型磁気回路によって強力に駆動させることで、豊かなディテールを持つ高域と、優れたレスポンスを持つ中低域の両立を目指しています。

この技術により、開放型ならではの自然な音場と、原音に忠実な再生能力を実現しているのが最大の特徴です。

空鳴 VOIDのスペック一覧(インピーダンス・周波数帯域など)

空鳴 VOIDの主なスペックは以下の通りです。

スペック項目内容
構造開放型(オープンエアー)
ドライバー50mm ダイナミックドライバー
再生周波数帯域10Hz – 80,000Hz
インピーダンス64Ω ±15% (@1kHz)
感度110dB/Vrms (@1kHz)
ケーブル端子3.5mm(両出し)
プラグ3.5mm ステレオミニプラグ

インピーダンスが64Ωとやや高めのため、スマートフォン直挿しよりも、ある程度の駆動力を持つDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やヘッドホンアンプとの接続が推奨されます。

付属品は?高品質と評判の付属ケーブルもチェック

空鳴 VOIDの付属品はシンプルですが、実用的なものが揃っています。

パッケージにはヘッドホン本体のほか、着脱式の3.5mmステレオケーブルと、アンプなどに接続するための6.3mm変換プラグが含まれています。

特に付属のケーブルは、布巻きでしなやか、かつ取り回しが良いと評判が高く、多くのユーザーから高評価を得ています。

本体の質感とは対照的に、ケーブルの品質は価格以上のものと言えるかもしれません。

【音質レビュー】空鳴 VOIDのサウンドは価格以上?実際の音を徹底評価

開放型ならではの広く自然な音場と抜けの良さ

空鳴 VOIDの音質を語る上で最も顕著なのは、開放型ヘッドホンならではの広く自然な音場(サウンドステージ)です。

音が頭の中にこもる感覚が少なく、スピーカーで聴いているかのような抜けの良いサウンドが特徴で、これにより音楽を窮屈さなく楽しめます。

左右の広がりに加え、上下の空間表現も感じられ、各楽器の位置関係を掴みやすいという評価もあります。

ただし、一部のレビューでは、イメージング(音の定位)性能が特別優れているわけではなく、音像がややぼやけて感じられるという指摘も見られました。

高音域の評価:水月雨らしい繊細で美しいサウンド

高音域の表現は、多くのレビュアーが「水月雨らしい」と評価するポイントです。

刺さるような鋭さはなく、非常にクリアで繊細なサウンドを奏でます。

シンバルやハイハットの金属音も綺麗に表現し、楽曲の細かなニュアンスをしっかりと描き出してくれます。

伸びやかで見通しの良い高音は、楽曲全体の透明感を高めるのに大きく貢献しており、この価格帯のヘッドホンとしては非常にレベルが高いと言えるでしょう。

中音域の評価:ボーカルはクリアに聴こえる?

中音域、特にボーカルの聴こえ方については、評価が少し分かれる部分です。

多くの意見では、ボーカルは真ん中にしっかりと定位し、息遣いやリップノイズも感じ取れるほどクリアに聴こえるとされています。

しかし、一部のレビューでは「ボーカルが布一枚挟んだように曇って聞こえる」という正反対の意見もあり、聴く人や音源によっては、少しこもったように感じられる可能性も否定できません。

全体的には、厚みがありつつも自然なボーカル表現を得意としているようです。

低音域の評価:量感は控えめ?それとも厚みがある?

低音域に関しても、レビュアーによって印象が異なるようです。

「ウォームで厚みのある低音」と評価する声がある一方で、「フラットでナチュラル、量感は控えめ」とする声もあります。

共通しているのは、ズンズンと響くような重低音ではなく、ビートのアタック感やベースラインの輪郭を伝える、質を重視した低音であるという点です。

また、「量はあるが重みがなく、少しぼやけている(weightless)」というテクニカルな指摘もあり、キレや締まりを求めるユーザーには物足りなく感じるかもしれません。

得意な音楽ジャンルと苦手な音楽ジャンルは?

これらの音質特性から、空鳴 VOIDが得意とするのは女性ボーカルの楽曲、アニソン、ポップス、ジャズ、チルアウト系の音楽などが挙げられます。

繊細な高音とクリアなボーカル表現が、これらのジャンルの魅力を引き立ててくれます。

反対に、ハードロックやメタル、重低音を重視するEDMなど、音の迫力やアタック感を求めるジャンルでは、低音のパンチ力不足から少し物足りなさを感じる可能性があります。

音質以外の使い心地は?装着感・デザイン・ビルドクオリティを本音レビュー

デザインの評価:シンプルで良い?それとも安っぽい?

空鳴 VOIDのデザインは、白を基調としたシンプルでクリーンなルックスが特徴です。

市場には黒いヘッドホンが多い中で、このミニマルなデザインを好意的に評価する声は少なくありません。

ドライバーがグリル越しに透けて見える点も、メカニカルな魅力を感じさせます。

ただし、後述するビルドクオリティの問題から、デザインは良くても質感が伴わず、全体として安っぽく見えてしまうという意見が多数を占めています。

最大の弱点?ビルドクオリティ(作りのチープさ)に関する厳しい意見

空鳴 VOIDのレビューで最も多く、そして厳しく指摘されているのがビルドクオリティの低さです。

ほぼ全てのパーツがプラスチックで構成されており、手に取ると「きしむ」「カタカタする」といった声が多く聞かれます。

レビュアーからは「200ドルのヘッドホンより安っぽく感じる」「音に全振りして外装は犠牲にした感じ」といった辛辣な評価が下されており、この点は購入を検討する上で最大の懸念材料となるでしょう。

まさに「見た目は1万円、音は5万円」と評される、極端な特徴を持つ製品です。

装着感は快適?軽量ボディと側圧についての評判

ビルドクオリティとは裏腹に、装着感についてはポジティブな評価も見られます。

プラスチックボディの恩恵で本体は非常に軽量であり、「長時間着けていても疲れない」という点は大きなメリットです。

側圧も強すぎず、軽快な着け心地を提供します。

ただし、ヘッドバンドの形状が合わないと、イヤーパッドが均等に密着せず、特に下側が浮いてしまうという問題も指摘されています。

万人にフィットするわけではなく、頭の形によっては調整が必要になる場合があります。

リケーブルは可能?端子の仕様とおすすめケーブル

空鳴 VOIDは、ケーブル着脱式に対応しており、リケーブルによる音質変化やカスタマイズを楽しむことが可能です。

ヘッドホン本体側の端子は、左右両出しの3.5mmモノラルミニジャックという汎用性の高い仕様になっています。

これにより、市販されている多くのリケーブル製品と互換性があります。

純正ケーブルの品質も高いと評判ですが、バランス接続に対応したケーブル(例:4.4mmバランスケーブル)に交換することで、さらなる音質の向上や駆動力の安定化を期待できます。

購入前に知っておきたい空鳴 VOIDの注意点・デメリット

屋外使用はNG!開放型ならではの盛大な音漏れ

空鳴 VOIDは開放型(オープンエアー型)ヘッドホンです。

この構造は自然な音場を実現する一方で、ハウジング(耳を覆う部分)に多くの開口部があるため、音が外に盛大に漏れます。

また、外部の音もほぼそのまま聞こえてくるため、遮音性も皆無です。

そのため、電車やバスなどの公共交通機関、カフェや図書館といった静かな場所での使用は、周囲への迷惑となるため絶対に避けるべきです。

使用は自室など、プライベートな空間に限定されます。

フィット感は人を選ぶ?ヘッドバンドの調整が必要なケースも

前述の通り、空鳴 VOIDのフィット感は万人向けとは言えません。

特にヘッドバンドのカーブが狭めに設計されているため、頭の幅が広い方だとイヤーパッドの上部ばかりに圧力がかかり、下部が浮いてしまうことがあります。

海外のレビュアーは、適切なフィット感を得るために、ヘッドバンドを慎重に外側へ曲げて幅を広げるという調整を行っていました。

購入後、もしフィット感に問題があれば、自己責任で同様の調整を試みる必要があるかもしれません。

鳴らしきるにはパワーが必要?スマホ直挿しでも大丈夫か

スペックのインピーダンスが64Ωと比較的高めであるため、空鳴 VOIDのポテンシャルを最大限に引き出すには、ある程度の出力(パワー)を持つ再生機器が推奨されます。

スマートフォンのイヤホンジャックに直接接続しても音は出ますが、音が弱々しくなったり、低音の迫力が不足したりする可能性があります。

より質の高いサウンドで楽しむためには、ポータブルヘッドホンアンプや、駆動力に定評のあるDAP(デジタルオーディオプレーヤー)と組み合わせて使用するのが理想的です。

初期ロットからの改善点はある?改訂版(Revised version)について

空鳴 VOIDは発売当初、コミュニティからのフィードバックを受け、一度販売を停止し、改良が加えられた改訂版(Revised version)が再販された経緯があります。

主な変更点として、ハウジングのプラスチックがソフトタッチ素材から、より柔軟性のあるハードタッチ素材に変更されました。

また、イヤーカップとヘッドバンドが接触する際に鳴っていた大きな音を軽減するため、小さなゴム製のストッパーが追加されています。

ただし、これらの変更によっても、根本的なビルドクオリティのチープさが解消されたわけではない、という点には注意が必要です。

価格とコストパフォーマンスは?競合ヘッドホンと比較

空鳴 VOIDの現在の販売価格はいくら?

水月雨 空鳴 VOIDの販売価格は、取り扱い店舗によって多少変動しますが、概ね30,000円から34,000円程度の価格帯で販売されています。

この価格帯は、オーディオ入門機からのステップアップとして選ばれることが多い、競争の激しいゾーンです。

同価格帯には、長年の実績を持つ有名ブランドの定番モデルも多く存在します。

競合比較①:Sennheiser HD 560sと比べてどう違う?

同価格帯の強力なライバルとして、Sennheiser(ゼンハイザー)の「HD 560s」が挙げられます。

音質の傾向は対照的で、空鳴 VOIDが比較的ウォームで低音に厚みがあるのに対し、HD 560sはよりニュートラルで分析的な、少し明るめのサウンドです。

技術的な性能、特にイメージング(定位感)や解像度ではHD 560sに軍配が上がるという意見が多いです。

また、ビルドクオリティに関しても、同じくプラスチック製ながらHD 560sの方が堅牢でしっかりとした作りになっています。

競合比較②:Philips Fidelio X2 HRとの違いは?

もう一つの比較対象として、Philips(フィリップス)の「Fidelio X2 HR」があります。

このモデルは、迫力のある低音とキラキラした高音が特徴の、いわゆる「Vシェイプ」サウンドで、音楽を楽しく聴かせるチューニングがされています。

空鳴 VOIDのウォームなサウンドとはキャラクターが大きく異なります。

ビルドクオリティではFidelio X2 HRが圧倒的に優れており、金属パーツや本革を多用した高級感のある作りは、VOIDのチープさとは対極にあります。

結論:ビルドクオリティを許容できるなら高コスパと言えるか?

結論として、空鳴 VOIDのコストパフォーマンスは「何を重視するか」によって大きく変わります。

純粋な「音質」、特に水月雨ならではの美しい中高音や独特のサウンドキャラクターを最優先するのであれば、この価格で得られる音としては非常にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

しかし、ヘッドホンを所有する満足感や、日々の使用に耐えうる堅牢性といったビルドクオリティを考慮に入れると、同価格帯の競合製品に見劣りする点は否めません。

作りの安っぽさを許容できるかどうかが、このヘッドホンの評価を分ける最大のポイントです。

まとめ:水月雨(Moondrop)空鳴-VOID レビュー解説

  • 水月雨 空鳴 VOIDは音質を最優先するユーザー向けの開放型ヘッドホンである
  • ビルドクオリティは価格不相応にチープとの評価が大多数を占める
  • 音質は水月雨らしい繊細で美しい中高音域に定評がある
  • 本体は非常に軽量で長時間のリスニングでも疲れにくい点がメリット
  • 開放型のため音漏れは非常に大きく、屋外や静かな場所での使用には全く向かない
  • フィット感は頭の形によっては調整が必要になる可能性がある
  • 付属ケーブルはしなやかで質が高いと評価されている
  • ポテンシャルを発揮するにはスマートフォン直挿しよりアンプの使用が推奨される
  • Sennheiser HD 560sなどの競合機とは音の傾向や作りが大きく異なる
  • 外観や質感を気にせず、サウンドキャラクターを重視するならば高コスパな選択肢となり得る
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次