水月雨 Kadenzを徹底レビュー解説!音質やKATOとの違い

水月雨(MOONDROP)から登場した待望の新作イヤホン「Kadenz」。

人気モデル「KATO」の後継機との呼び声も高く、その特徴や実際の音質、価格について多くのオーディオファンが注目しています。

KATOからの進化点はどこなのか、ネット上の評判は本当なのか、購入する価値はあるのか、といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

この記事では、複数のレビュー情報や製品スペックを基に、「水月雨 Kadenz」のレビューを多角的に解説します。

音質評価から付属品、KATOとの比較、購入前の注意点まで、あなたの知りたい情報を網羅的に提供し、購入を検討する上での判断材料となることを目指します。

目次

結論:水月雨 Kadenzはどんなイヤホン?買うべきかを総まとめ

【総評】KATOから正統進化した高解像度リスニングイヤホン

水月雨 Kadenzは、同社の人気モデル「KATO」の強みを引き継ぎながら、解像度や音の締まりを向上させた正統進化モデルと言えます。

Kシリーズの最終章を飾るにふさわしく、新たに開発された第2世代ドライバーとTACダイヤモンドコーティング振動板を搭載。

これにより、KATOのニュートラルな傾向を踏襲しつつも、より明瞭でキレのある現代的なリスニングサウンドへと昇華させています。

豪華な付属品や傷に強くなった筐体など、音質以外の面でも着実な進化を遂げており、総合的な完成度が非常に高いイヤホンです。

ネット上の良い評判・気になる評判から見るKadenzの立ち位置

Kadenzは発売以降、多くのオーディオファンからレビューが寄せられています。

ネット上の評判をまとめると、以下のような声が多く見られます。

良い評判として

  • KATOから解像度と分離感が確実に向上している
  • 音の立ち上がりが速く、キレが良い
  • USB-DACや変換プラグなど付属品が非常に豪華でコスパが高い
  • マット仕上げの筐体が傷に強く、高級感がある

気になる評判として

  • KATOの温かみや柔らかい音色が好きな人には、少しドライに感じるかもしれない
  • 低音の量感は控えめで、迫力を求める人には物足りない可能性がある
  • 本体がステンレス製でやや重い

総じて、音質の基本性能の高さと付属品の充実度が高く評価されている一方で、音色の好みはKATOと分かれるという意見がKadenzの立ち位置を示しています。

【診断】Kadenzの購入がおすすめな人・そうでない人

これまでの情報から、水月雨 Kadenzの購入が特に向いている人と、他の選択肢を検討した方が良い人をまとめました。

おすすめな人おすすめできない人
クリアで高解像度なサウンドを求める人迫力のある重低音を最優先する人
ボーカルや楽器の音を繊細に聴き分けたい人KATOやKXXSの柔らかく温かみのある音色が好きな人
付属品の充実度を重視し、追加投資なしで始めたい人イヤホンでの通話機能を必要とする人(マイク非搭載)
4.4mmバランス接続やUSB-DACを試してみたい人軽量なイヤホンを好む人
傷を気にせず日常的に使えるイヤホンが欲しい人

前モデルKATOユーザーは買い替えるべき?両者の決定的な違いを解説

KATOを既に愛用している方がKadenzに買い替えるべきか、という点は非常に悩ましい問題です。

結論から言うと、「音色の好み」と「求める体験」によって判断が分かれます。

KadenzはKATOと比較して、解像度、音の分離、スピード感が向上し、より現代的で明瞭なサウンドになっています。

一方、KATOが持つ独特の温かみや、ふくよかで自然な響きは少し後退し、よりモニターライクでタイトな方向性になりました。

もしあなたがKATOの「音色」そのものを深く愛しているなら、Kadenzは「進化」ではなく「変化」と感じる可能性があり、無理に買い替える必要はないかもしれません。

しかし、より高い解像度や豪華な付属品(特に4.4mmバランス接続やUSB-DAC)に魅力を感じるのであれば、Kadenzへの買い替えは大きな満足感をもたらすでしょう。

水月雨 Kadenzの「音質」を徹底レビュー!KATOとの比較も

全体的なサウンドバランス:明瞭でキレのある現代的なリスニングサウンド

Kadenzのサウンドは、基本的にはKATOのニュートラルな方向性を継承しつつ、よりリスニング寄りのU字方向のバランスにチューニングされています。

全体の印象としては、透明感がありながらも適度な豊かさと温かみが増しており、1音1音の解像度が大きく向上しました。

KATOが持つ柔らかなニュートラルサウンドと比較すると、Kadenzはより輪郭がハッキリとした明瞭感のあるサウンドに仕上がっており、最近のトレンドを意識した音作りと言えるでしょう。

【高域の音質】刺さらず伸びやか、クリアで煌びやかな表現力

高域は、水月雨らしいクリアで煌びやかなサウンドでありながら、耳に刺さるような刺激は巧みにコントロールされています。

非常に滑らかに再生され、適度な煌めきと直線的な伸びやかさを持ち合わせています。

明るすぎず、鮮やかさを保ちつつも穏やかな印象でチューニングされており、長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいのが特徴です。

【中音域の音質】ボーカルの明瞭さと楽器の分離感は進化した?

中音域は、KATOと比較してボーカル域がより明瞭になり、リスナーの近くで鳴るように感じられます。

特に、楽器との分離感が素晴らしく、複雑な楽曲でもそれぞれの音が混ざり合うことなくクリアに聴き取ることが可能です。

この分離の良さはKATOや過去の高評価モデルと比較しても確実に進化している点であり、分析的に音楽を聴きたいユーザーにとっては大きな魅力となります。

女性ボーカルは綺麗に伸び、男性ボーカルは豊かで厚みがあり、非常に滑らかに表現されます。

【低域の音質】タイトで締まりのある、スピード感豊かな低音

低域は、KadenzがKATOから最も進化したポイントの一つです。

KATOのやや緩めだった印象から一変し、特に重低音の締まりが向上し、キレとスピード感が増しました。

これにより、低域全体の伸びやかさが改善され、よりエネルギッシュで聞き心地の良いサウンドになっています。

解像感も増しているため、EDMのような音数が多くスピード感のある楽曲も楽しく聴くことができるでしょう。

解像度と音場の広さはどう?KATOと比較して聴こえ方を解説

解像度は、KATOを含む同価格帯のイヤホンと比較してもトップクラスです。

新開発ドライバーの恩恵は明らかで、声のざらつきや余韻といった質感までリアルに表現します。

音場(サウンドステージ)は、過度に広いわけではありませんが、自然な広さと深さがあり、定位も正確です。

特にKATOの弱点とされたやや狭めの音場が改善され、より立体的で広がりのあるサウンドを楽しめるようになっています。

水月雨 Kadenzのスペックと特徴を徹底解説

Kシリーズ最終章を飾る技術:第2世代ドライバーと新開発の振動板

Kadenzの心臓部には、1年半以上の歳月をかけて開発された「10mm ULT Gen2 特許取得済みスーパーリニアダイナミックドライバー」が搭載されています。

振動板には、高剛性なLCP(液晶ポリマー)を基板に人工ダイヤモンド層をコーティングした「TAC ダイヤモンドコーティングドーム複合振動板」を採用。

これにより、歪みを極限まで抑え、ハイブリッド型に匹敵するほどのクリアで拡張されたサウンドレスポンスを実現しています。

筐体のデザインとビルドクオリティ:傷に強く高級感のあるマット仕上げ

筐体は、KATOと同様にステンレススティールをMIM製法(金属粉末射出成形法)で鋳造されています。

大きな違いは表面処理で、手作業で磨いた後にサンドブラスト処理が施され、高級感のあるマット仕上げとなっています。

これにより、鏡面仕上げだったKATOの弱点である「傷のつきやすさ」が大幅に改善され、日常的に安心して使用できる堅牢性を手に入れました。

装着感と本体の重量は?長時間の使用でもストレスはないか

本体重量は片側約12.5gと、KATO(約12g)より僅かに重くなっています。

ステンレス製のため一般的なイヤホンよりは重量感がありますが、筐体が耳に沿う形状をしており、装着感は良好です。

ケーブルを耳に掛けることで安定感も増し、タッチノイズも感じにくくなっています。

ただし、エッジの効いたデザインのため、人によっては長時間の使用で耳が痛くなる可能性も指摘されています。

詳細スペック一覧(ドライバー構成、インピーダンス、感度など)

水月雨 Kadenzの主な仕様は以下の通りです。

項目仕様
ドライバー構成10mm-第2世代ULTダイナミックドライバー
振動板TAC ダイヤモンドコーティングドーム複合振動板
インピーダンス35Ω±15%(@1kHz)
感度122dB/Vrms(@1kHz)
再生周波数帯域8-21,000Hz
ケーブル素材単結晶銅銀メッキ
コネクタ0.78mm 2pin
プラグ4.4mm バランスプラグ

付属品を完全網羅!これだけで始められる豪華パッケージの中身

標準で4.4mmバランス接続!高品質な付属ケーブルの質感をチェック

Kadenzには、高純度の単結晶銅銀メッキ線を使用した高品質なケーブルが標準で付属します。

プラグは近年のオーディオファンに人気の4.4mmバランス接続に対応しており、音の分離感や情報量を高いレベルで楽しむことが可能です。

ケーブル自体も太くコシがあり、取り回しも悪くないため、リケーブルせずとも高い満足感が得られます。

付属の変換アダプタで3.5mmやUSB Type-Cにも対応

Kadenzのパッケージが非常に優れている点として、豊富な変換アダプターが挙げられます。

標準の4.4mmプラグを一般的な3.5mmイヤホンジャックに変換するアダプターと、USB Type-Cポートに接続できるDAC内蔵アダプターが同梱されています。

これにより、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)からPC、スマートフォンまで、追加の投資なしで様々な機器に接続できる利便性を備えています。

付属USB-DAC「ECHO-B」の性能と使い方、音質の変化は?

付属のUSB Type-C変換アダプター「ECHO-B」には、USB-DACが内蔵されています。

最大で32bit/384kHzのハイレゾ再生に対応しており、スマートフォンでも手軽に高音質な音楽再生が可能です。

さらに、水月雨の専用アプリ「MOONDROP Link」と連携させることで、イコライザー調整など好みに合わせたチューニングも楽しめます。

スマートフォンで音楽を聴くことが多いユーザーにとっては、非常に嬉しい付属品と言えるでしょう。

2種類のイヤーピースと3つの交換式ノズルでフィット感を追求

ユーザー一人ひとりの耳に最適なフィット感を提供するため、イヤーピースとノズルも豊富に用意されています。

イヤーピースは、人気のシリコンイヤーピース「Spring Tips(清泉)」と、汎用的な黒色タイプの2種類がそれぞれS/M/Lサイズで付属します。

また、交換可能なノズルはA/B/Cの3種類が付属しており、材質による音質変化ではなく、長さの違いで装着位置を微調整できるようになっています。

質感の良い付属ケースと便利なポーチ

イヤホンを安全に保管・持ち運びするためのケースも付属します。

KATOの四角いケースから変更され、円柱型でチャック付きのレザーケースになりました。

質感が高く、イヤホン本体や付属品をまとめて収納できる十分な大きさがあります。

さらに、交換ノズルなどを入れるための小さな巾着ポーチも付いており、細やかな配慮が感じられます。

購入前に知っておきたいKadenzの価格と注意点

水月雨 Kadenzの価格はいくら?国内販売価格と購入方法

水月雨 Kadenzの価格は、海外では189.99ドルに設定されています。

日本国内での販売価格は、税込で26,640円から29,610円前後となっています(2025年8月時点)。

Amazonの公式ストアや楽天市場、e☆イヤホンなどのオーディオ専門店、ヨドバシカメラなどの家電量販店のオンラインストアで購入が可能です。

【注意点①】マイク非搭載のため通話には不向き

Kadenzの付属ケーブルにはマイクが搭載されていません。

そのため、スマートフォンに接続して音楽を聴くことはできますが、そのまま通話することは不可能です。

もし通話用途でも使用したい場合は、別途マイク付きのケーブルを購入し、リケーブル(ケーブル交換)する必要があります。

【注意点②】KATOの「柔らかい音色」が好きな人は好みが分かれる可能性

繰り返しになりますが、Kadenzの音質はKATOから変化しています。

KATOやその前身であるKXXSが持つ、独特の柔らかさや温かみのあるサウンドを好んでいた方にとっては、Kadenzのシャープで明瞭なサウンドは少し物足りなく感じるかもしれません。

これは優劣の問題ではなく、純粋な音色の好みの違いです。

可能であれば、実際に試聴してからの購入をおすすめします。

【注意点③】リケーブルは可能?コネクタ形状(2Pin)について

Kadenzはリケーブル(ケーブル交換)に対応しており、自分好みの音質にカスタマイズすることが可能です。

イヤホン本体側のコネクタ形状は、業界で広く採用されている「0.78mm 2pin」タイプです。

これにより、市場に流通している多くのリケーブル用ケーブルと互換性があり、ケーブル選びに困ることは少ないでしょう。

まとめ:水月雨 Kadenz レビュー解説

改めて解説!水月雨 Kadenzの魅力と評価されたポイント

水月雨 Kadenzは、同社の人気Kシリーズの集大成として、多くの点で高い完成度を誇るイヤホンです。

KATOから進化した高解像度でクリアなサウンド、傷に強く高級感のある筐体、そして4.4mmバランスケーブルやUSB-DACまで付属する圧倒的なパッケージ内容が、その主な魅力です。

音質の好みは分かれる部分もありますが、製品としてのクオリティは非常に高く、多くのユーザーを満足させるポテンシャルを秘めています。

3万円台イヤホンの新たなリファレンス機となりうるか?

結論として、水月雨 Kadenzは3万円前後の価格帯において、新たな定番・リファレンス機となる可能性が極めて高いモデルです。

かつてKATOがその地位を築いたように、Kadenzもまた、優れた音質と高いコストパフォーマンスで、多くのオーディオファンにとっての指針となるでしょう。

これから少し本格的な有線イヤホンの世界に足を踏み入れたいと考えている方にとって、Kadenzは非常に満足度の高い選択肢となるはずです。

  • 水月雨 Kadenzは、人気モデルKATOから正統進化した高解像度イヤホンである
  • 音質はKATOより明瞭でキレが良く、現代的なリスニングサウンドに仕上がっている
  • 新開発の第2世代ドライバーとダイヤモンドコーティング振動板を搭載する
  • 筐体は傷に強いマット仕上げとなり、KATOの弱点が改善された
  • 標準で4.4mmバランス接続ケーブルが付属し、音の分離感に優れる
  • 3.5mmとUSB Type-Cへの変換アダプターが同梱され、利便性が高い
  • 付属のUSB-DAC「ECHO-B」はハイレゾ再生に対応し、スマホでも高音質を実現する
  • マイクは非搭載のため、通話用途には別途リケーブルが必要となる
  • KATOの柔らかい音色が好きなユーザーとは好みが分かれる可能性がある
  • 3万円前後の価格帯において、新たな定番・リファレンス機となる完成度を持つ
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