ノートパソコン選びにおいて、性能はもちろんのこと、持ち運びやすさを重視する方は多いのではないでしょうか。
そんな中、LGエレクトロニクスから登場した「LG gram SuperSlim」は、その名の通り驚異的な薄さと軽さで大きな注目を集めています。
しかし、そのスタイリッシュなデザインの裏に隠された実際の性能や、日々の使い勝手はどのようなものなのでしょうか。
インターネット上には様々な評判や口コミがあふれており、「画面が綺麗」「バッテリーが持つ」といった肯定的な意見もあれば、「価格の割に性能が低い」「壊れやすいのでは?」といった気になる声も存在します。
この記事では、lg gram superslimのスペックや特徴、ベンチマークテストの結果から、ユーザーのリアルな評価、そして購入前に知っておくべき注意点まで、あらゆる角度から徹底的にレビュー解説していきます。
あなたのパソコン選びが成功するよう、客観的で詳細な情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
LG gram SuperSlimのレビュー解説|基本性能と特徴
LG gram SuperSlimの際立つ特徴
LG gram SuperSlimが他のノートパソコンと一線を画す最も大きな特徴は、15.6インチという大画面を搭載しながら、圧倒的な「薄さ」と「軽さ」を実現している点です。
この携帯性の高さが、製品のアイデンティティそのものと言えるでしょう。
具体的には、本体の厚さは最薄部で10.99mm、重量は約990gという驚異的な数値を実現しています。
これは同クラスのノートパソコンと比較しても突出しており、日々の持ち運びにおける負担を劇的に軽減してくれます。
この薄型軽量ボディを支えているのが、航空機のボディなどにも使用される軽量かつ頑丈なマグネシウム合金です。
これにより、ただ軽いだけでなく、米国国防総省が定める耐久性基準「MIL-STD-810H」の7項目をクリアするほどの堅牢性も両立させているのです。
さらに、ディスプレイには自発光方式の有機EL(OLED)パネルを搭載しています。
これにより、液晶では表現が難しい漆黒の「黒」を再現でき、1,000,000:1という圧倒的なコントラスト比を実現しました。
DCI-P3 100%の広色域とHDR(ハイダイナミックレンジ)にも対応しているため、映像コンテンツを極めて色鮮やかでリアルに楽しむことができます。
また、ディスプレイ表面にはアンチグレア(非光沢)低反射処理が施されており、照明や外光の映り込みを抑え、目の疲れを軽減してくれる点も、ビジネスや学習で長時間使用するユーザーにとっては嬉しいポイントです。
デザイン面では、「ネプチューンブルー」と名付けられた深みのある落ち着いたカラーリングが、所有する喜びを満たしてくれるでしょう。
LG gram SuperSlimの詳しいスペック
LG gram SuperSlimは、複数のモデルが展開されており、それぞれCPUやストレージ容量が異なります。
ここでは、代表的なモデルのスペックを比較しながら、どのような用途に向いているのかを解説します。
スペック項目 | 15Z90RT-MA75J | 15Z90RT-NP53J |
---|---|---|
OS | Windows 11 Home | Windows 11 Pro |
CPU | 第13世代 Intel Core i7-1360P | 第13世代 Intel Core i5-1340P |
メモリ | 16GB (LPDDR5 6000MHz) | 16GB (LPDDR5) |
ストレージ | 512GB SSD (NVMe PCIe 4.0) | 256GB SSD (NVMe) |
ディスプレイ | 15.6インチ 有機EL (OLED) | 15.6インチ 有機EL (OLED) |
解像度 | 1920×1080 (フルHD) | 1920×1080 (フルHD) |
グラフィックス | Intel Iris Xe Graphics | Intel Iris Xe Graphics |
ポート | Thunderbolt 4(USB4)×2, USB-C 3.2 Gen2×1 | Thunderbolt 4(USB4)×2, USB-C 3.2 Gen2×1 |
バッテリー | 60Wh (最大約13時間駆動) | 60Wh (最大約9時間40分駆動) |
本体重量 | 約990g | 約990g |
本体カラー | ネプチューンブルー | ネプチューンブルー |
キーボード | 英語配列 (97キー/テンキー付き) | US配列 (テンキー付き) |
上位モデルである「15Z90RT-MA75J」は、高性能なCore i7-1360Pプロセッサーと512GBの大容量SSDを搭載しています。
これにより、複数のアプリケーションを同時に利用するマルチタスクや、写真編集、軽めの動画編集といったクリエイティブな作業にも対応できる性能を持っています。
一方、「15Z90RT-NP53J」はCore i5-1340Pと256GB SSDを搭載しています。
Webブラウジングや文書作成、オンライン会議といった一般的なビジネス用途であれば、こちらのモデルでも全く問題なく快適に動作します。
どちらのモデルもメモリは16GB搭載しており、ブラウザのタブを多数開いたり、複数の資料を同時に参照したりする際にも動作が重くなりにくいでしょう。
また、ディスプレイや本体サイズ、重量といった基本的な要素は共通しています。
ご自身の主な用途と予算に合わせて、最適なモデルを選択することが重要です。
LG gram SuperSlimのベンチマークスコア
ここでは、LG gram SuperSlimの実際の処理性能を客観的な数値で見ていきましょう。
ベンチマークテストは、パソコンの性能を測定するための指標であり、特にCPU性能やグラフィック性能を比較する際に役立ちます。
CPU性能 (CINEBENCH R23)
CPUの性能を測定する代表的なソフト「CINEBENCH R23」では、Core i7-1360Pを搭載したモデルが「Multi Core: 9001pts」というスコアを記録しています。
このスコアは、一般的なノートパソコンとしては非常に高い水準であり、複数の作業を同時に行うマルチタスク処理もスムーズにこなせることを示しています。
ただし、同じCPUを搭載した他社のパフォーマンス重視のノートパソコンと比較すると、若干スコアが抑えめに出る傾向があります。
これは、LG gramシリーズがピーク性能よりも、バッテリー持続時間や本体の発熱を抑えることを重視した設計思想に基づいているためと考えられます。
グラフィック性能 (3DMark)
グラフィック性能を測る「3DMark」のTime Spyスコアは「1673」前後です。
この数値は、CPU内蔵の「Intel Iris Xe Graphics」としては標準的な性能です。
高画質な3Dグラフィックを多用する最新のゲームを快適にプレイするのは難しいですが、ブラウザゲームや軽めのインディーゲームなどであれば問題なく楽しめます。
あくまでビジネスやクリエイティブ用途が主で、ゲームは息抜き程度と考えるのが良いでしょう。
ストレージ性能 (CrystalDiskMark)
ストレージの読み書き速度を測定する「CrystalDiskMark」では、シーケンシャルリード(読み込み速度)で「7108MB/s」という非常に高速な結果が出ています。
これは、高速な規格である「PCIe Gen4」対応のSSDを搭載している恩恵です。
OSやアプリケーションの起動、大容量ファイルのコピーなどが非常に速く、日常的な操作におけるストレスを大幅に軽減してくれます。
このストレージ性能の高さは、LG gram SuperSlimの快適な使用感を支える重要な要素の一つです。
LG gram SuperSlimのおすすめな点
LG gram SuperSlimには、他のノートパソコンにはない多くの魅力的な点があります。
ここでは、特にユーザーにとってメリットとなるおすすめのポイントをいくつか紹介します。
第一に挙げられるのは、やはり「圧倒的な携帯性」です。
前述の通り、15.6インチの大画面でありながら約990gという軽さは、この製品最大のアドバンテージです。
従来、大画面ノートパソコンは重くて持ち運びが大変という常識がありましたが、lg gram superslimはその常識を覆しました。
出張や外出が多いビジネスパーソン、あるいは大学のキャンパス内で頻繁に場所を移動する学生にとって、この軽さは計り知れない価値を持つでしょう。
次に、「目に優しく美しい有機ELディスプレイ」も大きな魅力です。
非常に明るくコントラストが高いため、写真や映像を本来の色で鮮やかに楽しめます。
また、アンチグレア低反射パネルが採用されていることで、カフェの照明や窓からの光が画面に映り込むのを防ぎ、長時間の作業でも目が疲れにくいというメリットがあります。
エンターテインメント用途はもちろん、正確な色が求められるデザイン作業にも適しています。
さらに、「静音性とバッテリー持続時間の長さ」も特筆すべき点です。
高負荷な作業を行っても冷却ファンの音は非常に静かで、図書館や静かなオフィスでも周囲を気にすることなく作業に集中できます。
バッテリー性能も高く、輝度を最大にした状態でYouTubeを再生し続けても10時間以上持続するというテスト結果もあります。
外出先で電源を探し回る心配が少なく、一日中安心して使用できるのは大きな強みです。
最後に、テンキー付きのキーボードを搭載している点も、数字入力を多用するユーザーにとっては非常に便利です。
これだけの薄型軽量ボディにテンキーまで搭載しているモデルは稀であり、スプレッドシートでの作業効率を大幅に向上させてくれるでしょう。
LG gram SuperSlimを徹底レビュー解説|評価と注意点
LG gram SuperSlimの評判・口コミまとめ
ここでは、実際にLG gram SuperSlimを使用したユーザーからの評判や口コミを、良い点と気になる点に分けてまとめてみます。
購入を検討する上で、リアルな声は非常に参考になります。
良い評判・口コミ
肯定的な意見として最も多く見られるのは、やはり「軽さ」と「画面の美しさ」に関するものです。
・「箱から出した瞬間に『軽い!』と声が出た。15.6インチなのに片手で楽に持てる」
・「これまで使っていた13インチのPCより画面が広いのに、重さはほとんど変わらない」
・「有機ELディスプレイは本当に綺麗。黒がしっかり締まっていて、映画を見るときの没入感が違う」
・「アンチグレアなので目が疲れにくい。長時間の文書作成も苦にならなくなった」
また、バッテリーの持ちや静音性、テンキーの存在を評価する声も多くありました。
・「ACアダプターを持ち歩かなくても一日持つので、荷物が減って助かる」
・「高負荷な作業をしてもファンが静かで、オンライン会議中に相手に迷惑をかけることがない」
・「Excelでの作業が多いので、テンキーがあるのは非常にありがたい」
気になる評判・口コミ
一方で、改善を望む声や、購入前に注意すべき点として挙げられているのは、「パフォーマンス」と「価格」、「拡張性」に関するものです。
・「この価格帯なら、もう少しCPU性能が高くても良いのでは。ゲームには全く向かない」
・「軽いのは素晴らしいが、性能を考えるとコストパフォーマンスは良くないと感じる」
・「USB-Aポートがないのが不便。マウスやUSBメモリを使うたびにハブが必要になる」
・「US配列キーボードに慣れるまで時間がかかった。JIS配列のモデルも選べると嬉しい」
・「フルHD解像度は15.6インチでは少し粗さが目立つことがある。高解像度モデルが欲しかった」
これらの口コミから、LG gram SuperSlimは「携帯性と画面品質を最優先するユーザー」にとっては非常に満足度の高い製品である一方、「コストパフォーマンスや絶対的な性能、拡張性を重視するユーザー」にとっては、物足りなさを感じる可能性があることがわかります。
「lg gramは壊れやすい」は本当?
オンラインでLG gramについて検索すると、「壊れやすい」という関連キーワードが表示されることがあります。
これだけ薄くて軽いと、耐久性に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、結論から言うと、「lg gramが特別に壊れやすい」という事実はなく、むしろその逆で高い堅牢性を備えています。
この「壊れやすい」というイメージは、主にその驚異的な薄さと軽さという見た目からくる誤解である可能性が高いです。
LG gram SuperSlimのボディには、航空機の機体にも使用される軽量かつ高剛性な「マグネシウム合金」が採用されています。
これにより、約990gという軽さを実現しながら、優れた耐衝撃性を確保しているのです。
その証拠に、LG gram SuperSlimは米国国防総省が定める物資調達基準「MIL-STD-810H」に準拠した過酷なテストをクリアしています。
このテストには、衝撃・落下、振動、高温、低温、低圧(高地)、砂塵、塩水噴霧といった7つの項目が含まれます。
つまり、日常的な利用シーンはもちろん、多少手荒に扱っても簡単には故障しないだけの耐久性が、公的な基準によって証明されているわけです。
実際にユーザーレビューを調査しても、他社の同価格帯のノートパソコンと比較して故障率が著しく高いという報告はほとんど見られません。
むしろ、その軽さから持ち運び時の心理的な負担が減り、結果的に落下などのリスクを低減できるという側面もあるかもしれません。
したがって、「壊れやすい」という噂は、その華奢な見た目からくる先入観であり、実際には安心して持ち運べるタフなノートパソコンであると理解して良いでしょう。
LG gram SuperSlim購入前の注意点
LG gram SuperSlimは非常に魅力的なノートパソコンですが、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、いくつか事前に確認しておくべき注意点があります。
第一に、「パフォーマンスは万能ではない」ということです。
ベンチマークスコアのセクションでも触れましたが、本製品はピーク性能を追求するモデルではありません。
日常的なビジネス用途やWebブラウジング、動画視聴などでは非常に快適ですが、高負荷が長時間続く3Dゲームや、本格的な4K動画の編集といったヘビーな作業には向いていません。
自身の主な用途が、本製品の性能範囲に収まっているかを冷静に判断する必要があります。
第二に、「インターフェース(接続ポート)の構成」です。
搭載されているポートはUSB Type-Cが3つのみ(うち2つはThunderbolt 4対応)です。
USBメモリや有線マウスで一般的なUSB Type-Aポートや、プロジェクター接続で使われるHDMIポート、SDカードスロットなどは搭載されていません。
これらの機器を使用する際には、別途USBハブや変換アダプターが必須となります。
付属品としてUSB-CからHDMIへの変換ケーブルは同梱されていますが、常にハブを持ち歩く手間を許容できるか検討しましょう。
第三に、「キーボードの配列」です。
日本で販売されているLG gram SuperSlimは、現在「英語配列(US配列)」のキーボードのみとなっています。
日本語配列(JIS配列)とはエンターキーの形状や、記号の位置が異なります。
これまで日本語配列のパソコンに慣れ親しんできた方は、最初はタイプミスが増えるなど、慣れるまでに時間が必要です。
また、キーストロークが1.0±0.2mmと浅めなので、しっかりとした打鍵感を好む方には物足りなく感じるかもしれません。
可能であれば、購入前に店頭などで実機のタイピング感を試してみることをお勧めします。
LG gram SuperSlimのメモリ増設は可能?
パソコンの長期的な利用を考えた際に、メモリやストレージの増設・換装が可能かどうかは重要なポイントになります。
LG gram SuperSlimのアップグレード性について解説します。
まず、最も重要な点として、LG gram SuperSlimの「メモリは購入後に増設・換装することはできません」。
これは、製品の薄型・軽量化を極限まで追求するために、メモリチップがマザーボードに直接はんだ付けされる「オンボード」方式(LPDDR5メモリ)を採用しているためです。
物理的にメモリスロットが存在しないため、後から容量を増やすことは不可能です。
現在、日本で販売されているモデルのメモリ容量は16GBで統一されています。
一般的な用途であれば16GBで不足することは稀ですが、将来的にさらに高度な作業を行う可能性がある場合や、とにかく余裕を持たせたいと考える方は、この点を十分に理解した上で購入を決定する必要があります。
一方で、「ストレージ(SSD)に関しては増設が可能」です。
本体内部にはM.2規格のSSDスロットに1つ空きがあります。
そのため、購入時の容量(256GBまたは512GB)で足りなくなった場合に、2枚目のSSDを追加して容量を増やすことができます。
ただし、ユーザー自身で本体を分解してSSDを増設する行為は、メーカーの保証対象外となるリスクが伴います。
万が一、分解作業中に他の部品を損傷させてしまった場合、保証期間内であっても有償修理となる可能性があります。
ストレージ増設を検討する場合は、LGが公式に提供しているアップグレードサービスを利用するか、購入店のカスタマイズオプションを選択するのが最も安全で確実な方法です。
まとめ:LG gram SuperSlimのレビュー解説と評価
- lg gram superslimは薄さ10.99mm、重さ約990gという驚異的な携帯性を誇る
- 15.6インチの大型有機ELディスプレイは高画質で映像美に優れる
- 米国国防総省のMIL規格に準拠し、軽量ながら高い堅牢性を持つ
- 第13世代Coreプロセッサー搭載で一般的なビジネス用途には十分な性能である
- パフォーマンスは省エネ・低発熱を重視したチューニングが施されている
- バッテリーは10時間以上持続し、外出先でも一日中安心して使用可能
- 高速なPCIe Gen4対応SSDを搭載し、OSやアプリの起動が速い
- インターフェースはUSB-Cポートのみで、拡張にはハブが必須である
- キーボードはUS配列のため、日本語配列に慣れている人は注意が必要
- メモリ増設は不可であり、購入時のスペック選択が非常に重要となる