LETSHUOER DX1 レビュー解説|音質・装着感とS12 Proとの違い

LETSHUOER(レットシュオアー)から登場したミドルクラスの有線イヤホン「DX1」が注目を集めています。

価格は約23,000円と、強力なライバルがひしめく激戦区であり、同社の人気モデル「S12 Pro」とも価格帯が重なります。

そのため、DX1の実際の音質はどうなのか、特徴やスペック、S12 Proとはどう違うのか、評判や口コミが気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、LETSHUOER DX1のレビュー解説として、その音質、装着感、付属品、S12 Proとの比較、そしておすすめな点や注意点まで、購入を検討するために必要な情報を徹底的に解説します。

目次

LETSHUOER DX1とは? 2万円台で注目の自社開発1DDイヤホン

LETSHUOER DX1の主な特徴と製品コンセプト

LETSHUOER DX1は、2025年4月25日に発売されたミドルクラスの有線イヤホンです。

価格は約23,000円(税込)で、最大の特徴は、LETSHUOERが2年の歳月を費yasuて開発した自社開発のダイナミックドライバーを1基搭載している点にあります。

ドライバーの構造から製造工程、振動板の素材選定に至るまで、細部にわたり徹底的に検証と改良を重ねて制作された、こだわりのモデルとされています。

開発2年の集大成「11mm径アルミニウム・マグネシウム合金製ダイナミックドライバー」

DX1に搭載されているのは、アルミニウム・マグネシウム合金製のトポロジー・ダイアフラム(振動板)を採用した、11mm径のダイナミックドライバーです。

この振動板には、LETSHUOER独自の「ダイヤモンドパターン構造」が採用されています。

これにより、振動の周波数と振幅を精密にコントロールし、歪みを大幅に低減することで、音質の表現力を飛躍的に高めていると謳われています。

5kHzノッチフィルター内蔵の効果とは?

DX1は、特定の周波数帯を効果的に抑制する「5kHzノッチフィルター」を内蔵しています。

一般的に5kHz付近は、シンバルの音やボーカルのサ行(歯擦音)など、いわゆる「刺さり」を感じやすい帯域です。

このフィルターにより、5kHz付近の不要なエネルギーや共振を軽減し、歪みを抑えることができます。

結果として、音のディテールや純度、正確性を一層高め、スムーズでクリア、かつバランスの取れたサウンドを実現します。

高級感のあるステンレススチール製シェルとデザイン

DX1の筐体(ハウジング)は、電解メッキ仕上げのステンレススチール製シェルを採用しています。

高精度CNC加工によって製造されており、ゴールドの枠と鏡面のシルバー色が特徴的な、高級感のあるデザインです。

同社のイヤホンとしては珍しい金属ハウジングとダイナミックドライバー1発という構成も、注目を集める理由の一つです。

DX1のスペックと価格、S12 Proとの違いは?

LETSHUOER DX1のスペック(仕様)一覧表

LETSHUOER DX1の主なスペック(仕様)を以下の表にまとめます。

項目スペック
ドライバー構成11mm径 アルミニウム・マグネシウム合金製ダイナミックドライバー ×1
再生周波数帯域20Hz – 40,000Hz
インピーダンス30Ω
音圧感度108dB
ケーブル256芯 銀メッキ単結晶銅ケーブル
ケーブル長約1.2m
コネクタ0.78mm 2pin
プラグ3.5mm シングルエンド または 4.4mm バランスプラグ
本体重量約45g(ケーブル・プラグ含む)
ハイレゾハイレゾオーディオ認証 取得済み

価格はいくら? 発売日と販売店情報

LETSHUOER DX1の発売日は2025年4月25日です。

価格は23,000円(税込)で、e☆イヤホンやフジヤエービック、ヨドバシカメラなどの国内正規販売店、およびナイコム株式会社(正規代理店)のオンラインストアなどで購入可能です。

兄弟機「S12 Pro(平面駆動)」とスペックを比較

DX1と同じ価格帯(約23,000円)には、同社の人気モデル「S12 Pro」が存在します。

スペック上での最大の違いは、搭載されているドライバーです。

DX1が「ダイナミックドライバー(DD)」を1基搭載しているのに対し、S12 Proは「平面駆動型ドライバー」を1基搭載しています。

ドライバーの駆動方式が根本的に異なるため、音の傾向も大きく異なります。

LETSHUOER DX1の付属品レビュー|ケーブルやケースの質は?

付属ケーブル「256芯銀メッキ単結晶銅ケーブル」の品質

DX1には、256芯の銀メッキ単結晶銅ケーブルが付属します。

導体には高純度の単結晶銅を使用し、Litz構造を採用。

質感は良好と評価されていますが、一部のレビューでは「見た目は少し細め」といった意見も見られます。

プラグは購入時に3.5mm(アンバランス)または4.4mm(バランス)を選択できます。

イヤーピースは3種類(計9ペア)付属

イヤーピースは、シリコン製のものが3種類、それぞれS・M・Lの3サイズ、合計9ペアが付属します。

低音・中音を抑えめにする印象の黒っぽいタイプ、やや低音寄りの一般的な白タイプ、そして「TRI-角笛(Clarion)」と呼ばれる開口部が広いタイプが含まれており、選択肢が豊富です。

アルミ製ケースの使い勝手とデザイン

付属のキャリーケースは、アルミ製の本体にシリコン製の蓋が付いたタイプです。

蓋はしっかりと閉まり、ケースの内側にもシリコンが貼られているため、イヤホン本体が傷つかないよう配慮されています。

残念な点:付属プラグはマルチプラグ非対応

LETSHUOERの製品(特にS12 Proなど)は、プラグの先端を交換できる「マルチプラグ」に対応しているものが多いです。

しかし、DX1の付属ケーブルはプラグが固定式(3.5mmまたは4.4mm)となっており、交換には対応していません。

この点を残念なポイントとして挙げるレビューも見受けられました。

【最重要】LETSHUOER DX1の音質を徹底レビュー

音質を一言で表すと?「上品かつ元気なクール系サウンド」

LETSHUOER DX1の音質は、一言で表現すると「上品かつ元気なクール系サウンド」と評されています。

金属ハウジングとダイナミックドライバー1発の構成から想像される音とは異なり、レスポンスが良く、音のキレも感じられるのが特徴です。

クール(寒色)傾向のシャキッとした音でありながら、程よく余韻も加えられたリスニング向けのサウンドに仕上がっています。

音の傾向は「弱W型」|バランスと聞きやすさ

音のバランスは、低域と高域が適度に強調されつつも、ボーカルライン(中域)もしっかりと前に出てくる「弱W型」に近いと評価されています。

特定の帯域が突出することがなく、全体的なバランスが良いため、非常に聞きやすいサウンドです。

高域の評価:刺さりを抑えたクリアさと美しい余韻

高域は、シャキッとしたクリアなサウンドでありながら、前述の5kHzノッチフィルターの効果により、刺さりはうまく抑えられています。

アコースティックギターの弦の音や、ハイハットなどの金属的な響きが美しく、金属ハウジングならではの余韻もたっぷりと感じられます。

中域(ボーカル)の評価:艶とフレッシュさを両立した歌声

中域、特にボーカルラインは、張りがあり滑らかな歌声を聴かせてくれます。

艶っぽさを感じさせつつも、同時にフレッシュさも併せ持つ印象です。

チューニングとしては、少し高めの中域にフォーカスが合っているため、特に女性ボーカルや男性ボーカルのサビの部分が際立って聞こえます。

低域の評価:レスポンスは良いが、迫力は控えめか

低域は、地響きのように深く沈み込むタイプではありません。

どちらかというと、中域に近い「高めの低域」が豊かに広がりつつ、レスポンス良く鳴るサウンドです。

エレキベースの躍動感は感じられますが、それより下のサブベースやバスドラムのズシンと来るような迫力は、少し控えめに感じられる可能性があります。

音場(サウンドステージ)の広さ:横方向と奥行きに優れる

DX1の音質レビューで特に特徴的だとされているのが、音場の広さです。

横方向への広がりが非常に大きく、金属ハウジングならではの余韻が左右に広がっていく感覚があります。

さらに、奥行きもしっかりと感じられるため、平面的ではなく立体的なサウンドステージを実現しています。

解像度と分離感:同価格帯での実力

解像度については、「1DD(シングルダイナミックドライバー)としては抜群の解像感」と高く評価されています。

一方で、音の分離感は「やや甘め」との評価もあります。

ただし、これは音が混濁しているという意味ではなく、低域・中域・高域それぞれの音を「ひとくくり」にして、各帯域ごとに分離して聴かせるような独特の鳴り方とされています。

DX1とS12 Proの音質はどう違う?

音の傾向比較:DD(DX1) vs 平面駆動(S12 Pro)

DX1とS12 Proは、同じ価格帯でありながら音質の傾向が大きく異なります。

DX1は、ダイナミックドライバーと金属ハウジングによる「余韻の美しさ」と「立体的な音場」が最大の特徴です。

対してS12 Proは、平面駆動型ドライバーらしい「非常に高い解像度」と「音の立ち上がりの速さ(スピード感)」、「抜け感の良さ」が特徴です。

音場の作り方の違い(横と奥行 vs 縦の抜け)

音場の作り方にも明確な違いがあります。

DX1が「横方向への広がりと奥行き」で立体感を演出するのに対し、S12 Proは「縦方向への抜け感」が非常に良いとされています。

ただし、S12 Proの音場はDX1に比べると「平面的」に感じられるというレビューもあります。

ボーカルと解像度の比較

ボーカルの表現も異なります。

DX1は「滑らかで艶がある」ボーカル、S12 Proは「シャキッとクリアで解像度重視」のボーカルと評価されています。

より解像度の高さを求める場合はS12 Pro、ボーカルの滑らかさや音の余韻を楽しみたい場合はDX1が向いていると言えそうです。

LETSHUOER DX1の装着感と重さ|長時間の使用は快適?

ステンレス製筐体はずっしり重い?

DX1の筐体はステンレススチール製のため、一般的な樹脂製イヤホンと比較すると「かなり重い」とされています。

手に持つと「ずシっとくる感じ」があり、この重さが装着感に影響を与える可能性があります。

装着感は人を選ぶ? フィット感の注意点

筐体自体は比較的小さめに設計されているため、耳への収まりは良いとされています。

しかし、前述の「筐体の重さ」があるため、耳の形やイヤーピースのフィット感が合っていないと、重さでイヤホンが安定しなかったり、ずれたりする可能性があります。

この点から、DX1の装着感は「人を選ぶかもしれない」と指摘されています。

付属イヤーピースが3種類あるため、まずは自分に合うものを探すか、SpinFitなどサードパーティ製のイヤーピースを試すことが推奨されます。

音漏れや遮音性はどのくらい?

筐体にはベント(空気穴)がありますが、レビューによれば「音漏れは(通常の使用範囲では)感じられなかった」とのことです。

金属筐体である程度の重さと密閉性があるため、遮音性も比較的高いと考えられます。

LETSHUOER DX1の評判・口コミから見るメリット(おすすめな点)

メリット①:金属ハウジングならではの美しい余韻と広い音場

DX1の最大のメリットは、そのサウンドにあります。

金属ハウジングならではの「美しい余韻」と、横方向と奥行きに広がる「広大な音場」は、同価格帯の他のイヤホンではなかなか味わえない魅力と高く評価されています。

メリット②:バランスが良く聴き疲れしにくいサウンド

全体のサウンドバランスが良く、特定の帯域が強すぎることがありません。

また、5kHzノッチフィルターによって高域の刺さりが抑えられているため、長時間のリスニングでも聴き疲れしにくい点もメリットです。

メリット③:高いビルドクオリティと高級感のあるデザイン

筐体の仕上げや付属品を含め、全体的なビルドクオリティ(作り込みの品質)が非常に高いと評価されています。

ステンレススチール製の輝きとデザインは、まるでシルバーアクセサリーのような高級感があります。

LETSHUOER DX1の評判・口コミから見るデメリット(注意点)

デメリット①:付属ケーブルでは低域が不足すると感じる?

音質に関して、一部のレビューでは「付属ケーブルの状態では低域が不足している」という厳しい指摘も見られます。

「高・高・中」というバランスに感じられ、サブベースの迫力が足りないと感じる人もいるようです。

デメリット②:筐体が重く、装着感が合わない可能性がある

音質以外での最大の注意点が「重さ」です。

ステンレススチール製の筐体はずっしりと重く、これが装着時の安定性に影響します。

耳の形によってはうまくフィットせず、長時間の使用が難しいと感じる可能性がある点は、購入前に考慮すべきデメリットです。

デメリット③:リケーブルで化ける?(ポテンシャルを引き出す必要性)

デメリット①の低域不足に関連して、「リケーブル(ケーブル交換)で音が化ける」という評判があります。

付属ケーブルがDX1のポテンシャルを完全には引き出していない可能性があり、NICEHCK DuskSkyなどのケーブルに変更したところ、「低域がタイトに鳴り出し、音に深みが出て完全覚醒した」というレビューも存在します。

ポテンシャルは高いものの、それを引き出すために追加の投資(リケーブル)が必要になるかもしれない点は注意点です。

結論:LETSHUOER DX1はどんな人におすすめ?

DX1がおすすめな人の特徴

LETSHUOER DX1がおすすめなのは、以下のような特徴を持つ人です。

  • 金属ハウジングならではの美しい音の余韻(響き)が好きな人
  • 広く立体的な(横と奥行きがある)音場が好みの人
  • ナチュラルで滑らかな女性ボーカルを聴きたい人
  • 高域の刺さりが少なく、聴き疲れしにくいイヤホンを探している人
  • イヤホンのデザインや高級感(ビルドクオリティ)を重視する人

S12 ProとDX1、どちらを選ぶべきか

もしS12 ProとDX1で迷っているなら、選ぶ基準は明確です。

音の解像度、スピード感、シャキッとしたクリアな音、縦方向への抜け感を最重要視するならば「S12 Pro」がおすすめです。

一方で、音の余韻、立体的な音場(特に横と奥行き)、ボーカルの滑らかさや艶を重視するならば「DX1」がおすすめと言えます。

総評:2万円台ミドルクラスイヤホンの新たな有力候補

LETSHUOER DX1は、同価格帯の人気モデルS12 Proとは全く異なる魅力を持った、非常に完成度の高いダイナミックドライバー搭載イヤホンです。

ステンレススチール製の重さという装着面のハードルはありますが、それをクリアできれば、広大で美しい余韻を伴うサウンドステージという独自の魅力を提供してくれます。

2万円台のミドルクラスイヤホンを探している方にとって、有力な選択肢の一つとなることは間違いないでしょう。

まとめ:LETSHUOER DX1 レビュー解説

  • DX1はLETSHUOERが2年開発した1DDミドルクラスイヤホン
  • 価格は約23,000円で2025年4月25日発売
  • ドライバーは11mmアルミニウム・マグネシウム合金製
  • 独自のダイヤモンドパターン構造トポロジー振動板を採用
  • 5kHzノッチフィルター搭載で刺さりを抑制
  • 音質は「上品かつ元気なクール系サウンド」と評される
  • 音場は横方向と奥行きに優れる立体的なサウンドが特徴
  • S12 Pro(平面駆動)とは音場の作り方や音の質感が異なる
  • 注意点として筐体がステンレス製でやや重め
  • 付属ケーブルでは低域が不足気味との指摘がありリケーブルも推奨される
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