JBLからブランド初となるイヤーカフ型イヤホン「Soundgear Clips」が登場しました。
「ながら聴き」に適したオープンイヤー型イヤホンに関心はあるものの、装着感や音質、音漏れなどが気になって、なかなか手を出せずにいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、JBL Soundgear Clipsの実際の使用感を、デザイン、装着感、音質、使い勝手、気になる点まで、さまざまな角度から詳しくレビューしていきます。
この記事を読めば、JBL Soundgear Clipsがあなたのライフスタイルに合うイヤホンなのか、その全ての疑問が解決するでしょう。
JBL Soundgear Clipsとは?ブランド初のイヤーカフ型イヤホン
JBL Soundgear Clipsは、オーディオブランドとして世界的に有名なJBLが初めて手掛けたイヤーカフ型の完全ワイヤレスイヤホンです。
耳に挟んで装着するスタイルで、耳の穴を塞がないオープンイヤー構造が最大の特徴となっています。
耳を塞がない「ながら聴き」に最適なオープンイヤー
耳を塞がないオープンイヤー構造のため、音楽を楽しみながらでも周囲の音を自然に聞き取ることが可能です。
これにより、オフィスで同僚の声を聞き逃さなかったり、自宅で家族の呼びかけやインターホンの音に気づけたりと、日常生活との親和性が非常に高いです。
また、ランニングやウォーキング中も車や自転車の接近を察知しやすく、安全性を確保しながら音楽を楽しめるというメリットもあります。
アクセサリー感覚で身に着けられるデザイン性
機能性だけでなく、その高いデザイン性も魅力の一つです。
内部の基盤が透けて見えるスケルトンデザインは、メカニカルでありながら洗練された印象を与えます。
豊富なカラーバリエーションと相まって、単なるオーディオ機器としてだけでなく、ファッションの一部としてアクセサリー感覚で身に着けることができます。
JBL Soundgear Clipsの外観と付属品をチェック
ここでは、JBL Soundgear Clipsの具体的なデザインや充電ケースの仕様、付属品について詳しく見ていきましょう。
製品を手に取った際の質感や、日常での使い勝手に関わるポイントを解説します。
近未来的なスケルトンデザインとカラーバリエーション
イヤホン本体と充電ケースには、中のパーツが透けて見えるスケルトンデザインが採用されており、近未来的でスタイリッシュな印象です。
カラーは「ブラック」「ホワイト」「コッパー」に加え、JBL公式Amazonストア限定の「パープル」を含む4色が展開されています。
どのカラーも落ち着いたトーンで、さまざまなファッションに合わせやすいのが特徴です。
充電ケースの仕様と付属品
充電ケースは丸みを帯びたコンパクトな形状で、ズボンのポケットにも収まりやすいサイズ感です。
ケースの開閉は斜めに開くユニークな設計で、イヤホンの出し入れはマグネットでスムーズに行えます。
充電端子はUSB Type-Cに対応していますが、ワイヤレス充電には対応していません。
また、環境への配慮から充電用のUSBケーブルは付属していないため、別途用意する必要があります。
スペックを徹底比較|Soundgear Sense Proとの違いは?
JBL Soundgear Clipsのスペックは、日常使いにおいて十分な性能を備えています。
ここでは、同じJBLのオープンイヤー型フラッグシップモデル「Sense Pro」との比較を中心に、その性能を確認してみましょう。
製品名 | Soundgear Clips | Sense Pro |
---|---|---|
タイプ | イヤーカフ型 | イヤーフック型 |
ドライバー | 11mmダイナミック | 16.2mm DLC振動板 |
Bluetooth | 5.4 | 6.0 |
対応コーデック | SBC, AAC | SBC, AAC, LC3, LDAC |
再生時間(本体) | 最大8時間 | 最大8時間 |
再生時間(ケース込) | 最大32時間 | 最大38時間 |
防水防塵 | IP54 | IP54 |
マルチポイント | ◯ | ◯ |
空間サウンド | – | ◯ |
ワイヤレス充電 | – | ◯ |
価格(公式) | 18,700円 | 24,200円 |
Soundgear Clipsは、高音質コーデックのLDACや空間サウンド、ワイヤレス充電には対応していませんが、その分価格が抑えられています。
日常的な「ながら聴き」を主目的とするなら、Clipsの機能と価格のバランスは非常に魅力的と言えるでしょう。
JBL Soundgear Clipsの装着感をレビュー|驚くほどの軽さとフィット感
イヤーカフ型イヤホンで最も重要視される点の一つが装着感です。
JBL Soundgear Clipsは、片耳わずか約6.5gという軽さと独自の構造により、着けていることを忘れるほどの快適な装着感を実現しています。
独自の「JBL SonicArc」構造でズレにくい
本製品のアーチ部分には、角度をつけたJBL独自の「JBL SonicArc」構造が採用されています。
この立体的なカーブが人の耳の形に自然に沿うことで、さまざまな耳の形状にしっかりとフィットします。
軽いランニングやウォーキング程度の動きではズレる心配がなく、安定した装着感が得られました。
長時間でも痛くならない快適な着け心地
アーチ部分には、メモリーワイヤー入りのソフトなTPU素材が使用されています。
この柔軟な素材が耳への圧迫感を軽減し、優しい着け心地を提供します。
実際に6〜7時間連続で装着していても耳が痛くなることはなく、在宅ワークなどで長時間使用したい場合にも最適です。
メガネやマスクとの干渉は?
イヤーカフ型のため、メガネやマスクのつると干渉しにくい点も大きなメリットです。
イヤーフック型のモデルでは接触が気になることがありますが、Soundgear Clipsは耳の側面にコンパクトに収まるため、メガネユーザーでもストレスなく使用できます。
JBL Soundgear Clipsの音質をレビュー|イヤーカフとは思えないパワフルさ
JBL Soundgear Clipsの音質は、イヤーカフ型という構造的な制約を感じさせない、JBLらしいパワフルでバランスの取れたサウンドが特徴です。
「ながら聴き」だけでなく、音楽鑑賞にも十分応える実力を持っています。
中高音域:クリアで伸びやかなボーカルと楽器の音色
中高音域は非常にクリアで、輪郭がはっきりとしています。
ボーカルの声は埋もれることなく前面に出てきて、楽器の細やかな音色も綺麗に伸びていきます。
特にピアノやバイオリンの響きが美しく、クラシックやポップスとの相性が良いと感じました。
低音域:JBLらしい厚みと迫力のあるサウンド
イヤーカフ型は低音が弱くなりがちですが、Soundgear ClipsはJBLならではのチューニングにより、厚みと迫力のある低音を実現しています。
スカスカした印象は全くなく、ロックやポップスのビートを心地よく感じられます。
ただし、EDMのような非常に重い低音を求める場合は、少し物足りなさを感じるかもしれません。
音場と解像感:自然な広がりと抜けの良さ
音場はオープンイヤー型らしく自然な広がりがあり、窮屈さを感じさせません。
耳元でスピーカーが鳴っているような抜けの良いサウンドで、ライブ音源などを聴くと臨場感を楽しめます。
一つ一つの音の粒立ちも良く、価格帯を考慮すると解像感は高いレベルにあると言えます。
気になる音漏れは?JBL OpenSoundテクノロジーの実力
オープンイヤー型イヤホンの懸念点である音漏れですが、JBL Soundgear Clipsは独自の技術で効果的に抑制されています。
「JBL OpenSoundテクノロジー」は、逆位相の音をぶつけることで音の拡散を抑え、音漏れを最小限にしています。
実際に試したところ、スマートフォンの音量で50%程度であれば、1〜2m離れた場所ではほとんど聞こえませんでした。
静かなオフィスや図書館などで使用する場合は音量に配慮が必要ですが、屋外や一般的な環境音のある場所であれば、周囲を気にせず使用できるレベルです。
通話品質をレビュー|クリアな音声でオンライン会議も快適
JBL Soundgear Clipsは、左右合わせて4つのビームフォーミングマイクを搭載しており、高い通話品質を実現しています。
AIアルゴリズムによって周囲のノイズが効果的に除去されるため、騒がしい環境でも自分の声がクリアに相手へ届きます。
実際に屋外やカフェなどで通話しましたが、相手からは「声がはっきり聞こえる」と好評でした。
オンライン会議やリモートワークでの使用にも全く問題なく、実用性の高いマイク性能を備えています。
JBL Soundgear Clipsの使い勝手と機能性
日々の使いやすさを左右する操作性やアプリ機能、バッテリー性能も優れています。
ここでは、JBL Soundgear Clipsが持つ便利な機能について解説します。
直感的なタッチ操作とカスタマイズ
イヤホンのバッテリー部分がタッチセンサーになっており、再生/停止、曲送り/曲戻し、音量調整などの基本操作が可能です。
タップすると「ポッ」というフィードバック音が鳴るため、操作がしっかり認識されたことが分かりやすく、誤操作が少ない設計になっています。
操作内容は専用アプリでカスタマイズも可能です。
専用アプリ「JBL Headphones」でできること
専用アプリ「JBL Headphones」を使えば、さらに詳細なカスタマイズが可能です。
プリセットから選んだり、10バンドのイコライザーで自分好みの音質に調整したりできます。
特に注目すべきは「マイクキャリブレーション」機能です。
装着位置によって最適なマイクが変わる可能性があるため、アプリ内で録音・比較し、最もクリアに聞こえるマイク設定を選択できます。
便利なマルチポイント接続に対応
2台のデバイスに同時に接続できるマルチポイント機能に対応しています。
例えば、PCで動画を視聴している最中にスマートフォンに着信があっても、イヤホンを付け替えることなくシームレスに通話へ移行できます。
この機能は、複数のデバイスを使い分ける現代のライフスタイルにおいて非常に便利です。
バッテリー性能と急速充電
バッテリーはイヤホン単体で最大8時間、充電ケースを併用することで最大32時間の再生が可能です。
一日中使用してもバッテリー切れの心配は少ないでしょう。
また、10分の充電で約3時間再生できる急速充電にも対応しているため、万が一充電を忘れても短時間でリカバリーできます。
JBL Soundgear Clipsのデメリット・気になる点
多くの魅力を持つJBL Soundgear Clipsですが、いくつか注意すべき点も存在します。
購入前にこれらの点を把握しておくことで、より満足度の高い選択ができるでしょう。
LDAC非対応とワイヤレス充電の非搭載
高音質コーデックであるLDACには対応していません。
また、充電ケースはワイヤレス充電(Qi)に非対応です。
これらの機能は、より上位のモデルや他社製品には搭載されている場合があるため、音質や利便性を極限まで追求するユーザーにとっては物足りない点かもしれません。
騒がしい場所では聞こえにくい
オープンイヤー型の構造上、遮音性はありません。
そのため、電車内や交通量の多い道路沿いなど、周囲の騒音が大きい環境では音楽が聞こえにくくなります。
音量を上げると音漏れのリスクも高まるため、騒がしい場所での利用がメインとなる場合は注意が必要です。
操作音や最小音量がやや大きい
一部のレビューでは、タッチ操作時のフィードバック音量が大きいという指摘があります。
また、iPhoneなどで音量を最小に設定しても、BGMとして流すにはやや音が大きいと感じる場合があるようです。
静かな環境で微小な音量で聴きたい場合には、少し気になる可能性があります。
JBL Soundgear Clipsはこんな人におすすめ
これまでのレビュー内容を踏まえて、JBL Soundgear Clipsが特にどのような人におすすめできるかをまとめました。
- 周囲の音も聞きながら音楽を楽しみたい方:家事や育児、仕事中に「ながら聴き」をしたい方に最適です。
- 長時間の使用でも快適なイヤホンを探している方:軽量で圧迫感がないため、在宅ワークやオンライン会議で一日中装着していたい方におすすめします。
- デザイン性やファッション性を重視する方:アクセサリー感覚で身に着けられる、おしゃれなイヤホンを求めている方にぴったりです。
- 軽い運動やウォーキングで使いたい方:安定した装着感とIP54の防塵防水性能により、アクティブなシーンでも安心して使用できます。
- JBLのサウンドを手軽に楽しみたい方:信頼のJBLサウンドを、オープンイヤーという新しいスタイルで体験したい方におすすめです。
まとめ:JBL Soundgear Clips レビューの総括
JBL Soundgear Clipsは、ブランド初となるイヤーカフ型イヤホンとして、非常に高い完成度を誇る製品です。
「ながら聴き」という用途において、軽快な装着感、JBLらしいパワフルな音質、効果的な音漏れ抑制、そして高いデザイン性を見事に両立させています。
いくつかの機能的な制約はありますが、1万円台後半という価格を考慮すれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。
音楽をより身近なものにし、日常のあらゆるシーンに溶け込む新しいリスニング体験を提供してくれる一台です。
- JBL Soundgear Clipsはブランド初のイヤーカフ型完全ワイヤレスイヤホンである
- 耳を塞がないオープンイヤー構造で「ながら聴き」に最適である
- スケルトンデザインを採用し、アクセサリー感覚で身に着けられる
- 片耳約6.5gと軽量で、長時間の使用でも快適な装着感を実現
- 独自の「JBL SonicArc」構造により、ズレにくく安定したフィット感を提供する
- イヤーカフ型ながらJBLらしい厚みのあるパワフルなサウンドが特徴である
- 「JBL OpenSoundテクノロジー」により音漏れが効果的に抑制されている
- 4つのマイクを搭載し、オンライン会議でも使用できるクリアな通話品質を持つ
- 専用アプリでイコライザー調整やマイク設定のカスタマイズが可能である
- マルチポイント接続や急速充電に対応し、日常的な利便性が高い