IPSパネルを搭載したテレビは、リビングで家族みんなで視聴したり、キッチンから「ながら見」したりと、様々な角度から見ることが多い方におすすめです。
テレビ選びでは画質やサイズに目が行きがちですが、実は液晶パネルの種類によって見え方が大きく異なります。
現在の液晶テレビは主に「IPSパネル」と「VAパネル」に分かれており、それぞれに得意なこと、不得意なことがあります。
この記事では、IPSパネルの特徴やVAパネルとの違いを分かりやすく解説し、IPSパネル搭載のテレビ 液晶 おすすめモデルを厳選してご紹介します。
ご自身の視聴スタイルに最適な一台を見つけるための参考にしてください。
そもそも液晶テレビのパネル「IPS」と「VA」の違いとは?
液晶テレビを選ぶ上で重要な要素の一つが、画面に使われている「液晶パネル」の種類です。
現在主流となっているのは「VA(Vertical Alignment)方式」と「IPS(In-Plane Switching)方式」の2種類で、それぞれに異なる特徴があります。
ここでは、両者の違いを解説します。
VAパネルの特徴
VAパネルは、ソニーやシャープなど多くのメーカーの主力モデルで採用されている方式です。
最大のメリットは、コントラスト比の高さにあります。
液晶分子を垂直に配置し、バックライトの光をしっかり遮断できるため、「黒」の表現力に優れています。
そのため、映画などの暗いシーンでも、黒が白っぽくならず、引き締まった深みのある映像を楽しめるのが魅力です。
一方で、デメリットとして視野角が狭い点が挙げられます。
斜めから画面を見ると、色が白っぽく見えたり、色味が変化してしまったりする傾向があります。
決まった位置から正面で視聴するスタイルに向いているパネル方式と言えるでしょう。
IPSパネルの特徴
IPSパネルは、LGや2022年までのパナソニック製品などで採用されてきた方式です。
最大のメリットは、視野角の広さです。
液晶分子を水平に回転させて光の量を調整するため、上下左右どの角度から見ても色の変化が非常に少ないのが特徴です。
リビングで家族がそれぞれ違う位置から見たり、ダイニングやキッチンから「ながら見」したりする場合でも、誰もが綺麗な映像を楽しめます。
デメリットとしては、VAパネルに比べてコントラスト比が低い傾向にある点が挙げられます。
構造上、バックライトの光がわずかに漏れやすいため、VAパネルのような深く沈んだ黒の表現はやや苦手です。
とはいえ、近年のモデルでは技術の向上により、コントラスト性能も大きく改善されています。
【比較表】VAパネルとIPSパネルの違いまとめ
| パネル方式 | VAパネル | IPSパネル |
|---|---|---|
| コントラスト(黒の表現) | ◎(得意) | ○(やや苦手) |
| 視野角(斜めからの見やすさ) | △(狭い) | ◎(広い) |
| 応答速度 | ○ | △(やや遅い傾向) |
| 色の再現性 | ○ | ◎ |
| 主な採用メーカー | ソニー、シャープなど多数 | LG、ハイセンス(ADSパネル)など |
| おすすめの用途 | 映画鑑賞、一人でじっくり視聴 | 家族での視聴、ながら見 |
IPSパネル搭載テレビを選ぶメリット・デメリット
IPSパネルのテレビを選ぶ際には、そのメリットとデメリットを正しく理解しておくことが大切です。
ご自身の使い方に合っているかを確認しましょう。
メリット:視野角が広く、どこから見ても綺麗
IPSパネルの最大のメリットは、前述の通り圧倒的な視野角の広さです。
テレビの正面に座れない場合でも、色や明るさの変化がほとんどありません。
例えば、ソファの端に座っている人、床に座っている子ども、少し離れたダイニングテーブルにいる人など、家族みんなが同じように美しい映像を共有できます。
キッチンで料理をしながらテレビを見たいといった「ながら見」のシーンでも、画質の劣化を気にすることなく楽しめるのは大きな利点です。
デメリット:コントラスト比や価格面で劣る場合も
IPSパネルのデメリットは、VAパネルと比較してコントラスト比が低い傾向にあることです。
真っ暗な部屋で映画を観ると、暗部の表現でVAパネルに一歩譲ることがあります。
黒い部分がわずかに明るく見え、「黒浮き」と感じる場合があるかもしれません。
また、一般的にIPSパネルはVAパネルに比べて製造コストがやや高いとされており、製品価格に反映されることもあります。
ただし、ハイセンスが採用する「ADSパネル」のように、IPS方式と同等の広い視野角を持ちながらコストを抑えたパネルも登場しており、一概に高価であるとは言えなくなってきています。
IPSパネルはどんな人におすすめ?
これらの特徴から、IPSパネル搭載テレビは以下のような使い方をする方には、特におすすめの選択肢となります。
- リビングなど広い部屋で、家族みんなでテレビを見ることが多い方
- ソファの端や床など、テレビを斜めから見る機会が多い方
- ダイニングやキッチンからなど、「ながら見」をすることが多い方
- 色の正確性を重視し、自然な発色を好む方
テレビは一人で正面からしか見ないという方でなければ、IPSパネルの広い視野角は大きなメリットになるでしょう。
【2025年】IPSパネル(ADSパネル含む)搭載テレビのおすすめ5選
ここからは、データベースの情報を基に、IPSパネルまたはそれに準ずる広視野角なADSパネルを搭載した、おすすめのテレビ 液晶 モデルを5つご紹介します。
1. LG 43QNED80TJA
LGはIPSパネルのリーディングカンパニーとして知られています。
このモデルは、4K解像度に対応した43インチの液晶テレビです。
IPSパネルの強みである広い視野角は健在で、家族が集まるリビングでも安心してお使いいただけます。
AIプロセッサー「α5 AI Processor 4K Gen7」が、コンテンツに合わせて画質や音質を自動で最適化してくれます。
ネット動画機能も充実しており、様々なストリーミングサービスを楽しみたい方にも適したモデルです。
2. ハイセンス 55U8R
驚異的なコストパフォーマンスで人気のハイセンスから、ADSパネルを搭載した55インチの4Kモデルです。
ADSパネルはIPSパネルと同様に視野角が非常に広く、斜めから見ても色の変化が少ないのが特徴です。
「Mini-LED PRO」により、細部までメリハリのある明るくコントラストが効いた映像を実現しています。
価格以上の画質と広い視野角で、非常におすすめのテレビです。
3. パナソニック VIERA TH-43MR770
パナソニックの2023年モデルながら、IPSパネルを採用している貴重な43インチ4Kテレビです。
スタンド部分に2TBのHDDとブルーレイディスクドライブを内蔵しているオールインワンモデルで、録画やディスク再生のために別途機器を接続する必要がありません。
IPSパネルによる広い視野角はもちろんのこと、国内メーカーならではの使いやすさや安心感を求める方におすすめです。
複雑な配線を好まない方にも最適な一台と言えるでしょう。
4. マクスゼン MAXZEN J43CH06
価格を最優先で考えたい方におすすめなのが、マクスゼンのフルHD液晶テレビです。
4K解像度ではありませんが、IPSパネルを搭載しており、どの角度からでも見やすいというメリットはしっかり享受できます。
高輝度なパネルで、発色が豊かで綺麗な映像を楽しめるのが特徴です。
寝室用のセカンドテレビや、地デジ放送がメインで画質にはそこまでこだわらないという方にぴったりの高コスパモデルです。
5. LG 32LX8000PJB
書斎や寝室など、パーソナルな空間に適した32インチサイズのモデルです。
小型サイズながらIPSパネルを搭載しており、ベッドに寝転がりながら斜めの角度で見るようなシーンでも画質の劣化が気になりません。
2K(フルハイビジョン)解像度ですが、ネット動画にも対応しており、スマートテレビとしての機能も備わっています。
スペースが限られていても、見やすさにこだわりたい方におすすめの一台です。
まとめ
今回は、IPSパネル搭載テレビのおすすめモデルと、VAパネルとの違いについて解説しました。
IPSパネルの最大の魅力は、なんといっても視野角の広さです。
家族みんなで楽しむリビングのメインテレビや、様々な場所から「ながら見」するセカンドテレビとして、その性能を最大限に発揮します。
一方で、VAパネルはコントラストの高さが魅力で、映画鑑賞などじっくり映像に没入したい場合に強みを持ちます。
この記事で紹介したおすすめモデルや選び方を参考に、ご自身の視聴スタイルに合った最適な液晶テレビを見つけてください。

