「昔使っていたiPhone4が、引き出しの奥から出てきた」「デザインが好きで手放せないけれど、今でも何かに使えるのだろうか?」
そんな風に考えている方もいるかもしれません。
画期的なデザインと機能で一世を風靡したiPhone4ですが、発売から10年以上が経過した2025年現在、その立ち位置は大きく変わりました。
この記事では、「iPhone4はまだ使えるのか?」という疑問に明確な結論を提示します。
さらに、ただ「使えない」で終わるのではなく、現代だからこそ見出せる意外な使い道や、中古市場での価値、後継機としておすすめの機種まで、専門的な視点から網羅的に解説していきます。
結論:iPhone4は2025年に「メインスマホ」として使える?
まずは結論:日常的な通話、LINE、ネット検索はほぼ不可能
結論から言うと、iPhone4を2025年に日常的に使う「メインスマホ」として利用するのは、ほぼ不可能です。
Wi-Fiに接続すれば一部の機能は動きますが、現代のスマートフォンが持つ基本的な役割の多くをこなすことはできません。
これは、ハードウェアの性能だけでなく、通信規格やソフトウェアのサポートが終了していることが大きな原因です。
3Gサービス終了で通話・データ通信ができない問題
iPhone4が対応しているモバイルデータ通信は3G規格までです。
日本の大手通信キャリア(docomo, au, SoftBank)はすでに3Gサービスの提供を終了、または終了を目前に控えています。
これにより、iPhone4ではSIMカードを挿入しても、電話回線を使った通話やSMS、モバイルデータ通信(インターネット接続)が利用できなくなりました。
つまり、外出先でインターネットを使ったり、電話をかけたりすることはできません。
LINEやYouTubeなど主要アプリが非対応・サポート終了
現代のスマートフォンに必須ともいえるLINEやYouTube、Googleマップといった主要なアプリは、現在のバージョンではiPhone4をサポートしていません。
iPhone4の最終OSである「iOS 7」では、これらのアプリを新規にダウンロードしたり、正常に動作させたりすることができなくなっています。
友人との連絡や情報収集、エンターテイメントといったスマホの基本的な用途が、大幅に制限されてしまうのが現状です。
セキュリティ更新が停止しており個人情報の使用は危険
最も注意すべき点が、セキュリティのリスクです。
iPhone4のOSアップデートは何年も前に停止しており、新たなセキュリティ上の脅威に対する保護機能が更新されていません。
このような状態でインターネットに接続し、個人情報(Apple IDのパスワード、クレジットカード情報など)を入力することは、情報漏洩のリスクが非常に高く、極めて危険です。
安全性の観点からも、メイン機としての使用は推奨できません。
iPhone4が「使えない」と言われる5つの具体的な理由
理由1:OS(iOS 7)が古すぎてアプリが動かない
iPhone4が搭載できるOSは、iOS 7.1.2が最終バージョンです(iPhone4sはiOS 9.3.6)。
現在のアプリの多くは、iOS 15以降といった新しいバージョンを動作要件としています。
そのため、OSのバージョンが古すぎることが原因で、ほとんどのアプリがインストールすらできない状況です。
OSは人間でいうところの脳のようなもので、この基本部分が現代に対応できていないのです。
理由2:App Storeに接続できても、対応アプリがほぼ無い
Wi-Fi環境下であれば、App Storeに接続すること自体は可能です。
しかし、前述の通りOSが古いため、検索して出てきたアプリのほとんどは「このデバイスには対応していません」と表示されます。
過去にダウンロードしたことがあるアプリであれば、「旧バージョンをダウンロードしますか?」と表示される場合がありますが、その旧バージョンですらサービス自体が終了していて正常に機能しないケースが大半です。
理由3:CPUとメモリ不足でWebサイト閲覧も困難
iPhone4に搭載されているCPU(Apple A4)やメモリ(512MB)は、2010年当時は高性能でしたが、2025年の基準では著しく性能が不足しています。
画像や動画が多く使われている現代のWebサイトを表示しようとすると、処理に非常に長い時間がかかったり、途中でブラウザが強制終了してしまったりすることが頻発します。
簡単なテキストベースのサイトを見る程度なら可能ですが、快適なインターネット検索は期待できません。
理由4:バッテリーが寿命を迎え、交換も公式では不可
発売から10年以上が経過しているため、内蔵されているリチウムイオンバッテリーは、ほぼ確実に寿命を迎えています。
満充電してもすぐに電池が切れてしまったり、突然電源が落ちたりといった症状が出やすい状態です。
Appleによる公式のバッテリー交換サービスはとうの昔に終了しており、修理専門店に依頼するとしても、費用が本体の中古価格を上回る可能性があります。
理由5:30ピンDockコネクタなどアクセサリの入手が難しい
iPhone4は、現在のLightningやUSB-Cコネクタとは異なる、幅の広い「30ピンDockコネクタ」を採用しています。
充電ケーブルなどのアクセサリは、Amazonなどのオンラインストアでサードパーティ製品が今でも販売されていますが、家電量販店などの店頭で見つけることは困難です。
万が一ケーブルが断線した場合、すぐに入手できない不便さがあります。
まだ捨てないで!iPhone4の意外でおしゃれな使い道7選
使い道①:音楽プレーヤー(iPod touch化)として活用する
通話やネットができないiPhone4も、音楽専用プレーヤーとしてなら十分に活躍できます。
パソコンのiTunesから音楽を同期すれば、Wi-Fiがない場所でも音楽を楽しめる「iPod touch」のような使い方が可能です。
コンパクトで美しいデザインは、音楽と共に持ち歩くガジェットとして今でも魅力的でしょう。
使い道②:オフラインの辞書やPDFリーダーとして使う
インターネット接続を必要としない用途に特化させるのも一つの手です。
辞書アプリ(旧バージョンが利用可能な場合)をインストールしたり、PDFファイルを取り込んだりしておけば、オフラインの電子辞書や読書リーダーとして活用できます。
通信を行わないため、バッテリーの消費を抑えながら使える点もメリットです。
使い道③:子供用のおもちゃ・練習用スマホにする
個人情報を一切入れず、Wi-Fiにも接続しない状態であれば、子供用の安全なおもちゃになります。
カメラ機能で写真を撮ったり、オフラインで動作する簡単な知育アプリ(旧バージョン)で遊ばせたりすることができます。
万が一壊れてしまっても精神的なダメージが少ないため、「スマホに触れてみたい」というお子様の練習機として渡すのも良いでしょう。
使い道④:監視カメラやベビーモニターとして再利用する
古いスマートフォンを監視カメラに変えるアプリを利用すれば、iPhone4を簡易的なセキュリティカメラやベビーモニターとして再利用できます。
Wi-Fi環境と電源への接続は必要ですが、留守中のペットの様子を確認したり、別の部屋にいる赤ちゃんの様子を見守ったりといった用途に役立ちます。
使い道⑤:Wi-Fi専用のスマートホームリモコンにする
ご家庭にスマートホーム機器がある場合、その専用リモコンとして活用できる可能性があります。
対応するアプリの旧バージョンがインストールできれば、照明のオン・オフやエアコンの操作などをiPhone4から行うことができます。
壁に取り付けておけば、家族みんなが使える便利なコントローラーになるかもしれません。
使い道⑥:レトロでおしゃれな置時計・インテリアとして飾る
iPhone4のガラスとステンレススチールで構成されたミニマルなデザインは、今見ても非常に美しいものです。
時計アプリを起動したまま充電スタンドに立てかけておけば、おしゃれなデジタル置時計として機能します。
ガジェット好きの方であれば、書斎のデスクに飾るインテリアとしても十分に価値があるでしょう。
使い道⑦:コレクションアイテムとして保管する価値
iPhone4は、Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズが見届けた最後のiPhoneとしても知られています。
テクノロジーの歴史における象徴的な製品であり、デザイン的にも高く評価されているため、コレクターズアイテムとしての価値があります。
特に、箱や付属品が揃った状態の良いものは、今後さらに希少価値が高まる可能性も否定できません。
iPhone4の価格は?中古での購入や買取はできる?
メルカリなどフリマアプリでの中古価格の相場はいくら?
2025年現在、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリでは、iPhone4が数多く出品されています。
価格は状態によって大きく異なりますが、一般的な中古品であれば1,000円〜3,000円程度、箱や付属品が揃った美品であれば5,000円前後で取引されることが多いようです。
あくまでコレクションや部品取りとしての価格であり、実用的なスマートフォンとしての価値ではない点に注意が必要です。
買取専門店の現状:値段はつくのか?
ゲオやブックオフといった大手の中古買取専門店では、iPhone4はすでに買取対象外となっている場合がほとんどです。
買取価格がつかない、もしくは数十円程度というのが実情でしょう。
店舗によっては無料で引き取ってリサイクルしてくれる場合もありますが、換金を目的とした売却は期待できません。
中古でiPhone4を購入する際の注意点
もしコレクション目的などで中古のiPhone4を購入する場合は、いくつかの点を確認する必要があります。
まず、バッテリーが完全に劣化していて電源が入らない「ジャンク品」でないかを確認しましょう。
また、ボタンの反応や画面の状態、そして以前の所有者のApple IDが紐付いた「アクティベーションロック」がかかっていないかは、最低限チェックすべきポイントです。
iPhone4を使い続けるためのQ&A
バッテリー交換は自分でできる?費用は?
Appleの公式サポートは終了しているため、正規のバッテリー交換はできません。
修理専門店に依頼することは可能ですが、費用は5,000円前後かかる場合が多く、本体の中古価格を上回る可能性があります。
インターネットで交換用のバッテリーと工具のセットを購入し、自分で交換する方法もありますが、分解には専門的な知識が必要で、失敗すると完全に故障させてしまうリスクを伴います。
充電器(30ピンDockコネクタ)はどこで買える?
iPhone4が採用している30ピンDockコネクタの充電ケーブルは、現在もAmazonや楽天市場といったオンラインショッピングサイトで購入可能です。
価格は数百円から1,000円程度で、多くのサードパーティから販売されています。
ただし、品質にはばらつきがあるため、購入者のレビューなどを参考に選ぶことをおすすめします。
iPhone4とiPhone4sの主な違いは?どっちが良い?
iPhone4と、その後継機であるiPhone4sは見た目がほぼ同じですが、中身の性能が大きく異なります。
主な違いは以下の通りです。
項目 | iPhone4 | iPhone4s |
CPU | Apple A4 (シングルコア) | Apple A5 (デュアルコア) |
カメラ | 500万画素 / 720p動画 | 800万画素 / 1080p動画 |
OS | iOS 7.1.2 (最終) | iOS 9.3.6 (最終) |
独自機能 | なし | Siri搭載 |
性能面では明らかにiPhone4sが優れており、OSも少し新しいため、今からあえて手に入れるのであればiPhone4sの方がわずかに出来ることが多いでしょう。
しかし、どちらの機種もメインスマホとしては使えないという結論に変わりはありません。
【買い替え案内】iPhone4から乗り換えるなら、どの機種がおすすめ?
コスパ重視でコンパクトさを求めるなら「iPhone SE (第3世代)」
iPhone4のようなコンパクトなサイズ感と、指紋認証(Touch ID)付きのホームボタンに愛着があるなら、iPhone SE (第3世代)が最適です。
比較的新しいモデルでありながら価格が手頃で、中身のチップはiPhone 13シリーズと同じものが搭載されており、性能は十分すぎるほどです。
今後数年間にわたって、OSのアップデートも安心して受けられます。
性能と価格のバランスが良い「iPhone 13」
少し画面が大きくても良いなら、iPhone 13シリーズがおすすめです。
発売から数年が経過し、新品・中古品ともに価格がこなれてきています。
カメラ性能やバッテリーの持ち、画面の美しさなど、あらゆる面でiPhone4から飛躍的な進化を体感できる、非常にバランスの取れたモデルです。
中古で安く手に入れたいなら「iPhone 11 / 12」シリーズ
できるだけ費用を抑えたい場合は、中古市場で豊富に出回っているiPhone 11やiPhone 12シリーズを検討するのも良いでしょう。
これらのモデルでも、現在のアプリやWebサイトを快適に利用できる十分な性能を持っています。
信頼できる中古販売店を選べば、状態の良い端末を安価に手に入れることが可能です。
まとめ:iPhone4はまだ使えるのか、その結論と未来
- メインスマホとしての使用は2025年現在、不可能である
- 3Gサービス終了により通話やモバイルデータ通信は利用不可
- iOSのバージョンが古く、LINEなど現代のアプリは動作しない
- セキュリティリスクが高く、個人情報の入力は危険
- スペック不足で現代のウェブサイト閲覧は極めて遅い
- 音楽プレーヤーやオフラインの読書端末としては活用可能
- 子供のおもちゃや監視カメラなど限定的な使い道も存在する
- 中古市場での価値は低く、数千円程度が相場
- 公式サポートは終了しており、修理は自己責任となる
- 買い替えにはiPhone SEや型落ちの中古モデルが推奨される