発売から7年以上が経過したiPhone X。
長年愛用している方の中には、「iOSのアップデートも終了したし、もう限界かな?」「バッテリーの持ちも悪いし、そろそろ買い替えるべき?」といった疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、iPhone Xが2025年以降もまだ使えるのかという疑問に対し、性能、サポート状況、使い続けるリスクといった多角的な視点から専門家が徹底的に解説します。
さらに、愛着のあるiPhone Xを一日でも長く使い続けるための具体的な方法から、最適な買い替えタイミング、おすすめの乗り換え機種まで、あなたの知りたい情報を網羅的にお届けします。
【結論】iPhone Xは2025年以降もまだ使える?専門家の最終判断
日常使いならまだ現役!ただし条件付きで使える理由
結論から言うと、iPhone Xは2025年現在でも「条件付き」でまだ使えます。
その主な理由は、LINE、SNS、動画視聴、Webサイトの閲覧といった日常的なタスクをこなすには十分な性能をまだ持っているからです。
搭載されているA11 Bionicチップは、最新機種には劣るものの、基本的なアプリをスムーズに動かす力があります。
ただし、「バッテリーを交換している」「最新の3Dゲームなど高いパフォーマンスを要求する使い方をしない」といった条件を満たすことが快適に使い続けるための前提となります。
今から買うのはNG!積極的におすすめできない理由
一方で、これから中古などでiPhone Xの購入を検討している場合は、積極的におすすめできません。
最大の理由は、AppleによるiOSのメジャーアップデートがすでに終了しており、今後新しい機能が追加されないためです。
また、セキュリティアップデートや修理サポートも順次終了していくため、長期的な利用には不安が残ります。
同価格帯でもっと性能が高く、サポート期間も長く残っているiPhone SE(第3世代)などのモデルが購入できるため、今あえてiPhone Xを選ぶメリットは少ないと言えるでしょう。
【一覧表】iPhone X・XR・XSはいつまで使える?サポート状況の比較
iPhone Xと同時期に発売されたXR、XSとのサポート状況は異なります。
特にXRとXSはiOS 17に対応しているため、Xよりも長く使える見込みです。
モデル | 発売年 | 最終対応iOS | セキュリティ更新見込み | Apple正規修理 |
---|---|---|---|---|
iPhone X | 2017年 | iOS 16 | 2025年頃まで | 終了 |
iPhone XR | 2018年 | iOS 17 | 2026年頃まで | 在庫次第 |
iPhone XS | 2018年 | iOS 17 | 2026年頃まで | 在庫次第 |
iPhone Xのサポートはいつまで?各種サポートの終了時期
iOSのメジャーアップデートはいつ終了した?【iOS 16が最後】
iPhone X向けのiOSメジャーアップデートは、2022年にリリースされた「iOS 16」が最後となりました。
2023年に配信されたiOS 17以降のアップデートには対応していません。
これにより、iOS 17で追加された新しい機能(スタンバイモードやインタラクティブウィジェットなど)は利用できなくなっています。
セキュリティアップデートはいつまで続く?【2025年頃が目安】
メジャーアップデートは終了しましたが、セキュリティの脆弱性を修正するための「セキュリティアップデート」は継続して提供されています。
過去の傾向から、このセキュリティアップデートは販売終了から7年程度、つまり2025年頃まで提供される可能性が高いと見込まれています。
このアップデートがある限りは、ウイルス感染などのリスクをある程度抑えながら使用を続けられます。
Apple公式の修理サポートはいつまで?【すでに終了】
Appleでは、製品の販売終了から5年以上が経過した製品を「ビンテージ製品」と位置づけており、修理サポートを順次終了します。
iPhone Xはすでにビンテージ製品に該当し、部品の在庫がなくなったため、Apple Storeや正規サービスプロバイダでの公式修理サポートは原則として終了しています。
バッテリー交換や画面修理が必要な場合は、後述する非正規の修理店を利用する必要があります。
LINEやYouTubeなどの人気アプリはいつまで使える?
現時点では、LINEやYouTubeをはじめとする主要な人気アプリは、iOS 16に対応しているため問題なく利用できます。
一般的に、アプリがサポートを終了するのは、OSのサポートが終了してから数年後です。
過去の例を見ると、少なくともセキュリティアップデートが継続される2025年頃までは、多くのアプリが使い続けられる可能性が高いでしょう。
ただし、一部の最新機能を要求するアプリから徐々に対応しなくなる可能性はあります。
サポート終了後もiPhone Xを使い続ける3つのリスク
セキュリティリスク:ウイルス感染や情報漏洩の危険性は?
セキュリティアップデートが完全に終了すると、新たに見つかったシステムの脆弱性が修正されなくなります。
これにより、悪意のあるWebサイトやアプリを通じてウイルスに感染したり、個人情報が漏洩したりするリスクが格段に高まります。
特に、インターネットバンキングやキャッシュレス決済などを利用している場合、深刻な金銭的被害につながる恐れもあるため注意が必要です。
アプリの非対応:最新バージョンのアプリが使えなくなる問題
OSのバージョンが古いと、アプリを最新版にアップデートできなくなることがあります。
最初は古いバージョンのままでも使えますが、やがてアプリの起動自体ができなくなったり、一部機能が制限されたりするケースが増えていきます。
日々のコミュニケーションや情報収集に欠かせないアプリが使えなくなると、スマートフォンとしての利便性が大きく損なわれてしまいます。
パフォーマンスの低下:動作が重くなる・フリーズする可能性
古いOSは最新のアプリが要求する処理能力に最適化されていないため、アプリの動作が重くなったり、突然フリーズしたりすることが増えます。
文字入力がもたつく、ページの読み込みが遅いといった小さなストレスが積み重なり、快適な操作が難しくなる可能性があります。
これは経年劣化したバッテリーがパフォーマンスを制限している場合もあり、一概にOSだけの問題ではありませんが、リスクの一つとして挙げられます。
【2025年現在の性能レビュー】iPhone Xのスペックは十分か?
日常利用(LINE・SNS・動画視聴)の動作は快適?
2025年現在でも、LINEでのメッセージのやり取り、X(旧Twitter)やInstagramの閲覧、YouTubeでの動画視聴といった日常的な使い方であれば、iPhone Xの性能で大きなストレスを感じることは少ないでしょう。
A11 Bionicチップと3GBのRAMは、これらのタスクをスムーズに処理できます。
ただし、複数のアプリを同時に切り替えながら使うと、若干の遅延を感じる場面はあるかもしれません。
最新の3Dゲームをプレイするのは厳しい?
「原神」のような高いグラフィック性能を要求する最新の3Dゲームを快適にプレイするのは、正直なところ厳しいです。
ゲームを起動できても、フレームレートが落ちて動きがカクカクしたり、本体が極端に熱くなったりすることがあります。
簡単なパズルゲームなどであれば問題ありませんが、本格的なゲームを楽しみたい方には性能不足と言わざるを得ません。
カメラの画質は今のスマホと比べてどう?
明るい屋外など、光が十分にある環境では、今でも十分に綺麗な写真を撮影できます。
デュアルカメラによるポートレートモードも健在です。
しかし、最新のiPhoneに搭載されている「ナイトモード」がないため、夜景や薄暗い室内での撮影は苦手です。
また、 computationally photography(計算写真学)の進化により、最新モデルと比較すると色合いや細部の表現力で見劣りする点は否めません。
ディスプレイはiPhone 11より綺麗って本当?有機ELの魅力
はい、これは事実です。
iPhone Xは、iPhoneで初めてOLED(有機EL)ディスプレイを採用したモデルであり、後継のiPhone 11(液晶ディスプレイ)よりも表示が美しいという特徴があります。
OLEDは、液晶と違ってピクセル自体が発光するため、完全な「黒」を表現でき、コントラストが非常に高いです。
これにより、動画や写真をより色鮮やかで深みのある映像で楽しむことができます。
iPhone Xを1日でも長く使い続けるための5つの方法
バッテリー交換でパフォーマンスは復活する?料金と依頼先の選び方
はい、バッテリー交換はパフォーマンス改善に非常に効果的です。
劣化したバッテリーは供給できる電力が不安定になり、iPhoneが予期せぬシャットダウンを防ぐためにパフォーマンスを意図的に抑制することがあります。
新品のバッテリーに交換することで、この制限が解除され、動作速度が改善される可能性があります。
Apple公式での交換は終了しているため、信頼できる非正規の修理店に依頼することになります。
料金の目安は5,000円~10,000円程度です。
画面割れや故障はどこで修理できる?(非正規修理店の活用)
前述の通りApple公式の修理サポートは終了しているため、画面割れやその他の故障が発生した場合は、街のiPhone修理店(非正規店)を利用することになります。
非正規店は店舗数が多く、予約なしで即日修理に対応してくれる場合が多いのがメリットです。
ただし、店舗によって技術力や使用する部品の品質に差があるため、修理実績が豊富で、保証サービスを提供している信頼できる店舗を選ぶことが重要です。
Apple純正の充電器を使うべき理由
iPhoneを長く使うためには、Apple純正またはMFi認証(Made for iPhone)を取得した充電器やケーブルを使用することを強く推奨します。
100円ショップなどで販売されている安価な非認証品は、電圧が不安定でバッテリーや本体の基板にダメージを与え、寿命を縮める原因になることがあります。
最悪の場合、発火などの事故につながる危険性もあるため、充電アクセサリーは信頼できる製品を選びましょう。
定期的なデータバックアップの重要性
iPhone Xは発売から年数が経過しており、いつ突然の故障に見舞われるかわかりません。
リンゴループや水没など、予期せぬトラブルでデータが全て消えてしまうリスクに備え、iCloudやPCのiTunes(またはFinder)を使って、定期的にデータのバックアップを取っておくことが非常に重要です。
大切な写真や連絡先を失わないためにも、バックアップを習慣づけましょう。
保護フィルムやケースで物理的なダメージを防ぐ
iPhone Xは背面もガラス製であり、落下などの衝撃に弱い構造です。
画面割れや本体の損傷は、高額な修理費用につながるだけでなく、端末の寿命を縮める原因にもなります。
画面保護フィルムや耐衝撃性のあるケースを装着することで、万が一の落下時にもiPhone本体へのダメージを最小限に抑えることができます。
iPhone Xからの買い替えを検討するタイミングとおすすめ機種
バッテリーの劣化が気になったら買い替えのサイン
バッテリーの最大容量が85%を下回り、1日の途中で充電が必要になるようなら、買い替えを検討する良いタイミングです。
設定アプリの「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」から最大容量を確認できます。
バッテリー交換で延命することも可能ですが、それを機に新しい機種へ乗り換えるのも一つの賢い選択です。
使いたいアプリや最新機能に対応しなくなったとき
日常的に使っているアプリがOSのバージョンアップを要求し、利用できなくなった場合は、明確な買い替えのタイミングと言えます。
また、最新のiOSに搭載された便利な機能や、最新機種の高性能なカメラを使いたくなったときも、スマートフォンの体験を向上させるための良い乗り換え時期です。
【2025年版】iPhone Xから乗り換えるならコレ!おすすめiPhone 3選
- iPhone SE (第3世代):コストパフォーマンスを最優先するなら最適な選択肢です。iPhone 13と同じA15 Bionicチップを搭載し、性能は十分。コンパクトなサイズとTouch ID(指紋認証)に魅力を感じる方におすすめです。
- iPhone 14:性能と価格のバランスが取れたモデルです。iPhone Xと同じ全面ディスプレイで、より高性能なカメラと長いバッテリー駆動時間を備えています。最新機種の発売により価格が下がっており、狙い目の機種です。
- iPhone 16:最新の機能と最高の性能を求めるなら、最新モデルが最適です。カメラ性能や処理能力が大幅に向上しており、今後数年間は安心して使い続けられます。
iPhone Xの気になる評価「最高傑作」「不人気」の噂は本当?
iPhone Xが「最高傑作」や「完成形」と呼ばれる理由
iPhone Xが「最高傑作」と評されるのは、iPhoneの歴史における大きな転換点となったモデルだからです。
初代iPhoneから続いたホームボタンを廃止し、全面OLEDディスプレイと顔認証(Face ID)を初めて採用しました。
この革新的なデザインとジェスチャー操作は、その後のiPhoneのスタンダードとなり、現在のスマートフォンの形を決定づけた「完成形」の始まりと評価されています。
一部で「不人気」と言われた理由とは?【Face IDへの戸惑い】
一方で「不人気」という声があったのは、主に長年親しまれてきたTouch ID(指紋認証)からFace ID(顔認証)への大きな変更に対する戸惑いが原因です。
発売当初はマスク着用時の認証ができなかったり、Touch IDに比べて認証速度がわずかに遅いと感じられたりしたことで、一部のユーザーから不満の声が上がりました。
また、大人っぽい落ち着いたカラー展開が、若年層や女性ユーザーの一部には響かなかったという側面もあります。
iPhone Xにプレミアはつく?「希少価値」の真相
iPhone Xは「10周年記念モデル」という特別な位置づけのため、希少価値があるのではないかという噂があります。
確かに記念碑的なモデルではありますが、販売台数が非常に多かったため、市場にプレミアがついて高値で取引されているという事実はありません。
今後、年月の経過とともにコレクターズアイテムとしての価値が出る可能性はゼロではありませんが、現時点では一般的な中古スマートフォンとしての価値に留まっています。
【知恵袋まとめ】一般ユーザーが抱えるリアルな疑問と回答
Yahoo!知恵袋などでは、「iPhone Xはあと何年使えますか?」という質問が数多く投稿されています。
多くの回答では、「iOSアップデートは終了したが、セキュリティアップデートが続く2025年頃までは使える」「バッテリー交換をすればまだ現役」といった意見が主流です。
一方で、「今から買うのはおすすめしない」「アプリが対応しなくなる前に買い替えた方が良い」という現実的なアドバイスも多く見られ、一般ユーザーの間でも本記事で解説した内容とほぼ同様の認識が共有されています。
まとめ:iPhone Xがまだ使えるか最終チェック
まだ使い続けたい人が確認すべきポイント
愛着のあるiPhone Xをまだ使い続けたいと考えている方は、まずバッテリーの状態を確認しましょう。
パフォーマンスの低下を感じる場合は、非正規修理店でのバッテリー交換を検討するのがおすすめです。
また、セキュリティアップデートが提供されている間は比較的安全ですが、サポートが完全に終了した後は、個人情報の取り扱いに十分注意し、使用を続けるか判断する必要があります。
買い替えを決めた人が次に取るべきアクション
iPhone Xからの買い替えを決めた方は、まず自分の使い方や予算に合った乗り換え先機種を選びましょう。
この記事で紹介したおすすめ機種を参考に、最適な一台を見つけてください。
機種が決まったら、データのバックアップを必ず行い、スムーズなデータ移行の準備を進めることが大切です。
- iPhone Xは日常利用ならまだ使えるが、条件付きである
- iOSのメジャーアップデートはiOS 16で終了済み
- セキュリティアップデートは2025年頃まで継続の見込み
- Apple公式の修理サポートは原則として終了している
- バッテリー交換はパフォーマンス改善に効果的である
- 最新の3Dゲームなど高負荷な作業には性能が不足する
- カメラはナイトモード非搭載で、暗所での撮影に弱い
- サポート終了後の使用はセキュリティリスクが高まる
- 非正規修理店の活用で画面割れや故障の修理は可能
- 10周年記念モデルだが、市場的なプレミア価値は限定的である