2025年10月にリリースされたWindows 11の最新バージョン「25H2」。
「自分のパソコンにはいつ通知が来るのか」
「アップデートして不具合は出ないのか」
「SSDが壊れるという噂は本当か」
このような疑問や不安を感じて、アップデートをためらっている方も多いのではないでしょうか。
今回の25H2は、派手な新機能よりもシステムの安定性を重視したアップデートとなっていますが、一部の環境では深刻なトラブルも報告されています。
この記事では、Windows 11 25H2のリリース情報や新機能、確認されている不具合情報、そして安全にアップデートするための手順を詳しく解説します。
PCの動作を快適に保ちつつ、リスクを回避して最新環境へ移行するための判断材料としてお役立てください。
Windows 11 Version 25H2とは?いつリリースされた?
25H2のリリース日はいつ?一般提供開始のタイミング
Windows 11 Version 25H2(2025 Update)は、2025年10月1日にマイクロソフトより一般提供が開始されました。
今回のアップデートは、システム全体を書き換える「フルビルド更新」ではなく、既にインストールされている機能を有効化する「イネーブルメントパッケージ」という形式が採用されています。
そのため、前バージョンの24H2を利用しているユーザーであれば、更新プログラムのファイルサイズが小さく、インストールにかかる時間も大幅に短縮されているのが特徴です。
リリース直後は一部のデバイスから順次配信が開始されており、お使いのPC環境によっては通知が届くまでに数週間から数ヶ月のタイムラグが発生する場合があります。
25H2のサポート期限はいつまで延長される?
25H2へアップデートすることで、OSのサポート期限を延長することができます。
Windows 11 HomeおよびProエディションの場合、サポート期限はリリース日から24ヶ月間設定されています。
したがって、25H2のサポート終了日は「2027年10月12日(米国時間)」となる予定です。
現在23H2以前のバージョンをお使いの場合、サポート終了が近づいている可能性があるため、セキュリティリスクを避けるためにも、この25H2への更新計画を立てることが重要になります。
企業向けのEnterpriseやEducationエディションの場合は36ヶ月のサポート期間となり、2028年10月頃までのサポートが見込まれます。
24H2との違いは?新機能や変更点のまとめ
25H2は、基本的には前バージョンの24H2と同じシステムコアを共有しています。
そのため、操作画面(UI)が劇的に変わるような大きな変更点はありません。
主な違いは以下の通りです。
- 安定性とパフォーマンスの向上
システムのバックグラウンド処理が最適化され、アプリの起動速度や全体的な動作の軽快さが改善されています。 - セキュリティ機能の強化
最新のサイバー攻撃に対応するためのセキュリティパッチが包括的に適用され、データ保護機能が強化されています。 - AI機能の微調整
CopilotなどのAI機能において、応答性やシステムとの連携がよりスムーズになるよう調整が行われています。
目に見える新機能の追加よりも、日常的な使い勝手と安全性を高める「熟成」が今回のテーマと言えるでしょう。
Windows 11 25H2へアップデートすべきか?評判と注意点
安定性は?25H2へ今すぐ更新すべきか待つべきか
結論から申し上げますと、急いでアップデートする必要はありません。
特に、仕事で使用しているPCや、代わりのないメインPCの場合は、致命的な不具合情報が出尽くすまで「様子見」をすることをおすすめします。
今回のアップデートは安定性重視とされていますが、リリース直後のOSには予期せぬトラブルがつきものです。
ただし、既に24H2を使用していて不具合を感じている場合や、最新のセキュリティ環境をいち早く整えたい場合は、バックアップを取った上でアップデートする価値は十分にあります。
ご自身のPCの使用状況に合わせて、慎重にタイミングを判断してください。
ユーザーの評判と口コミ「動作が軽い」は本当か
実際に25H2へアップデートしたユーザーからは、動作速度に関して肯定的な意見が多く見られます。
「エクスプローラーの表示が速くなった」
「アプリの切り替えがスムーズになった」
「アップデートがあっという間に終わった」
このように、OSの挙動が軽快になったと感じるユーザーは少なくありません。
一方で、「特に変化を感じない」という声や、ごく一部のゲーム環境において「フレームレートが低下した」という報告も散見されます。
全体的な評判としては、アップデートプロセスが短時間で完了することへの評価が高く、大きな混乱なく移行できているユーザーが多い傾向にあります。
【注意】SSDがRAW化する不具合の噂と対策について
25H2へのアップデートを検討する際、最も注意すべきなのが「SSDのトラブル」に関する情報です。
一部の環境、特に特定のメーカー製NVMe SSDを使用しているPCにおいて、アップデート後にファイルシステムが破損し、「RAW」状態となってデータが読み込めなくなるという深刻な不具合が報告されています。
この現象が発生すると、OSが起動しなくなったり、保存していたデータにアクセスできなくなったりする恐れがあります。
マイクロソフト側はこの問題とアップデートとの直接的な関連性を調査中としていますが、ユーザーとしては自衛策が必須です。
アップデートを実行する前には、必ず外付けHDDやクラウドストレージへ「重要なデータのバックアップ」を行ってください。
また、万が一に備えて「回復ドライブ」を作成しておくことも強く推奨します。
Windows 11 25H2のシステム要件と対応CPUリスト
25H2で対応CPUに変更はあるか?
Windows 11 25H2にアップデートするためのシステム要件は、基本的に24H2から変更されていません。
CPUに関しても、24H2が動作しているPCであれば、そのまま25H2へアップデートすることが可能です。
具体的には、以下の条件を満たしている必要があります。
- プロセッサ: 1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサ
- メモリ: 4GB以上
- ストレージ: 64GB以上の空き容量
- TPM: バージョン2.0
対応CPUリストに新たなモデルが追加されることはあっても、これまで対応していたCPUが除外されるといった変更は行われていません。
要件を満たさない古いPCでもアップデートできる?
マイクロソフトの公式見解としては、システム要件を満たさないPCへのWindows 11 25H2のインストールはサポートされていません。
古いCPUやTPM 2.0非搭載のPCに無理やりインストールする方法もネット上には存在しますが、重大なリスクが伴います。
- 将来的にセキュリティ更新プログラムが配信されなくなる可能性がある
- システムが不安定になり、ブルースクリーンが頻発する恐れがある
- メーカーのサポート対象外となる
特に25H2では、古い命令セットを持たないCPUに対する制限が厳しくなっている部分もあるため、非対応PCでの利用は推奨されません。
安全かつ快適にPCを利用するためにも、要件を満たすPCへの買い替えを検討するのが最善の策です。
Windows 11 25H2のダウンロードとインストール方法全手順
Windows Updateで自動更新する手順(推奨)
最も安全で簡単な方法は、Windows Update機能を利用することです。
以下の手順で更新を確認してください。
- スタートメニューから「設定」を開きます。
- 左側のメニューから「Windows Update」を選択します。
- 「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」のスイッチを「オン」にします。
- 「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックします。
- 「Windows 11, version 25H2」が表示されたら、「ダウンロードしてインストール」をクリックします。
- インストール完了後、再起動を求められたら「今すぐ再起動」をクリックします。
24H2からのアップデートであれば、再起動も含めて数分から十数分程度で完了することが一般的です。
インストールアシスタントで手動アップデートする方法
Windows Updateに通知が来ない場合でも、マイクロソフト公式サイトからツールを使って手動でアップデートできます。
- マイクロソフトの「Windows 11 をダウンロードする」ページへアクセスします。
- 「Windows 11 インストール アシスタント」の項目にある「今すぐダウンロード」をクリックします。
- ダウンロードしたファイルを実行し、管理者権限で起動します。
- 「PC正常性チェックアプリ」での確認を求められた場合は指示に従います。
- ライセンス条項に同意し、「同意してインストール」をクリックします。
この方法は、システム要件を満たしているにもかかわらず、配信の順番待ちで通知が来ない場合に有効です。
ISOファイルをダウンロードしてインストールする方法
クリーンインストールを行いたい場合や、複数のPCをアップデートしたい場合は、ISOファイルを利用する方法があります。
- マイクロソフトのダウンロードページから「Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする」を選択します。
- 「Windows 11 (multi-edition ISO)」を選択し、「ダウンロード」をクリックします。
- 言語の選択で「日本語」を選び、確認をクリックします。
- 「64-bit ダウンロード」をクリックしてISOファイルを保存します。
- 保存したISOファイルをダブルクリックしてマウント(開く)します。
- 中にある「setup.exe」を実行し、画面の指示に従ってインストールを進めます。
この方法は上級者向けですが、システムを綺麗な状態にしてから25H2を使いたい場合に適しています。
25H2のインストールに失敗・できない時の対処法
更新プログラムが降ってこない原因と解決策
「更新プログラムのチェック」を押しても25H2が表示されない場合、いくつかの原因が考えられます。
- 順次配信の対象外:
サーバーの負荷分散のため、全ユーザーに一斉配信はされません。気長に待つか、インストールアシスタントを使用してください。 - セーフガードホールド(配信停止措置):
お使いのPCに含まれる特定のハードウェアやドライバーに既知の不具合がある場合、マイクロソフトが意図的に配信を止めている可能性があります。無理に更新せず、解消されるのを待つのが安全です。 - システム要件不足:
PC正常性チェックアプリで、要件を満たしているか再度確認してください。
ダウンロードが進まない・エラーが出る時のチェックリスト
アップデート中に進行が止まったり、エラーコードが表示されたりする場合は、以下の点を確認してください。
- ストレージの空き容量:
Cドライブに少なくとも20GB以上の空き容量があるか確認してください。不要なファイルを削除して容量を確保しましょう。 - 周辺機器の取り外し:
プリンター、USBメモリ、外付けHDDなどの周辺機器がインストールの妨げになることがあります。マウスとキーボード以外はすべて外して再試行してください。 - セキュリティソフトの一時停止:
サードパーティ製のセキュリティソフトが干渉している場合があります。一時的に無効にするか、アンインストールしてからアップデートを試みてください。 - トラブルシューティングツールの実行:
「設定」>「システム」>「トラブルシューティング」>「その他のトラブルシューティング ツール」から「Windows Update」を実行すると、自動で問題を修復できることがあります。
まとめ:Windows 11 25H2は安定性重視のアップデート
- Windows 11 25H2は2025年10月1日にリリースされた最新バージョン
- 24H2と同じシステムコアを使用しており、更新時間は短い
- サポート期限はPro/Homeで2027年10月まで延長される
- 大きな新機能よりも、動作の安定性とセキュリティ強化が中心
- アップデートを急ぐ必要はなく、不具合情報が落ち着くまで様子見も有効
- 一部の環境でSSDがRAW化する不具合報告があるため注意が必要
- アップデート前には必ず重要なデータのバックアップを取る
- システム要件や対応CPUに変更はなく、24H2が動くPCなら対応可能
- Windows Updateで通知が来ない場合はインストールアシスタントが使える
- エラーが出る場合は、周辺機器を外し空き容量を確保してから再試行する
