Hidizs MS2 PRO レビュー解説|6種の音色を操る亜鉛合金IEM

「1万円台で本格的なハイブリッドIEMが欲しい」

「チューニングを自分好みに調整できるイヤホンを探している」——そんな悩みを抱えていませんか?

Hidizs MS2 PROは、亜鉛合金の堅牢な筐体に1DD+1BAのハイブリッドドライバーを搭載し、3種類のチューニングフィルターと2種類のイヤーピースで計6通りの音色調整を可能にした意欲作です。

この記事では、MS2 PROの特長からスペック、実際の使用感、そしてユーザーからの評判まで徹底的に解説します。

購入を検討している方が知りたい情報を網羅していますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

Hidizs MS2 PROの特長

サイの角に着想を得た独創的デザイン

MS2 PROの最大の特徴は、サイの角をモチーフにしたユニークなデザインです。

ZA12亜鉛合金を採用した筐体は、アルミニウムの約5倍の硬度を持ち、98%という驚異的な共振吸収率を実現しています。

これにより、不要な振動を抑え、クリアで濁りのないサウンドを生み出します。

フェイスプレートには「ライノハイド」と呼ばれるサイ皮風のレザーテクスチャパネルがあしらわれており、高級感と耐久性を両立しています。

鏡面仕上げの美しさは1万円台のイヤホンとは思えないクオリティで、所有欲を満たしてくれる逸品です。

6種類の音色を自在にコントロール

MS2 PROが他製品と一線を画すのは、HIDIZSが独自開発した「Pneumatic Sound Tuning Filter」システムです。

3種類のチューニングノズルと2種類のイヤーピースを組み合わせることで、計6通りのサウンドシグネチャーを楽しめます。

チューニングノズルは色分けされており、赤(Charm Red)はウォームでバランスの取れたサウンド、白(Crystal Clear)は高域重視のクリアなサウンド、黒(Midnight Black)は低音重視の迫力あるサウンドを提供します。

聴く音楽ジャンルや気分に合わせて、まるで複数のイヤホンを持っているかのような楽しみ方ができるのです。

フラッグシップ級のドライバー構成

10.2mmのダイナミックドライバーには、航空宇宙グレードのPU+PEEK複合素材振動板を採用し、ナノスケールのDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングが施されています。

このコーティングの硬度は2500HV以上で、モース硬度10に迫る驚異的な数値です。

さらに、N52グレードの内外デュアルマグネットによる強力な磁気回路が、高速なトランジェントレスポンスと深みのある低音を実現しています。

高域を担当するSilvercore BAドライバーは、HIDIZS独自開発のカスタムチューニングが施され、歪みを抑えながら繊細で空気感のある高音を表現します。

スペック・仕様

MS2 PROの詳細なスペックを以下にまとめました。

基本仕様

項目仕様
ドライバー構成1DD(10.2mm)+ 1BA ハイブリッド
インピーダンス17Ω
感度111dB/mW
周波数特性20Hz〜40kHz
ダイナミックレンジ109dB
認証Hi-Res Audio

筐体・ケーブル

項目仕様
筐体素材ZA12亜鉛合金
仕上げミラーフィニッシュ+レザーテクスチャパネル
重量約13g(片側、ケーブル除く)
ケーブル素材銀メッキ高純度OFC
ケーブル長1.2m
コネクタ0.78mm 2ピン着脱式
端子3.5mm または 4.4mm(選択制)

付属品

MS2 PROには充実した付属品が同梱されています。

チューニングフィルター3種(赤・白・黒)、シリコンイヤーピース(バランスタイプ黒、高域タイプ白)各S/M/Lサイズ、専用ポーチ、ユーザーマニュアル、保証書が含まれます。

カラーバリエーションはSunset Orange、Royal Blue、Midnight Black(公式サイト限定)の3色展開です。

おすすめな点

1万円台とは思えない圧倒的なビルドクオリティ

MS2 PROを手に取ってまず驚くのは、その質感の高さです。

亜鉛合金製の筐体は適度な重みがあり、安っぽさとは無縁です。

鏡面仕上げは歪みがほとんど見られず、2〜3万円クラスのイヤホンに匹敵する美しさを備えています。

この価格帯では樹脂製シェルが主流の中、フルメタルボディを採用している点は大きなアドバンテージです。

耐久性の面でも安心感があり、長く愛用できる製品と言えるでしょう。

コンパクトな筐体から広がる豊かな音場

MS2 PROの音場表現は特筆に値します。

特に奥行き方向への広がりが印象的で、コンパクトな筐体からは想像できないほどの空間表現を実現しています。

10万以上のユーザーの耳形状データに基づいて設計されたという人間工学的設計が、この音場再現に貢献しているのでしょう。

定位も正確で、各楽器やボーカルの位置が明瞭に把握できます。

オーケストラやジャズなど、空間表現が重要なジャンルとの相性は抜群です。

スマートフォンでも十分に鳴らせる高感度設計

111dB/mWという高感度と17Ωの低インピーダンスにより、MS2 PROはスマートフォン直挿しでも十分な音量と音質を確保できます。

特定の音域が極端に弱くなることもなく、どんなソースでもバランスの良いサウンドを楽しめます。

もちろん、ドングルDACやDAP(デジタルオーディオプレーヤー)と組み合わせれば、さらにポテンシャルを引き出すことができます。

特にバランス接続時には音にメリハリが生まれ、より楽しいリスニング体験が得られます。

アコースティック・ジャズとの相性が抜群

MS2 PROの音質傾向は、落ち着いた丁寧な音作りが特徴です。

高音域は硬質で寒色系、低音域に向かうにつれて暖かみと柔らかさが増していくグラデーションが心地よく、ハイブリッド構成ながら各帯域が自然につながっています。

特にアコースティックギター、ピアノ、ジャズボーカルなどとの相性が素晴らしく、しっとりとしたバラードを聴くときの没入感は格別です。

音楽をゆったりと味わいたい方にとって、理想的なパートナーになるでしょう。

注意点

低音の存在感が強め——フラット志向の方は要検討

MS2 PROはV字型〜U字型のサウンドシグネチャーを持ち、低音域にしっかりとした存在感があります。

このキャラクターはポップスやR&Bなどでは心地よいグルーヴ感を生み出しますが、フラットな音質を好む方や高域重視のリスナーには「低音が重すぎる」と感じられる可能性があります。

チューニングフィルターで調整は可能ですが、基本的な音の傾向は変わりません。

購入前に自分の好みの音質傾向を確認することをおすすめします。

金属筐体ゆえの重量——片側約13g

亜鉛合金製の堅牢な筐体は高い質感をもたらしますが、その代償として重量は片側約13gとやや重めです。

樹脂製イヤホンの軽快な装着感を求める方には、この重さが気になる可能性があります。

ただし、シェル自体はコンパクトで人間工学に基づいた設計がなされているため、実際の装着感は見た目の重量感ほど悪くありません。

長時間使用での検証では、5時間程度の連続使用でも快適との報告が多いです。

ハードケース非付属——持ち運び時は注意

付属品にハードケースは含まれておらず、ポーチのみの付属となります。

鏡面仕上げの美しい筐体を傷から守りたい場合は、別途ケースを用意する必要があるかもしれません。

ポーチ自体は質感が良く、カバンへの収納には問題ありませんが、保護性能を重視する方は注意が必要です。

イヤーピース選びに注意——軸が短めの設計

付属イヤーピースは軸が短めに設計されています。

サードパーティ製の軸が長いイヤーピースを使用すると、外れやすくなったり、耳の中に残ってしまう可能性があります。

イヤーピース交換を検討する際は、軸の長さに注意して選ぶことをおすすめします。

ロック・EDMには不向きな音質傾向

MS2 PROは落ち着いた丁寧な音作りが特徴である反面、アタック感やパンチは控えめです。

激しいロックやEDMなど、エネルギッシュな楽曲では「ここぞ」という盛り上がりで熱量が伝わりにくいと感じる場面があります。

こうしたジャンルをメインで聴く方は、より攻撃的なサウンドシグネチャーを持つ製品を検討した方が満足度が高いかもしれません。

評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

MS2 PROで最も高く評価されているのは、価格を超えたビルドクオリティです。

「1万円台でこの質感は驚異的」「2〜3万円クラスに匹敵する仕上がり」といった声が多く、所有満足度の高さがうかがえます。

亜鉛合金の堅牢さと鏡面仕上げの美しさの組み合わせは、多くのユーザーの心を掴んでいます。

音質面では、「音場の広さがコンパクトな筐体からは想像できない」という評価が目立ちます。

特に奥行きの表現力に優れており、オーケストラやジャズを聴くユーザーからの支持が厚いです。

「弱ドンシャリ傾向でエネルギッシュだが、帯域の過不足や極端さがない」という絶妙なバランスも好評です。

6種類のチューニングオプションも人気のポイントです。

「気分や曲によって音を変えられるのが楽しい」「複数のイヤホンを持っているような感覚」という声があり、カスタマイズ性の高さが支持されています。

駆動のしやすさも評価ポイントの一つです。

「スマホ直挿しでも十分に鳴る」「どんなソースでもバランスよく聴ける」という汎用性の高さは、初めてのIEM購入者にとって安心材料になっています。

購入前に確認すべき注意点

一方で、低音の強さについては意見が分かれています。

「低音が支配的で重すぎる」「もう少しスッキリした音が好み」という声も一定数存在します。

V字型サウンドを好まない方は、購入前に自分の音質傾向との相性を確認した方がよいでしょう。

高域の伸びについても指摘があります。

「最高域が控えめで物足りない」「BAらしい元気な高音を期待していたが平坦に感じた」という意見があり、シャープで煌びやかな高音を求める方には期待と異なる可能性があります。

重量に関しては、「金属筐体なので仕方ないが重い」「軽量イヤホンに慣れていると違和感がある」という声が見られます。

ただし、「装着感自体は良好で長時間使用も問題ない」という意見も多く、個人差があるポイントです。

音楽ジャンルとの相性については、「ロックやEDMだと物足りない」「盛り上がる場面での熱量が欲しい」という指摘があります。

落ち着いたジャンル向けの音作りであることを理解した上で購入することが大切です。

競合製品との比較

VS TRUTHEAR HEXA

同価格帯のハイブリッドイヤホンとして比較されることの多いTRUTHEAR HEXAとの違いは明確です。

MS2 PROは中音域に厚みがあり低音の存在感が強いのに対し、HEXAは中高域がクリアで繊細、全体的にあっさりとした印象です。

ドライバー構成の違い(MS2 PRO:1DD+1BA、HEXA:1DD+3BA)が音の傾向に表れており、MS2 PROはDD主体でBAを補助的に、HEXAはBA主体でDDを補助的に使っているイメージです。

音場の広さを重視するならMS2 PRO、高域の繊細さを重視するならHEXAという選び方ができます。

VS 旧モデル Hidizs MS2

約4年前に発売された前モデルMS2からの進化は顕著です。

ディテール表現が大幅に向上し、筐体素材も樹脂から亜鉛合金にアップグレードされています。

高域はより落ち着いた音質に変化し、低域の質感も向上しています。

旧MS2ユーザーにとって、買い替え価値は十分にあると言えるでしょう。

まとめ

Hidizs MS2 PROについて、特長から注意点、ユーザー評価まで詳しく解説してきました。

最後に、この製品のポイントを総括します。

  • 亜鉛合金×鏡面仕上げの筐体は1万円台を超えた質感を実現
  • 1DD+1BAハイブリッド構成で低域から高域までバランスの取れたサウンド
  • 3種のフィルター×2種のイヤーピースで6通りの音色調整が可能
  • 111dB/mWの高感度設計でスマートフォンでも十分駆動可能
  • 音場の広さ、特に奥行き方向の表現力は価格以上のクオリティ
  • アコースティック、ジャズ、バラードなど落ち着いたジャンルと好相性
  • 低音重視のV字型サウンドはフラット志向の方には不向きの可能性
  • 片側約13gの重量は人によって気になるポイント
  • 激しいロックやEDMよりも、ゆったり音楽を楽しむスタイルに最適
  • 総合評価:1万円台前半で本格的なIEM体験を求める方におすすめの良作

MS2 PROは、エントリー層からのステップアップを考えている方、チューニングの楽しさを味わいたい方、そして美しいデザインのイヤホンで所有欲を満たしたい方に最適な選択肢です。

自分好みの音を探す旅の相棒として、ぜひ検討してみてください。

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