Geminiにファイルをアップロードして業務効率化を図ろうとした際に、「なぜかファイルがアップロードできない」という問題に直面することがあります。
ドキュメントの要約やデータ分析など、便利な機能を使おうとしても、入り口でつまずいてしまっては意味がありません。
この問題は、ファイル形式や容量、アカウントの設定、あるいはGemini側の一時的な不具合など、さまざまな原因が考えられます。
この記事では、Geminiでファイルがアップロードできないときに考えられる原因の切り分けから、具体的な対処法、さらには代替案までを網羅的に解説します。
最後まで読めば、あなたが直面している問題を特定し、スムーズに解決できるようになるでしょう。
まず確認!Geminiでファイルがアップロードできない時の原因切り分けチェックリスト
Geminiでファイルがアップロードできない場合、やみくもに対処するのではなく、まずは原因を特定することが解決への近道です。
以下のチェックリストを順番に確認し、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
原因1:ファイル形式・容量・数が上限を超えていませんか?
Geminiには、アップロードできるファイルの形式やサイズ、数に制限があります。
対応していない形式のファイルや、上限を超えるサイズ・数のファイルをアップロードしようとするとエラーが発生します。
特に、特殊な拡張子のファイルやサイズの大きい動画ファイルなどを扱う際は注意が必要です。
原因2:アカウントの設定(年齢・Googleドライブ連携)は正しいですか?
Googleアカウント自体の設定が原因で、Geminiの機能が制限されている可能性があります。
例えば、ファイルのアップロード機能は18歳以上のユーザーに提供されているため、アカウントに登録された生年月日が条件を満たしていない場合は利用できません。
また、Googleドライブからファイルを連携させるには、Gmail側で特定のスマート機能を有効にしておく必要があります。
原因3:会社や学校のアカウントで制限されていませんか?
業務や学業で利用しているGoogle Workspaceアカウントの場合、組織の管理者がセキュリティポリシーに基づき、Geminiへのファイルアップロード機能を制限していることがあります。
この場合、個人の設定では解決できず、管理者に設定変更を依頼する必要があります。
原因4:Gemini側の一時的な不具合やメンテナンスではありませんか?
自分自身の環境に問題がない場合でも、Geminiのシステム側で一時的な障害やメンテナンスが発生している可能性が考えられます。
多くのユーザーが同様の問題を報告している場合は、このケースが疑われます。
原因5:インターネット接続やブラウザに問題はありませんか?
基本的なことですが、インターネット接続が不安定だとファイルのアップロードは失敗しやすくなります。
また、利用しているWebブラウザのキャッシュが溜まっていたり、拡張機能が干渉したりすることで、正常に動作しないこともあります。
【完全版】Geminiでファイルがアップロードできない原因別の具体的な対処法

原因の切り分けができたら、次に対応する具体的な解決策を実行していきましょう。
それぞれの原因に合わせた対処法を詳しく解説します。
ファイル形式が原因の場合:対応形式の確認と変換方法
Geminiは多くのファイル形式に対応していますが、すべての形式を網羅しているわけではありません。
Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PDF、画像(.png, .jpeg)などの一般的な形式は問題なくアップロードできます。
もし対応していない形式の場合は、オンラインのファイル変換ツールなどを使って、PDFやTXT形式といった汎用的な形式に変換してから再度アップロードを試みてください。
ファイル容量・サイズが大きすぎる場合:圧縮してサイズを小さくする方法
一度にアップロードできるファイルのサイズには上限があり、公式情報によると各ファイル最大100MBです。
このサイズを超える場合は、ファイルを圧縮する必要があります。
WindowsやMacには標準で圧縮機能(ZIP形式)が備わっていますので、対象のファイルを右クリックして「圧縮」を選択し、生成されたZIPファイルをアップロードしてみてください。
アップロード数の上限に達した場合:ファイルを分けて入力する手順
一つのプロンプト(チャットの入力欄)に同時にアップロードできるファイルの数は最大10個までです。
11個以上のファイルを一度に分析したい場合は、複数回に分けてアップロードする必要があります。
例えば、20個のファイルがある場合は、まず10個をアップロードして分析を依頼し、そのやり取りが完了した後に、新しいチャットで残りの10個をアップロードするといった工夫が必要です。
Googleドライブ連携が未設定の場合:Gmailからの設定方法を画像で解説
Googleドライブ内のファイルをGeminiで利用するには、Gmailの設定で「スマート機能とパーソナライズ」を有効にする必要があります。
この設定は、Gmailの「設定」から「すべての設定を表示」へ進み、「全般」タブの中にある「スマート機能とパーソナライズ」の項目でチェックを入れることで完了します。
設定変更後は、必ずページ下部の「変更を保存」をクリックしてください。
アカウントの年齢情報が未設定・不適切な場合:確認と修正の手順
アカウントの年齢が18歳未満に設定されていると、ファイルアップロード機能が利用できません。
ご自身のGoogleアカウント管理ページにアクセスし、「個人情報」のセクションから「生年月日」を確認・修正してください。
情報が誤っている場合は、正しい生年月日を入力して保存することで、機能制限が解除される可能性があります。
管理者アカウントに機能制限されている場合の依頼方法
会社や学校から提供されているアカウントを利用している場合、組織のIT管理者に問い合わせる必要があります。
「Geminiでファイル分析を行いたいのですが、アップロード機能が利用できません。
セキュリティポリシー上、機能の有効化は可能でしょうか?」といった形で、利用目的を明確に伝えて相談してみましょう。
一時的な不具合やネットワークが問題の場合:時間を置く・公式情報を確認する
Gemini側で障害が発生している場合は、ユーザー側でできることはありません。
「Google Workspace ステータス ダッシュボード」という公式サイトで、各サービスの稼働状況を確認できます。
もしGeminiに問題が発生している場合は、復旧するまで待つしかありません。
また、ネットワークの問題であれば、時間帯を変えたり、Wi-Fiルーターを再起動したりすることで改善することがあります。
【PC・スマホ別】Geminiへの基本的なファイルアップロード方法をおさらい

対処法を試す前に、まずは正しい手順でアップロード操作を行えているか再確認してみましょう。
意外な操作ミスが原因である可能性もあります。
PC(ブラウザ版)でのアップロード手順
PCのWebブラウザでGeminiを利用する場合、プロンプト入力欄の左側にある「+」アイコンをクリックします。
すると、「ファイルをアップロード」と「ドライブから追加」の選択肢が表示されます。
PC内に保存されているファイルを使いたい場合は「ファイルをアップロード」を、Googleドライブ上のファイルを使いたい場合は「ドライブから追加」を選び、対象のファイルを選択してください。
スマホ(アプリ版)でのアップロード手順
スマートフォンのGeminiアプリでも、基本的な操作はPC版と同様です。
プロンプト入力欄にあるクリップ(📎)や画像アイコンをタップします。
そこから、スマホ内に保存されている写真やファイルを選択してアップロードすることが可能です。
外出先からでも手軽にファイルを利用できるのがメリットです。
Googleドライブからファイルを直接追加する方法
PC版、スマホ版ともに、Googleドライブから直接ファイルを指定する方法が便利です。
この方法を使えば、ファイルを一度PCやスマホにダウンロードする手間が省けます。
特に、Googleドキュメントやスプレッドシートなど、普段からドライブで管理しているファイルを分析したい場合に効率的です。
前述の通り、この機能を利用するにはGmailでの事前設定が必要です。
それでも解決しない場合に試したい代替案

これまで紹介したすべての対処法を試しても問題が解決しない場合、別のツールや方法を検討するのも一つの手です。
状況に応じた代替案をいくつか紹介します。
【代替案①】高機能な分析ツール「NotebookLM」を利用する
NotebookLMは、同じくGoogleが提供するAIツールで、複数のファイルを横断的に分析・要約することに特化しています。
特に、長文のPDF資料やGoogleドキュメントを複数読み込ませて、それらの情報源に基づいた回答を生成させたい場合に非常に強力です。
Geminiでのアップロードがうまくいかない場合、一度NotebookLMを試してみる価値は十分にあります。
【代替案②】テキストファイルの内容を直接コピー&ペーストする
分析したい対象がテキストデータである場合、最もシンプルな解決策は、ファイルの内容を直接コピーしてGeminiのプロンプト入力欄に貼り付けることです。
ファイルのアップロード機能を経由しないため、ファイル形式や容量の問題を回避できます。
ただし、長文の場合は文字数制限に注意が必要です。
【最終手段】Gemini公式ヘルプコミュニティへの問い合わせ方法
どうしても原因がわからず解決できない場合は、Geminiの公式ヘルプコミュニティで質問を投稿してみましょう。
他のユーザーやGoogleの専門家から回答が得られる可能性があります。
質問する際は、どのような操作をして、どのようなエラーが表示されたのか、試した対処法などを具体的に記載すると、より的確なアドバイスをもらいやすくなります。
そのファイル、大丈夫?Geminiにアップロードする前に知るべき情報漏洩リスク

ファイルがアップロードできないという技術的な問題とは別に、セキュリティ上のリスクについても理解しておくことが非常に重要です。
特にビジネスで利用する際は注意が必要です。
無料版Geminiでは入力データがAIの学習に使われる可能性とは?
無料版のGeminiでは、ユーザーが入力したプロンプトやアップロードしたファイルの内容が、AIの品質向上のための学習データとして利用される可能性があります。
これは、Googleのプライバシーポリシーにも明記されています。
そのため、機密情報や個人情報を扱うことにはリスクが伴います。
アップロードしてはいけない社内情報・個人情報の具体例
AIの学習データとして利用されるリスクを考えると、以下のような情報を無料版Geminiにアップロードするのは避けるべきです。
契約書や議事録、未公開の財務情報
顧客リストや個人情報を含むデータ
製品の設計図や技術情報などの企業秘密
これらの情報を誤ってアップロードしてしまうと、意図しない情報漏洩につながる懸念があります。
セキュリティを重視するならGoogle Workspace版Geminiが必須な理由
ビジネスでGeminiを安全に活用したいのであれば、Google Workspaceに搭載された有料版のGeminiを利用することを強く推奨します。
有料版では、入力したデータがAIの学習に利用されることはなく、組織のデータは保護されます。
万が一機密情報を入力してしまっても、それが外部に漏れる心配がないため、安心して高度なデータ分析や資料作成にAIを活用できます。
Geminiのファイルアップロードに関するよくある質問
最後に、Geminiのファイルアップロード機能に関して、多くの人が抱く疑問についてQ&A形式で回答します。
アップロードできるファイルの上限(数・容量)はどれくらい?
1回のプロンプトでアップロードできるファイル数は最大10個、各ファイルのサイズは最大100MBです。
動画ファイルに関しては例外的な規定がある場合もあります。
これらの上限を超える場合は、ファイルを分割したり圧縮したりする対応が必要です。
フォルダごとファイルをアップロードすることはできますか?
現時点では、フォルダを直接アップロードする機能はサポートされていません。
複数のファイルをアップロードしたい場合は、ファイル単位で一つずつ選択するか、複数ファイルを選択して一度にアップロードする必要があります。
PDFファイル内の文字や画像を読み取ってくれますか?
はい、GeminiはPDFファイル内のテキストや画像を認識し、その内容を理解して要約や分析を行うことができます(OCR機能)。
スキャンした文書のPDFでも、文字が鮮明であれば高い精度でテキストを抽出してくれます。
以前はアップロードできたのに急にできなくなったのはなぜ?
考えられる原因はいくつかあります。
Gemini側の仕様変更や一時的な不具合、ブラウザのアップデートによる影響、あるいはアカウント設定が意図せず変更されてしまった可能性などです。
まずは時間を置いて再度試すことや、公式の障害情報を確認することをおすすめします。
スマホからでもファイルのアップロードは可能ですか?
はい、可能です。
Geminiのスマートフォン向けアプリを利用すれば、PC版と同様にスマホ内に保存されているファイルや写真をアップロードして、質問や分析を依頼することができます。
まとめ:Geminiでファイルがアップロードできない問題を解決
この記事では、Geminiでファイルがアップロードできない場合のさまざまな原因と、それに対する具体的な解決策を解説しました。
最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- アップロードできない原因はファイル、アカウント、環境など多岐にわたる
- ファイル形式、容量(最大100MB)、数(最大10ファイル)には上限がある
- アカウントの年齢が18歳未満だと機能が制限されることがある
- Googleドライブ連携にはGmailでの設定が必要である
- 組織のアカウントでは管理者が機能を制限している可能性がある
- 基本的な対処法で解決しない場合はNotebookLMなどの代替案を試す
- アップロード手順が正しいかPC・スマホ別に再確認する
- 無料版Geminiへの機密情報のアップロードには情報漏洩リスクが伴う
- 安全な利用にはGoogle Workspace版Geminiの導入が推奨される
- 原因が不明な場合はGemini公式の障害情報確認や問い合わせも有効である