「同軸スピーカーに興味があるけど、40〜50万円台のフロア型で本当に満足できる製品はどれだろう」
「Fyne Audioは新興ブランドだけど、実際の評判はどうなのか」——そんな疑問を抱えていませんか。
本記事では、元タンノイのエンジニアが手がけたFYNE AUDIO F502Sについて、独自技術の詳細から実際のユーザー評価、競合製品との比較まで徹底解説します。
スペック・音質傾向・設置条件・価格に見合う価値があるかどうか、購入判断に必要なすべての情報をお届けします。
FYNE AUDIO F502Sの特徴・概要
元タンノイ技術者集団が設立したスコットランド発ブランド
Fyne Audio(ファイン・オーディオ)は、2017年にスコットランドで創業した比較的新しいスピーカーメーカーです。
しかし、その技術的バックグラウンドは非常に強固なものがあります。
創業メンバーは、英国の名門スピーカーブランド「タンノイ」で長年製品開発に携わってきたエンジニアやスタッフで構成されており、合計200年以上の業界経験を持つ精鋭チームです。
本社はエディンバラの西、グラスゴーにほど近いラナークシャー地域のストラスクライドビジネスパークに位置しています。
タンノイで培われた同軸ドライバー技術のDNAを受け継ぎながら、最新の解析技術と素材を駆使して独自の進化を遂げているのがFyne Audioの特徴です。
F502Sは、同社のF500Sシリーズにおけるフラッグシップ・フロアスタンディングモデルとして位置づけられています。
2018年発売の「F502」の後継機として2025年10月に登場し、細部にわたるブラッシュアップが施された最新モデルです。
IsoFlare・FyneFlute・BassTraxの3大独自技術
F502Sには、Fyne Audioが誇る3つの独自技術がすべて搭載されています。
1つ目の「IsoFlare(アイソフレアー)」は、同社の象徴ともいえるポイントソース・ドライバー技術です。
中低域と高域の2つのドライバーを同軸上に配置することで、すべての周波数帯域が同一点から放射される「点音源」を実現しています。
この名称は、一点から発したフレア光が宇宙の全方位に放射される天文学的現象「アイソフレアー」に由来しています。
従来の同軸型スピーカーにありがちだった指向性の狭さを克服し、優れた位相特性と広い指向性を両立させているのが特徴です。
2つ目の「FyneFlute(ファインフルート)」は、スピーカーエッジに関する独自技術です。
一般的なスピーカーエッジの単純なロール形状は固有共振を引き起こし、音の色付けの原因となります。
FyneFluteでは、エッジに特殊な溝(フルート)を刻むことで曲面形状を不均一化し、共振を徹底的に排除しています。
これにより、マルチファイバー・ペーパーコーンが持つ俊敏なトランジェント性能を極限まで引き出し、自然で色付けのない中低域再生を可能にしています。
3つ目の「BassTrax(ベーストラックス)」は、特許取得済みの低域放射システムです。
キャビネット下部に設けられた下向きのバスレフポート直下に、Tractrix(トラクトリックス)プロファイルのディフューザーを配置しています。
これにより超低音を水平方向360度に均一に放射し、従来のポートに起こりがちな濁りやこもりを排除。
部屋全体に自然に響き渡る豊かな低音を実現するとともに、設置位置による音質変化を最小限に抑えています。
旧モデルF502からの主な進化ポイント
F502Sは、前モデルF502から複数の重要なアップグレードが施されています。
最大の進化点は、ツイーターへのマグネシウム・ダイヤフラムの新採用です。
上位のF700シリーズと同じプレミアム・マグネシウムによるドーム型振動板を搭載することで、高域固有共振を可聴帯域外の30kHz以上に追いやることに成功しています。
同時に低域共振もクロスオーバー周波数の遥か下方に移動させ、中低域との自然なつながりと伸びやかな高域を両立させています。
また、ツイーターのホーン開口部には新設計のウェーブガイドが採用されました。
流体解析技術「COMSOL」を用いたコンピューター解析により、長短のリブを交互に配置した非対称リブ構造を実現。
高域の拡散性が一層向上し、よりスムーズな周波数レスポンスを獲得しています。
さらに、新機能として「プレゼンス・コントロール」が追加されました。
2.5〜5.0kHz帯域の中音域レベルを標準/+3dB/-3dBの3段階で調整でき、アンプ特性や部屋の響きに合わせた微調整が可能になっています。
FYNE AUDIO F502Sのスペック・仕様
基本スペックと搭載ユニット構成
F502Sは2.5ウェイ構成のフロアスタンディング・スピーカーです。
「2.5ウェイ」とは、2基のウーファーの受け持ち帯域をずらした「スタガー接続」を採用していることを意味します。
搭載ユニットは3基で構成されています。
まず、200mm(8インチ)径のIsoFlareポイントソースドライバーが中低域から高域までをカバーします。
このドライバーは、マルチファイバー・ペーパーコーンの中央に25mmマグネシウムドーム・コンプレッション・ツイーターを同軸配置した構造です。
そして、もう1基の200mm径ベースドライバーが低域を専門に担当し、豊かで力強い重低音を再生します。
周波数特性は30Hz〜34kHz(-6dB、室内測定値)と、超低域から超高域まで幅広い帯域をカバーしています。
クロスオーバー周波数は250Hzと1.7kHzの2ポイントで、クロスオーバー・スロープは低域側が2次(12dB/oct)、高域側が1次(6dB/oct)となっています。
インピーダンスは8Ω(公称)、感度は91dB(2.83V/1m)です。
この高感度設計により、比較的小出力のアンプでも十分なボリュームを得ることができます。
推奨アンプ出力は30〜180W RMS、許容入力は90W RMS(連続)と、幅広いアンプとの組み合わせに対応しています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 型式 | 2.5ウェイ・フロアスタンディング |
| ツイーター | 25mm マグネシウムドーム・コンプレッション型 |
| ミッド/バス | 200mm IsoFlareポイントソースドライバー |
| ウーファー | 200mm ベースドライバー |
| 周波数特性 | 30Hz〜34kHz(-6dB) |
| 感度 | 91dB(2.83V/1m) |
| インピーダンス | 8Ω |
| 推奨アンプ出力 | 30〜180W RMS |
| 許容入力 | 90W RMS(連続) |
| クロスオーバー | 250Hz / 1.7kHz |
| 外形寸法 | H1,112 × W300 × D382mm |
| 重量 | 28.5kg(1本) |
新採用マグネシウムドームツイーターの技術的特徴
F502Sで新たに採用されたマグネシウムドームツイーターは、単なる素材変更にとどまらない総合的な設計刷新が行われています。
マグネシウムは、アルミニウムと比較して内部損失が大きく、不要な共振を抑制する特性を持っています。
この特性により、高域固有共振を可聴帯域外の30kHz以上に追いやることが可能になりました。
同時に、低域共振もクロスオーバー周波数(1.7kHz)の遥か下方に移動させることで、中低域のIsoFlareドライバーとの自然なつながりを実現しています。
ツイーターはコンプレッション・ホーン構成を採用しており、高能率な再生が可能です。
磁気回路にはネオジウムマグネットを使用し、背面にはベント・リアチャンバーを設けることで不要な共振を最小限に抑えています。
ホーン開口部の新設計ウェーブガイドでは、流体解析技術「COMSOL」による最適化が行われました。
長短のリブを交互に配置した非対称リブ構造により、内部反射を回避しながら高域の拡散性を向上させています。
この設計により、前モデルと比較してステレオイメージングと全体的な音質性能の改善が図られています。
プレゼンスコントロールと接続端子
F502Sに新搭載されたプレゼンス・コントロールは、使い勝手の良い実用的な機能です。
2.5〜5.0kHz帯域、つまりボーカルや楽器の存在感に大きく影響する中高域のレベルを調整できます。
設定は「標準」「+3dB」「-3dB」の3段階から選択可能で、リアパネルに設けられたスイッチで簡単に切り替えられます。
明るめの音が好みの場合や、部屋の吸音が多い環境では「+」側に、逆にアンプが高域寄りの特性を持つ場合や、部屋の反射が多い環境では「-」側に設定することで、最適なバランスを得ることができます。
スピーカー端子には、バイワイヤリング対応の高品質バインディングポストを採用しています。
バイワイヤリング接続では、低域と高域を別々のケーブルで接続することで信号の干渉を抑え、より純度の高い再生が可能になります。
もちろん、付属のジャンパーを使用した通常のシングルワイヤリング接続にも対応しています。
キャビネットは高剛性MDFを使用し、内部にはクロスブレースを配置して箱鳴りを抑制しています。
ツインキャビティ・チューニングシステムにより内部定在波を大幅に低減し、パワーハンドリング能力を向上させています。
底部には大型フロアスパイクと堅牢な台座が付属し、安定した設置と優れた低域再生を支えます。
外装仕上げは3種類から選択できます。
ナチュラルウォールナット(WN)とブラックオーク(BO)は天然木突板仕上げで、落ち着いた雰囲気を演出します。
ピアノグロス・ブラック(PGB)はペイント仕上げで、モダンなインテリアにマッチする高級感を持っています。
グリルはマグネット着脱式で、使用しない時は背面に装着することも可能です。
FYNE AUDIO F502Sのおすすめポイント
同軸設計による圧倒的な定位感とステレオイメージ
F502Sの最大の魅力は、IsoFlare同軸ドライバーがもたらす卓越した定位感とステレオイメージングです。
通常のマルチウェイスピーカーでは、ツイーターとウーファーが物理的に離れた位置にあるため、高域と低域の音源位置が異なります。
これにより、リスニングポジションによっては音像がぼやけたり、周波数バランスが変化したりする問題が生じます。
F502SのIsoFlareドライバーは、ツイーターとミッド/バスドライバーを同軸上に配置することで、すべての周波数が同一点から放射される「点音源」を実現しています。
これにより、ボーカルや楽器の位置が空間に明確に定位し、まるで目の前で演奏しているかのようなリアルな音像を体験できます。
さらに特筆すべきは、オフアクシス(軸外)特性の優秀さです。
多くのスピーカーでは、リスニングポジションから少しでもずれると音のバランスが崩れ、ステレオイメージが破綻してしまいます。
しかしF502Sは、フレア形状のコーンと等方性の放射パターンにより、広い角度でも一貫した音質を維持します。
リビングルームでソファに座っていても、部屋の別の場所にいても、音楽の本質を損なうことなく楽しむことができるのです。
高感度91dBで幅広いアンプと好相性
F502Sの91dB/W/mという高感度は、アンプ選びの自由度を大きく広げてくれます。
一般的なフロアスタンディングスピーカーの感度は85〜89dB程度が多い中、F502Sの91dBという数値は非常に優秀です。
感度が3dB高いと、同じ音量を得るのに必要なアンプ出力は半分で済みます。
つまり、30W程度の小出力アンプでも十分なボリュームで音楽を楽しむことができるのです。
この特性により、F502Sは真空管アンプからソリッドステートアンプまで、幅広い選択肢と組み合わせることができます。
実際に、低出力のシングルエンド真空管アンプから、高ダンピングファクターのハイパワーソリッドステートアンプまで、どのようなアンプでも良好な結果が得られると評価されています。
また、8Ωというインピーダンスも扱いやすい数値です。
インピーダンスが低いスピーカーはアンプに大きな負担をかけますが、F502Sの8Ωはほとんどのアンプにとって理想的な負荷となります。
特に、マランツのmodel 40nやPM15S1、NaimのNait XS 3、ArcamのA15などとの相性が良いと報告されています。
What Hi-Fi? 2025アワード受賞の実力と価格競争力
F502Sは、英国の権威あるオーディオ誌「What Hi-Fi?」の2025年アワードにおいて、「Best Floorstanding Speaker £2,000-£3,000」部門を受賞しています。
この評価は、同価格帯における最高峰の音質と価値を認められた証です。
レビューでは「クラスをリードする権威と音楽性を兼ね備えた、優れた音の統合性」と評され、サウンド、ビルドクオリティともに最高評価の5点を獲得しています。
特に、ダイナミクスの表現力、音の一体感、そしてどんなジャンルの音楽でも破綻しない汎用性が高く評価されました。
価格面でも、F502Sは非常に競争力のある設定となっています。
日本での販売価格は¥455,400〜506,000(ペア)で、この価格帯でマグネシウムドームツイーターや高度な同軸ドライバー技術を搭載している製品は稀です。
同価格帯の競合製品であるNeat Mystique ClassicやPMC Prodigy 5と比較しても、より大型のキャビネットと豊かな低域再生能力を持ちながら、同等以下の価格を実現しています。
ユーザーからは「$5,000以下で最高クラス」「質の良い機材を組み合わせれば$10,000クラスの製品とも競争できる」という声も上がっており、コストパフォーマンスの高さが広く認められています。
FYNE AUDIO F502Sの注意点・デメリット
大型・重量級ゆえの設置スペース要件
F502Sは、そのパフォーマンスを支える大型のキャビネットを持っています。
外形寸法はH1,112 × W300 × D382mm、重量は1本あたり28.5kgと、フロアスタンディングスピーカーの中でも大きく重い部類に入ります。
この大きさは、設置スペースの確保という点で重要な検討事項となります。
同価格帯のNeat Mystique Classicがコンパクトな設計であるのに対し、F502Sはそれを「巨人のように」上回るサイズです。
6畳程度の小さな部屋では、スピーカーの存在感が強すぎる可能性があります。
メーカー推奨の設置条件は、スピーカー同士の間隔を1.5〜4.5m、後壁から0.5m以上、側壁から1m以上離すことです。
専門家によるレビューでは、後壁から約70cm離して設置し、リスニングポジションの後方で軸が交差するよう若干内振りにすることで最適な結果が得られると報告されています。
また、28.5kgという重量は、一人での設置や移動が困難なレベルです。
スパイク付きの台座への設置作業では、二人以上での作業が推奨されます。
特に大理石ボードなどの上に設置する場合、スパイクの位置決めに苦労したという報告もあります。
高域の甘さと音色の好み分かれる傾向
F502Sの音質傾向について、高域の表現に関しては評価が分かれる部分があります。
専門誌のレビューでは「高域再現がもう少しスイート(甘く)表現できると良い」という指摘があります。
マグネシウムドームツイーターは優れた特性を持っていますが、一部のリスナーにとっては高域の伸びやかさや空気感がやや物足りなく感じられる可能性があります。
また、全体的な音色傾向についても、好みが分かれます。
F502Sは「ナチュラルで優しく温かい音」「柔らかく落ち着いた音」と評される傾向にあります。
クラシックやジャズ、ボーカルものには非常に適していますが、JBLのような力強いバスドラムの体感や、B&Wのような中高域の華やかな広がりを求めるリスナーには、物足りなく感じる場合があります。
「音は非常に落ち着いており、もう少し明るいトーンが欲しい」という意見や、「温かみがありニュートラル寄りで、エネルギッシュな音を求める人には合わない」という声もあります。
購入前に可能であれば試聴し、自分の好みの音楽ジャンルとの相性を確認することをおすすめします。
エージングに時間を要する点
F502Sに限らず多くのスピーカーに言えることですが、購入直後は本来の性能を発揮しない点に注意が必要です。
新品の状態では、「中域の押し出しが少し物足りない」と感じるユーザーもいます。
これはドライバーのエッジやサスペンションがまだ馴染んでいないためで、数十時間から数百時間の使用(エージング)を経ることで音質が向上していきます。
特にF502Sは、マルチファイバー・ペーパーコーンとFyneFluteエッジという独自の組み合わせを採用しているため、これらの部品が最適な状態に落ち着くまでには一定の時間が必要です。
購入直後の印象だけで判断せず、じっくりと鳴らし込んでいく姿勢が求められます。
また、仕上げによる特性の違いも報告されています。
ピアノグロス・ブラック仕上げは高級感がある反面、ホコリが目立ちやすいというデメリットがあります。
一方、ダークオーク仕上げについては「塗装の表面にもう少しツヤがあると高級感が出る」という意見もあり、見た目の好みも含めて検討する必要があります。
FYNE AUDIO F502Sの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
F502Sに対する評価で最も多く挙げられるのが、その音質の自然さと定位の良さです。
「ナチュラルで優しく温かい音」という表現が多く見られ、特に管楽器の心地よさ、ピアノの指のタッチが伝わるような繊細さが高く評価されています。
同軸スピーカーならではの特性として、「定位が良好で明瞭な音像を再生する」「ボーカルや楽器の位置が空間に明確に浮かび上がる」という声が寄せられています。
低域の表現力も好評です。
「ブックシェルフで満たされなかった中低音の音質と音量に満足」「ベースの乾いた音がはっきり聴こえる」「豊かで力強い重低音」といった評価があります。
BassTrax技術による360度の低域放射は、部屋全体を自然に満たす低音として高く評価されています。
空間表現についても、「スケールの大きい厚い音」「左右だけでなく上下の空間にも音が広がる」「32インチのテレビが60インチになったような音の広がり」という表現で、その音場の広さが伝えられています。
使い勝手の面では、「アンプや設置場所を選ばない扱いやすいスピーカー」という評価が目立ちます。
高感度91dBと8Ωのインピーダンスにより、幅広いアンプとの組み合わせで良好な結果が得られることが確認されています。
真空管アンプでもソリッドステートアンプでも、その特性を活かした再生が可能です。
コストパフォーマンスについては、「この価格帯で最高のスピーカー」「$5,000以下でベスト」「価格を超えた仕上げの美しさ」という声が多く、価格に見合う以上の価値を感じているユーザーが多いことがわかります。
What Hi-Fi?アワード受賞という客観的な評価も、その実力を裏付けています。
購入前に確認すべき注意点
一方で、購入前に確認しておくべき点もいくつか報告されています。
音質傾向に関しては、「高音部の伸びがもう少し欲しい」「少し硬い音に感じる」という意見があります。
特にヴァイオリンの高音部などで、より伸びやかな表現を求めるリスナーには物足りなく感じる可能性があります。
また、「JBLのようなバスドラムの体感、B&Wのような中高音の広がりは感じられない」という比較意見もあり、これらのブランドの音に慣れている方は試聴を推奨します。
設置に関する注意点として、「大きくて重い。
一人では設置できない」「スパイクの設置に苦労する」という報告があります。
28.5kgという重量は、階段での搬入や位置調整の際に大きな負担となります。
設置場所の確保と搬入経路の確認は事前に行っておくべきです。
仕上げに関しては、「ダークオーク仕上げは塗装のツヤがもう少しあると高級感が出る」「ピアノグロス仕上げはホコリが目立つ」という声があります。
特にピアノグロス仕上げは、湿らせたクロスでの清掃に注意が必要とされており、日常的なメンテナンスの手間を考慮する必要があります。
エージングについては、「購入直後は本来の性能を発揮しない」「中域の押し出しが最初は物足りない」という報告があります。
鳴らし込みによって改善していくことが多いですが、購入直後の印象で失望しないよう、ある程度の時間をかけて評価することが推奨されます。
試聴環境の問題も指摘されています。
「地域によっては試聴可能な販売店が限られる」という現状があり、実際に音を聴かずにオンラインのレビューだけを頼りに購入するユーザーも少なくありません。
可能であれば、大手量販店やオーディオ専門店での試聴を推奨します。
競合製品との比較における評価
F502Sは、同価格帯の競合製品と比較しても高い評価を得ています。
同じ英国ブランドのNeat Mystique Classicと比較すると、F502Sは「大型で存在感がある」「より豊かな低域再生能力を持つ」と評価されています。
一方、Neat Mystique Classicは「よりコンパクトで設置しやすい」という利点があります。
部屋のサイズや用途に応じた選択が求められます。
PMC Prodigy 5との比較では、F502Sが「より安価でありながら大型のキャビネット」「同軸ドライバーによる優れた定位感」という優位性を持つとされています。
PMCはトランスミッションライン技術による独特の低域表現が特徴ですが、価格対性能比ではF502Sに軍配が上がるという意見が多いです。
B&WやKEFの同価格帯モデルとの比較も行われています。
B&W 600S3/700S3シリーズやKEF R METAシリーズは、より華やかで分析的な音を特徴としますが、F502Sは「より自然でリラックスした音楽性」を持つと評されています。
好みによって評価が分かれる部分ですが、長時間リスニングでの聴き疲れの少なさではF502Sを推す声が多いです。
同社の上位モデルF502SPとの比較では、F502SPが「より洗練された音質」「さらに高いビルドクオリティ」を持つとされますが、F502Sは「$3,500という価格で十分すぎる性能を提供する」と評価されています。
予算に余裕があればF502SP、コストパフォーマンスを重視するならF502Sという選び分けが推奨されています。
まとめ:FYNE AUDIO F502Sはこんな人におすすめ
総合評価と他モデルとの選び分け
F502Sは、元タンノイのエンジニアが培った技術を惜しみなく投入した、完成度の高いフロアスタンディングスピーカーです。
IsoFlare同軸ドライバー、FyneFluteエッジ、BassTraxポートシステムという3つの独自技術により、同価格帯で最高クラスの定位感と音楽性を実現しています。
What Hi-Fi? 2025アワード受賞が示すとおり、£2,000〜£3,000(日本価格45〜50万円)のカテゴリーにおけるベストバイとして高く評価されています。
特に、クラシック、ジャズ、ボーカルものを中心に聴く方、長時間のリスニングでも疲れにくい自然な音を求める方に最適です。
一方で、小型の部屋には不向きであること、高域の華やかさを重視する方には物足りない可能性があることは考慮すべきです。
B&WやKEFのような分析的で華やかな音を好む方は、試聴してから判断することをおすすめします。
購入前のチェックポイント
F502Sがおすすめな人
- 同軸スピーカーならではの優れた定位感を求める人
- クラシック、ジャズ、ボーカルを中心に聴く人
- 自然で温かみのある音色を好む人
- 12畳以上の部屋で本格的なオーディオを楽しみたい人
- 幅広いアンプとの組み合わせで使いたい人
- コストパフォーマンスを重視する人
F502Sが向いていない可能性がある人
- 6畳程度の小さな部屋で使用予定の人
- 華やかで分析的な高域表現を求める人
- 一人で設置・移動を行う必要がある人
- パンチの効いたロックやEDMを大音量で楽しみたい人
まとめ:FYNE AUDIO F502Sの要点
- 元タンノイ技術者が設立したスコットランドのブランドによる2.5ウェイ・フロアスタンディングスピーカー
- IsoFlare同軸ドライバーによる卓越した定位感と広いスイートスポットが最大の特徴
- 新採用のマグネシウムドームツイーターで高域共振を可聴帯域外に追放
- FyneFluteエッジとBassTraxポートシステムにより自然で色付けのない再生を実現
- 感度91dB・8Ωで30W以上のアンプから駆動可能、幅広い機器との相性が良好
- プレゼンスコントロール(±3dB)で部屋やアンプに合わせた微調整が可能
- What Hi-Fi? 2025アワード「Best Floorstanding Speaker £2,000-£3,000」受賞
- 日本価格¥455,400〜506,000(ペア)で、同価格帯最高クラスのコストパフォーマンス
- 大型・重量級(28.5kg/本)のため設置スペースと搬入経路の確認が必須
- 高域の甘さや音色の好みは分かれるため、可能であれば購入前の試聴を推奨
