2025年7月に発売されたFOSTEXの密閉型ヘッドホン「T60RPmk2CL」。
すでに高い評価を得ているセミオープン型「T60RPmk2」の兄弟機として登場し、「セミオープン型と具体的に何が違うの?」「密閉型ならではの音質はどんな感じ?」「自分の使い方にはどちらが合っているんだろう?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなFOSTEX T60RPmk2CLのスペックや特徴、気になる音質、そして最大の関心事であるセミオープン型との違いについて、あらゆる情報を網羅して徹底的にレビュー解説します。
最後まで読めば、T60RPmk2CLがあなたにとって最高のパートナーとなり得るか、その答えがきっと見つかるはずです。
FOSTEX T60RPmk2CLレビュー結論:どんな人におすすめ?
【最速結論】セミオープンのT60RPmk2とどっちを選ぶべきか
結論から言うと、どちらのモデルを選ぶべきかは「リスニング環境」と「求める音のキャラクター」によって決まります。
周囲の音を遮断して音楽の世界に深く没入したい、あるいは引き締まった濃密なサウンドを好むのであれば、密閉型の「T60RPmk2CL」が最適です。
一方で、より自然で開放的な音の広がりを重視し、リラックスした環境で音楽を楽しみたい場合は、セミオープン型の「T60RPmk2」が適しています。
「原音だけを閉じ込めた濃密な音」に浸りたい人向けのヘッドホン
T60RPmk2CLは、公式が謳う「原音だけを閉じ込めた濃密な音」というコンセプトを忠実に体現したヘッドホンです。
密閉型ハウジングによって外部の騒音を効果的にシャットアウトし、静寂な空間の中で音楽の細かなディテール一つひとつに集中できます。
通勤・通学中やカフェなど、周囲が騒がしい環境でも音楽に浸りたい方や、自宅でじっくりと楽曲分析をしたいクリエイター、そして何よりも音の密度と深みを重視するオーディオファンに強くおすすめできます。
T60RPmk2CLの主なメリットと注意点(デメリット)
このヘッドホンの導入を検討する上で、主なメリットと注意点を把握しておくことが重要です。
メリット:
- 高い遮音性により、音楽への圧倒的な没入感を得られる
- 密閉型ならではの深く、引き締まった低音域の表現力
- 音が外部に漏れにくく、公共の場でも使いやすい
注意点(デメリット):
- セミオープン型に比べ、音場の広がりや抜け感は限定的になる
- 長時間の使用では、セミオープン型より蒸れを感じやすい可能性がある
- 音のキャラクターが異なるため、セミオープン型のサウンドが好みの方には合わない場合がある
この記事でT60RPmk2CLの全てがわかる
この記事では、T60RPmk2CLの基本的な情報から、専門的な音質のレビュー、そして最も気になるセミオープン型との比較まで、購入を検討する上で必要な情報を全て網羅しています。
それぞれの特徴を深く理解し、あなたのリスニングスタイルに最適な一台を見つけるための手助けとなるはずです。
FOSTEX T60RPmk2CLとは?製品の基本スペックと特徴
T60RPmk2CLのスペック一覧表(インピーダンス・感度など)
T60RPmk2CLの基本的な性能を把握するために、主要なスペックをセミオープンモデルのT60RPmk2と比較してみましょう。
スペック項目 | FOSTEX T60RPmk2CL (密閉型) | FOSTEX T60RPmk2 (セミオープン型) |
---|---|---|
型式 | 密閉ダイナミック型 | セミオープンダイナミック型 |
ドライバー | RP方式平面振動板 | RP方式平面振動板 |
インピーダンス | 28 Ω | 28 Ω |
感度 | 98 dB/mW | 96 dB/mW |
最大入力 | 3,000 mW | 3,000 mW |
再生周波数帯域 | 10~40,000 Hz | 10~40,000 Hz |
本体質量 | 約360g(ケーブル含まず) | 約360g(ケーブル含まず) |
インピーダンスは共通ですが、感度が密閉型のCLの方が2dB高くなっています。
これは、より小さな音量でも効率的に音を鳴らせることを意味し、ポータブル機器での扱いやすさにも繋がるポイントです。
製品の主な特徴3つ:黒胡桃無垢材・第4世代RPドライバー・密閉型設計
T60RPmk2CLの魅力を構成する3つの重要な特徴について解説します。
- 美しい黒胡桃(ウォールナット)無垢材ハウジング
ハウジングには、高級家具や楽器にも使用される黒胡桃の無垢材を削り出して採用しています。美しい木目は所有欲を満たすだけでなく、豊かで深みのある低音域と伸びやかな高音域という、自然なサウンドの実現にも貢献しています。 - 進化した第4世代RPドライバー
FOSTEXが50年以上にわたり開発を続ける独自の全面駆動型平面振動板「RP(Regular Phase)ドライバー」の最新世代を搭載しています。磁気回路の刷新により、音の立ち上がりの鋭さやレスポンスが向上し、より正確な定位感と音場再現能力を獲得しました。 - リスニングに最適化された密閉型設計
評価の高いセミオープン型T60RPmk2をベースに、新たに密閉型として音響調整が施されています。これにより、外部のノイズを遮断し、音漏れを低減。密閉型ならではの濃密で集中力の高いリスニング体験を可能にしています。
価格はいくら?実売価格と購入できる場所
T60RPmk2CLのメーカー希望小売価格(税込)は71,500円です。
市場での実売価格は、発売当初で64,000円前後となっています。
購入は、全国のオーディオ専門店や大手家電量販店、またはFOSTEXの公式オンラインストアやAmazonなどのECサイトで可能です。
付属品一覧:バランスケーブルは付属する?
製品に同梱されている付属品は以下の通りです。
- φ3.5mmステレオミニプラグ・ケーブル(2m) ×1
- φ6.3mmステレオフォーン変換コネクタ ×1
- 専用ポーチ ×1
- 安全上のご注意
残念ながら、昨今のオーディオファンに人気の4.4mmバランスケーブルは付属していません。
バランス接続で楽しみたい場合は、別売りの純正ケーブル「ET-RP4.4BL2Y」などを別途購入する必要があります。
最大の疑問!T60RPmk2(セミオープン)との違いを徹底比較
スペック比較:感度や重さの違いは?
前述のスペック表の通り、T60RPmk2CLとT60RPmk2の最も大きなスペック上の違いは「感度」です。
密閉型のT60RPmk2CLは98dB/mWと、セミオープン型の96dB/mWに比べて2dB高くなっています。
これは音圧効率が高いことを示しており、同じ再生機器のボリューム位置でも、CLの方がわずかに大きな音で聴こえます。
ポータブルプレイヤーなど、出力が限られる環境ではこの差が有利に働くことがあります。
その他のインピーダンスや質量といったスペックは共通です。
構造の違い:セミオープンと密閉型で何が変わるのか
最も根本的な違いは、ハウジングの構造です。
セミオープン型のT60RPmk2には、ドライバー背面の音圧を外部に逃がすための通気孔(ダクト)が設けられています。
これにより、音がこもらず、自然で開放的な音場が形成されます。
対して密閉型のT60RPmk2CLは、この通気孔を塞いだ構造になっています。
音をハウジング内に閉じ込めることで、外部からの騒音を遮断し、音漏れを防ぎます。
この背圧の処理方法の違いが、後述する音質のキャラクターを大きく左右する要因となります。
音質の違いは?音場の広がり vs 音の濃密さ
構造の違いは、音質に明確なキャラクターの違いを生み出します。
セミオープン型のT60RPmk2は、音が自然に抜けていくため、広々とした音場と軽快な響きが特徴です。
まるでスピーカーで聴いているかのような、リラックスした音楽体験を提供してくれます。
一方、密閉型のT60RPmk2CLは、音を内部に凝縮させるため、一つ一つの音がより力強く、濃密に感じられます。
特に低音域の深みとアタック感が増し、高い集中力で音楽の細部まで聴き込むようなリスニングスタイルに適しています。
音場の広がりを求めるならセミオープン、音の密度と没入感を求めるなら密閉型、という選択になるでしょう。
デザインとケーブル仕様の違いはある?
基本的なデザインコンセプトや、ハウジングに使用されている黒胡桃無垢材、ヘッドバンド構造などは両モデルで共通です。
唯一の外観上の違いは、セミオープン型に存在するハウジング上部のスリット(通気孔)が、密閉型では塞がれている点です。
また、付属するケーブルや左右独立接続のYケーブル仕様(ヘッドホン側:3.5mm 2極プラグ)も共通であり、リケーブルの選択肢や互換性に差はありません。
用途の違い:音楽に集中したいならCL(密閉型)が有利か
遮音性の高さから、T60RPmk2CLは明確に「音楽への集中」という点で有利です。
電車内やカフェといった騒がしい場所でのリスニングはもちろん、自宅であっても家族の生活音などを気にせず、自分だけの音楽空間を構築できます。
また、音漏れが少ないため、深夜のリスニングや図書館など静かな場所での使用にも向いています。
一方、セミオープン型は周囲の音が適度に聞こえるため、インターホンの音を聞き逃したくない場合や、開放的な気分で音楽を楽しみたい場合に最適です。
【音質レビュー】T60RPmk2CLのサウンドを各帯域ごとに徹底解説
全体の印象:セミオープン型とは異なる「密閉型ならではの濃密な聴き心地」
T60RPmk2CLのサウンドを最も的確に表す言葉は、やはり「濃密」でしょう。
セミオープン型が持つ開放感とは対照的に、音が耳元に凝縮され、エネルギー感に満ちたサウンドを聴かせてくれます。
音の輪郭がより明確になり、一つ一つの楽器やボーカルが力強く前に出てくる印象です。
これは、楽曲の世界に深く没入し、演奏の細部まで味わい尽くしたいと考えるリスナーにとって、非常に魅力的な特徴と言えます。
低音域の評価:豊かでしっかりとした深み
密閉型構造の恩恵を最も受けているのが低音域です。
セミオープン型と比較して、明らかに量感と深みが増しており、それでいて不要に膨らむことのない、引き締まった質の高い低音を再生します。
ベースラインのうねりや、バスドラムの重い一撃がダイレクトに伝わり、楽曲全体に安定した土台とグルーヴ感をもたらします。
ロックやEDM、ジャズのウッドベースなどを楽しむ際には、この豊かな低音表現が大きな満足感を与えてくれるでしょう。
中音域の評価:ボーカルや楽器の質感はリアルか
中音域は、ボーカルや主要な楽器の質感をリアルに描き出す、生命線ともいえる帯域です。
T60RPmk2CLは、音が耳元で凝縮されることで、ボーカルがより近く、生々しく感じられる傾向があります。
楽器の音も芯が太く、力強さが増す印象です。
セミオープン型の自然な距離感とは異なる、より親密でダイレクトな表現が特徴で、アーティストの息遣いまで感じ取りたい方には好まれるでしょう。
高音域の評価:濁りが無く伸びやかなサウンド
密閉型ヘッドホンは高音域が詰まり気味に感じられることがありますが、T60RPmk2CLはその心配は少ないようです。
第4世代RPドライバーの高い性能により、シンバルやハイハットのきらびやかさ、弦楽器の倍音成分なども濁りなく、スッキリと伸びやかに表現します。
セミオープン型のような突き抜ける開放感とは少し異なりますが、密閉された空間の中でもしっかりと抜けの良い、質の高い高音域を実現しています。
解像度と定位感:第4世代RPドライバーの実力
解像度の高さは、最新の第4世代RPドライバーの真骨頂です。
オーケストラのように音数が多い楽曲でも、各楽器の音が混ざり合うことなく、一つ一つを明確に聴き分けることができます。
定位感も非常に正確で、どの位置でどの楽器が鳴っているのかを立体的に把握することが可能です。
このモニターライクな性能は、音楽を分析的に聴きたいクリエイターから、純粋に高音質で楽しみたいオーディオファンまで、幅広い層を満足させるでしょう。
遮音性はどのくらい?リスニングへの没入感は高いか
遮音性は非常に高く、セミオープン型との明確なアドバンテージとなっています。
装着すると周囲の環境音がスッと遠のき、再生される音楽だけに意識を集中させることができます。
エアコンの動作音やPCのファンノイズといった室内の騒音はもちろん、電車内のアナウンスや周囲の話し声なども大幅に低減されます。
この高い遮音性がもたらす静寂は、音楽への深い没入体験には不可欠な要素です。
外観デザインと装着感レビュー
高級感ある黒胡桃(ウォールナット)無垢材のハウジング
T60RPmk2CLのハウジングには、セミオープンモデルと同様に黒胡桃の無垢材が採用されています。
しっとりとした深い茶色の木目は非常に美しく、天然木ならではの個体差も所有する喜びを高めてくれます。
単なるデザイン要素としてだけでなく、音響的な特性にも寄与しており、見た目の高級感と優れたサウンドを両立させています。
手に取ると、その滑らかな質感と丁寧な仕上げから、製品へのこだわりが伝わってくるようです。
装着感は良い?側圧や長時間の使用感を評価
ヘッドバンドは、頭頂部に直接触れるレザー調のバンドと、側圧を生み出す金属製アーチが分離したハンモック構造を採用しています。
これにより、頭頂部への圧力が分散され、優しいフィット感を実現します。
側圧は、耳周りに隙間が生まれない程度にしっかりとしていますが、いわゆる「万力」のような強い締め付け感はありません。
多くのユーザーレビューでも、装着感は良好と評価されており、長時間のリスニングでも疲れにくい設計と言えるでしょう。
イヤーパッドの評価:標準パッドの質と耐久性
標準で付属するイヤーパッドは、前後で厚みが異なる傾斜のついた低反発合皮タイプです。
これはT60RPmk2と共通のもので、耳をすっぽりと覆うアラウンドイヤー型となっています。
適度な密着感があり、装着位置を決めやすいのが特徴です。
耐久性については、使用頻度にもよりますが、多くのレビューで1年半~2年程度での交換が推奨されています。
表面の劣化や内部スポンジのへたりは音質にも影響するため、定期的な交換が望ましいでしょう。
オプションのウルトラスエードパッド(EX-EP-RP-SUEDE)で音質や装着感は変わる?
FOSTEXは別売オプションとして、東レ社のウルトラスエード®を採用したイヤーパッド「EX-EP-RP-SUEDE」を用意しています。
合皮パッドに比べ、タオル地のような滑らかでふかふかした肌触りが特徴で、通気性も良いため長時間の使用でも蒸れにくく快適です。
音質面では変化が大きく、音像が少し遠ざかり音場が広がる傾向があります。
低音と高音が広がる、いわゆるドンシャリ傾向に近づきますが、定位感はやや甘くなるため、標準パッドとの音の違いを理解した上で導入を検討するのが良いでしょう。
使い勝手とリケーブルのポイント
鳴らしやすさは?ポータブルDAPやスマホ直挿しでも大丈夫か
T60RPmk2CLは、インピーダンス28Ω、感度98dB/mWというスペックです。
これは現代のヘッドホンの中では比較的鳴らしやすい部類に入ります。
そのため、スマートフォンや一般的なポータブルオーディオプレイヤー(DAP)に直接接続しても、十分な音量を確保することが可能です。
初代T60RPが「鳴らしにくい」と言われていたのに比べ、格段に扱いやすくなっている点は大きなメリットです。
アンプは必要?駆動力で音質は向上するか
ポータブル機器でも十分に鳴らせますが、より駆動力の高い据え置き型のヘッドホンアンプを使用することで、T60RPmk2CLの真価をさらに引き出すことができます。
パワフルなアンプで駆動すると、音の輪郭がより鮮明になり、低音域の制動力や全体のダイナミクスが向上します。
必須ではありませんが、より高音質を追求したいのであれば、ヘッドホンアンプの導入は非常に有効なステップアップと言えるでしょう。
ケーブル仕様:左右独立3.5mmプラグでリケーブルはしやすい?
ケーブルは着脱式で、左右のハウジングにそれぞれ接続するY字タイプの仕様です。
ヘッドホン側の端子は汎用性の高い3.5mm 2極(TS)ミニプラグが採用されています。
この仕様は、FOCALや一部のHIFIMAN製品などとも互換性があり、サードパーティ製のアップグレードケーブルの選択肢が非常に豊富です。
自分好みの音質を求めてケーブルを交換する「リケーブル」を手軽に楽しめる点は、オーディオファンにとって嬉しいポイントです。
おすすめの別売バランスケーブル(ET-RP4.4BL2Y)
FOSTEXは純正のオプションとして、4.4mm 5極プラグのバランスケーブル「ET-RP4.4BL2Y」を販売しています。
バランス接続に対応したDAPやヘッドホンアンプを使用している場合、このケーブルに交換することで、左右のチャンネルセパレーションが向上し、よりクリアで立体的なサウンドステージを体験できます。
T60RPmk2CLのポテンシャルを最大限に引き出したい方には、ぜひ試していただきたいアップグレードです。
FOSTEX T60RPmk2CLの評判・口コミまとめ
肯定的な評判・口コミ:「濃密な音が良い」「より集中できる」
T60RPmk2CLのユーザーからは、特にその「音の濃密さ」と「遮音性」を評価する声が多く挙がっています。
「セミオープン型とは違う、凝縮された力強いサウンドが魅力」
「周囲の音を気にせず、音楽だけに集中できる没入感が素晴らしい」
「締まりがありながら深い低音は、密閉型ならではの良さ」
など、密閉型ならではのメリットを的確に捉えた肯定的な意見が目立ちます。
気になる評判・口コミ:「セミオープンとの好みは分かれる」
一方で、セミオープン型T60RPmk2との比較において、好みが分かれるという意見も見られます。
「音の抜け感や自然な広がりは、やはりセミオープン型に軍配が上がる」
「少し音が近く、窮屈に感じる場面もある」
「どちらが良いというより、完全に好みの問題」
これらはT60RPmk2CLの欠点というよりは、密閉型ヘッドホンに共通する特性であり、購入前にはセミオープン型との音質のキャラクターの違いを理解しておくことが重要であることを示唆しています。
プロのミュージシャン(Ovall)からの評価
バンド「Ovall」のメンバーは、ベースモデルであるT60RPmk2について高い評価を寄せています。
Shingo Suzukiさんは「しっかりと引き締めて出してくれる印象」、mabanuaさんは「装着感やサウンド含め開放感が増し、リラックスできる」、関口シンゴさんは「本格的な低音感とクリアな音色」とコメントしています。
T60RPmk2CLは、この優れた基本性能をベースに密閉型としてチューニングされているため、そのポテンシャルの高さが伺えます。
初代T60RPやT50RPmk4ユーザーからの視点
初代T60RPやT50RPmk4といった旧来のRPシリーズユーザーからは、第4世代ドライバーの進化を実感する声が聞かれます。
特に、音量が取りやすくなった点(高感度化)や、解像度、レスポンスの向上は明確な進化として捉えられています。
初代のやや大らかなサウンドから、より現代的でモニターライクな精度を兼ね備えたサウンドへと進化しており、順当なアップグレードモデルとして評価されています。
まとめ:FOSTEX T60RPmk2CL レビュー解説
- T60RPmk2CLは「原音だけを閉じ込めた濃密な音」を追求する密閉型ヘッドホンである
- セミオープン型T60RPmk2との最大の違いは構造と、それに伴う音質キャラクターである
- 遮音性が高く、周囲の騒音を気にせず音楽に深く没入したい人におすすめだ
- 音質は密閉型ならではの深く締まった低音と、力強く濃密なサウンドが特徴である
- 第4世代RPドライバーにより高い解像度と正確な定位感を実現している
- 感度が98dB/mWと高く、ポータブル機器でも比較的鳴らしやすい
- ハウジングには高級感のある黒胡桃無垢材を使用している
- 左右独立の3.5mmプラグ採用で、リケーブルによるカスタマイズ性が高い
- 購入を検討する際は、音場の広がりを重視するならセミオープン型という選択肢も考慮すべきだ
- 価格は約7万円台で、音質と質感を踏まえるとコストパフォーマンスは高いと言える