FLASHFORGE AD5Xを徹底レビュー解説!特徴や価格、注意点まで網羅

3Dプリンターの世界で、手軽にカラフルな作品を作りたいと考えたことはありませんか。

最近、Flashforgeから発表された「AD5X」は、そんな願いを叶える可能性を秘めた注目のマルチカラー3Dプリンターです。

この記事では、これから3Dプリンターを始めたい方や、マルチカラー印刷に挑戦したいけれど価格や設置場所で悩んでいた方に向けて、「FLASHFORGE AD5X」のレビューを詳しく解説します。

特徴やスペック、価格といった基本情報から、実際の評判や購入前の注意点、さらには兄弟機との比較まで、あなたが知りたい情報を網羅的にお届けします。

この記事を読めば、AD5Xが本当にあなたのニーズに合った一台なのか、明確な答えが見つかるはずです。

目次

FLASHFORGE AD5Xの基本情報をレビュー解説

FLASHFORGE AD5Xの主な特徴とは

FLASHFORGE AD5Xは、「オプション不要の4色マルチカラー印刷」「CoreXY構造による高速印刷」「初心者にも優しい簡単な操作性」という3つの大きな特徴を持つ3Dプリンターです。

まず、最大の魅力は本体一体型のマルチカラーシステム「IFS(インテリジェントフィラメントシステム)」を搭載している点です。

これにより、他の多くのマルチカラー機のように追加のオプション品を購入することなく、箱から出してすぐに最大4色での印刷を開始できます。

次に、近年の高性能プリンターで主流となっているCoreXY構造を採用していることも見逃せません。

この構造により、最大印刷速度600mm/s、最大加速度20,000mm/s²という高速な動作を実現しながらも、堅牢なオールメタルフレームが振動を抑制し、安定した造形品質を保ちます。

そして、初心者への配慮も行き届いています。

フレームは組み立て済みで届き、約10分で完了する簡単なセットアップ、ボタン一つで最適な状態に調整してくれるワンクリック自動レベリング、工具不要で交換できるクイックリリースノズルなど、3Dプリンターが初めての方でも安心して使い始められる機能が満載です。

FLASHFORGE AD5Xの詳しいスペック一覧

FLASHFORGE AD5Xの性能を深く理解するために、その詳細なスペックを確認しましょう。

このモデルは、同社の人気モデル「Adventurer5M」をベースに、マルチカラー機能を追加し、いくつかの性能を向上させたものと位置づけられています。

ここでは、ベースとなった「Adventurer5M」との比較を交えながら、スペックを表にまとめました。

スペック項目FLASHFORGE AD5XFLASHFORGE Adventurer5M
多色プリント可能(最大4色)不可能
本体サイズ363×402×448mm363×402×448mm
本体重量10.8kg10.8kg
構造CoreXYCoreXY
最大造形サイズ220×220×220mm220×220×220mm
最大印刷速度600mm/s600mm/s
最大加速度20,000mm/s²20,000mm/s²
最高ノズル温度300℃280℃
最高プラットフォーム温度110℃110℃
プラットフォームPEI鋼板プラットフォームPEI鋼板プラットフォーム
対応フィラメントPLA / PETG / ASA / TPU / PLA-CF / PETG-CFPLA / PETG / TPU / PLA-CF / PETG-CF
レベリングワンクリック自動レベリングワンクリック自動レベリング
通信方式Wi-Fi、イーサネット、USBメモリWi-Fi、イーサネット、USBメモリ
スライサーソフトOrca-FlashforgeFlashPrint
カメラなしなし

この表からわかるように、基本的な造形サイズや速度性能はAdventurer5Mと共通しています。

AD5Xの大きな進化点は、マルチカラー対応はもちろんのこと、最高ノズル温度が280℃から300℃に引き上げられた点です。

これにより、ASAフィラメントなど、より高温を必要とする材料への対応力が向上しています。

造形エリアは220mm四方と、個人用途としては十分な広さを確保しており、様々なプロジェクトに対応できる汎用性の高さも魅力です。

FLASHFORGE AD5Xの価格と販売情報

FLASHFORGE AD5Xの最も注目すべき点の一つは、その価格設定にあります。

公式価格は59,400円(税込)となっており、これはCoreXY構造を採用したマルチカラー対応3Dプリンターとしては、市場で最安クラスに位置します。

これまで、同等の機能を持つ3Dプリンターは10万円前後が相場であり、マルチカラー印刷は一部のユーザーにとって高嶺の花でした。

しかし、AD5Xの登場により、より多くの人が手軽にマルチカラーの世界へ足を踏み入れることが可能になります。

この価格で、高速かつ安定した印刷が可能なCoreXY構造と、最大4色の表現力を手に入れられることは、驚異的なコストパフォーマンスと言えるでしょう。

購入は、FLASHFORGEの日本公式オンラインストアや、正規代理店であるAPPLE TREE株式会社のウェブサイト、そしてAmazonなどの大手ECサイトで可能です。

特に代理店経由での購入は、日本語でのサポートや修理対応が充実しているため、3Dプリンター初心者の方でも安心して導入を検討できます。

「多色印刷を試したいけれど、高価な機種には手が出せない」と考えていた方にとって、AD5Xは非常に魅力的な選択肢となるはずです。

初心者でも簡単!セットアップと使いやすさ

FLASHFORGE AD5Xは、専門的な知識がない初心者でも、迷わず簡単に使い始められるように設計されています。

公式では「10分以内のセットアップ」を謳っており、その手軽さが大きな魅力です。

本体は主要なフレームがすでに組み上がった状態で梱包されているため、ユーザーが行う作業はごくわずかです。

具体的には、タッチスクリーンパネル、4つのフィラメントを保持するスプールホルダー、そしてマルチカラー印刷の心臓部であるIFSモジュールを本体に取り付けるだけです。

最後に、輸送中の振動で部品がずれないように固定しているビルドプレートのネジを3本外せば、物理的な準備は完了します。

電源を入れた後は、画面の指示に従って言語設定を行い、Wi-Fiに接続します。

すると、ワンクリックで自動キャリブレーションが開始されます。

このプロセスには、ノズルとベッドの距離を最適化するオートレベリングや、高速印刷時の振動を打ち消すための振動補正が含まれており、約6分半ほどで完了します。

ただし、一つだけ注意すべき点があります。

それは、初回起動前にユーザー自身で可動部分にグリスを塗る必要があることです。

これはプリンターの寿命を延ばし、スムーズな動作を維持するために必須の作業ですが、初心者の方は見落としやすいポイントなので、マニュアルをよく確認して忘れずに行いましょう。

FLASHFORGE AD5Xの購入前に知りたい点をレビュー解説

ここが魅力!FLASHFORGE AD5Xのおすすめな点

FLASHFORGE AD5Xを実際に使用する上で感じられる魅力は多岐にわたりますが、特に「圧倒的なコストパフォーマンス」「設置場所に困らないコンパクト設計」「優れたメンテナンス性」の3点が際立っています。

まず、前述の通り、約6万円という価格で高速なCoreXY構造と4色マルチカラー機能を両立している点は、最大のストロングポイントです。

これにより、これまで予算の都合で諦めていたクリエイティブな表現が、ぐっと身近なものになります。

次に、本体と一体化したマルチカラーシステムによるコンパクトな設計も大きなメリットです。

多くのマルチカラーシステムは本体とは別にフィラメント供給装置を設置する必要があり、広いスペースを要求します。

しかしAD5Xは、IFSモジュールと4つのフィラメントスプールが本体側面にすっきりと収まるため、フィラメントをセットした状態でも幅約46cm、奥行き約52cmと、非常に省スペースです。

これは、書斎やリビングなど、スペースが限られた家庭環境での使用において、導入のハードルを大きく下げてくれるでしょう。

最後に、メンテナンス性の高さも忘れてはなりません。

3Dプリンターのノズルは消耗品であり、詰まりなどのトラブル対応や定期的な交換が必要です。

AD5Xは、工具を使わずに指でバックルを操作するだけで簡単にノズルを取り外せる「クイックリリースノズル」を採用しています。

これにより、メンテナンスにかかる時間と手間が大幅に削減され、ユーザーの負担を軽減します。

これらの点が、AD5Xを単なる低価格機ではない、使いやすく魅力的な3Dプリンターにしています。

購入前に確認したいFLASHFORGE AD5Xの注意点

多くの魅力を持つFLASHFORGE AD5Xですが、その高いコストパフォーマンスは、いくつかのトレードオフの上に成り立っています。

購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、いくつかの注意点を事前に把握しておくことが重要です。

使い勝手におけるトレードオフ

価格を抑えるため、一部の仕様が簡略化されています。

例えば、フィラメントをプリンターヘッドまで導くチューブが非常に硬く、取り外しにくいという報告があります。

また、フィラメントの種類や色を自動で認識するRFID機能は搭載されておらず、毎回手動で設定する必要があります。

印刷状況を遠隔で確認できるカメラも標準では付属していません。

タッチパネルも最新のスマートフォンのような静電容量式ではなく、やや反応性が劣る抵抗膜方式が採用されている可能性があります。

マルチカラーと対応材料の制限

AD5Xのマルチカラー機能は最大4色に限定されており、後から色数を増やすといった拡張はできません。

また、本体が筐体で覆われていないオープンフレーム構造のため、ABSのように造形中の温度管理がシビアで、反りやすい材料の印刷には基本的に適していません(公式非推奨)。

さらに、TPUのような柔らかいフィラメントを印刷する場合、標準の0.4mmノズルでは詰まりやすいため、0.6mmなどの太いノズルへの交換が推奨されています。

加えて、TPUはマルチカラー印刷ではなく単色での使用が推奨されており、AD5Xの目玉機能を生かせないという制約もあります。

ソフトウェア面の成熟度

AD5Xは比較的新しい機種であるためか、ソフトウェア面でいくつかの改善点が指摘されています。

トラブルシューティング時に便利な、ノズル温度だけを任意に設定したり、エクストルーダーを手動で制御したりする機能がありません。

また、専用スライスソフト「Orca-Flashforge」では、マルチカラー印刷時にどれくらいのフィラメントが「捨て色(パージ)」として消費されるかの予測量が表示されないため、材料の準備に戸惑う可能性があります。

これらの点は、今後のファームウェアやソフトウェアのアップデートで改善されることに期待したい部分です。

各サイトでのFLASHFORGE AD5Xの評判・口コミ

FLASHFORGE AD5Xは、発売から多くの注目を集めており、様々なレビューサイトや個人のブログでその評価が語られています。

全体的な傾向として、「コストパフォーマンスの高さ」と「マルチカラー機能の手軽さ」を評価するポジティブな声が多く見られます。

一方で、「細かな使い勝手」や「ソフトウェアの完成度」については、改善を望む意見も散見されます。

良い評判・口コミ

多くのユーザーが絶賛しているのは、やはりその価格です。

「この値段でCoreXY構造のマルチカラー機が手に入るのは革命的」「初めてのマルチカラー機として導入するのに最適な一台」といった声が多数を占めています。

また、「設定が非常に簡単で、初心者でもすぐにきれいな造形ができた」「本体がコンパクトで置き場所に困らないのが良い」など、使いやすさや設置性の高さを評価する口コミも目立ちます。

高速印刷ながらも動作音が比較的静かである点を評価する声もありました。

気になる評判・口コミ

改善点として挙げられることが多いのは、ソフトウェア関連です。

「スライサーソフトの機能がまだ不十分」「色の切り替え時に出るフィラメントのゴミ(パージ)の量が予想以上に多い」といった指摘があります。

また、ハードウェアの細かな部分では、「フィラメントチューブが硬くてメンテナンスしづらい」「TPUフィラメントの印刷で詰まりやすい」といった、特定の状況下での使いにくさを指摘する声も見受けられます。

これらの評判を総合すると、AD5Xは「価格を考えれば非常に優秀で満足度の高い製品だが、完璧ではなく、ある程度の割り切りやユーザー側の工夫が求められる部分もある」と結論付けられます。

購入を検討する際は、これらの良い点と気になる点の両方を理解しておくことが大切です。

兄弟機「Adventurer5M Pro」との違いを比較

FLASHFORGE AD5Xの購入を検討する際、必ず比較対象となるのが、同じく人気の兄弟機「Adventurer5M」および「Adventurer5M Pro」です。

これらのモデルは基本的な性能を共有しつつも、それぞれに明確な特徴があります。

どのモデルが自分に最適か判断するために、その違いを詳しく見ていきましょう。

比較項目FLASHFORGE AD5XAdventurer5M ProAdventurer5M
価格(税込)59,400円84,700円60,500円
マルチカラー機能〇 (最大4色)
エンクロージャー(筐体)✕ (オープン)〇 (密閉)✕ (オープン)
公式対応フィラメントPLA/PETG/ASA/TPU等ABS/ASAに公式対応PLA/PETG/TPU等
遠隔カメラ
エアフィルター
最高ノズル温度300℃280℃280℃
主なターゲットマルチカラーを手軽に始めたい人高温材料を安定して使いたい人コストを最優先したい人

この比較表から、3つのモデルの立ち位置が明確になります。

FLASHFORGE AD5X

マルチカラー印刷機能が最大の特徴です。

カラフルな造形物を手軽に作りたいというニーズに完全に応えます。

オープンフレームであるため、ABSのような反りやすい材料には向きませんが、PLAやPETGでの多色表現を楽しみたいなら、このモデルが最適です。

Adventurer5M Pro

密閉されたエンクロージャー(筐体)を備えている点が最大の違いです。

これにより庫内温度が安定し、ABSやASAといった反りの出やすい高温系フィラメントの造形成功率が格段に上がります。

また、遠隔カメラやエアフィルター、静音性の向上など、快適性を高める機能が充実しており、より本格的なものづくりを目指すユーザーに適しています。

Adventurer5M

最もベーシックなモデルで、価格が一番の魅力です。

マルチカラー機能やエンクロージャーは不要で、とにかくコストを抑えて高速なCoreXYプリンターを導入したい場合に最適な選択肢となります。

結論として、あなたの最優先事項が「マルチカラー」ならAD5X、「高温材料の安定造形と快適性」ならAdventurer5M Pro、「コスト」ならAdventurer5Mを選ぶと良いでしょう。

まとめ:FLASHFORGE AD5Xのレビュー解説で分かったこと

  • AD5Xはオプション不要で最大4色のマルチカラー印刷が可能である
  • CoreXY構造の採用により最大600mm/sの高速印刷に対応する
  • 約6万円という価格はマルチカラー機として非常に高いコストパフォーマンスを誇る
  • IFSモジュールが本体一体型で設置スペースがコンパクトである
  • 約10分の簡単なセットアップで初心者でも安心して始められる
  • 工具不要のクイックリリースノズルでメンテナンス作業が容易である
  • オープンフレーム構造のためABSなど反りやすい材料の印刷は公式非推奨である
  • TPUフィラメントの印刷には太径ノズルへの交換と単色印刷が推奨される
  • カメラやRFID機能は非搭載で、一部機能は手動での設定が必要となる
  • ソフトウェアはシンプルだが、機能追加など今後のアップデートに期待が寄せられる
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