3Dプリンターの世界で注目を集める「Creality Hi Combo」は、手頃な価格でマルチカラー印刷を実現する革新的なモデルです。
これまで単色での造形が主流だった家庭用3Dプリンターに、最大16色という豊かな色彩表現をもたらしました。
この記事では、「Creality Hi Combo」のレビュー解説として、その特徴やスペック、使い方から価格情報、そして実際の評判や口コミに至るまで、購入を検討している方が知りたい情報を網羅的に解説します。
高速印刷性能や使いやすさなど、この一台が持つポテンシャルを深く掘り下げていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
Creality Hi Comboの基本性能レビュー解説
Creality Hi Comboの主な特徴
Creality Hi Comboは、家庭用3Dプリンター市場において、特に「マルチカラー印刷」を手軽に実現する点で際立った特徴を持っています。
その中核をなすのが「CFS(Creality Filament System)」と呼ばれるフィラメント管理システムです。
このCFSを1台使用することで最大4色のフィラメントを自動で切り替えながら印刷でき、色鮮やかな造形物を手軽に作成できます。
さらに、CFSは最大4台まで連結可能で、これにより最大16色ものマルチカラー印刷に対応するという驚異的な拡張性を備えています。
これは、同価格帯の競合製品にはない大きなアドバンテージです。
また、印刷性能も非常に高く、最大500mm/sの印刷速度と12,000mm/s²の加速度を誇ります。
これにより、複雑なマルチカラー印刷で長くなりがちな造形時間を大幅に短縮することが可能です。
本体構造には、堅牢なアルミ合金製のオールメタルフレームを採用しています。
このしっかりとした作りが高速印刷時の振動を最小限に抑え、安定した高品質なプリントを実現します。
操作性においても、多くの工夫が見られます。
Creality製のRFIDタグ付きフィラメントを使用すれば、プリンターがフィラメントの色や種類を自動で認識し、スライサーソフトと情報を同期してくれるため、設定ミスを防ぎ、シームレスな印刷体験を提供します。
標準で搭載されているカメラも便利な機能の一つです。
スマートフォンアプリ「Creality Cloud」と連携させることで、外出先からでも印刷状況をリアルタイムで映像確認したり、造形過程をタイムラプス動画として記録したりすることができます。
このように、Creality Hi Comboは「豊かな色彩表現」「高速・高品質な印刷」「優れた操作性」という三つの大きな特徴を併せ持った、非常にバランスの取れた3Dプリンターと言えるでしょう。
Creality Hi Comboのスペック一覧
Creality Hi Comboの性能を理解するためには、具体的なスペックを確認することが重要です。
以下に、主要な仕様をまとめた表を掲載します。
この表を見ることで、造形サイズや印刷速度、対応素材など、製品の能力を客観的に把握することができます。
項目 | 数値 |
---|---|
3Dプリンターの寸法 | 409 × 392 × 477mm |
プリント可能サイズ | 260 × 260 × 300mm |
パッケージ寸法(Combo) | 650 × 460 × 560mm |
プリンター総重量(Combo) | 19.14kg |
押出機構 | ダイレクトドライブ押出機 |
フレーム | アルミ合金 |
フィラメントの最大数 | CFSなし:1本 / CFSあり:最大16本(CFS 4台使用時) |
最大プリント速度 | 500mm/s |
通常プリント速度 | 300mm/s |
最大加速度 | 12,000mm/s² |
最大ノズル温度 | 300℃ |
最大ビルドプレート温度 | 100℃ |
使用可能フィラメント | Hyper PLA/PLA/PETG/ABS/PLA-CF |
監視カメラ | 搭載 |
フィラメント切れセンサー | 搭載 |
フィラメント絡まり検出 | 搭載(CFS使用時) |
入力シェーピング | 搭載 |
ノズルタイプ | 3種混合ノズル(チタン/銅/硬化スチール) |
ノズル径 | 標準0.4mm(0.6/0.8mmに対応) |
レベリング調整 | フルオートレベリング |
ファイル転送 | USB/WiFi |
ディスプレイ画面 | 3.2インチカラータッチスクリーン |
特に注目すべきは、260 × 260 × 300mmという、家庭用としてはやや大きめの造形サイズです。
これにより、高さのあるモデルや複数のパーツを一度に印刷することが可能になります。
また、最大ノズル温度が300℃であるため、一般的なPLAやPETGだけでなく、より強度や耐熱性が求められるABSやカーボンファイバー配合のPLA-CFといったエンジニアリングプラスチックにも対応できるポテンシャルを持っています。
フルオートレベリング機能や入力シェーピング機能も標準搭載されており、ユーザーが難しい調整を行うことなく、常に安定した印刷品質を得られるよう設計されている点も、初心者から上級者まで幅広い層にとって嬉しいポイントです。
Creality Hi Comboの簡単な組み立て方法
Creality Hi Comboは、3Dプリンター初心者にとってハードルとなりがちな組み立て作業を、可能な限り簡略化している点が大きな魅力です。
この製品は、全体の95%が工場で組み立て済みの状態で出荷されます。
ユーザーが行う作業は、主にガントリー(門型のフレーム部分)を土台に取り付け、数本のケーブルを接続するだけです。
具体的には、使用するネジはわずか7本程度で、付属の工具を使って締めていくだけで本体の骨格が完成します。
従来のキット製品のように、底面からネジ止めするような複雑で面倒な工程はなく、机の上に置いたままでも楽に作業を進められます。
マルチカラーシステムであるCFSのセットアップも非常にシンプルです。
フィラメントバッファーを両面テープで貼り付け、本体とCFSを専用のチューブとケーブルで接続すれば完了です。
公式からは組み立て手順を解説した動画も公開されているため、説明書と合わせて視聴すれば、まず迷うことはないでしょう。
初めて3Dプリンターに触れる方でも、開梱からおよそ15分から30分程度で印刷準備を整えることが可能です。
ただし、組み立て時にいくつか注意すべき点があります。
ケーブルの取り扱いに注意
ガントリーを土台にドッキングさせる際、ケーブルを挟み込んで断線させてしまわないよう、慎重に作業する必要があります。
ネジの締め方
付属の六角レンチは、ネジ穴の奥までしっかりと差し込んでから回すようにしましょう。
斜めの状態で無理に力を加えると、ネジ穴がなめてしまい、回せなくなる可能性があります。
これらの点にさえ気をつければ、誰でも簡単に、そして安全に組み立てを完了させることができます。
この手軽さは、購入後すぐに3Dプリントを楽しみたい方にとって、非常に大きなメリットと言えます。
マルチカラープリントの使い方と始め方
Creality Hi Comboの最大の特徴であるマルチカラープリントは、専用のスライサーソフト「Creality Print」を使うことで、直感的に行うことができます。
ここでは、モデルデータに色を付けて印刷するまでの一連の流れを解説します。
1. フィラメントのセット
まず、使用したい色のフィラメントをCFSにセットします。
Creality製のRFIDタグ付きフィラメントを使えば、色や種類が自動でCreality Printに同期されるため非常に便利です。
RFIDタグがないフィラメントの場合は、プリンター本体のパネルかCreality Print上で、手動でフィラメントの種類と色を登録します。
2. プリンターとPCの接続
プリンターをWi-Fiに接続し、Creality Printの「デバイス」タブからプリンターをネットワークに追加します。
これにより、PCから直接データを送信して印刷を開始できるようになります。
3. モデルの配置と色付け
Creality Printの「準備」タブで、印刷したい3Dモデル(3MFやSTLファイルなど)をプラットフォーム上に配置します。
次に、ツールバーにある「色塗り」機能を選択します。
色を塗りたいフィラメントを選び、ブラシの形状(円形、球体など)やサイズを調整しながら、モデルの各パーツをクリックやドラッグで着色していきます。
細かい部分を塗る際はペンサイズを小さくするなど、直感的な操作で配色を決めることが可能です。
ただし、色の切り替えが頻繁に発生する複雑な配色は、印刷時間が大幅に長くなる原因となるため注意が必要です。
4. スライスとプレビュー
色付けが完了したら、積層ピッチやサポートの有無といった印刷条件を設定し、「スライス」ボタンをクリックします。
スライスが完了すると「プレビュー」画面に移行し、推定される印刷時間やフィラメントの使用量、一層ごとの動きなどを確認できます。
ここで、意図しない場所に色が塗られていないか、非表示機能を活用して各色を個別にチェックしておくと、印刷ミスを防げます。
5. 印刷開始
プレビューで問題がなければ、「送信印刷」ボタンをクリックします。
最後に、CFSにセットした物理的なフィラメントと、ソフト上で割り当てた色が正しいかを確認するマッピング画面が表示されます。
ここで最終確認を行い、再度「送信印刷」をクリックすれば、プリンターへのデータ転送と印刷が開始されます。
以上の手順で、誰でも簡単にオリジナルのマルチカラー作品を造形することができます。
購入判断!Creality Hi Comboの詳細レビュー解説
Creality Hi Comboのおすすめな点
Creality Hi Comboは、多くの魅力的な機能を備えていますが、購入を検討する上で特に「おすすめな点」をいくつか挙げることができます。
第一に、その圧倒的なコストパフォーマンスです。
マルチカラー印刷に対応した3Dプリンターは、以前は10万円を超える高価なモデルがほとんどでした。
しかし、Hi Comboは比較的手頃な価格帯でありながら、高品質な4色プリントを標準で実現しています。
これにより、これまで専門家やヘビーユーザーのものであったマルチカラー印刷のハードルを大きく下げ、初心者でも気軽に挑戦できる環境を提供しています。
第二に、将来性を見据えた高い拡張性です。
初期セットでは4色対応ですが、別売りのCFSユニットを追加することで、最大16色までのマルチカラー印刷が可能になります。
最初は4色で始めて、より複雑な表現に挑戦したくなった時にシステムを拡張できるという点は、長期的に製品を使い続けたいユーザーにとって大きな魅力です。
この拡張性は、同価格帯の競合製品には見られない、Hi Comboならではの強みと言えます。
第三に、ユーザーフレンドリーな設計思想です。
前述の通り、組み立ては非常に簡単で、初心者でも迷うことは少ないでしょう。
また、標準搭載されているモニタリングカメラは、フレームレートが高く滑らかな映像で、リモートでの状況確認を快適に行えます。
マルチカラー印刷は長時間に及ぶことが多いため、外出先からでも安心してプリント状況を監視できるこの機能は、非常に実用的です。
さらに、細かい部分の作り込みも優れています。
例えば、ノズルは詰まりにくく交換も容易な一体型設計の「Unicorn Nozzle」を採用しており、メンテナンスの手間を軽減しています。
また、CFSはフィラメントの防湿機能を備えており、印刷していない時でもフィラメントを最適な状態で保管できるなど、ユーザーの使い勝手を細部まで考慮した設計がなされています。
これらの点から、Creality Hi Comboは「これからマルチカラー3Dプリントを始めたい初心者」から、「より本格的な作品作りを目指す中級者以上」まで、幅広い層におすすめできる一台と言えるでしょう。
Creality Hi Comboの注意点
Creality Hi Comboは非常に優れた3Dプリンターですが、購入前に知っておくべきいくつかの注意点も存在します。
これらを理解しておくことで、購入後の「こんなはずではなかった」という事態を避けることができます。
まず、マルチカラー印刷特有の課題として、フィラメントの「ゴミ」が多く発生する点が挙げられます。
色を切り替える際には、ノズル内に残った前の色のフィラメントを押し出す「パージ」という作業が自動で行われます。
このとき排出されるフィラメントのカスが、造形物の横に「パージブロック(またはプライムタワー)」として積み上げられたり、プリンター後方に排出されたりします。
このゴミは印刷が終わる頃にはかなりの量になるため、定期的に清掃する必要があります。
このパージ作業に伴い、フィラメントの総使用量が増えることにも注意が必要です。
特に、一層の中で何度も色を切り替えるようなモデルでは、実際に造形物に使われる量よりも、パージで消費されるフィラメントの量が多くなるケースもあります。
ランニングコストを考える上で、この点は念頭に置いておくべきでしょう。
また、色の切り替えには一定の時間がかかるため、単色で印刷する場合と比較して、プリント時間は大幅に長くなる傾向があります。
簡単なモデルでも、配色次第では数時間から十数時間かかることも珍しくありません。
設置スペースに関しても、事前の確認が必要です。
Hi Comboは本体の横にCFS(フィラメントシステム)を設置する構成が基本となるため、プリンター本体2台分に近い横幅を確保する必要があります。
限られたスペースに設置を考えている場合は、寸法をしっかりと確認しておくことが重要です。
最後に、本体がオープンフレーム構造であるため、ABSのように温度変化に敏感で反りやすい素材を安定して造形するには、別途エンクロージャー(筐体)で覆うなどの工夫が推奨されます。
とはいえ、一般的なPLAやPETGであれば、問題なく高品質なマルチカラー印刷を楽しむことができます。
これらの注意点は、製品の欠陥というよりもマルチカラー3Dプリンター全般に共通する特性です。
あらかじめ理解しておくことで、より快適にCreality Hi Comboを使いこなすことができるでしょう。
Creality Hi Comboの評判・口コミまとめ
Creality Hi Comboを実際に使用しているユーザーからの評判や口コミは、購入を判断する上で非常に参考になります。
ここでは、各種レビューサイトやECサイトの情報を基に、良い点と気になる点をまとめました。
良い評判・口コミ
多くのユーザーが評価しているのは、やはり「手頃な価格でマルチカラー印刷が楽しめる」というコストパフォーマンスの高さです。
初心者でも導入しやすく、趣味の幅が大きく広がったという声が多く見られます。
「組み立てと初期設定が非常に簡単」という点も、特に初心者から高く評価されています。
説明書や公式動画が分かりやすく、すぐに印刷を始められたという意見が多数あります。
印刷品質に関しても、「高速印刷でも安定して綺麗に出力できる」「色の継ぎ目も滑らかで、完成品のクオリティが高い」といった好意的なレビューが目立ちます。
特に、自動レベリング機能の精度が良いことが、安定した印刷品質に貢献しているようです。
また、「標準搭載のカメラが便利」「Creality Printソフトが直感的で使いやすい」など、ソフトウェアや周辺機能の使い勝手の良さを評価する声も挙がっています。
気になる評判・口コミ
一方で、いくつかの課題を指摘する声もあります。
最も多いのが「マルチカラー印刷時のフィラメントの浪費」と「印刷時間の長さ」に関するものです。
これはマルチカラー方式の特性上避けられない部分ですが、予想以上の消費量と時間に驚いたという意見が見られます。
「CFSを置くための設置スペースが意外と必要」という点も、購入後に気づく方が多いようです。
また、一部のユーザーからは「初期不良があった」「動作が不安定になることがある」といった報告も散見されます。
ただし、これらについてはCrealityのサポートが対応し、部品交換などで解決したというケースがほとんどのようです。
総評
全体として、Creality Hi Comboは「コストパフォーマンスに優れた、初心者向けのマルチカラー3Dプリンター」として高く評価されています。
いくつかの注意点はあるものの、それを上回る魅力と性能を持っていることが、多くの口コミから伺えます。
購入を検討する際は、これらの評判を参考に、自身の用途や環境に合っているかを判断すると良いでしょう。
Creality Hi Comboの価格と最安値情報
Creality Hi Comboの購入を検討する際、最も気になるのが価格とどこで買うのがお得かという点でしょう。
ここでは、主要な販売チャネルと価格の傾向、そして安く購入するためのポイントを解説します。
販売価格の比較
Creality Hi Comboは、Creality公式ストア、Amazon、楽天市場などの大手ECサイト、そして専門の3Dプリンター販売代理店などで購入可能です。
価格は販売店や時期によって変動しますが、2025年7月時点での参考価格は以下のようになっています。
販売サイト | Creality Hi Combo 価格(税込) | Creality Hi(本体のみ)価格(税込) | 備考 |
---|---|---|---|
Creality公式ストア | 78,300円 | 57,300円 | 標準価格、送料無料 |
Amazon | 70,470円~ | 51,680円~ | 価格変動あり、セール対象になることも |
楽天市場 | 78,300円~ | 57,300円~ | ポイント還元率が高い |
※上記は調査時点での価格であり、常に変動する可能性があります。購入時には必ず各サイトで最新の価格をご確認ください。
表を見ると、タイミングによってはAmazonが最安値になるケースが多いようです。
しかし、楽天市場は「お買い物マラソン」や「楽天スーパーSALE」といったセール期間中に、ポイント還元を考慮すると実質的に最も安くなる可能性があります。
安く購入するためのチェックポイント
お得に購入するためには、以下の点を意識すると良いでしょう。
- セールのタイミングを狙う
Amazonの「プライムデー」や「ブラックフライデー」、楽天市場の大型セール期間中は、割引やポイントアップのチャンスです。急ぎでなければ、これらのセール時期まで待つのが賢明です。 - ポイント還元を活用する
普段から利用しているECサイトがあれば、そのサイトのポイントプログラムを最大限に活用しましょう。特に楽天ポイントやPayPayポイントなどは、キャンペーンを組み合わせることで大きな還元が期待できます。 - 送料や消費税を確認する
表示価格だけでなく、送料込み・税込みの総額で比較することが重要です。海外のサイトから購入する場合は、別途輸入関税がかかる可能性もあるため注意が必要です。
中古品について
フリマアプリなどで中古品が出回ることもありますが、3Dプリンターの中古購入はあまり推奨できません。
消耗部品の劣化や、目に見えないトラブルを抱えているリスクがあり、結果的に修理費用で高くつく可能性があるためです。
特に初心者は、保証がしっかりしている新品を購入する方が安心して使用できるでしょう。
まとめ:Creality Hi Comboレビュー解説と購入ガイド
- Creality Hi Comboは手頃な価格でマルチカラー印刷が可能な3Dプリンターである
- 中核システム「CFS」により最大16色の拡張性を持つ
- 最大500mm/sの高速印刷と高精度な造形を実現する
- 95%組み立て済みで、初心者でも簡単にセットアップが可能である
- 専用ソフト「Creality Print」で直感的な色付けと印刷設定ができる
- 標準搭載のカメラによるリモート監視やタイムラプス撮影に対応する
- マルチカラー印刷ではフィラメントのゴミが多く発生し、印刷時間も長くなる
- CFSを設置するため、本体の横に広いスペースが必要となる
- 評判はコストパフォーマンスの高さと使いやすさで概ね良好である
- 購入は公式ストアのほか、セールやポイント還元を狙えるECサイトも選択肢となる