ChatGPT学習モードの使い方を完全解説!料金や注意点も

ChatGPTの登場により、学生の学習スタイルは大きく変わろうとしています。

しかし、単に答えを教えてもらうだけでは、本当に学力が身につくのか不安に感じる方も少なくないでしょう。

そんな課題に応えるべく登場したのが、ChatGPTの新機能「学習モード」です。

この記事では、ChatGPTの学習モードとは何か、その基本的な使い方から料金体系、学生割引の有無、さらには教育機関向けのChatGPT Eduとの違いまで、あらゆる情報を網羅的に解説します。

この記事を最後まで読めば、AIを単なる「答えを出すツール」から、あなたの思考力を鍛える「最高の学習パートナー」へと変える方法がわかります。

目次

ChatGPTの「学習モード」とは?答えを教えないAI家庭教師のすべて

一目でわかる!学習モードと通常モードの決定的な違い

ChatGPTの学習モードは、ユーザーにすぐ答えを提示する通常モードとは根本的に異なります。

最大の違いは、学習モードがユーザー自身で答えにたどり着けるよう、対話を通じて段階的にヒントを与え、思考を促す点にあります。

通常モードが「知識豊富な辞書」だとすれば、学習モードは「常に寄り添い、導いてくれる家庭教師」のような存在です。

例えば、「ゲーム理論とは?」と質問した場合、通常モードは定義や概要を長文で説明しますが、学習モードはまず「ゲーム理論について、どんなことを知っていますか?」と問いかけ、対話を始めるのです。

学習モードの目的は「答え」でなく「考える過程」を支援すること

学習モードの主な目的は、ユーザーが問題の答えを単に暗記するのではなく、その答えに至るまでの論理的な過程を深く理解することにあります。

AIが一方的に情報を与えるのではなく、ユーザーの思考を引き出し、自ら問題解決に取り組む力を養うことを目指して設計されました。

これにより、学生が課題でAIを安易に利用して思考停止に陥るという懸念を払拭し、批判的思考力を育むツールとしての活用が期待されています。

主な対象は大学生!教育の専門家と共同開発された背景

学習モードは、主に大学生の利用を想定して開発されました。

OpenAIは、この機能を開発するにあたり、40以上の教育機関や教育学の専門家、科学者たちと協力したと発表しています。

教師や家庭教師が理想的な形で生徒と接する実例を参考に、教育的なアプローチをAIの動作に組み込んでいます。

この背景から、学習モードが単なる技術的な機能追加ではなく、教育現場の実情と学習科学の研究に基づいた、教育的配慮の深いツールであることがうかがえます。

思考を促す「ソクラテス式問答法」が仕組みの鍵

学習モードが対話を通じてユーザーの思考を促す仕組みには、「ソクラテス式問答法」という教育アプローチが取り入れられています。

これは、教師が答えを教えるのではなく、巧みな質問を投げかけることで、学習者自身に内在する知識やアイデアを引き出し、自ら真理を発見させる手法です。

学習モードはこの手法を模倣し、ユーザーに問いかけることで、何を理解していて何が分かっていないのかを自覚させ、深い学びへと導きます。

ChatGPT学習モードの始め方と効果的な使い方【画像で解説】

【3ステップ】学習モードへの切り替え方法(PC・スマホ)

ChatGPTの学習モードは、簡単な手順ですぐに始められます。

PCでもスマートフォンアプリでも、操作はほとんど同じです。

  1. ChatGPTを開く: まず、ChatGPTにログインします。
  2. ツールを選択: チャット入力画面の左側にある「+」ボタン(GIGAZINEの記事では「ツール」と記載)をクリックまたはタップします。
  3. 学習モードを選択: 表示されたメニューから「あらゆる学びをサポート」を選択すると、学習モードに切り替わります。

初回利用時には簡単な説明が表示されることもありますが、これだけでいつでも学習支援に特化した対話を開始できます。

これだけでOK!学習効果を高めるプロンプト(指示文)の基本例文

学習モードを効果的に使うには、どう質問するかが重要です。

学年、教科、目的などを具体的に伝えることで、よりパーソナライズされたサポートが受けられます。

以下に基本的なプロンプトの例文を紹介します。

目的プロンプト(指示文)の例文
トピックの理解「大学1年生です。経済学の『機会費用』について、具体例を交えて分かりやすく説明してください。」
課題のヒント「高校の物理の宿題です。『落体の運動』に関する問題が解けません。最初のステップを教えてください。」
テスト対策「中学の歴史の定期テスト対策です。『鎌倉時代』の重要人物に関する一問一答クイズを10問作ってください。」
文章の添削「大学のレポートで書いたこの文章(文章を貼り付け)を、より論理的で説得力のある表現にするためのアドバイスをください。」

「宿題を手伝って」レポート作成や課題解決での活用例

学習モードは、レポート作成や複雑な課題解決の強力なアシスタントになります。

例えば、「2リットルのコーラを4人で公平に分ける方法」という簡単な問題で試すと、通常モードなら「1人500ml」と即答します。

しかし学習モードでは、「まず、1リットルが何ミリリットルか知っていますか?」と問いかけ、計算のプロセスを一つ一つ確認しながら進めてくれます。

この対話を通じて、ユーザーは計算方法そのものを理解し、応用できる力を身につけることが可能です。

「練習用のクイズを作って」苦手分野の克服やテスト対策に使う方法

苦手分野の克服やテスト対策には、クイズ機能が非常に有効です。

「三国志に関する選択式のクイズを、一問ずつ出してください」のように依頼すると、対話形式でクイズを出題してくれます。

回答すると、正誤だけでなく、なぜその答えになるのかという補足説明もしてくれるため、知識の定着に繋がります。

穴埋め問題や記述式の問題など、形式を指定することもできるので、テスト形式に合わせた実践的な練習が可能です。

【料金一覧】学習モードは無料で使える?学生割引やChatGPT Eduとの関係

結論:学習モードは無料プランでも利用できます

ChatGPTの学習モードは、無料プランのユーザーでも利用することが可能です。

OpenAIのアカウントを作成し、ログインしてさえいれば、追加料金なしでこの学習支援機能を使えます。

もちろん、有料プランである「Plus」「Pro」「Team」のユーザーも利用対象です。

手軽に試せるので、まずは無料版でその効果を体感してみることをお勧めします。

無料版と有料版(Plus/Pro)で学習モードの機能に違いはある?

現時点では、学習モードの基本的な機能(対話による学習支援、クイズ作成など)において、無料版と有料版で明確な違いは公式に発表されていません。

ただし、基盤となるAIモデルの性能には差があります。

有料プランでは、より高度な推論能力を持つGPT-4oなどのモデルに優先的にアクセスできるため、複雑な質問に対する回答の質や応答速度において、有料版の方が快適に利用できる可能性があります。

大学生・高校生は必見!公式な学生割引(学割)は存在するのか

2024年現在、個人向けの有料プラン「ChatGPT Plus」に対して、公式な学生割引(学割)プランは提供されていません。

料金は全ての個人ユーザーに対して一律(月額20ドル)となっています。

将来的には学生向けの割引が導入される可能性もゼロではありませんが、現時点では学割制度はないと認識しておくのが正確です。

コストを抑えたい場合は、前述の通り無料プランで学習モードを活用するのが最も現実的な選択肢となります。

教育機関向けの「ChatGPT Edu」とは?料金と個人利用との違いを解説

「ChatGPT Edu」は、個人向けではなく、大学などの教育機関全体を対象とした特別なプランです。

これは個人で契約するものではなく、大学が導入して学生や教職員に提供します。

個人向けのプランとの主な違いは、セキュリティや管理機能が強化されており、大学が持つ独自のデータでカスタマイズしたAIモデルを安全に構築・共有できる点です。

料金は非公開で、大学の規模や用途に応じて個別に見積もりが必要となります。

学生個人が直接契約するものではないため、「学生割引」とは全く異なる制度です。

メリットとデメリット|学習効果を最大化するための注意点

学習が楽しくなる!主体的な学びを促す4つのメリット

学習モードの活用には、多くのメリットがあります。

  1. 主体性の向上: 答えをすぐにもらえないため、自分で考える癖がつきます。
  2. 深い理解: 段階的な対話を通じて、トピックの表面的な知識だけでなく本質的な理解が深まります。
  3. 心理的安全性: 人間の家庭教師とは異なり、どんな初歩的な質問でも気兼ねなく何度でも聞くことができます。
  4. 学習の楽しさ: テストに参加した学生からは、「教科書を何度も読むより、励ましてくれるチャットボットと勉強する方が楽しい」という声も上がっています。

【注意点】AIも間違える!誤情報(ハルシネーション)のリスクと見分け方

学習モードは非常に便利ですが、万能ではありません。

最大の注意点は、AIが事実に基づかない誤った情報(ハルシネーション)を生成するリスクがあることです。

学習モードは、Web上の膨大な情報から学習しており、その中には不正確な情報も含まれています。

そのため、AIが提示した情報を鵜呑みにせず、必ず教科書や信頼できる情報源で裏付けを取る「ファクトチェック」の習慣が不可欠です。

「答えを教えて!」結局、通常モードに戻せてしまう課題点

学習モードは、ユーザーが望めばいつでも無効にし、答えを即座に教えてくれる通常モードに戻ることができてしまいます。

もし学習者が「考える」プロセスを面倒に感じ、安易に答えだけを求めてしまうと、学習モードの本来の目的が達成されません。

この点はツールの限界であり、最終的には使用者本人の学習意欲や自律性が重要になるという課題を抱えています。

現時点では教員・保護者向けの管理機能はない

現時点の学習モードには、教員や保護者が学生の利用状況をモニタリングしたり、通常モードへの切り替えを制限したりする管理機能は実装されていません。

そのため、教育現場で本格的に導入するには、学生がツールを適切に利用するためのリテラシー教育やルール作りが別途必要になります。

OpenAIは将来的に機能を拡充する可能性を示唆していますが、現状では管理機能がないことを理解しておく必要があります。

【応用編】よくある質問と関連知識

東京大学など、日本の大学における生成AIの活用方針とガイドライン

ChatGPTをはじめとする生成AIの教育利用について、東京大学などの主要大学は公式な見解やガイドラインを発表しています。

例えば、東京大学では、学生や教職員向けに生成AIの利用に関する注意点やセキュリティガイドラインを公開し、安易な剽窃(コピペ)に注意を促す一方で、教育や研究における有効活用を模索する姿勢を示しています。

AIを学習に利用する際は、自身が所属する大学や学校の方針を確認することが重要です。

混同注意!「学習モード」と「ChatGPTに独自情報を学習させる」ことの違いとは?

「学習モード」と「ChatGPTに情報を学習させる」という言葉は混同されがちですが、意味は全く異なります。

  • 学習モード: AIの「対話スタイル」を学習支援向けに変更する機能です。AIの知識自体が増えるわけではありません。
  • 情報を学習させる(ファインチューニング等): 企業や個人が持つ独自のデータ(PDFや社内マニュアルなど)をAIに追加で読み込ませ、AIの知識そのものをカスタマイズする技術的な手法です。これには専門知識やコストが必要です。

つまり、学習モードは誰でも使える「使い方」の一種であり、後者は専門的な「カスタマイズ」の手法です。

今後のアップデート予定|視覚的説明や目標設定機能も追加へ

OpenAIは、学習モードを学生の学び方を改善するための第一歩と位置づけており、今後さらなる機能追加を計画しています。

将来的には、複雑な概念を図やグラフで示す「視覚的な説明」機能や、学習の進捗を管理する「目標設定・進行管理」機能、より個人の理解度に合わせた「パーソナライズ」機能の強化などが予定されています。

AI家庭教師は、今後ますます進化していくことが期待されます。

まとめ:ChatGPT 学習モードを最大限に活用するために

この記事では、ChatGPTの新機能「学習モード」について、その基本から使い方、料金、注意点までを詳しく解説しました。最後に、本記事の要点をまとめます。

  • ChatGPT学習モードは答えを直接教えず、対話を通じてユーザーの思考を促す
  • 主な目的は、問題解決のプロセスを理解させ、主体的な学びを支援すること
  • 無料プランでも利用可能で、特別な追加料金は発生しない
  • 個人向けの学生割引(学割)は現時点では提供されていない
  • 教育機関向けの「ChatGPT Edu」は個人契約プランとは異なる制度である
  • 始め方は簡単で、チャット画面のメニューから切り替えるだけ
  • クイズ作成やレポートのヒントを得るなど、多様な使い方が可能である
  • AIが誤情報を生成するリスクがあるため、ファクトチェックが不可欠
  • 利用者が望めば通常モードに戻せるため、最終的には本人の学習意欲が重要
  • 今後、視覚的説明などの機能が追加され、さらに進化する可能性がある
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