B&W 707 Prestige Editionレビュー解説!音質と特徴を徹底検証

Bowers & Wilkins(B&W)の限定モデル「707 Prestige Edition」について、その音質や特徴が気になっていませんか。

ベストセラーモデル「707 S3」をベースにしているものの、価格差に見合うだけの価値があるのか、通常モデルと何が違うのか、そして過去の名機と比較してどれほど進化したのか、購入を検討する上で知りたい点は多岐にわたるでしょう。

この記事では、B&W 707 Prestige Editionの性能を徹底的にレビューし、その魅力を余すところなく解説します。

通常モデルとの比較、過去の名機との聴き比べからわかる音質の進化、そして詳細なスペックや価格情報まで、あなたが知りたい情報を網羅的に提供します。

この記事を読めば、707 Prestige Editionがあなたのオーディオライフにもたらす「オーディオ的スリル」の正体が明らかになるはずです。

目次

【結論】B&W 707 Prestige Editionはどんなスピーカー?特徴と評価

B&W 707 Prestige Editionは、単なる高音質スピーカーではなく、オーディオの探求を続ける経験豊かなリスナーに向けて開発された、特別な価値を持つ限定生産モデルです。

その本質は、音楽を聴くという行為に「スリル」と「発見」をもたらすことにあります。

オーディオ的スリルを追求する経験者向けの限定プレミアムモデル

このスピーカーは、音楽の細部に宿る情熱やアーティストの息遣いまで感じ取りたいと願う、感度の高いオーディオファイルのためにチューニングされています。

解像度の高さとディティールの再現性においては、同クラスの製品とは一線を画す性能を誇ります。

ある程度のオーディオ経験を積み、自分のシステムで小型スピーカーの限界に挑戦してみたいと考える方にこそ、その真価を発揮する一台と言えるでしょう。

ベースモデル「707 S3」からの価格差と、それ以上の価値とは

707 Prestige Editionのメーカー希望小売価格はペア33万円で、ベースとなった「707 S3」から約3.6万円から4.8万円ほど高価です。

しかし、専門家による試聴レビューでは、その価格差を遥かに超える音質向上が確認されており、「価格差を考慮すれば絶対にPrestige Editionを選ぶ」とまで言わしめるほどの驚くべき違いがあります。

ドライバーユニットが変更されたのではないかと錯覚するほどの解像感と情報量の差は、このモデルが単なる化粧直しではないことの証明です。

日本国内1,000ペア限定という希少性

このモデルは、日本国内向けに1,000ペアのみが用意される限定生産品です。

B&Wという信頼のブランドが、日本のオーディオファイルのために特別に用意したプレミアムモデルであるという事実は、所有する喜びを一層高めてくれます。

優れた性能だけでなく、その希少性もまた、707 Prestige Editionの大きな魅力の一つとなっています。

通常モデル「707 S3」との違いは?3つのアップグレードポイントを解説

707 Prestige Editionと通常モデル「707 S3」の差は、主に3つのポイントに集約されます。

これらのアップグレードは、見た目の美しさだけでなく、音質にも直接的な影響を与え、Prestige Editionならではのサウンドを形成しています。

特徴①:見た目と響きを向上させる「サントス・グロス仕上げ」の美しい筐体

最大の違いは、キャビネットの仕上げです。

ローズウッドに近い深紅の色合いが美しい「サントス・グロス仕上げ」が採用されています。

通常モデルの9回を上回る12回のクリアラッカー塗装が施されており、より深く、輝くような光沢を実現しました。

この厚みのある塗膜は、エンクロージャーの響きをより高品位なものにし、クリアネスと深みのあるサウンドに貢献しています。

特徴②:音の純度を高める高品質な「真鍮製スピーカーターミナル」

スピーカーターミナルには、通常モデルよりも導電性に優れた高品質な真鍮が用いられています。

これは上位のSignatureモデルにも採用されている技術で、スピーカーへの信号の流れをよりクリーンに保つための重要な改良点です。

入力信号の純度を高めることで、中低域のサウンドがより洗練され、音質全体の明瞭度が向上します。

特徴③:解像度と空間表現を改善する「新型ツイーターグリルメッシュ」

ツイーターを保護するグリルメッシュも、Prestige Edition専用のものです。

有限要素解析(FEA)によって最適化された新しいデザインは、開口率と剛性を両立させています。

これにより、高域のエネルギーがよりスムーズに放射され、音の解放感、解像度、そして空間表現能力が大きく改善されました。

【音質レビュー】専門家が絶賛する「オーディオ的スリル」の正体

707 Prestige Editionがもたらす「オーディオ的スリル」とは、圧倒的な情報量と立体的な音場表現によって、まるで音楽制作の現場に立ち会っているかのような生々しい体験ができることを指します。

通常モデルとは明らかに次元の異なるサウンドが、その核心にあります。

音質の違い①:解像感と情報量が圧倒的!まるで顕微鏡でのぞき込んだようなディティール

Prestige Editionの音質を語る上で最も特筆すべきは、その驚異的な解像感と情報量です。

例えばジャズの演奏では、ドラマーがスネアドラムをブラシで擦る繊細な音の粒立ちまで、まるで顕微鏡でのぞき込むかのように精妙に描き出します。

通常モデルが決して悪くないにも関わらず、比較すると表現が大づかみに感じられるほど、ディティールの描写力に大きな差が存在します。

音質の違い②:立体的なサウンドステージと天井の高さを感じる音場表現

音場の広がり方も、Prestige Editionの大きな魅力です。

弦楽四重奏の試聴では、幅、高さ、奥行きを伴った立体的なステージ上に、4人の奏者が浮かび上がるように定位します。

通常モデルと比較すると、まるでコンサートホールの天井が高くなったかのような、開放的で広大なサウンドステージを体感できるでしょう。

音質の違い③:ボーカルや楽器の生々しさはどう変わる?

アップグレードされた各パーツの効果により、特に中高域の質感が大きく向上しています。

女性ボーカルでは、通常モデルにあった硬さが取れ、柔らかさや色彩感、ニュアンスが豊かになります。

男性ボーカルも中域が太くなることで、より情感豊かで感動的に響きます。

これはツイーターグリルとスピーカーターミナルの改良が、中域の質感向上に直結していることを示しています。

注意点:エージングは必要?新品時の音の硬さについて

購入直後の新品状態では、音がまだ硬い印象を受ける可能性があります。

レビューでも、十分に鳴らし込まれた通常モデルの方がボーカルのスムーズさで好印象だったという報告がありました。

このスピーカーの真価を完全に引き出すためには、ある程度の鳴らし込み、いわゆるエージングが必要です。

時間をかけてスピーカーが馴染むことで、本来の滑らかさと解像度を両立したサウンドへと変化していきます。

過去の名機と比較してわかる進化と現在地

707 Prestige Editionの性能をより深く理解するために、B&Wが過去に生み出した2つの名機と比較してみましょう。

約20年前のスピーカーと比べることで、技術の進化と、このモデルが目指したサウンドの方向性が見えてきます。

vs 大ヒットモデル「CM1」:約20年間で音の鮮度と立体感はどれだけ進化したか

2006年に発売され大ヒットした「CM1」と比較すると、B&Wの小型スピーカーが遂げた約20年間の進化は驚異的です。

707 Prestige Editionは、音の鮮度、情報量の多さ、立体的な音の広がりといった、現代オーディオで重視される全ての項目においてCM1を圧倒します。

CM1は穏やかで聴きやすいサウンドですが、Prestige Editionが持つ「オーディオ的なスリル」には乏しく、同じ曲を聴いても少し古い録音のように感じられるほど、性能差は歴然としています。

vs 上位機「Signature 805」:音楽の訴求力とウーファー口径による表現力の差

2002年発売の上位モデル「Signature 805」との比較は、スピーカーの設計思想の違いを浮き彫りにします。

情報量や音場の広大さといった点では、新しい技術が投入された707 Prestige Editionが優秀です。

しかし、音楽そのものの訴求力、特にボーカルの厚みや押し出しの良さといった点では、より大きな16.5cmウーファーを搭載するSignature 805に軍配が上がります。

これは、音楽表現における余裕度がウーファーの口径に大きく依存することを示しており、それぞれのスピーカーが持つ魅力の違いを教えてくれます。

購入前に確認必須!B&W 707 Prestige Editionの価格とスペック

B&W 707 Prestige Editionの購入を検討する上で、価格と詳細なスペックは必ず確認しておきたい重要な情報です。

ここでは、基本的な仕様を分かりやすくまとめました。

メーカー希望小売価格と最新の価格情報

B&W 707 Prestige Editionのメーカー希望小売価格は、330,000円(ペア・税込)です。

なお、実際の販売価格は取扱店によって異なる場合があるため、最新の情報についてはお近くのオーディオ専門店やオンラインショップでご確認ください。

詳細スペック一覧(サイズ、重量、インピーダンス、再生周波数帯域など)

主な仕様は以下の通りです。

ベースモデルである707 S3と電気的な特性やサイズ、重量は同一となっています。

項目スペック
タイプステレオ
形状ブックシェルフ型
販売本数2台1組
WAY2 WAY
搭載ユニット数2
出力音圧レベル84dB (軸上1m/2.83Vrms)
インピーダンス8 Ω
再生周波数帯域45Hz~33kHz
幅x高さx奥行165x300x284 mm
重量6.2 kg

B&W 707 Prestige Editionの評判・口コミからわかるメリットと注意点

専門家のレビューや製品の特性から、B&W 707 Prestige Editionがどのようなユーザーに適しているのか、また、購入前に理解しておくべき注意点が見えてきます。

【メリット】このスピーカーをおすすめする人とは?

このスピーカーは、特に以下のような方におすすめできます。

まず、ある程度オーディオの経験を積んでおり、機材の能力を引き出すことに喜びを感じる「腕に自信のある方」。

そして、コンパクトなブックシェルフ型スピーカーという制約の中で、どこまで高音質を追求できるかを探求したいと考えている方です。

解像度の高さを楽しみ、音楽から新たな発見を得たいと願うリスナーにとって、これ以上ないパートナーとなるでしょう。

【注意点】「乗り心地の良いサルーンではない」レーシングカーのような特性を理解する

一方で、注意すべき点もあります。

レビューでは「Prestige Editionがレーシングカーだとすれば、(通常モデルは)より乗り心地のよいサルーンカー」と表現されています。

これは、このスピーカーが決して万人向けの穏やかなサウンドではないことを示唆しています。

高い解像度は、ソースやシステムの粗を暴き出す可能性もあります。

リラックスして音楽をBGM的に楽しみたいというよりは、音楽と真剣に向き合いたいリスナー向けの特性を持っていることを理解しておく必要があります。

Q&A:どんなアンプと組み合わせるのがおすすめ?

このスピーカーの性能を最大限に引き出すためには、組み合わせるアンプも重要になります。

試聴レビューではマランツの高級セパレートアンプが使用されていたことからもわかるように、スピーカーをしっかりと駆動できる、質の高いパワーアンプとの組み合わせが理想的です。

出力音圧レベルが84dBとやや低めなため、アンプの駆動力はサウンド全体の安定感やスケール感に直結します。

システムの中心に据えるにふさわしい、質の高いコンポーネントを選ぶことが推奨されます。

まとめ:Bowers & Wilkins 707 Prestige Edition レビュー解説の決定版

この記事では、Bowers & Wilkins 707 Prestige Editionの特徴、音質、そして通常モデルや過去の名機との比較を通じて、その魅力を徹底的に解説しました。

このスピーカーは、単なるアップグレードモデルではなく、オーディオ経験者の探求心に応えるために生まれた特別な一台です。

  • 707 Prestige Editionはオーディオ経験者向けの限定プレミアムモデルである
  • ベースモデルは日本で人気の小型2ウェイ機「707 S3」
  • 通常モデルとの違いは仕上げ、ターミナル、グリルメッシュの3点
  • サントス・グロス仕上げは12回の塗装による深い光沢が特徴
  • 解像感と情報量が格段に向上し、細部の描写力に優れる
  • 立体的な音場表現で、ステージの広さや高さを感じさせる
  • 過去の名機CM1を圧倒する性能進化を遂げている
  • 上位機Signature 805とは音楽表現の余裕度で差がある
  • 価格差以上の音質向上を実感できる価値を持つ
  • 高い性能を引き出すには相応のアンプとエージングが推奨される
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