英国の名門オーディオブランドBowers & Wilkinsから登場した、ワイヤレスヘッドホンの最新作「Px7 S3」。
前モデルからドライバーユニット以外をすべて刷新したという、実質的なフルモデルチェンジとして大きな注目を集めています。
しかし、6万円を超える高級機だけに「実際の音質はどうなのか?」「前モデルやSONYの最新機と比べてどう違う?」「価格に見合う価値はあるのか?」など、購入を前にして多くの疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなあなたの疑問をすべて解消すべく、Bowers & Wilkins Px7 S3のスペックや特徴、さまざまなメディアやユーザーによる評判・口コミを徹底的に分析し、その実力をレビュー解説します。
この記事を最後まで読めば、Px7 S3があなたにとって最高の音楽体験を提供する一台となるか、その答えがきっと見つかるはずです。
Bowers & Wilkins Px7 S3レビュー総まとめ:結論、どんな人におすすめ?
【結論】Px7 S3は「音質とデザインに一切妥協したくない人」におすすめ
結論から言うと、Bowers & Wilkins Px7 S3は「ワイヤレスでも最高の音質を求め、所有する喜びを感じられる美しいデザインにも妥協したくない」という、本物志向のユーザーに最もおすすめできるヘッドホンです。
B&Wが長年培ってきた高音質技術を惜しみなく投入し、aptX Lossless対応によってワイヤレスでもCD品質を超えるサウンドを実現。
さらに、洗練されたデザインと快適な装着感を両立しており、音楽鑑賞だけでなく、日常のあらゆるシーンを豊かに彩ってくれます。
逆にPx7 S3をおすすめしない人の特徴は?
一方で、すべての人にPx7 S3が最適というわけではありません。
まず、コストパフォーマンスを最優先に考える方には、6万円台という価格は大きなハードルとなるでしょう。
また、業界最高クラスの強力なノイズキャンセリング性能を第一に求めるのであれば、SONYやBOSEのフラッグシップモデルの方が満足度は高い可能性があります。
あくまで主役は「音質」と「デザイン」であり、機能性はそれを支える要素と考えるのが適切です。
忙しい人向け!Px7 S3のメリット・デメリット早見表
メリット | デメリット |
---|---|
B&Wならではの美しく解像度の高いサウンド | 6万円台と高価 |
所有欲を満たす高級感あふれるデザイン | LDACコーデックには非対応 |
aptX Lossless対応でワイヤレスでも高音質 | 外音モード切り替え時にノーマルモードを挟む |
自然で実用的なノイズキャンセリング性能 | 低遅延モードがなく、シビアなゲームには不向き |
薄型化とクッション改良による快適な装着感 | 折りたたみ機構が水平回転のみ |
Bowers & Wilkins Px7 S3の主な特徴:前モデルから何が進化した?
特徴①:aptX Lossless対応でワイヤレスでもCD品質を超える高音質
Px7 S3の最大の進化点の一つが、最新のBluetoothコーデック「aptX Lossless」に新たに対応したことです。
これにより、対応するスマートフォンやトランスミッターと接続することで、ワイヤレスでありながらCD品質(44.1kHz/16bit)のロスレスオーディオ伝送が可能になりました。
情報の欠落がないため、アーティストが意図したサウンドをより忠実に、細部まで味わうことができます。
特徴②:ドライバー以外を刷新した新設計と薄型ハウジング
Px7 S3は、前モデル「Px7 S2e」から40mmバイオセルロース・ドライブ・ユニットこそ受け継いでいるものの、それ以外の部分はすべて新規に設計されたフルモデルチェンジ機です。
特にハウジングは大幅に薄型化され、装着した際のシルエットがよりスマートになりました。
この薄型化はデザイン性だけでなく、イヤーパッドの密閉感を高め、サウンドパフォーマンスを向上させる目的も兼ね備えています。
特徴③:8つのマイクで強化されたハイブリッド・ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング機能も大幅に強化されています。
搭載されるマイクの数が、前モデルの6基から8基に増設されました。
これにより、周囲の騒音をより正確に捉え、効果的に打ち消すことが可能になっています。
特に人の話し声などの中高音域に対する遮音性が向上しており、音楽への没入感をさらに高めてくれます。
Bowers & Wilkins Px7 S3のスペックを徹底解説
Px7 S3のスペック詳細一覧表
Bowers & Wilkins Px7 S3の主なスペックを、前モデルのPx7 S2eと比較してまとめました。
スペック | Bowers & Wilkins Px7 S3 | Bowers & Wilkins Px7 S2e |
---|---|---|
ドライバー | 40mm バイオセルロース | 40mm バイオセルロース |
Bluetooth | Ver 5.3 | Ver 5.2 |
対応コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX HD, aptX Adaptive, aptX Lossless | SBC, AAC, aptX, aptX HD, aptX Adaptive |
ノイキャンマイク | 8基 | 6基 |
バッテリー | 最大30時間 | 最大30時間 |
急速充電 | 15分で7時間再生 | 15分で7時間再生 |
有線接続 | USB-C, 3.5mmステレオミニ | USB-C, 3.5mmステレオミニ |
USB-DAC機能 | 96kHz/24bit | 48kHz/24bit |
重量 | 約300g | 307g |
公式価格(発売時) | 68,200円 | 55,000円 |
対応コーデックとBluetoothバージョン
Bluetoothのバージョンは5.3に対応。
対応コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX Adaptive、そして新たにaptX Losslessが加わりました。
これにより、iPhoneからハイレゾ対応のAndroidスマートフォン、専用トランスミッターまで、様々なデバイスで最適な高音質再生が可能です。
バッテリー性能と急速充電について
バッテリー持続時間は、ノイズキャンセリングをオンの状態で最大30時間と、十分なスタミナを確保しています。
また、15分の充電で約7時間再生できる急速充電にも対応しているため、万が一充電を忘れても、朝の短い時間で通勤・通学中に使う分は十分に充電できます。
Bowers & Wilkins Px7 S3の音質を徹底評価
Px7 S2eからどう変わった?さらに緻密でメリハリのあるサウンドに
Px7 S3のサウンドは、前モデルPx7 S2eから大きく進化しています。
B&Wらしいシルキーで歪みの少ないトーンをベースにしつつ、音の抜け感が向上し、より明瞭で開放的なサウンドになりました。
Px7 S2eではやや膨らみがちだった低域がタイトに引き締まり、その分、中高域の見通しが良くなっています。
ボーカルの輪郭がより鮮明になり、高域の伸びも自然になったことで、全体としてメリハリの効いた、現代的な楽曲にもマッチする万能なチューニングへと進化しました。
USB-C有線接続で聴くハイレゾ音源の実力
Px7 S3はUSB-DAC機能を内蔵しており、付属のUSB-CケーブルでPCやスマートフォンと接続することで、最大96kHz/24bitのハイレゾ音源を再生できます。
この有線接続時の音質は、ワイヤレス接続時をさらに上回ります。
音の情報量が一段と増し、空間の解像感や奥行き、ボーカルの生々しさがよりリアルに感じられます。
特にiPhoneなど、aptX Losslessに非対応のデバイスを使用しているユーザーにとっては、このUSB有線接続が最高の音質を体験できるモードとなるでしょう。
得意な音楽ジャンルと相性は?
Px7 S3は、特定のジャンルに偏らないオールラウンダーな性能を持っています。
B&W伝統の美音は、ジャズやクラシックにおけるアコースティック楽器の響きや、バラードの繊細なボーカル表現で真価を発揮します。
同時に、進化した低音のキレとスピード感は、ロックやポップス、EDMのグルーヴ感を損なうことなく、エネルギッシュに再現。
どんなジャンルの音楽でも、高いレベルで楽しむことができる万能選手です。
ノイズキャンセリングと外音取り込み性能
ノイズキャンセリングは強力?SONYやBOSEとの比較
ノイズキャンセリング性能は、前モデルから確実に進化しています。
特に、人の話し声や空調音といった中高域のノイズに対する遮音性が向上しました。
SONYやBOSEのフラッグシップモデルが実現する「完全な静寂」と比べるとややマイルドですが、音楽への没入感を妨げる騒音は十分にカットしてくれます。
圧迫感が少なく自然な効き方なので、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。
外音取り込みは自然?装着したまま会話できるか
外音取り込み(アンビエント・パススルー)機能も非常に実用的です。
マイクで拾った音の不自然さが少なく、ヘッドホンを装着したまま、レジでの会計や短い会話をスムーズに行うことができます。
自分の声もこもりにくく、ストレスなく使えるレベルに仕上がっています。
マイクの通話品質はクリア?オンライン会議での実力
合計8基のマイクと高度な音声処理技術により、通話品質は非常にクリアです。
ビームフォーミング技術が自分の声に焦点を合わせ、周囲の雑音を効果的に抑制するため、オンライン会議や外出先での通話でも、相手に明瞭な音声を届けることができます。
Bowers & Wilkins Px7 S3の良い評判・悪い口コミを徹底調査
Px7 S3の良い評判・口コミまとめ
Amazonや各種レビューサイトでは、以下のようなポジティブな評価が目立ちます。
・「ワイヤレスとは思えない解像度と音場の広さ。特に有線接続は別格」
・「デザインが美しく、所有欲が満たされる」
・「ノイキャンが自然で、音楽を邪魔しないのが良い」
・「装着感の密閉度が上がり、より音楽に集中できるようになった」
・「マルチポイントの挙動が改善されて、PCとスマホの切り替えが快適」
Px7 S3の悪い評判・悪い口コミまとめ
一方で、少数ながら以下のような指摘も見られます。
・「価格が高い」
・「側圧が少し強くなったように感じる」
・「ノイキャンと外音取り込みの切り替え時に、必ずノーマルモードを挟むのが少し面倒」
・「LDACコーデックに対応してほしかった」
VGPアワード「ヘッドホン大賞」満票獲得の理由とは?
国内最大級のオーディオビジュアルアワード「VGP2025 SUMMER」において、Px7 S3は審査員7名全員が満点を投じ、「ヘッドホン大賞」を受賞しました。
その理由は、ワイヤレスヘッドホンとしての音質を新たな次元に引き上げたサウンドパフォーマンス、aptX Losslessへの対応といった先進性、そしてB&Wならではのエレガントなデザインが高い次元で融合している点が高く評価されたためです。
Bowers & Wilkins Px7 S3の5つのおすすめな点(メリット)
メリット1:B&Wならではの美しく解像度の高いサウンド
最大のメリットは、やはりその卓越した音質です。
スピーカー開発で培われたB&Wの音響技術が惜しみなく投入され、ワイヤレスでも有線でも、音楽の持つ繊細なニュアンスや空気感まで忠実に再現します。
メリット2:所有欲を満たす高級感あふれるデザインと質感
アルミニウムとファブリック素材を組み合わせた上質なデザインは、単なるオーディオ機器ではなく、ファッションアイテムとしての魅力も放ちます。
細部までこだわり抜かれた仕上げは、所有する喜びを感じさせてくれます。
メリット3:改善されたマルチポイント接続とUSB-DAC機能
前モデルの弱点であったマルチポイント接続の挙動が改善され、2台のデバイス間をシームレスに自動で切り替えられるようになりました。
また、最大96kHz/24bitに対応したUSB-DAC機能により、PCやスマートフォンと有線接続することで、さらなる高音質を追求できます。
メリット4:自然で強力なノイズキャンセリングと外音取り込み
8基のマイクによるノイズキャンセリングは、音楽の邪魔をすることなく、効果的に騒音を低減します。
また、非常に自然な外音取り込み機能により、ヘッドホンを外す手間を減らし、日常の利便性を高めています。
メリット5:薄型化とクッション改良による快適な装着感
ハウジングの薄型化とイヤーパッド、ヘッドバンドの改良により、装着時のシルエットがスマートになると同時に、密閉性と快適性が向上しました。
長時間のリスニングでも疲れにくい、優れた装着感を実現しています。
購入前に知っておくべきBowers & Wilkins Px7 S3の3つの注意点(デメリット)
デメリット1:価格が6万円台と高価
Px7 S3の価格は6万円台後半と、ワイヤレスヘッドホン市場全体で見てもハイエンドクラスに位置します。
その性能に見合う価値は十分にありますが、気軽に購入できる価格でないことは確かです。
デメリット2:LDACコーデックには非対応
SONYが開発した高音質コーデック「LDAC」には対応していません。
aptX LosslessやaptX Adaptiveに対応しているため、多くのAndroidユーザーにとっては問題ありませんが、LDAC対応にこだわりたいユーザーにとっては注意が必要です。
デメリット3:外音モード切り替え時にノーマルモードを挟む操作性
ノイズキャンセリングと外音取り込みモードを切り替える際、必ず中間の「ノーマルモード(オフ)」を経由する必要があります。
ワンタッチで両モードを直接切り替えたいユーザーにとっては、少し煩わしく感じるかもしれません。
Bowers & Wilkins Px7 S3の価格は?最安値で買う方法
Px7 S3の公式価格と販売店一覧
Bowers & Wilkins Px7 S3の公式ストアでの価格は68,200円(税込)です。
主な販売店は、B&W公式サイトのほか、Amazon、e☆イヤホン、ヨドバシカメラ、ビックカメラなどの大手ECサイトや家電量販店です。
Amazonやe☆イヤホンなど、どこで買うのがお得?
価格は基本的にどの販売店でも横並びですが、ポイント還元率によって実質的な価格は異なります。
Amazonのセール時や、各店舗独自のポイントアップキャンペーンなどを狙うのがお得に購入するコツです。
期間限定の購入キャンペーン情報
発売を記念して、aptX Lossless対応のBluetoothトランスミッター「Creative BT-W6」などがもらえるキャンペーンが実施されることがあります。
購入を検討する際は、Bowers & Wilkinsの公式サイトで最新のキャンペーン情報を確認することをおすすめします。
【徹底比較】Px7 S3はSONY WH-1000XM6やPx8と何が違う?
Px7 S2eとの比較:買い替える価値はある?
音質、機能性、デザインのすべてにおいて明確な進化を遂げているため、買い替える価値は十分にあります。
特に、よりメリハリのあるサウンドを求める方や、マルチポイント接続の挙動に不満があった方には、大きな満足感が得られるでしょう。
SONY WH-1000XM6との比較:音質と機能性の違い
音質面では、B&Wらしい自然で解像度の高いサウンドを追求したPx7 S3に対し、WH-1000XM6はよりパワフルで現代的なチューニングです。
機能面では、ノイズキャンセリングの絶対的な性能や、細かな便利機能においてはWH-1000XM6に軍配が上がります。
音質とデザインのB&Wか、機能性のSONYか、という選択になるでしょう。
上位モデルPx8との比較:どちらを選ぶべきか
Px8は、より高級な素材(ナッパ・レザーなど)を使用し、専用設計のカーボンコーン・ドライバーによる、さらに濃密でしなやかなサウンドが特徴です。
Px7 S3は、Px8に迫る音質と機能性を、より現実的な価格で実現したコストパフォーマンスに優れたモデルと言えます。
純粋な音質と所有欲を極限まで追求するならPx8、高いレベルでバランスの取れた実用機を求めるならPx7 S3がおすすめです。
まとめ:Bowers & Wilkins Px7 S3 レビュー解説
Bowers & Wilkins Px7 S3の総合評価と最終的な結論
Bowers & Wilkins Px7 S3は、ワイヤレスヘッドホンに求められる音質、デザイン、機能性のすべてを極めて高い次元で融合させた、まさにプレミアムモデルと呼ぶにふさわしい一台です。
aptX Losslessによる高音質化、洗練されたデザイン、実用的な機能性の向上は、日常の音楽体験を間違いなく豊かにしてくれます。
価格は決して安くはありませんが、その投資に見合う、あるいはそれ以上の満足感と所有する喜びを与えてくれるヘッドホンです。
購入を迷っている方への最後の一押し
- Px7 S3は音質とデザインに妥協しない本物志向のユーザーに最適
- aptX Lossless対応でワイヤレスでもCD品質を超えるサウンドを実現
- ドライバー以外を刷新し、より洗練されたデザインと快適な装着感
- ノイズキャンセリングは自然で強力、外音取り込みも実用的
- マルチポイント接続が改善され、PCとスマホの連携がスムーズに
- USB-Cでの有線接続により、さらに高音質なハイレゾ再生が可能
- 価格は高価だが、その価値を十分に感じられる完成度
- SONYやBOSEとは異なる、B&Wならではの美音を体験できる
- VGPアワードで「ヘッドホン大賞」を満票で獲得した実力派
- 音楽を聴く時間を、特別な体験に変えてくれる一台である