家庭用3Dプリンターの世界は日々進化しており、その中でもBambu Labの「A1 mini」は、特に注目を集めているモデルの一つです。
「3Dプリンターを始めてみたいけれど、設定が難しそう」「価格が高くて手が出しづらい」といった、初心者が抱える不安を解消してくれる機能を豊富に搭載しています。
この記事では、Bambu Lab A1 miniの購入を検討している方に向けて、その特徴から具体的なスペック、価格、そしてユーザーの評判や口コミまで、あらゆる情報を網羅的にレビュー解説します。
A1 miniが持つ印刷速度の実力や、実際に使用する上での注意点にも触れていきますので、あなたの3Dプリンター選びの確かな判断材料となるはずです。
Bambu Lab A1 miniの基本をレビュー解説
Bambu Lab A1 miniの主な特徴
Bambu Lab A1 miniが多くのユーザーから支持される理由は、その革新的な機能にあります。
第一に、特筆すべきは「全自動キャリブレーション機能」です。
従来の3Dプリンターでは、ユーザーが手動で行う必要があったZオフセット調整やベッドレベリングといった複雑な初期設定を、A1 miniはすべて自動で行います。
これにより、箱から出して約20分で最初の印刷を開始できる「Plug-N-Play」を実現しており、初心者でも迷うことなく扱えます。
次に、「AMS lite」を併用することで可能になるマルチカラー印刷も大きな魅力です。
最大4色のフィラメントを自動で切り替えながら造形できるため、単色のモデルに塗装する手間なく、カラフルで表現力豊かな作品を制作できます。
さらに、最大500mm/sという驚異的な印刷速度と、動作音を48dB以下に抑える「アクティブモーターノイズキャンセリング機能」も搭載。
速さ、静かさ、そして使いやすさを高いレベルで両立させている点が、A1 miniの最大の特徴と言えるでしょう。
Bambu Lab A1 miniのスペック詳細
Bambu Lab A1 miniの性能を理解するために、その詳細なスペックを見ていきましょう。
以下の表に、主要な仕様をまとめました。
項目 | 仕様 |
最大造形体積 (W×D×H) | 180 × 180 × 180 mm³ |
本体サイズ (W×D×H) | 347 × 315 × 365 mm |
本体重量 | 5.5 kg |
ツールヘッド最高速度 | 500 mm/s |
ホットエンド最高温度 | 300℃ |
ビルドプレート最高温度 | 80℃ |
推奨フィラメント | PLA, PETG, TPU, PVA |
非推奨フィラメント | ABS, ASA, PC, PA, PET, Carbon/Glass Fiber |
付属ノズル直径 | 0.4mm (オプションで0.2mm, 0.6mm, 0.8mmに対応) |
センサー類 | 監視カメラ、フィラメント切れ・絡み検出、停電復帰 |
接続方法 | Wi-Fi, Micro SDカード |
対応スライサー | Bambu Studio |
このスペックから分かるように、A1 miniはコンパクトな筐体ながら、高速印刷を支える性能と、様々な素材に対応できるポテンシャルを持っています。
特にホットエンドが300℃まで対応している点は注目ですが、筐体がオープン(囲いがない)であることや、ビルドプレートの温度が80℃までであることから、ABSのような反りやすい素材は非推奨とされています。
家庭での利用を主眼に置いた、PLAやPETGでの造形に最適化された設計と言えます。
Bambu Lab A1 miniの造形サイズ
Bambu Lab A1 miniの印刷可能な最大サイズは、幅180mm、奥行き180mm、高さ180mmです。
この「180mm角」というサイズが、実際にどのようなものなのかイメージしてみましょう。
例えば、手のひらに収まるキャラクターのフィギュアや、スマートフォンスタンド、小物入れ、DIYで使うオリジナルの治具など、日常的に使いたいと考える多くのアイテムを十分に制作できる大きさです。
3Dプリンターを初めて使う方にとっては、最初に何を作るか具体的なイメージが湧かないことも多いですが、このサイズがあれば「作れないものが多い」と感じることは少ないでしょう。
レビュー記事などを見ても、多くの方が「想像以上に色々なものが作れる」と評価しており、入門機として不足のないサイズ感であると言えます。
もし将来的に180mmを超える大きなものを作りたくなった場合でも、3Dモデルを複数のパーツに分割して印刷し、後から接着する方法があります。
これは3Dプリンターでは一般的な手法であり、大きな造形物を作る際には分割を前提に設計することも多いため、初心者のうちはA1 miniの造形サイズで十分満足できる可能性が高いです。
Bambu Lab A1 miniの価格と購入方法
Bambu Lab A1 miniは、その高い機能性にもかかわらず、非常に魅力的な価格設定がされています。
2025年7月現在、公式サイトでの販売価格は以下の通りです。
A1 miniの価格
- A1 mini(単体): ¥32,800(税込)
- A1 mini Combo(AMS lite付き): ¥69,800(税込)
単体モデルは、3Dプリンター本体と基本的な付属品のみの構成です。
一方、Comboモデルには、前述したマルチカラー印刷を可能にする「AMS lite」が付属します。
AMS liteを後から単体で購入することも可能ですが、その場合の価格は¥46,800(税込)程度となり、最初からComboモデルを購入する方が1万円以上お得になります。
多色印刷に興味がある方は、迷わずComboモデルを選択するのが賢明でしょう。
購入方法
主な購入先は、Bambu Labの日本公式ストアです。
公式サイトからの購入は、最新の製品情報やサポートが受けられるというメリットがあります。
その他、AmazonのBambu Lab公式ストアや、国内正規代理店である「サンステラ」や「SK本舗」といったオンラインショップでも取り扱いがあります。
セール時期によっては価格が変動することもあるため、複数のサイトを比較検討することをおすすめします。
Bambu Lab A1 miniの実力をレビュー解説
Bambu Lab A1 miniの印刷速度は?
Bambu Lab A1 miniの印刷速度は、最大で500mm/sに達します。
これは、同価格帯の家庭用3Dプリンターの中でもトップクラスの速さであり、A1 miniの大きな強みの一つです。
例えば、3Dプリンターの性能を測るベンチマークとしてよく用いられる「3DBenchy(船のモデル)」は、わずか14分程度で印刷が完了します。
従来のプリンターでは1時間以上かかっていたような造形も、A1 miniなら大幅に時間を短縮できるため、試作品を何度も作ったり、アイデアを素早く形にしたりする上で非常に有利です。
ただし、この500mm/sという数値はあくまで理論上の最大速度である点を理解しておく必要があります。
実際の印刷時間は、造形するモデルの形状の複雑さ、使用するフィラメントの種類、そしてスライサーソフトでの設定(積層の細かさや充填率など)によって大きく変動します。
特に、AMS liteを使用した多色印刷の場合は注意が必要です。
色を切り替えるたびに、フィラメントの入れ替えとノズルのクリーニング(パージ)が行われるため、単色印刷に比べて印刷時間は大幅に長くなります。
それでも、基本的な印刷性能が高いため、全体としてスピーディーな造形体験ができることは間違いありません。
Bambu Lab A1 miniのおすすめな点
Bambu Lab A1 miniが多くのユーザー、特に初心者から絶大な支持を得ている理由は、数々のおすすめポイントに集約されています。
初心者でも安心の徹底した自動化
最大のおすすめ点は、やはり「全自動キャリブレーション」に代表される徹底した自動化です。
3Dプリンターで最もつまずきやすい初期設定や調整作業をプリンター自身が行ってくれるため、ユーザーは難しい知識がなくても、まるで家電製品のような手軽さで高品質な印刷を始めることができます。
高速でありながら美しい造形品質
速さと美しさを両立している点も、高く評価されています。
高速でヘッドが動くと通常は振動で造形品質が低下しがちですが、A1 miniは印刷中の揺れを検知して補正する「アクティブ振動補正機能」を搭載。
これにより、高速印刷時でも積層痕が目立たない、滑らかで美しい仕上がりを実現します。
直感的な操作と便利な遠隔監視機能
本体のタッチスクリーンは直感的で分かりやすく、専用スライサーソフト「Bambu Studio」やスマートフォンアプリ「Bambu Handy」との連携もスムーズです。
Wi-Fi経由でデータを転送し、印刷状況を内蔵カメラでリアルタイムに確認、必要であれば外出先から印刷を停止することも可能です。
こうした使い勝手の良さが、ストレスのない3Dプリント体験を提供してくれます。
Bambu Lab A1 mini使用時の注意点
Bambu Lab A1 miniは非常に優れた3Dプリンターですが、購入・使用するにあたっていくつか知っておくべき注意点が存在します。
3ピン電源プラグと設置場所の安定性
まず、付属の電源プラグはアース付きの3ピン仕様です。
日本の一般的な家庭用コンセントは2ピンのため、そのままでは接続できません。
別途、「3ピン→2ピン変換アダプター」を必ず用意する必要がありますので、本体と同時に購入しておくことを強くおすすめします。
また、前述の通り、高速印刷時には本体がかなり揺れます。
不安定な机や棚の上に設置すると、振動で印刷が乱れる原因となるだけでなく、最悪の場合、本体が動いてしまう可能性も指摘されています。
できる限り頑丈で安定した場所に設置することが重要です。
非推奨フィラメントとスライサーソフトの制約
A1 miniはABSやASAといった、造形時に高温を必要とし、反りやすい性質を持つフィラメントの使用を推奨していません。
これらの素材を使いたい場合は、筐体が密閉された上位モデル(P1Sなど)を検討する必要があります。
また、スライサーソフトは公式の「Bambu Studio」の使用が前提となります。
他の汎用スライサー(UltiMaker Curaなど)も理論上は使用可能ですが、A1 miniの全機能を活かすことができず、予期せぬ動作を起こす可能性があるため、基本的にはBambu Studioに慣れる必要があります。
多色印刷時のフィラメント消費と時間
AMS liteを使った多色印刷は大きな魅力ですが、色の切り替え時にノズル内に残った前の色のフィラメントを排出する「パージ」という工程が入ります。
この排出されたフィラメントはゴミとなり、造形物によってはかなりの量になります。
フィラメントの消費量が多くなること、そして切り替え動作により印刷時間が長くなることは、あらかじめ理解しておくべきトレードオフと言えるでしょう。
Bambu Lab A1 miniの評判・口コミ
Bambu Lab A1 miniに関するユーザーからの評判や口コミを調査すると、総じて非常に高い評価を得ていることが分かります。
特に、「3Dプリンター初心者」や「他の入門機で挫折した経験がある人」からの絶賛の声が目立ちます。
ポジティブな評判・口コミ
- 「本当にセットアップが簡単。箱出しから印刷まで、迷うことがなかった」
- 「家電感覚で使える。ボタン一つでキャリブレーションしてくれるのが神」
- 「印刷がとにかく速くてきれい。今まで使っていたプリンターの半分以下の時間で終わる」
- 「この性能でこの価格は信じられない。コストパフォーマンスが最強」
- 「スマホアプリで外出先から状況を確認できるのが便利すぎる」
ネガティブ・改善を望む評判
一方で、いくつかの改善点や注意点を指摘する声も見られます。
- 「多色印刷のフィラメントのゴミが思ったより多くて驚いた」
- 「高速印刷時のモーター音と振動はそれなりにあるので、夜中の稼働は少し気になる」
- 「長年Curaに慣れていたので、Bambu Studioに乗り換えるのが少し大変だった」
- 「電源の変換アダプターが別途必要なのを知らず、届いた日に使えなかった」
これらの口コミを総合すると、A1 miniは「使いやすさ」「速さ」「品質」「価格」のバランスが非常に高いレベルでまとまっており、特に3Dプリンター入門者にとって最高の選択肢の一つであると評価されています。
いくつかの注意点を理解した上で導入すれば、満足度の高い3Dプリントライフを送れるでしょう。
まとめ:Bambu Lab A1 miniのレビュー解説
- A1 miniは初心者から上級者までおすすめの3Dプリンターである
- 最大の特徴は全自動キャリブレーションと簡単な初期設定
- AMS lite併用で最大4色のマルチカラー印刷が可能
- 最大500mm/sの高速印刷を実現している
- 造形サイズは180mm角で、家庭用としては十分な広さ
- 専用ソフト「Bambu Studio」とスマホアプリで操作性が高い
- 価格は機能性を考えると非常にコストパフォーマンスに優れる
- ABSなど高温が必要なフィラメントの印刷は非推奨
- 多色印刷ではフィラメントのゴミが多く発生する点に注意
- 電源プラグは3ピンのため変換アダプターが別途必要