ASUSから登場した「Vivobook Go 15 E1504FA」は、手頃な価格帯でありながら、日常使いには十分なスペックを持つノートパソコンとして注目を集めています。
特に、一部のモデルでは鮮やかな有機ELディスプレイを選択できる点が大きな魅力です。
しかし、実際に購入を検討する際には「自分の使い方に合っているのか」「性能は十分なのか」「何か注意点はないのか」といった疑問が浮かぶ方も多いでしょう。
この記事では、ASUS Vivobook Go 15 E1504FAのスペックや特徴、実際の性能を示すベンチマーク結果、そしてユーザーの評判や口コミに至るまで、様々な角度から徹底的にレビュー解説します。
これからノートパソコンの購入を考えている方が、ご自身の用途に最適な一台を見つけるための判断材料を提供します。
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAのレビュー解説【基本性能】
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAの主な特徴
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAは、コストパフォーマンスに優れた、家庭や学生向けのスタンダードノートパソコンです。
その最大の魅力は、7万円台からという手頃な価格設定にあります。
この価格帯でありながら、一般的な用途で快適に動作する基本性能を備えている点が、多くのユーザーにとって嬉しいポイントと言えるでしょう。
また、ディスプレイの選択肢が豊富なことも大きな特徴です。
事務作業や長時間のブラウジングに適した非光沢の液晶モデルに加え、映像コンテンツを鮮やかに楽しめる高画質な有機EL(OLED)ディスプレイ搭載モデルも用意されています。
さらに、15.6インチのノートパソコンとしては約1.63kgと比較的軽量で、家の中での持ち運びや、たまに外へ持ち出して使う際にも負担になりにくい設計です。
加えて、米国国防総省が定める軍用規格「MIL-STD-810H」に準拠した堅牢性も備えており、日常の様々なシーンで安心して使用できる耐久性も確保されています。
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAのスペックを解説
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAのスペックは、複数のバリエーションモデルが存在するため、購入時にはご自身の用途に合った構成を選ぶことが重要です。
ここでは、主要なスペックを表にまとめて解説します。
項目 | スペック詳細 |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | AMD Ryzen 5 7520U モバイル・プロセッサー |
CPUアーキテクチャ | Zen 2 |
メモリ | 8GB または 16GB (LPDDR5-5500) ※オンボードメモリのため増設不可 |
ストレージ | 512GB SSD (PCI Express 3.0 x2接続) |
ディスプレイ | 15.6型ワイドTFTカラー液晶 (非光沢 / 1,920×1,080) または 15.6型 OLED (有機EL) (光沢 / 1,920×1,080) |
グラフィックス | AMD Radeon グラフィックス (CPU内蔵) |
Webカメラ | 92万画素Webカメラ内蔵 (プライバシーシールド付き) |
無線LAN | Wi-Fi 6E (IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 |
インターフェース | USB3.2 (Type-C/Gen1)×1 ※データ転送のみ USB3.2 (Type-A/Gen1)×1 USB2.0 (Type-A)×1 HDMI出力×1 マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック×1 |
キーボード | 102キー日本語キーボード (テンキー付き) |
バッテリー駆動時間 | 約11.7時間 (JEITA 2.0) ※TFT液晶・42Whモデルの場合 |
本体サイズ | 幅360.3mm×奥行き232.5mm×高さ18.5~19.0mm |
質量 | 約1.63kg |
Officeソフト | WPS Office 2 Standard Edition または Microsoft Office Home & Business 2021付属モデルあり |
CPUは全モデル共通で「Ryzen 5 7520U」を搭載しています。
注意点として、このCPUはRyzen 7000シリーズという新しい型番ですが、内部のアーキテクチャは少し前の「Zen 2」世代です。
メモリは8GBと16GBのモデルがあり、どちらも高速なLPDDR5規格を採用していますが、マザーボード直付けのオンボードメモリのため、購入後の増設や交換はできません。
長期的に快適に使いたいのであれば、16GBモデルを選択することをおすすめします。
ストレージは512GBのSSDが標準搭載されており、容量的には十分と言えます。
ディスプレイ品質と有機ELモデルの違い
本製品を選ぶ上で最も重要な選択肢の一つが、ディスプレイの種類です。
TFTカラー液晶モデルと有機EL(OLED)モデルでは、見え方や適した用途が大きく異なります。
TFTカラー液晶モデルの品質
TFTカラー液晶モデルは、表面がノングレア(非光沢)処理されています。
このため、照明や外光の映り込みが少なく、目への負担が軽減されるのがメリットです。
WordやExcelを使った書類作成、Webサイトの閲覧といった、文字中心の作業を長時間行うのに適しています。
発色やコントラストは有機ELモデルに劣りますが、一般的な用途であれば十分な品質を持っており、何より価格を抑えられるのが魅力です。
有機EL(OLED)モデルの品質
一方の有機ELモデルは、液晶とは全く異なる自発光方式のディスプレイです。
最大のメリットは、その圧倒的な画質にあります。
黒を完璧な黒として表現できるためコントラスト比が非常に高く、色が引き締まって見えます。
また、DCI-P3というデジタルシネマ規格の色域を100%カバーしており、非常に色鮮やかで忠実な色再現が可能です。
これにより、映画やドラマなどの動画鑑賞、写真やイラストの編集といったクリエイティブな用途で真価を発揮します。
ただし、デメリットも存在します。
表面がグレア(光沢)仕上げのため、映り込みが気になる場合があります。
また、有機ELの特性上、画素の配列(ペンタイル配列)により、非常に小さい文字を表示させた際に、輪郭が僅かににじんで見えると感じる方もいるかもしれません。
モデル別の価格とコストパフォーマンス
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAは、その高いコストパフォーマンスで知られています。
しかし、モデル構成によって価格は変動するため、予算と必要なスペックのバランスを見極めることが大切です。
おおよその価格帯は以下の通りです。
- TFTカラー液晶モデル (メモリ8GB / SSD 512GB): 7万円台~
- TFTカラー液晶モデル (メモリ16GB / SSD 512GB / Amazon限定など): 8万円台~
- 有機ELモデル (メモリ16GB / SSD 512GB): 8万円台~9万円台
この価格でメモリ16GBやSSD 512GBといった構成を選べるのは、大きなアドバンテージです。
一般的に、同価格帯の国内大手メーカーのノートパソコンでは、メモリ8GB、SSD 256GBといった構成が多く見られます。
比較すると、本製品はメモリとストレージ容量に余裕があり、複数のアプリケーションを同時に開いたり、多くのデータを保存したりする使い方でも快適さを維持しやすいと言えるでしょう。
特に、8万円台で有機ELディスプレイとメモリ16GBを両立したモデルが手に入る点は、特筆すべきコストパフォーマンスです。
動画鑑賞や趣味の画像編集などを楽しみたいけれど、高価なクリエイター向けPCには手が出せない、という方にとって非常に魅力的な選択肢となります。
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAのレビュー解説【詳細評価】
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAのベンチマーク
ここでは、ASUS Vivobook Go 15 E1504FAの性能を客観的な数値で評価するために、ベンチマークテストの結果を見ていきます。
ベンチマークは、パソコンの処理能力を測るための指標です。
CPU性能:AMD Ryzen 5 7520U
本製品に搭載されているCPU「AMD Ryzen 5 7520U」の性能を、CINEBENCH R23というソフトで計測したスコアは以下のようになっています。
- マルチコア性能:約5,183
- シングルコア性能:約1,173
このスコアは、最新の高性能ノートパソコンと比較すると控えめな数値です。
特に、動画編集やRAW現像、プログラミングのコンパイルといった高い負荷のかかる作業では、処理に時間がかかると感じる場面があるでしょう。
これは、型番こそ新しい7000シリーズですが、CPUの世代が「Zen 2」という少し前の設計に基づいているためです。
しかし、Webサイトの閲覧、Officeソフトでの書類作成、YouTubeなどの動画視聴といった日常的なタスクであれば、ストレスを感じることなく快適にこなせる性能を持っています。
グラフィックス性能
CPUに内蔵されている「AMD Radeon 610M」グラフィックスの性能を、3DMark Night Raidというテストで計測したスコアは「約7,787」です。
このスコアは、最新の3Dゲームを快適にプレイするには全く足りません。
フォートナイトやApex Legendsのようなゲームを目的とする場合は、別途ゲーミングPCを検討する必要があります。
一方で、ブラウザ上で遊べる簡単なゲームや、少し古い2Dゲームなどであれば問題なく動作するレベルです。
ストレージ性能
ストレージには、PCIe 3.0 x2接続のSSDが搭載されています。
CrystalDiskMarkというソフトで読み書き速度を計測した結果、シーケンシャルリード(連続読み込み速度)は毎秒3500MB前後、シーケンシャルライト(連続書き込み速度)は毎秒1600MB前後となります。
これは、最新のPCIe Gen4規格のSSDと比較すると見劣りしますが、従来のHDD(ハードディスク)とは比べ物にならないほど高速です。
OSやアプリケーションの起動、ファイルのコピーなどが素早く完了するため、日常的な操作で待たされる感覚はほとんどないでしょう。
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAのおすすめな点
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAには、価格以上の価値を感じさせる多くのおすすめポイントがあります。
第一に挙げられるのは、やはりその圧倒的なコストパフォーマンスです。
前述の通り、7万円台からという価格でありながら、メモリやストレージに余裕のある構成を選択できます。
パソコンの動作を快適に保つ上で重要なメモリが16GBのモデルを選べることは、長く使っていく上で大きなメリットになります。
第二に、ディスプレイの選択肢が用意されている点です。
鮮やかな映像美を求めるなら有機ELモデル、事務作業での使いやすさと価格を重視するならTFT液晶モデルと、ユーザーが自身の主な用途に合わせて最適な一台を選べるのは嬉しい配慮と言えるでしょう。
特に有機ELディスプレイをこの価格帯で体験できるのは、本製品ならではの強みです。
第三に、15.6インチクラスとしては比較的軽量で、バッテリー駆動時間も長いことです。
質量約1.63kgは毎日持ち運ぶには少し重いかもしれませんが、家の中での移動や、週に数回程度の持ち出しであれば十分に対応できる範囲です。
また、省電力なCPUを搭載している恩恵で、公称値で10時間以上のバッテリー駆動時間を確保しており、外出先で電源を探し回る手間を減らしてくれます。
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAの注意点を解説
多くの魅力を持つ一方で、ASUS Vivobook Go 15 E1504FAには価格相応の割り切りや、購入前に知っておくべき注意点もいくつか存在します。
最も重要なのは、CPUの性能です。
「Ryzen 5 7520U」は日常的な用途には十分ですが、あくまでエントリークラスの性能です。
動画編集や本格的なゲーム、複数の重い処理を同時に行うといった使い方を想定している場合、性能不足を感じる可能性が高いです。
購入後に「思ったより動作が遅い」とならないよう、ご自身の用途とCPU性能のバランスをよく考える必要があります。
次に、インターフェースの制限です。
搭載されているUSB Type-Cポートは、残念ながらデータ転送にしか対応していません。
USB PD(Power Delivery)による充電や、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力機能はないため、ケーブル1本で充電とモニター接続をスマートに行う、といった使い方はできません。
これらの機能が必要な方は注意が必要です。
また、キーボードにはバックライトが搭載されていません。
暗い場所で作業することが多い方にとっては、不便に感じるかもしれません。
さらに、メモリはオンボード仕様で増設ができないため、購入時に必要な容量を見極めることが重要です。
特に長く使いたい場合は、初期投資を少し増やしてでも16GBモデルを選ぶことを強く推奨します。
ASUS Vivobook Go 15 E1504FAの評判・口コミ
実際にASUS Vivobook Go 15 E1504FAを使用したユーザーからは、様々な評判や口コミが寄せられています。
これらを参考にすることで、製品の実際の使用感をより深く理解できます。
良い評判・口コミ
最も多く見られるのは、「コストパフォーマンスの高さ」を評価する声です。
「この価格でこのスペックなら大満足」「サクサク動いてストレスがない」「学生のレポート作成やオンライン授業には十分すぎる性能」といった意見が多数を占めています。
特に、初めて自分のパソコンを購入する学生や、家庭でのセカンドPCを探している層から高い支持を得ているようです。
また、有機ELモデルの購入者からは「画面が驚くほど綺麗で、動画を見るのが楽しくなった」「黒の表現が素晴らしく、映像に没入できる」など、ディスプレイの品質を絶賛する声が目立ちます。
起動の速さや、静音性の高さを評価する口コミも見られました。
悪い評判・口コミ
一方で、価格相応の点に対する指摘も存在します。
「キーボードの打鍵感が少し安っぽい」「天板が指紋や皮脂で汚れやすい」といった、質感に関する意見が見受けられます。
また、性能面では「いくつかのソフトを同時に立ち上げると、さすがにもたつくことがある」といった声もあり、やはり高い負荷をかける使い方には向かないことがうかがえます。
機能面では、やはり「USB Type-Cで充電できないのが不便」という口コミが散見されます。
スマートフォンの充電器などと共用できない点をデメリットと感じるユーザーは少なくないようです。
ごく少数ですが、初期不良に関する報告も見られるため、購入後はすぐに動作確認を行い、万が一の際は保証サービスを利用できるよう準備しておくのが賢明でしょう。
まとめ:ASUS Vivobook Go 15 E1504FAレビュー解説
- ASUS Vivobook Go 15 E1504FAはコストパフォーマンスに優れたノートPCである
- 7万円台から購入可能で、メモリ16GBやSSD 512GBのモデルが選べる
- CPUのRyzen 5 7520Uは日常使いには十分だが、高性能ではない
- ディスプレイは非光沢液晶と高画質な光沢有機ELから選択可能である
- 有機ELモデルは映像美に優れるが、映り込みやペンタイル配列に注意が必要だ
- 15.6インチとしては約1.63kgと比較的軽量で、バッテリーも長持ちする
- USB Type-Cポートはデータ転送のみで、充電や映像出力には非対応である
- キーボードにバックライトは搭載されておらず、一部キー配列が変則的だ
- メモリは後から増設できないため、購入時の選択が重要である
- 評判はコスパの高さを評価する声が多く、一方で質感や機能の制限を指摘する声もある