ASUSのExpertBook B1シリーズは、ビジネスシーンでの利用を想定して設計された、信頼性の高いノートパソコンです。
ただ、一口にExpertBook B1と言っても、CPUの世代や画面サイズ、カスタマイズの有無によって多くのモデルが存在し、どれを選べば良いか迷ってしまう方も少なくないでしょう。
この記事では、「ASUS ExpertBook B1」の購入を検討している方に向けて、その特徴やモデルごとのスペック、実際の性能を示すベンチマーク、そして評判などを網羅的にレビュー解説します。
あなたに最適な一台を見つけるための参考にしていただければ幸いです。
ASUS ExpertBook B1のレビュー解説!特徴とスペック
ASUS ExpertBook B1の主な特徴
ASUS ExpertBook B1シリーズが多くのビジネスパーソンに選ばれる理由は、その優れた実用性にあります。
第一に挙げられるのが、米国国防総省が定める軍用規格「MIL-STD-810H」に準拠した高い堅牢性です。
天板にアルミニウム合金を採用したモデルや、キーボード内部にスチール製サポートブラケットを内蔵したモデルもあり、落下や衝撃、過酷な温度変化にも耐えうるタフな設計が施されています。
次に、ビジネスで不可欠なセキュリティ機能が充実している点も大きな特徴です。
指紋認証センサーや顔認証対応のIRカメラ、Webカメラを物理的に覆うプライバシーシールド、そして暗号化キーなどを安全に保管するTPM 2.0チップなど、法人利用でも安心のセキュリティ対策が講じられています。
さらに、使いやすさを追求した設計も魅力です。
多くのモデルで、ディスプレイを180度水平に開けるフラットヒンジが採用されており、対面での画面共有をスムーズに行えます。
また、キーボードに快適な傾斜がつく「エルゴリフトヒンジ」構造は、長時間のタイピング作業における疲労を軽減してくれるでしょう。
最新モデルでは、オンライン会議をサポートするAIノイズキャンセリング機能や、修理やパーツ交換がしやすくなったメンテナンス性の高い新筐体を採用するなど、時代のニーズに合わせて進化を続けています。
これらの特徴により、ExpertBook B1は過酷な環境でも安心して使え、かつ生産性を高めることができる、信頼のビジネスパートナーと言えるでしょう。
ASUS ExpertBook B1のスペックをモデル別に紹介
ASUS ExpertBook B1シリーズは、CPUの世代や画面サイズによってスペックが異なります。
ここでは、主要なモデルのスペックを比較し、それぞれの違いを解説します。
用途や予算に合ったモデルを選ぶ際の参考にしてください。
モデル名 | CPU世代 | ディスプレイ | RAM | ストレージ | 主な特徴 |
---|---|---|---|---|---|
B1402/B1502 (CTO) | 第13世代 Intel Core i3/i5/i7 | 14型 / 15.6型 FHD | 8GB/16GB/32GB (DDR4) | 256GB/512GB/1TB (PCIe 4.0) | 注文時カスタマイズ対応、エルゴリフトヒンジ、MIL規格準拠 |
B1403/B1503 | 第13世代 / Intel Core 7 | 14型 / 15.6型 FHD | 8GB/16GB (DDR5) | 256GB/512GB (PCIe 4.0) | AI ExpertMeet機能、メンテナンス性の高い新筐体、DDR5メモリ |
B1400/B1500 | 第11世代 Intel Core i3/i5/i7 | 14型 / 15.6型 FHD | 4GB/8GB/16GB (DDR4) | 256GB/512GB (PCIe 3.0) | D-Sub 15ピン搭載、B1500はmicroSDカードリーダー装備 |
CTO(注文時カスタマイズ)モデル
最新のB1402/B1502シリーズでは、ASUS Storeから注文時にOS(Home/Pro)、CPU、RAM、ストレージ容量を自由に組み合わせられるCTO(Configure To Order)モデルが用意されています。
これにより、予算や用途に応じて最適なスペックのPCを構成できるのが最大のメリットです。
最新世代(B1403/B1503)モデル
インテル社の最新プロセッサー「Core 7」を搭載可能なB1503や、第13世代Coreプロセッサーと高速なDDR5メモリを搭載したB1403/B1503は、より高いパフォーマンスを求めるユーザーにおすすめです。
AIを活用した会議サポート機能や、メンテナンスが容易になった新設計の筐体など、ハードウェア・ソフトウェア両面で進化しています。
旧世代(B1400/B1500)モデル
第11世代CPUを搭載したモデルは、型落ちにはなりますが、その分リーズナブルな価格で入手できる可能性があります。
現在では珍しいアナログ映像出力端子「D-Sub 15ピン」を備えているなど、特定の環境下では重宝する仕様も持っています。
このように、モデルによってスペックや特徴が大きく異なるため、購入時には製品型番をよく確認し、自分の使い方に合った一台を選ぶことが重要です。
ビジネス向けの堅牢なデザインと筐体
ASUS ExpertBook B1は、見た目の派手さよりも実用性を重視した、ビジネスシーンにふさわしい堅牢なデザインと筐体を持っています。
まず外観については、「スターブラック」や「ジェントルグレー」といった落ち着いたカラーリングが採用されており、オフィス環境に自然に溶け込みます。
天板にはASUSのロゴが控えめに配置されるなど、シンプルで飽きのこないデザインは、クライアント先でも好印象を与えるでしょう。
しかし、ExpertBook B1の真価はその内部構造と耐久性にあります。
前述の通り、多くのモデルで米国軍用規格「MIL-STD-810H」に準拠しており、これは単なる謳い文句ではありません。
高温・低温環境での動作、輸送時の振動、不意の落下など、ビジネスの現場で起こりうる様々なアクシデントを想定した厳しいテストをクリアしています。
この高い堅牢性を実現するために、様々な工夫が凝らされています。
例えば、天板には軽量でありながら剛性の高いアルミニウム合金を採用し、液晶ディスプレイを衝撃から保護します。
キーボード面には、タイピング時のたわみを防ぎ、打鍵感を向上させるスチール製のサポートブラケットが内蔵されています。
さらに、キーボードには防滴仕様が施されているモデルもあり、万が一飲み物をこぼしてしまっても、内部へのダメージを最小限に抑えることが可能です。
ヒンジ部分も堅牢に作られており、対面での打ち合わせ時に画面を共有しやすい180度開閉可能なフラットヒンジや、タイピングに最適な角度を生み出すエルゴリフトヒンジなど、日々の業務効率を高めるための機能性も兼ね備えています。
このように、ExpertBook B1は見た目のシンプルさの裏に、日々のハードな使用に耐えうる確かな堅牢性を秘めた、信頼できるビジネスツールなのです。
豊富なインターフェース(ポート構成)
近年のノートパソコンが薄型化を追求するあまりポート類を削減する傾向にある中で、ASUS ExpertBook B1はビジネスに必要なインターフェースを豊富に搭載している点が大きな強みです。
多くのモデルで、以下のポート類が標準的に装備されています。
- USB 3.2 Gen1/Gen2 Type-A ×2
- USB 3.2 Gen2 Type-C ×1〜2 (Power Delivery、DisplayPort出力対応)
- USB 2.0 Type-A ×1
- HDMI出力 ×1
- 有線LANポート (RJ45) ×1
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック ×1
これだけのポートがあれば、別途ドッキングステーションや変換アダプターを持ち歩かなくても、ほとんどの場面に対応できます。
例えば、オフィスでは有線LANに接続して安定したネットワーク環境を確保し、会議室ではHDMIケーブルで直接プロジェクターや大型モニターに映像を出力できます。
また、USB Type-Aポートが複数あるため、マウスや外付けキーボード、USBメモリなどを同時に接続することも容易です。
特に注目すべきは、USB Type-Cポートが充電(Power Delivery)と映像出力(DisplayPort)の両方に対応している点です。
対応するモニターであれば、ケーブル一本でPCへの給電と映像出力を同時に行えるため、デスク周りをすっきりとさせることが可能です。
ただし、注意点もあります。
SDカードやmicroSDカードリーダーは搭載されていないモデルが多いため、デジタルカメラなどで撮影した写真データを頻繁に取り込む方は、別途USBカードリーダーを用意する必要があります。
旧世代のモデルには、今では珍しくなったアナログRGB端子(D-Sub 15ピン)が搭載されていることもありました。
古いプロジェクターやモニターが現役で稼働している環境では、こうしたレガシーポートの存在が非常に役立ちます。
総じて、ExpertBook B1のポート構成は、多様な周辺機器との接続が求められるビジネスシーンにおいて、ユーザーに高い利便性と安心感を提供してくれると言えるでしょう。
ASUS ExpertBook B1のレビュー解説!性能と評価
ASUS ExpertBook B1のベンチマークスコア
ASUS ExpertBook B1の性能を客観的に知るためには、ベンチマークスコアが有効な指標となります。
ここでは、CPUの性能を測る代表的なテスト「Cinebench R23」の一般的なスコアを参考に、モデルごとの性能を解説します。
なお、スコアは構成や測定環境によって変動するため、あくまで目安としてご覧ください。
CPUモデル | Cinebench R23 (Multi-Core) | Cinebench R23 (Single-Core) | 想定される用途 |
---|---|---|---|
Core i7-1355U | 約 7,500 | 約 1,800 | データ分析、軽めの動画編集、高度なマルチタスク |
Core i5-1335U | 約 6,500 | 約 1,700 | Officeソフト、Web会議、複数のアプリを同時利用 |
Core i3-1315U | 約 5,000 | 約 1,600 | Web閲覧、メール、文書作成などの基本的な事務作業 |
Core i7-1165G7 | 約 5,000 | 約 1,500 | 第13世代のCore i3と同等以上のマルチコア性能 |
Celeron N4500 | 約 800 | 約 600 | 特定の学習教材など、ごく軽微な処理に限定 |
第13世代Coreプロセッサー搭載モデル
CTOモデルなどで選択可能な第13世代Core iシリーズは、優れたパフォーマンスを発揮します。
- Core i3-1315U:基本的な事務作業であればストレスなくこなせる性能を持っています。Web会議やブラウザでの調べ物をしながら文書作成を行うといった軽めのマルチタスクにも対応可能です。
- Core i5-1335U:多くのビジネスユーザーにとって最もバランスの取れた選択肢です。複数のアプリケーションを同時に立ち上げて作業するような、より負荷のかかるマルチタスクも快適にこなします。
- Core i7-1355U:大規模なExcelファイルの集計やデータ分析、簡単な動画のカット編集など、より高いCPU性能が求められる作業にも対応できるパワーを備えています。
旧世代モデルについて
第11世代のCore i7-1165G7は、最新のCore i3-1315Uと同等かそれ以上のマルチコア性能を持っており、今でもビジネス用途であれば十分通用するパフォーマンスです。
中古品やセール品を狙う場合は、こうした旧世代の上位モデルも選択肢に入ります。
一方で、学習向けモデルに搭載されていたCeleron N4500などは、性能がかなり限定的です。
Windowsの一般的な操作でも遅延を感じることがあるため、ビジネス用途での選択は避けるべきでしょう。
ExpertBook B1は、搭載するCPUによって性能が大きく異なります。
自分の作業内容に合わせて、適切なCPUを搭載したモデルを選ぶことが、快適なPCライフを送るための鍵となります。
ASUS ExpertBook B1のおすすめな点
ASUS ExpertBook B1シリーズをレビューした結果、特におすすめできる点を3つに絞ってご紹介します。
第一に、その卓越したコストパフォーマンスが挙げられます。
米国軍用規格MIL-STD-810Hに準拠するほどの堅牢な筐体、豊富なインターフェース、そして法人レベルのセキュリティ機能を備えながら、同等スペックの競合他社のビジネスノートPCと比較して、かなりリーズナブルな価格設定となっています。
特にASUS Storeで開催されるセールや、クーポンを利用することで、さらにお得に購入できる機会も多く、予算を抑えつつも信頼性の高いPCを導入したい個人事業主や中小企業にとって、非常に魅力的な選択肢です。
第二のポイントは、幅広いカスタマイズ性です。
最新のCTOモデルでは、OSのバージョンからCPUのグレード、メモリやストレージの容量まで、自分の使い方や予算にぴったり合わせて構成を決定できます。
「メモリは多めに欲しいけれど、CPUはそこまで高性能でなくていい」といった、個々のニーズに細かく対応できるのは大きなメリットです。
これにより、オーバースペックによる無駄な出費や、スペック不足による作業効率の低下を防ぐことができます。
そして第三に、ビジネスに特化した「本当に使える」実用性です。
ドングルなしで様々な機器に接続できる豊富なポート類は、外出先や会議室でのプレゼンテーションをスムーズにします。
180度開くフラットヒンジは、対面での打ち合わせで画面を共有する際に非常に便利ですし、エルゴリフトヒンジは長時間のキーボード作業を快適にしてくれます。
こうした細部にわたる配慮が、日々の業務における小さなストレスを解消し、生産性の向上に繋がります。
以上の理由から、ASUS ExpertBook B1は、価格、性能、実用性のバランスが非常に優れた、多くのビジネスパーソンにおすすめできるノートパソコンであると言えます。
購入前に知りたいASUS ExpertBook B1の注意点
ASUS ExpertBook B1は多くのメリットを持つ一方で、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、知っておくべき注意点もいくつか存在します。
まず、ディスプレイの品質については、過度な期待は禁物です。
このシリーズは「スタンダードビジネスノート」と位置づけられており、主な用途は文書作成やWeb会議などです。
そのため、ディスプレイはsRGBカバー率100%といった広色域表示や、高リフレッシュレートには対応していないモデルがほとんどです。
写真編集やデザインなど、正確な色が求められるクリエイティブな作業には不向きな可能性があるため、注意が必要です。
次に、メモリの増設・換装に関する制約です。
特にCTOモデルなどでは、RAMがマザーボードに直接はんだ付けされている「オンボードメモリ」を採用している場合があります。
この場合、購入後にメモリを増設したり、より大容量のものに交換したりすることはできません。
複数のアプリケーションを同時に使用するなど、メモリを多く消費する作業が想定される場合は、購入の時点で余裕を持った容量(16GB以上を推奨)を選択しておくことが極めて重要です。
モデルによっては増設スロットが用意されている場合もあるため、購入前には必ず製品のスペック詳細を確認しましょう。
また、SDカードリーダーの有無も確認すべきポイントです。
多くのモデルではSDカードスロット(microSD含む)が搭載されていません。
デジタルカメラで撮影した写真や動画をPCに取り込む機会が多い方は、別途USB接続のカードリーダーを準備する必要があります。
最後に、本体の重量です。
14インチモデルで約1.4kg台、15.6インチモデルで約1.6kg台と、堅牢性を確保している分、近年の最軽量クラスのモバイルノートPCと比較するとやや重めです。
日常的に持ち運ぶことは十分可能ですが、常にカバンに入れて移動するような使い方を想定している方は、一度実機に触れて重さを確認してみることをお勧めします。
これらの注意点を事前に理解しておくことで、ご自身の使い方とPCの特性とのミスマッチを防ぎ、満足のいく選択ができるはずです。
ASUS ExpertBook B1の評判・口コミまとめ
ASUS ExpertBook B1に関する様々なレビュー記事や公式サイトの情報から、ユーザーの評判や口コミをまとめました。
購入を検討する際の客観的な判断材料としてご活用ください。
良い評判・口コミ
多くのユーザーから肯定的に評価されているのは、やはりその実用性とコストパフォーマンスです。
- 「USB-AやHDMI、有線LANポートまで全部付いているので、変換アダプターが不要で助かる」
- 「MIL規格準拠というだけあって、作りがしっかりしていて安心感がある。少々ラフに扱っても大丈夫そう」
- 「同じようなスペックの他社製品と比べて価格が安く、コストパフォーマンスが非常に高いと感じる」
- 「注文時にCPUやメモリを自分好みにカスタマイズできるのが良かった」
- 「エルゴリフトヒンジのおかげでキーボードに角度がつき、長時間のタイピングでも疲れにくい」
このように、豊富なインターフェース、堅牢な筐体、カスタマイズの自由度、そして価格の安さが、特に高く評価されているようです。
気になる評判・口コミ(注意点)
一方で、特定の用途を想定しているユーザーからは、いくつかの注意点が指摘されています。
- 「ディスプレイの発色はごく普通。写真編集など色にこだわる作業には向いていない」
- 「最軽量のモバイルノートと比べると、やはり少し重さが気になる」
- 「購入後にメモリが増設できないモデルがあるのは少し残念。最初にしっかり選ぶ必要がある」
- 「内蔵GPUなので、本格的な3Dゲームや重い動画編集には性能が足りない」
これらの意見は、製品の欠点というよりも、ExpertBook B1が「ビジネス向けのスタンダードノート」であるという特性を反映したものと言えます。
グラフィック性能や携帯性を最優先するのではなく、あくまでビジネスツールとしての堅牢性や拡張性、信頼性を重視するユーザーにとっては、非常に満足度の高い製品であると言えるでしょう。
まとめ:ASUS ExpertBook B1のレビュー解説と選び方のポイント
- ASUS ExpertBook B1はビジネス用途に特化した実用性の高いノートPCである
- 米国軍用規格MIL-STD-810H準拠の堅牢な筐体が特徴である
- 指紋認証やWebカメラシールドなど法人向けの高いセキュリティ機能を備える
- USB-A/C、HDMI、有線LANなど豊富なインターフェースを搭載する
- CTOモデルではCPU、RAM、ストレージを自由にカスタマイズ可能である
- 搭載CPUの世代によって性能が大きく異なり、用途に合わせた選択が重要である
- 競合製品と比較してコストパフォーマンスに優れている
- 注意点として、ディスプレイ品質やオンボードメモリ、カードリーダーの有無が挙げられる
- 最軽量クラスではなく、携帯性を最優先するユーザーには不向きな場合がある
- 堅牢性、拡張性、価格のバランスを重視するビジネスパーソンに最適な一台である