教育現場での利用を想定して開発されたASUSのChromebook Flip C214MA-GA0029は、その堅牢性と手頃な価格から、GIGAスクール構想や家庭学習用のPCとしても注目を集めています。
360度回転するフリップタイプのデザインで、ノートPCとしてもタブレットとしても使える利便性が魅力です。
しかし、実際に購入を検討する際には「スペックは十分?」「どんな特徴があるの?」「注意点や評判はどう?」といった疑問が浮かぶのではないでしょうか。
この記事では、ASUS C214MA-GA0029のスペックや特徴、実際の使用感を、さまざまなレビューを基に詳しく解説していきます。
購入後に後悔しないためにも、ぜひ参考にしてください。
ASUS C214MA-GA0029の基本性能をレビュー解説
ASUS C214MA-GA0029のスペック詳細
まず、ASUS Chromebook Flip C214MA-GA0029の基本的な性能を見ていきましょう。
このモデルは、Webブラウジングやドキュメント作成といった日常的なタスクをこなすのに十分なスペックを備えています。
特に、教育現場での利用を想定しているため、耐久性やバッテリー性能に重点が置かれています。
以下に詳細なスペックを表にまとめました。
項目 | スペック詳細 |
---|---|
製品名 | ASUS Chromebook Flip C214MA |
型番 | C214MA-GA0029 |
OS | Chrome OS |
自動更新の有効期限 | 2027年6月 |
CPU | インテル Celeron N4020 プロセッサー |
メモリ | 4GB (LPDDR4) |
ストレージ | 32GB eMMC |
ディスプレイ | 11.6型ワイドTFTカラー液晶 |
解像度 | 1,366×768ドット (WXGA) |
表面仕様 | ノングレア(非光沢) |
タッチパネル | 対応 |
スタイラスペン | 非対応 |
カメラ | インカメラ: 92万画素 アウトカメラ: 503万画素 (オートフォーカス対応) |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.0 または 5.1 (モデルにより異なる) |
キーボード | 78キー日本語キーボード (防滴仕様) |
インターフェース | USB3.1 (Type-C/Gen1) x2 USB3.0 (Type-A) x1 microSDカードリーダー マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック |
バッテリー駆動時間 | 約12時間 |
耐久性 | MIL-STD-810G準拠 |
サイズ (幅×奥行き×高さ) | 292mm × 199mm × 19.5~20.1mm |
質量 | 約1.2kg |
CPUのCeleron N4020は、エントリークラスのプロセッサーであり、高度な処理には向きませんが、Chrome OSの軽快な動作と相まって、Web検索や動画視聴、簡単な事務作業であればストレスを感じることは少ないでしょう。
ストレージが32GBと少ない点は注意が必要ですが、Chromebookは基本的にGoogleドライブなどのクラウドストレージを活用するため、本体には最低限のアプリやファイルのみを保存する使い方になります。
不足分はmicroSDカードで補うことが可能です。
ASUS C214MA-GA0029の主な特徴
ASUS C214MA-GA0029は、単なる低価格なノートPCではなく、教育現場や子供の利用を強く意識したユニークな特徴を数多く備えています。
ここでは、その代表的な特徴を4つ紹介します。
圧倒的な堅牢性(MIL-STD-810G準拠)
最大の特徴は、米国国防総省が定める軍用規格「MIL-STD-810G」に準拠した高い耐久性です。
本体の四方をゴム製のバンパーで保護し、衝撃を吸収。
一般的な机の高さ(1.2m)からの落下テストにも耐える設計になっています。
キーボードは最大66ccの液体に耐える防滴仕様で、万が一飲み物をこぼしてしまっても安心です。
さらに、筐体表面には傷や指紋が付きにくいマイクロディンプル処理が施されており、子供が多少乱暴に扱っても壊れにくいタフネスさが魅力です。
自由なスタイルで使える360度フリップヒンジ
360度回転するヒンジにより、利用シーンに合わせて4つのスタイルに変形できます。
- ノートPCスタイル: レポート作成や長文入力に最適。
- スタンドスタイル: 省スペースで動画鑑賞や画面共有に便利。
- テントスタイル: タッチ操作がしやすく、複数人での閲覧に適している。
- タブレットスタイル: Androidアプリを使ったり、Webを閲覧したりするのに最適。
この柔軟性により、学習から遊びまで、幅広い用途に対応できるのが強みです。
2つのカメラで学習の幅が広がる
通常のインカメラ(92万画素)に加え、キーボードのパームレスト部分にアウトカメラ(503万画素)を搭載しています。
タブレットスタイルにした際に、このアウトカメラが背面カメラとして機能します。
黒板や資料の撮影、QRコードの読み取りなどが簡単に行え、学習の記録や情報収集に役立ちます。
アウトカメラにはオートフォーカス機能も搭載されており、使い勝手も良好です。
長時間使えるバッテリー
公称で最大約12時間のバッテリー駆動時間を実現しています。
これにより、学校や外出先で1日中使用する場合でも、充電を気にすることなく利用可能です。
ACアダプターを持ち運ぶ必要がないため、荷物を少しでも軽くしたい学生にとっては嬉しいポイントと言えるでしょう。
兄弟機C214MA-GA0028との違い
ASUS Chromebook Flip C214MAには、今回レビューしている「GA0029」の他に、「GA0028」という兄弟機が存在します。
基本的な性能は共通していますが、いくつかの重要な違いがあります。
どちらのモデルを選ぶかによって使い勝手が変わってくるため、購入前にしっかりと確認しておきましょう。
主な違いは以下の通りです。
モデル | C214MA-GA0029 (本記事のモデル) | C214MA-GA0028 |
---|---|---|
ディスプレイ | 11.6型 ノングレア(非光沢) | 11.6型 グレア(光沢) |
スタイラスペン | 非対応 | 対応 (本体に収納可能) |
質量 | 約1.2kg | 約1.29kg |
価格 (参考) | 48,800円 | 58,800円 |
最も大きな違いは、スタイラスペンの対応可否です。
「GA0028」は本体に収納できる専用のスタイラスペンが付属しており、手書きのメモやイラスト作成が可能です。
一方、「GA0029」はスタイラスペンに対応していません。
また、ディスプレイの表面仕様も異なります。
「GA0029」は光の反射を抑えるノングレア(非光沢)液晶で、長時間の作業でも目が疲れにくいのが特徴です。
対して「GA0028」は、色が鮮やかに見えるグレア(光沢)液晶を採用しています。
ペン入力の必要がなく、画面への映り込みを避けたい場合は「GA0029」、ペンを使ってクリエイティブな作業をしたい場合は「GA0028」を選ぶと良いでしょう。
ASUS C214MA-GA0029のベンチマークスコア
ASUS C214MA-GA0029に搭載されているCPU「Intel Celeron N4020」は、エントリー向けのプロセッサーです。
そのため、高性能なWindows PCやMacBookのような高い処理能力は期待できません。
しかし、軽快な動作が特徴のChrome OSを動かすには十分な性能を持っています。
具体的な性能の目安として、Chromebookのパフォーマンスを測る代表的なベンチマークテスト「Octane 2.0」のスコアを見てみましょう。
Celeron N4020を搭載したモデルのスコアは、おおよそ「15,000」前後です。
これは、一世代前のCeleron N3350(スコア約10,000)と比較して約1.5倍の性能向上を意味します。
このスコアが示す実際の使用感としては、以下のようなイメージです。
- 快適にできること: Webブラウジング、YouTubeなどの動画視聴(フルHD)、Googleドキュメントやスプレッドシートでの作業、簡単なAndroidアプリの利用
- もたつきを感じる可能性があること: 複数のタブを大量に開いた状態での作業、画像の多い重いWebページの表示、高度な写真編集、一部の3Dゲーム
結論として、このPCはWebベースの学習や事務作業、情報収集といった用途に特化したモデルであり、ゲームやクリエイティブな作業を主目的とするには力不足です。
自身の用途と照らし合わせて、性能が十分かどうかを判断する必要があります。
ASUS C214MA-GA0029の使用感をレビュー解説
ASUS C214MA-GA0029のおすすめな点
ASUS C214MA-GA0029は、特定の用途においては非常に優れたパフォーマンスを発揮する、コストパフォーマンスの高い一台です。
ここでは、様々なレビューから見えてきた、このモデルの特におすすめできるポイントを具体的に解説します。
圧倒的なコストパフォーマンス
このモデルの最大の魅力は、その価格です。
新品でも比較的手頃な価格帯ですが、発売から時間が経過しているため、中古市場や整備済み品市場では1万円台で入手できるケースも少なくありません。
この価格で、MIL規格準拠の堅牢性や360度フリップ機能、タッチパネルを備えたノートPCが手に入るのは、非常にお買い得と言えるでしょう。
初めてのPCとして子供に与える場合や、故障を気にせず気軽に使えるサブ機を探している方にとって、このコストパフォーマンスは大きなメリットです。
教育・子供向けに最適化された設計
前述の通り、本機はGIGAスクール構想など、教育現場での利用を強く意識して設計されています。
MIL規格準拠の頑丈なボディは、子供が多少雑に扱っても壊れにくい安心感があります。
また、Chrome OSはGoogleアカウントで管理がしやすく、保護者が子供の利用状況を把握したり、不適切なサイトへのアクセスを制限したりするのも簡単です。
起動が速く、操作も直感的なため、PCに不慣れな子供でもすぐに使いこなせるようになります。
サブ機としての使い勝手の良さ
メインのPCを他に持っているユーザーの、2台目のサブ機としても非常に優秀です。
約1.2kgという重量は特別軽量ではありませんが、A4サイズに近いコンパクトさで、カバンに入れて持ち運ぶのも苦になりません。
スリープからの復帰が瞬時に行え、思い立ったときにすぐ使える機動性は、スマホやタブレットに近い感覚です。
外出先でのメールチェックやWeb検索、簡単なドキュメントの修正といった用途であれば、メインPCを起動するまでもない場面で大活躍します。
意外と打ちやすいキーボード
コンパクトなボディながら、キーボードの使いやすさも評価されています。
キー同士の間隔(キーピッチ)は一般的なノートPCと同等の約18.5mm~19mmが確保されており、窮屈さを感じさせません。
キーを押し込む深さ(キーストローク)も約1.5mmと適度にあり、しっかりとした打鍵感が得られます。
一部のキー(Enterキーなど)が小さいという指摘もありますが、慣れの範囲であり、長文のタイピングも比較的快適に行えるでしょう。
ASUS C214MA-GA0029の注意点
多くのメリットがある一方で、価格相応の割り切りが必要な点も存在します。
購入後に「思っていたのと違った」とならないよう、事前に注意点を把握しておくことが重要です。
ディスプレイの解像度が低い
最も多くのレビューで指摘されているのが、ディスプレイの解像度(1366×768ドット)の低さです。
現在の主流であるフルHD(1920×1080ドット)と比較すると、一度に表示できる情報量が少なく、画面が狭く感じられます。
Webページを閲覧する際にスクロールの回数が増えたり、複数のウィンドウを並べて作業したりするのには不向きです。
ただし、Chrome OSの設定で表示解像度を擬似的に上げる(1518×853に変更する)ことで、多少表示領域を広げることは可能です。
ストレージ容量が32GBと非常に少ない
内蔵ストレージはeMMC 32GBしかありません。
OSやシステムファイルが占有する領域を除くと、ユーザーが実際に使える空き容量は20GB以下です。
Chromebookはクラウド利用が前提ですが、Androidアプリをいくつかインストールしたり、オフラインで利用するために動画をダウンロードしたりすると、あっという間に容量が埋まってしまいます。
そのため、データ保存用としてmicroSDカードを別途購入し、併用することがほぼ必須となります。
パフォーマンスの限界
前述のベンチマークスコアの通り、CPU性能は高くありません。
Webブラウジングや動画視聴といった基本的な作業は問題なくこなせますが、少し負荷のかかる作業では動作がもたつくことがあります。
例えば、多くのタブを開きながら作業したり、凝った作りのWebサイトを表示したりすると、反応が鈍くなることがあります。
また、Androidアプリの中には、このPCのスペックでは快適に動作しないものも存在します。
あくまで「基本的な作業を軽快に行う」ためのPCと割り切る必要があります。
本体が汚れやすく、ACアダプターが大きい
筐体の素材は、傷がつきにくい一方で、指紋や皮脂などの汚れが目立ちやすいという声が多く聞かれます。
特にブラックのモデルは、少し触っただけで跡が残りやすいため、気になる方はこまめな清掃が必要です。
また、付属のACアダプターが本体サイズの割に大きく、重い(約260g)という点も持ち運びの際にはデメリットになります。
幸い、USB Type-CポートからのPD(Power Delivery)充電に対応しているため、市販の小型・軽量なPD充電器を別途用意することで、この問題は解決できます。
ASUS C214MA-GA0029の評判・口コミまとめ
実際にASUS C214MA-GA0029を使用したユーザーからは、どのような声が上がっているのでしょうか。
ここでは、様々なレビューサイトやECサイトの口コミをまとめ、ポジティブな評判とネガティブな評判の両方を紹介します。
ポジティブな評判・口コミ
- 価格に対する満足度が高い: 「1万円台で買えたので大満足」「この性能でこの価格は驚き」など、コストパフォーマンスを絶賛する声が多数見られました。
- 子供用に最適: 「小学生の子供に買い与えるのにちょうど良い」「頑丈なので安心して使わせられる」といった、教育・学習用途での評価が高いです。
- 起動が速く、気軽に使える: 「電源オンから数秒で使えるのが良い」「PCを起動するほどでもない作業に重宝している」など、Chrome OSならではの機動性が好評です。
- 堅牢で安心感がある: 「外側がラバーっぽく、多少雑に扱っても問題なさそう」「MILスペックは伊達じゃない」と、耐久性を評価する声も多いです。
- バッテリー持ちが良い: 「スリープ運用で数日間充電なしで使える」「1日中持ち歩いても安心」など、バッテリー性能に満足しているユーザーが多いようです。
ネガティブな評判・口コミ
- 画面が狭く、解像度が低い: 「今どきのPCとしては画面が狭すぎる」「Webサイトが見づらい」など、ディスプレイに関する不満が最も多く見られました。
- 動作がもっさりすることがある: 「重いページを開くと固まる」「複数の作業を同時に行うと厳しい」といった、パフォーマンス不足を指摘する声があります。
- ストレージが少なすぎる: 「すぐに容量がいっぱいになる」「microSDカードは必須」など、ストレージの少なさがデメリットとして挙げられています。
- 本体の質感が安っぽく、汚れやすい: 「ボディのきしみが気になる」「指紋がベタベタつく」といった、外装に関する不満も見られます。
- 少し重い: 「11.6インチの割には重く感じる」「タブレットとして使うには辛い」など、重量に関する意見もありました。
これらの評判を総合すると、ASUS C214MA-GA0029は「性能や質感には妥協が必要だが、価格と頑丈さを考えれば、特定の用途(子供の学習用、大人のサブ機)においては非常に満足度の高いモデル」と言えるでしょう。
おすすめのアクセサリーと周辺機器
ASUS C214MA-GA0029をより快適に使うために、合わせて購入をおすすめしたいアクセサリーがいくつかあります。
レビュー記事などで紹介されているものを中心に、いくつかピックアップしました。
保護ケース
約1.2kgと持ち運ぶ機会も多いモデルなので、衝撃から守るための保護ケースがあると安心です。
特に、衝撃吸収性に優れた「ZEROSHOCK」シリーズなどが人気です。
11.6インチ対応のインナーバッグやスリーブケースを選ぶと良いでしょう。
保護フィルム
タッチパネルを搭載しているため、画面に直接触れる機会が多くなります。
指紋や汚れが気になる方は、保護フィルムの利用がおすすめです。
ノングレア液晶の良さを活かす反射低減タイプや、ブルーライトカット機能付きのものなど、様々な種類が販売されています。
小型PD充電器とケーブル
前述の通り、付属のACアダプターは大きく重いため、持ち運びには不便です。
USB PD対応の小型充電器(45W出力以上が推奨)と、USB-Cケーブルを別途用意すると、携帯性が格段に向上します。
特に、窒化ガリウム(GaN)技術を採用した充電器は、非常にコンパクトで高出力なためおすすめです。
microSDカード
内蔵ストレージが32GBと非常に少ないため、microSDカードによる容量の拡張は必須と考えましょう。
Androidアプリのデータや、オフラインで視聴したい動画ファイルなどを保存するために、少なくとも128GB程度の容量があると安心です。アプリの動作速度にも影響するため、読み書き速度の速いモデルを選ぶと、より快適になります。
まとめ:ASUS C214MA-GA0029のレビュー解説
- ASUS C214MA-GA0029は教育現場向けの堅牢なChromebookである
- MIL-STD-810G準拠の耐久性と防滴キーボードが大きな特徴である
- 360度回転ヒンジにより4つのスタイルで利用可能である
- CPUはCeleron N4020で、Web閲覧など基本的な作業は快適にこなせる
- 兄弟機「GA0028」との主な違いはスタイラスペンの有無と液晶の種類である
- 最大のメリットは中古市場などでの圧倒的なコストパフォーマンスである
- 注意点として、ディスプレイ解像度の低さとストレージ容量の少なさが挙げられる
- パフォーマンスは高くないため、重い作業には向かない
- 子供用の初めてのPCや、大人のサブ機として最適な一台である
- 快適に使うためには、microSDカードや小型PD充電器の追加購入が推奨される