Anycubic Photon Mono 4レビュー解説|2万円台で始める10K光造形

光造形3Dプリンターに興味はあるけれど、価格が高くて手が出せない、どの機種を選べば良いか分からない、といった悩みをお持ちではないでしょうか。

特にエントリーモデルは種類が多く、安価な製品の性能に不安を感じることもあるかもしれません。

この記事では、そんな光造形3Dプリンター初心者の方に向けて、Anycubic社が提供する「Photon Mono 4」を徹底的にレビュー解説します。

2万円台という驚きの価格でありながら10Kの超高解像度を誇る本機のスペック、特徴、実際の使用感から、メリット・デメリットまで、購入前に知りたい情報を網羅的にまとめました。

この記事を読めば、Anycubic Photon Mono 4があなたにとって最適な一台かどうかが明確になります。

目次

Anycubic Photon Mono 4はどんな3Dプリンター?2万円台の実力を徹底解説

【結論】最安クラスで10Kの高解像度!光造形初心者に最適な一台

Anycubic Photon Mono 4は、2万円台という低価格帯でありながら、10Kの超高解像度を実現したコストパフォーマンスに非常に優れた光造形3Dプリンターです。

家庭用のエントリーモデルとして設計されており、コンパクトで軽量なため、設置場所に困りません。

複雑な機能は搭載されていませんが、「高精細なものを3Dプリントする」という基本性能がしっかりしており、初めて光造形に挑戦する方に最適な選択肢の一つと言えるでしょう。

上位モデル「Photon Mono 4 Ultra」との違いは?どっちを選ぶべき?

Photon Mono 4には、上位モデルとして「Photon Mono 4 Ultra」が存在します。

基本的な造形サイズや解像度は同じですが、Ultraモデルは印刷速度の向上、Wi-Fi接続への対応、各種インテリジェント機能(失敗検知など)の搭載といった点で優れています。

どちらを選ぶべきかは、あなたの使い方によって異なります。

とにかくコストを抑えて光造形を始めたい方や、シンプルな機能で十分な場合は「Photon Mono 4」がおすすめです。

一方で、印刷の効率や利便性を重視し、予算に少し余裕がある場合は「Photon Mono 4 Ultra」を検討すると良いでしょう。

機能Photon Mono 4Photon Mono 4 Ultra
価格(Amazon参考)約27,000円約40,000円
プリントスピード最大70mm/h最大120mm/h
データ入力USBUSB, Wi-Fi, LAN
付属フィルムFEPACF
インテリジェント機能なし失敗検知、レジン不足検知など
日本語対応△(USB内にデータ)

【一覧表】Photon Mono 4のスペック詳細

Anycubic Photon Mono 4の基本的なスペックを以下にまとめました。

購入を検討する際の参考にしてください。

項目スペック
メーカーAnycubic
造形方式光造形(LCD)
価格(Amazon参考)¥26,999 (2025/09/02時点)
本体サイズ230 x 235 x 391 mm
本体重量4 kg
造形サイズ153.4 x 87 x 165 mm
解像度10K (9024 x 5120)
XY解像度(ピクセルサイズ)17 μm
積層ピッチ0.03 – 0.15 mm
プリントスピード最大 70 mm/h
光源LighTurboマトリックス光源
接続方式USB
スライスソフトPhoton Workshop

Anycubic Photon Mono 4のレビューでわかる3つの特徴

特徴①:2万円台で買える圧倒的なコストパフォーマンス

Photon Mono 4の最大の魅力は、その価格設定にあります。

発売当初から2万円台で購入可能であり、これは家庭用光造形3Dプリンターの中でもトップクラスの低価格です。

一般的に高価なイメージのある光造形機を、FDM方式のエントリーモデルと変わらない価格帯で導入できる点は、初心者にとって大きなメリットです。

特徴②:価格以上の超高解像度(10K & 17μm)で精細な造形が可能

低価格でありながら、性能面で妥協していないのがPhoton Mono 4のすごいところです。

7インチの10K解像度(9024×5120ピクセル)モノクロLCDスクリーンを搭載し、非常に緻密なプリントを実現します。

表現の細かさを左右するXY解像度は17μmと、家庭用モデルとしては最高クラスのスペックを誇り、フィギュアの表情やミニチュアの細かい装飾まで美しく再現可能です。

特徴③:置き場所に困らない軽量・コンパクトなサイズ感

本体重量がわずか4kgと非常に軽量で、サイズもコンパクトなため、設置場所を選びません。

書斎のデスクや棚の上など、限られたスペースにも手軽に設置できます。

液体のレジンを扱う光造形は準備や後片付けにスペースを要するため、プリンター本体がコンパクトであることは、作業全体の取り回しの良さに繋がります。

Anycubic Photon Mono 4の実機レビュー|開封から造形まで

開封してわかる同梱品一覧と、他に準備が必要なものは?

Photon Mono 4の箱には、3Dプリントを開始するために必要な基本的なツールが一通り含まれています。

具体的には、ビルドプレート、レジンタンク、各種工具(スクレーパー、六角レンチ)、USBメモリ、電源アダプター、保護用の手袋やマスクなどが同梱されています。

そのため、別途購入が必須なのは材料となる「UVレジン」だけです。

安全に作業するために、追加で保護メガネや、作業場所を汚さないためのシリコンマットなどを用意しておくと、より快適に作業を進められます。

レベリング調整は簡単?初回設定の手順を解説

本機は手動の4点レベリング方式を採用しています。

オートレベリング機能はありませんが、調整作業は非常にシンプルです。

ビルドプレートの4本のネジを緩め、付属のレベリングペーパーをLCDスクリーンとの間に挟み、ホームポジションに移動させます。

プレートを軽く押さえながらネジを均等に締め付ければ完了です。

一度この調整を行えば、頻繁に再調整する必要はなく、安定したプリントが可能になります。

【作例あり】実際の造形物のクオリティは?10K解像度の実力をチェック

テストプリントを実行すると、10K解像度の実力をすぐに体感できます。

付属のテストデータや、性能測定用の複雑なモデルをプリントしたところ、積層痕はほとんど目立たず、表面の微細な模様や非常に細い柱などもシャープに造形されました。

価格を考えると、期待を大きく上回るクオリティであり、趣味のフィギュアや模型製作には十分すぎる性能を持っていることが確認できます。

公式スライサー「Photon Workshop」の使い勝手と注意点

3Dモデルをプリンター用のデータに変換するため、公式のスライスソフト「Photon Workshop」を使用します。

インターフェースは比較的シンプルで、初心者でも直感的に操作が可能です。

ただし、注意点として、Photon Mono 4は専用のファイル形式「.pm4n」しか認識しません。

そのため、現時点では他の人気のスライサーソフト(ChiTuBoxなど)は使用できず、Photon Workshop一択となる点には留意が必要です。

【評判・口コミ】Anycubic Photon Mono 4の良い点(メリット)は?

とにかく安い!初めての光造形3Dプリンターに最適

多くのユーザーが評価しているのは、やはりその圧倒的なコストパフォーマンスです。

「この価格でこのクオリティの造形ができるのは驚き」「入門機としてこれ以上の選択肢はない」といった声が多く見られます。

初期投資を抑えたい初心者にとって、この価格は大きな魅力となっています。

一度設定すればOK!レベリング作業の手間が少ない

4点レベリング方式は、一度正確に設定してしまえば、その後はほとんど調整が不要である点も高く評価されています。

プリントの度に調整が必要な機種もある中で、この手軽さは特に初心者にとって安心材料となります。

失敗の大きな原因となるレベリングの手間が少ないため、スムーズにプリント作業に集中できます。

軽くて扱いやすい!準備や後片付けの負担が軽い

本体重量が約4kgと軽く、コンパクトな設計は、実際の運用面で大きなメリットとなります。

「設置場所の移動が楽」「レジンタンクの清掃などで本体を動かす際も苦にならない」といった口コミがあり、特に居住スペースが限られている日本のユーザーにとっては扱いやすいサイズ感と言えるでしょう。

【評判・口コミ】Anycubic Photon Mono 4の注意点(デメリット)は?

Wi-Fiや自動レベリングなど便利な機能はほぼ非搭載

価格を抑えるため、近年の3Dプリンターに搭載されつつある便利な付加機能はほとんどありません。

例えば、Wi-Fi経由でのデータ転送、ボタン一つで完了するオートレベリング、遠隔監視用のAIカメラといった機能は非搭載です。

基本的な印刷機能さえあれば良いという方には問題ありませんが、利便性を求めるユーザーにとっては物足りなさを感じる可能性があります。

造形サイズは最小クラスなので大きなものは作れない

本体がコンパクトな分、一度にプリントできるモノのサイズ(最大153.4 x 87 x 165 mm)も比較的小さめです。

手のひらサイズのフィギュアや小物、部品の製作には十分ですが、大きな作品を作りたい場合は、データを分割してプリントし、後で接着するといった工夫が必要になります。

大型の造形を頻繁に行う予定の方は、より大きな造形サイズを持つ上位機種を検討するべきでしょう。

本体が軽量なため安定感にやや欠ける

軽量であることはメリットの一方で、安定性の面ではデメリットにもなり得ます。

本体が軽いため、作業中に少し手が当たっただけで揺れやすいという指摘があります。

また、UVカットカバーも本体に固定されているわけではなく、被せるだけの構造です。

精密な造形を行う光造形機にとって、安定性は品質に影響を与える要素のため、揺れにくい安定した場所に設置することが重要です。

Anycubic Photon Mono 4の価格は?どこで買うのが一番お得?

Amazonが最安?主要通販サイトの価格を比較

Anycubic Photon Mono 4は、主にAmazonや楽天市場などの大手通販サイトで購入できます。

価格は変動しますが、公式ストアからの出品が多いAmazonでは、クーポンが適用されて2万円台半ばで購入できるケースが多く、比較的安価に入手しやすい傾向にあります。

購入前には複数のサイトを比較検討することをおすすめします。

セールやクーポンでお得に購入するタイミングはいつ?

Amazonのプライムデーやブラックフライデーといった大型セールイベントの時期には、通常よりも安く購入できる可能性があります。

また、Anycubic公式が独自に割引クーポンを発行することもあるため、購入を検討している場合は定期的に商品ページをチェックすると良いでしょう。

プリンター本体以外に揃えておくべきものリストと総費用

光造形3Dプリンターを始めるには、本体以外にもいくつか必要なものがあります。

最低限揃えておきたいアイテムと、おおよその総費用は以下の通りです。

アイテム役割目安価格
Anycubic Photon Mono 4 本体プリンター本体約27,000円
UVレジン(水洗いタイプ推奨)材料約3,000円/1kg
二次硬化用UVライト造形物を完全に硬化させる約2,000円
無水エタノール or IPA器具の洗浄用約1,500円
ニトリル手袋、マスク、保護メガネ安全対策約1,000円
合計約34,500円

Anycubic Photon Mono 4のよくある質問(Q&A)

説明書は日本語に対応している?

付属のUSBメモリ内に電子版の説明書が格納されています。

Amazonの販売ページなどでは「日本語説明書付き」と記載されており、USBメモリ内に日本語のPDFファイルが含まれています。

ただし、紙の説明書は英語と中国語のみの場合が多いようです。

使用できるレジンの種類とおすすめは?

405nmの波長で硬化する一般的なUVレジンであれば、メーカーを問わず幅広く使用できます。

初心者の方には、洗浄に特別な薬品が不要で、水道水で洗い流せる「水洗いレジン」がおすすめです。

臭いも比較的少なく、後片付けの手間を大幅に削減できます。

レジンや洗浄液の臭いは気になる?換気は必要?

レジンには特有のツンとした臭いがあります。

製品によって強さは異なりますが、健康への影響を考慮し、作業中は必ず換気の良い場所で行うことが強く推奨されます。

特にアルコール(IPAなど)で洗浄する場合は、その気体も吸い込まないよう注意が必要です。

USBメモリが認識しない時の対処法は?

一部のユーザーから、USBメモリの仕様によって認識されないケースが報告されています。

対策として、容量が32GB以上のものであること、そして印刷したいスライスデータ(.pm4nファイル)をUSBメモリのサブフォルダではなく、一番上の階層(ルートフォルダ)に保存することを確認してください。

消耗品(交換用フィルム)の入手方法は?

レジンタンクの底に張られているフィルム(FEPフィルム)は消耗品であり、傷や汚れがひどくなると交換が必要です。

Anycubic Photon Mono 4用の交換フィルムは、Amazonなどの通販サイトでAnycubic公式から販売されています。

「一体型リリースフィルム」として購入可能です。

まとめ:ANYCUBIC Photon Mono 4 レビュー解説

  • Anycubic Photon Mono 4は2万円台で購入可能な高コスパ光造形機である
  • エントリーモデルながら10Kの超高解像度(XY17μm)を実現している
  • 軽量・コンパクトな設計で、設置場所を選ばず扱いやすい
  • 上位モデルUltraとの主な違いは速度、Wi-Fi、インテリジェント機能である
  • 開封すれば基本的な工具は揃っており、レジンがあればすぐに始められる
  • 手動の4点レベリングは一度設定すれば再調整の手間が少ない
  • 価格以上の精細な造形が可能で、趣味の模型製作には十分な性能を持つ
  • 便利な付加機能はほぼなく、印刷するという基本機能に特化している
  • 造形サイズが最小クラスのため、大きなものを作るには工夫が必要である
  • 始めるには本体以外にレジンや安全具などが必要で、総額3.5万円程度が目安となる
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