ノートパソコンの拡張性に物足りなさを感じていませんか。
近年、ノートパソコンは薄型・軽量化が進む一方で、搭載されるポートの種類や数が限られてきています。
外部モニターや有線LAN、SDカード、複数のUSB機器を同時に使いたいとき、ポートが足りずに困った経験を持つ方も多いでしょう。
このような悩みを解決するのが「USB-Cハブ」です。
数ある製品の中でも、Ankerから発売されている「Anker 364 USB-C ハブ (10-in-1, Dual 4K HDMI)」は、その多機能性と信頼性から多くの注目を集めています。
しかし、多機能であるがゆえに「自分の使い方に本当に合っているのか」「スペックを最大限に活かすにはどうすればいいのか」「購入前に知っておくべき注意点はないか」といった疑問も生まれます。
そこでこの記事では、Anker 364について、その特徴やスペック、基本的な使い方から、実際の評判・口コミ、そして「HDMIが映らない」「ハブが認識しない」といったトラブルの対処法まで、網羅的にレビュー解説します。
あなたのデスク環境をより快適にするための最適な一台を見つける手助けとなれば幸いです。
Anker 364の基本性能をレビュー解説
Anker 364の便利な特徴
Anker 364 USB-Cハブが多くのユーザーから支持される理由は、その考え抜かれた便利な特徴にあります。
特に「ポート配置の秀逸さ」と「PC接続ケーブルの着脱式」という2点が、日常的な使い勝手を大きく向上させています。
まず、ポートの配置についてです。
このハブは、利用シーンを想定してポートが明確に2つの面に分けられています。
一方の長辺には、HDMIポート2つ、イーサネットポート、給電用のUSB-Cポートが配置されています。
これらは一度接続すると頻繁に抜き差しすることが少ない「常時接続」向けのポートです。
もう一方の面(短辺と手前側の長辺)には、USB-A/CのデータポートやSDカードスロットがまとめられています。
これらはUSBメモリやSDカードのように、必要な時にだけ接続し、用が済めば取り外すことが多いポートです。
この設計により、常時接続しているHDMIやLANケーブルが、USBメモリなどを抜き差しする際に邪魔になるというストレスがありません。
多機能ハブにありがちな、四方八方にケーブルが伸びて煩雑になる状態を防ぎ、デスク上をスマートに保つことができるのです。
次にもう一つの大きな特徴である、PC接続用ケーブルが着脱式である点です。
多くの安価なUSB-Cハブは、PCと接続するためのケーブルが本体に直付けされており、長さが足りなくても交換できません。
しかし、Anker 364はケーブルが独立しているため、利用環境に合わせて自由に変更できます。
付属の0.5mケーブルで十分な場合もあれば、PCの設置場所によってはもっと長いケーブルが必要になることもあるでしょう。
その際に市販の適切な長さのケーブルや、取り回しやすいL字コネクタのケーブルを選べるのは非常に大きなメリットです。
万が一ケーブルが断線してしまった場合でも、ハブ本体を買い替える必要がなく、ケーブル交換だけで済むため経済的でもあります。
このように、Anker 364は単にポート数が多いだけでなく、ユーザーが実際にどのように使うかを深く考察し、設計に反映させた、非常に実用性の高い製品と言えるでしょう。
Anker 364の詳しいスペック
Anker 364の魅力を理解するためには、その詳細なスペックを把握することが不可欠です。
このハブは「10-in-1」という名前の通り、10個のポートを搭載し、多様な接続ニーズに応えることができます。
以下にその詳細をまとめました。
項目 | スペック詳細 |
製品名 | Anker 364 USB-C ハブ (10-in-1, Dual 4K HDMI) |
製品型番 | A83A2 |
サイズ | 約 14.2 × 6.3 × 1.6 cm |
重さ | 約 100g |
搭載ポート (10個) | USB-C アップストリームポート (PC接続用)USB-C PD対応ポート (最大100W入力 / 最大85W出力)HDMIポート ×2データ転送用USB-C 3.2 Gen1 ポート (最大5Gbps)データ転送用USB-A 3.2 Gen1 ポート (最大5Gbps)データ転送用USB-A 2.0 ポート ×2 (最大480Mbps)イーサネットポート (最大1Gbps)SDカードスロット (UHS-I / 最大104MB/s) |
映像出力 | シングルモニター接続時: 最大4K (60Hz)デュアルモニター接続時: 最大4K (30Hz) |
パススルー充電 | 最大85W (ハブ自体が15Wの電力を消費) |
付属ケーブル | USB 3.2 Gen 2 ケーブル (0.5m) |
各ポートの役割と補足
ポートの数だけでなく、それぞれの規格を理解することも重要です。
まず映像出力ですが、HDMIポートを1つだけ使用する場合は最大4K解像度で60Hzのリフレッシュレートに対応しています。
これにより、滑らかな映像表示が可能で、動画鑑賞やゲーム、クリエイティブな作業において快適な環境を構築できます。
2つのHDMIポートを同時に使用してデュアルモニター環境を構築する場合、解像度は両方とも最大4Kですが、リフレッシュレートは30Hzに制限されます。
データ転送に関しては、USB-CとUSB-Aにそれぞれ1つずつ、最大5Gbpsの高速な「USB 3.2 Gen1」ポートが搭載されています。
外付けSSDからの大容量データ転送などに最適です。
加えて、最大480Mbpsの「USB-A 2.0」ポートが2つあります。
これはキーボードやマウスの無線レシーバー、Webカメラなど、高速なデータ転送を必要としない周辺機器の接続に適しています。
給電用のUSB-Cポートは最大100Wの入力に対応しており、ハブ自体が動作に必要な15Wを消費し、残りの最大85Wを接続したノートパソコンに供給します。
これにより、ハブを介して様々な機器を接続しながら、パワフルなノートパソコンでも安定して充電を続けることが可能です。
このように、Anker 364は現代のPCワークに必要な機能をバランス良く網羅しており、これ一台でデスク周りの接続環境を大幅にアップグレードできるスペックを備えています。
Anker 364 USB-Cハブの基本的な使い方
Anker 364 USB-Cハブの優れた点の一つは、その使い方が非常にシンプルであることです。
特別なソフトウェアやドライバのインストールは基本的に不要で、「プラグアンドプレイ」に対応しているため、接続するだけですぐに利用を開始できます。
ここでは、基本的な接続手順と、より快適に使うための設置例をご紹介します。
基本的な接続手順
- ハブへの電源供給まず、Anker 364ハブ本体に電源を供給します。製品にACアダプタは付属していないため、別途USB Power Delivery (PD) に対応したUSB-C充電器とケーブルを用意する必要があります。ハブの性能を最大限に引き出すためには、出力が100Wクラスの充電器の使用が推奨されます。用意した充電器を、ハブの「PD IN」と記載されたUSB-Cポートに接続します。
- パソコンとの接続次に、ハブとお使いのノートパソコンを接続します。付属のUSB-Cケーブルまたは市販の対応ケーブルを使い、ハブのPC接続用アップストリームポート(PCマークが付いているポート)と、パソコンのUSB-Cポート(映像出力に対応したポート)を繋ぎます。
- 周辺機器の接続最後に、使用したい周辺機器をハブの各ポートに接続します。外部モニターはHDMIポートへ、有線LANケーブルはイーサネットポートへ、USBメモリや外付けHDD、キーボード、マウスなどは対応するUSB-AまたはUSB-Cポートに接続してください。SDカードもスロットに挿入すればすぐに認識されます。
デスクへの快適な設置例
Anker 364はケーブルが着脱式で自由度が高いため、デスク環境に合わせた最適な設置が可能です。
おすすめの設置方法の一つが、デスクの天板裏に固定するアイデアです。
- 100円ショップなどで手に入る強力な両面テープや、繰り返し着脱できる面ファスナー(マジックテープ)を用意します。
- ハブの裏面にテープまたは面ファスナーを貼り付けます。
- デスクの天板裏の、手を伸ばしやすい位置にハブを貼り付けて固定します。
この方法により、ハブ本体がデスク上で場所を取ることがなくなり、見た目が非常にスッキリします。
前述の秀逸なポート配置のおかげで、天板裏に設置しても、頻繁に抜き差しするUSBポートやSDカードスロットは手前側や側面に来るため、アクセスも容易です。
常時接続のケーブル類は奥側に隠れるため、配線が整理され、快適な作業空間を実現できます。
Anker 364のここがおすすめな点
Anker 364を導入することで得られるメリットは多岐にわたりますが、特におすすめしたい点は「ケーブル1本で理想のデスク環境が完成する利便性」です。
これにより、日々の作業効率が飛躍的に向上し、ストレスから解放されます。
まず最大の利点は、ノートパソコンの持ち出しと再設置が非常に楽になることです。
在宅勤務やフリーアドレスのオフィスでノートパソコンを頻繁に持ち運ぶ方にとって、その都度、電源ケーブル、モニターケーブル、LANケーブル、USB機器…と複数のケーブルを抜き差しするのは地味に面倒な作業です。
Anker 364を使えば、これらのケーブルはすべてハブに接続したままにしておけます。
外出先から戻ったら、ノートパソコンにUSB-Cケーブルを1本接続するだけ。
それだけで、充電、デュアルモニター出力、安定した有線LAN接続、キーボードやマウスとの連携が瞬時に完了します。
この「ワンタッチ」で作業環境が整う快適さは、一度体験すると元には戻れないほどです。
次におすすめなのが、「4K/60Hz表示による快適な視覚体験」です。
4Kモニターを使用している場合、リフレッシュレートが30Hzだと、マウスカーソルの動きやウィンドウのスクロールがカクカクして見え、目への負担を感じることがあります。
Anker 364はHDMIポート単体使用時に4K/60Hz出力に対応しているため、非常に滑らかで自然な表示が可能です。
これにより、長時間の作業でも目の疲れが軽減され、特に動画編集やデザイン作業など、表示の質が重要になる場面でその真価を発揮します。
これまで30Hzで我慢していた方にとっては、作業の質を一段階引き上げてくれる大きなメリットとなるでしょう。
そして、据え置きで使うハブとして見逃せないのが「スリープからの安定した復帰」です。
安価なハブの中には、パソコンがスリープから復帰した際に、接続しているモニターやUSB機器を正しく再認識せず、一度ハブを抜き差ししないと使えない、といった不安定な挙動を示すものがあります。
Anker 364は、この点においても安定した動作が報告されており、スリープ復帰後もスムーズに作業を再開できます。
日々の業務で使う上で、このような信頼性の高さは非常に重要なポイントであり、安心して作業に集中できる環境を提供してくれます。
Anker 364の評判と注意点をレビュー解説
Anker 364の評判・口コミをチェック
Anker 364は多くのユーザーから高い評価を受けていますが、製品を正しく理解するためには、良い点と悪い点の両方を知っておくことが重要です。
ここでは、実際に製品を使用したユーザーからの評判や口コミを、肯定的な意見と注意すべき意見に分けてご紹介します。
高く評価されている点
多くのユーザーが絶賛しているのは、やはりその利便性の高さです。
- 「ポート配置が秀逸」: 常時接続するポートと頻繁に抜き差しするポートが分かれている設計は、「考えられている」「ケーブルが邪魔にならずスッキリする」と非常に好評です。デスク周りの整理整頓に大きく貢献する点が評価されています。
- 「ケーブル着脱式が最高」: PCとの接続ケーブルを好きな長さや形状のものに交換できる点をメリットとして挙げる声が多数あります。「設置の自由度が高い」「断線してもケーブル交換だけで済むので安心」といった口コミが見られます。
- 「4K/60Hz出力が安定している」: 4Kモニターを使っているユーザーからは、「30Hzとは比べ物にならないほど滑らか」「目の疲れが減った」など、表示品質の高さに満足する声が上がっています。
- 「Ankerブランドの信頼性」: 「無名メーカーの製品で失敗した経験があるが、Anker製なので安心して使える」「安定して動作する」といった、ブランドへの信頼感を理由に選んだという意見も多く見られます。
注意すべき点・低評価の口コミ
一方で、いくつかの懸念点や特定の環境下での不具合を指摘する声もあります。
- 「HDMIポートが認識しない・不安定」: 「特定のPCやモニターとの組み合わせで画面が出力されない」「時々ブラックアウトする」といった、映像出力に関するトラブル報告が一部で見られます。これは後述する相性問題などが原因である可能性が考えられます。
- 「本体の発熱」: 複数のポートを同時に使用し、高負荷な作業を行うと「本体がかなり熱くなる」という口コミがあります。ただし、Ankerの公式見解では、これは製品の仕様の範囲内であり、異常ではないとされています。
- 「筐体の質感」: Anker 364の筐体はプラスチック製です。そのため、金属製のハブと比較して「質感が安っぽく感じる」という意見もあります。デザインや質感を重視する方にとっては、少し気になるポイントかもしれません。
- 「Macでのデュアルモニター拡張非対応」: これは製品の不具合ではなくmacOSの仕様ですが、「Macで2画面に拡張表示できると思って購入したが、ミラーリングしかできなかった」という口コミが見られます。購入前に仕様を理解しておく必要があります。
これらの評判・口コミから、Anker 364は多くのユーザーのニーズを満たす優れた製品である一方、使用環境や求めるものによっては注意が必要な点もあることがわかります。
購入前に知りたいAnker 364の注意点
Anker 364は非常に多機能で便利なUSB-Cハブですが、購入してから「思っていたのと違った」という事態を避けるために、いくつか事前に知っておくべき仕様上の注意点があります。
これらを理解した上で導入を検討することが重要です。
macOSでのデュアルモニター表示の制限
最も重要な注意点の一つが、MacBookなどのmacOS搭載機器で使用する際の映像出力の仕様です。
Anker 364は2つのHDMIポートを搭載していますが、macOSは「MST (Multi-Stream Transport)」という技術に対応していません。
これは、1つのUSB-Cポートから2台の外部モニターに、それぞれ異なるデスクトップ画面を拡張して表示することができない、ということを意味します。
2台のモニターを接続した場合、両方に同じ画面が表示される「ミラーリング(複製)モード」になるか、Mac本体の画面を含めて2画面の拡張(外部モニターの1台はMac本体のミラーリング)という形になります。
Windows PCのように、本体ディスプレイ+外部モニター1+外部モニター2の合計3画面でそれぞれ異なる内容を表示する「トリプルディスプレイ環境」を期待しているMacユーザーの方は、この制限を必ず理解しておく必要があります。
パススルー充電には高性能な充電器が別途必要
Anker 364は最大85Wのパススルー充電に対応しており、ハブを使いながらノートパソコンを充電できます。
しかし、この性能を最大限に発揮するためには、ハブ自体に電力を供給するUSB-C PD充電器が別途必要です。
ハブ本体が動作に約15Wの電力を消費するため、ノートパソコンに85Wで給電したい場合は、入力側として100W(85W + 15W)出力のPD充電器を用意しなくてはなりません。
もし、お使いのノートパソコンに付属のACアダプタ(例:65W出力)をハブに接続した場合、パソコンに供給される電力は50W(65W – 15W)に減少してしまいます。
これにより、パソコン側で「低速充電中」のアラートが表示されたり、高負荷な作業中には充電速度が消費電力に追いつかなかったりする可能性があります。
各ポートの機能は独立している
10個のポートが搭載されていますが、それぞれのポートの役割は明確に決まっています。
例えば、データ転送用のUSB-AポートやUSB-Cポートは、充電や映像出力には対応していません。
スマートフォンを充電しようとしても、ごく低速な充電しかできないか、あるいは全く充電できない場合があります。
逆に、給電用のPD対応USB-Cポートは、データ転送や映像出力には使用できません。
「USB-C」という形状は同じでも、ポートによって機能が異なることを理解し、正しいポートに正しい機器を接続する必要があります。
これらの注意点を事前に把握しておくことで、Anker 364の性能を正しく活用し、快適なデスク環境を構築することができるでしょう。
Anker 364でHDMIが映らない時の対処法
Anker 364を接続したにもかかわらず、外部モニターに映像が映らない、というトラブルは非常に困惑するものです。
しかし、すぐに製品の故障と判断する前に、いくつか確認すべき点があります。
多くの場合、接続方法や設定、ケーブルの互換性などが原因です。
ここでは、HDMIが映らない時に試すべき対処法を段階的に解説します。
基本的な接続の再確認
最も簡単で、かつ効果的なのが接続のやり直しです。
- ケーブルの抜き差し: パソコンとハブを繋ぐUSB-Cケーブル、ハブとモニターを繋ぐHDMIケーブル、ハブに給電しているPD充電器のケーブル、これら全てを一度取り外し、再度しっかりと奥まで差し込み直してみてください。
- 電源の入れ直し: 接続されているケーブルをすべて抜いた状態で、ノートパソコンと外部モニターの電源を一度完全に切り、数分待ってから再度電源を入れ、ケーブルを接続し直します。
- ポートの変更: もしパソコンに複数のUSB-Cポートがある場合、別のポートに接続して試してみてください。
ケーブルの互換性を確認する
ケーブルが原因で映像が出力されないケースは少なくありません。
- HDMIケーブル: 別のHDMIケーブルがあれば、それに交換して映るか試します。特に4K出力を行う場合は、ハイスピード規格に対応した品質の良いケーブルが必要です。
- USB-Cケーブル: ここが最も見落としがちなポイントです。Anker 364とパソコンを接続するUSB-Cケーブルは、「DisplayPort Alternate Mode」という映像出力機能に対応している必要があります。充電専用の安価なUSB-Cケーブルでは映像は出力されません。付属のケーブルか、映像出力と100W PD給電に対応した市販の高品質なケーブルを使用してください。
パソコン側の設定とドライバを確認する
パソコン側の設定が原因である可能性も考えられます。
- ディスプレイ設定: Windowsなら「設定」→「システム」→「ディスプレイ」、macOSなら「システム設定」→「ディスプレイ」を開き、外部モニターが認識されているか確認します。認識されているのに映らない場合は、解像度やリフレッシュレートの設定を一度下げてみると映ることがあります。
- グラフィックドライバ: パソコンのグラフィックドライバが古い場合、正常に映像出力できないことがあります。お使いのパソコンメーカーのサポートサイトなどから、最新のドライバに更新してください。
互換性の最終確認
上記のすべてを試しても解決しない場合、根本的な互換性の問題が考えられます。
お使いのノートパソコンの仕様書やメーカーの公式サイトで、接続しようとしているUSB-Cポートが「DisplayPort Alternate Mode」に正式に対応しているか、改めて確認してください。
それでも解決しない場合は、製品の初期不良の可能性も考えられるため、Ankerのカスタマーサポートに問い合わせることをお勧めします。
Anker 364が認識しないトラブル
HDMIの映像出力だけでなく、USBメモリや有線LAN、SDカードなどがAnker 364経由で認識されない、というトラブルも起こり得ます。
この場合も、HDMIのトラブルシューティングと同様に、段階的な原因の切り分けが有効です。
USB機器(マウス、キーボード、USBメモリなど)が認識しない場合
USBポートに接続した機器が反応しない時は、以下の点を確認してみてください。
- ポートの差し替え: Anker 364にはUSB-A 3.2 Gen1(青いポートなど)とUSB-A 2.0(黒いポート)があります。一方のポートで認識しない場合、もう一方の種類のポートに差し替えて試してみてください。特に、無線マウスやキーボードのレシーバーは、他の高速なUSB 3.0機器との電波干渉を避けるため、USB 2.0ポートに接続した方が安定することがあります。
- 電力消費の大きい機器: ポータブルHDDやDVDドライブなど、USBポートから供給される電力で動作する機器は、電力不足で正常に動作しないことがあります。もし可能であれば、ACアダプタなどで別途電源を供給できるセルフパワーのUSBハブを間に挟むか、機器を直接PCのポートに接続して動作するか確認します。
- PCの再起動: 最も基本的な対処法ですが、ハブを接続したままPCを再起動することで、ドライバが正しく読み込まれ、機器が認識されることがあります。
有線LANが認識しない場合
イーサネットポートにLANケーブルを接続してもインターネットに繋がらない場合は、以下を確認します。
- ケーブルとルーターの確認: LANケーブルがハブとルーターの両方にしっかりと接続されているか確認します。ルーター側のランプが正常に点灯しているかもチェックしてください。別のLANケーブルに交換して試すのも有効です。
- ネットワーク設定: PCのネットワーク設定画面で、有線LANアダプタが有効になっているか確認します。無効になっている場合は有効に切り替えてください。
SDカードが認識しない場合
SDカードスロットにカードを挿入しても反応がない時は、以下の可能性があります。
- カードの挿入方向と状態: SDカードが正しい向きで、カチッと音がするまでしっかりと奥まで差し込まれているか確認します。カードの金属端子が汚れている場合は、乾いた布で優しく拭いてみてください。
- カードの相性・故障: 他のSDカードがあれば、そちらを挿して認識されるか試します。特定のカードだけが認識されない場合、そのカード自体に問題があるか、ハブとの相性が悪い可能性があります。また、そのSDカードが他の機器(カメラや別のPCなど)で正常に読み込めるかも確認しましょう。
これらの対処法を試しても問題が解決しない場合は、ハブ本体の不具合も考えられるため、Ankerのカスタマーサポートへ連絡することをお勧めします。
まとめ:Anker 364のレビュー解説【決定版】
- Anker 364は10個のポートを搭載した多機能USB-Cハブである
- 常時接続用と抜き差し用でポート配置が分離され使いやすい
- PCと接続するUSB-Cケーブルが着脱式で自由度が高い
- HDMIポート単体使用時は4K/60Hzの高精細な映像出力に対応
- 最大85Wのパススルー充電でPCを使いながら充電可能である
- macOSでは仕様上、2台の外部モニターへの拡張表示はできない
- 性能を最大限に活かすには100WクラスのPD充電器が別途必要
- HDMIが映らない際はケーブルやPC設定の見直しが有効である
- 口コミでは利便性と信頼性が高く評価される一方、互換性の指摘もある
- ケーブル1本でデスク環境を集約したいユーザーに最適な製品である