最近のノートパソコンは薄型・軽量化が進む一方で、搭載されているポートの種類や数が減っていると感じることはありませんか。
特にMacBookなどの最新モデルではUSB-Cポートのみという構成も珍しくなく、マウスやUSBメモリ、外部モニターといった周辺機器を接続する際に不便を感じる場面が増えています。
このような悩みを解決するのが、1つのUSB-Cポートで複数の機能を拡張できるUSB-Cハブです。
今回は、数ある製品の中でも特にコストパフォーマンスに優れると評判の「Anker 332 USB-C ハブ (5-in-1)」について、その特徴から注意点、実際の口コミまでを詳しくレビュー・解説します。
この記事を読めば、製品の基本性能から具体的な使用シーン、購入前に知っておくべきポイントまで全て理解できるでしょう。
Anker 332のレビュー解説!基本性能と特徴
Anker 332の5-in-1の主な特徴
Anker 332 USB-Cハブは、その名の通り5つのポートを1つに集約した多機能ハブです。
この製品の最大の魅力は、日常的な利用シーンで必要とされるポートをバランス良く搭載している点にあります。
具体的にどのようなポートが搭載されているのか、それぞれの機能と注意点を以下の表にまとめました。
ポートの種類 | 数 | 主な機能 | 注意点 |
USB-C (PD-IN) | 1 | パススルー充電 | データ転送や映像出力には非対応 |
USB-C (データ転送) | 1 | 最大5Gbpsのデータ転送 | 充電や映像出力には非対応 |
USB-A 3.2 Gen1 | 2 | 最大5Gbpsのデータ転送 | 充電や映像出力には非対応 |
HDMI | 1 | 最大4K (30Hz) の映像出力 | 60Hz出力には非対応 |
このように、充電用のUSB-Cポートとデータ転送用のUSB-Cポートが分かれているのが特徴です。
これにより、ノートパソコンを充電しながら同時に他の機器へデータ転送を行うといった使い方が可能になります。
USB-Aポートが2つあるため、ワイヤレスマウスのレシーバーとUSBメモリを同時に使用することもでき、ポート不足に悩むことは少なくなるでしょう。
Anker 332のHDMIポートのおすすめな点
このハブが持つ大きな利点の一つが、最大4K (30Hz)に対応したHDMIポートを搭載していることです。
これにより、お使いのノートパソコンのUSB-Cポートから、テレビやプロジェクター、外部モニターへ簡単かつ高画質で映像を出力できます。
在宅ワークでのデュアルモニター環境の構築や、会議室でのプレゼンテーションに非常に役立ちます。
HDMIケーブルは一般的に硬くて取り回しがしづらいものが多いですが、ハブを介することでパソコン側への接続は柔軟なUSB-Cケーブル1本で済むため、デスク周りの配線をすっきりと整理できるのも嬉しいポイントです。
ただし、リフレッシュレートは30Hzまでとなるため、素早い動きが求められるオンラインゲームや、滑らかな映像表現が必要な動画編集には向いていない点には留意が必要です。
あくまでビジネス用途や動画鑑賞がメインの方におすすめできる機能といえます。
Anker 332とAndroidの接続性
Anker 332 USB-Cハブは、パソコンだけでなく、USB-Cポートを搭載したAndroidスマートフォンやタブレットでも使用できます。
例えば、USBメモリを接続してスマートフォンのデータをバックアップしたり、マウスやキーボードを繋いで長文の入力作業を快適に行ったりすることが可能です。
また、映像出力に対応したAndroidデバイスであれば、HDMIポートを介してスマートフォンの画面をテレビの大画面に映し出す「ミラーリング」も利用できます。
ただし、一部の機種、例えばSamsung Galaxy S23 Ultraなどでは、ハブを安定して動作させるために、ハブのPD-INポートに充電器を接続する必要があると公式にアナウンスされています。
お使いのAndroidデバイスで正常に動作しない場合は、まず充電器を接続して電力不足を解消してみることをお勧めします。
Anker 332はiPhoneでも使える?
iPhoneユーザーにとって、このハブが使えるかどうかは重要なポイントでしょう。
結論から言うと、USB-Cポートを搭載したiPhone 15シリーズ以降のモデルであれば使用可能です。
従来のLightningポートを搭載したiPhoneでは直接接続することはできません。
iPhone 15にAnker 332を接続することで、USB-Aポートにキーボードを繋いでメモ入力をしたり、USBメモリや外付けSSDを接続して写真や動画データを直接転送したりできます。
これは、特に大容量の動画を撮影するユーザーにとって、iPhoneのストレージを圧迫せずにデータを管理できる大きなメリットとなります。
さらに、HDMIポートを使えば、iPhoneで撮影した映像や、動画配信サービスのコンテンツをテレビの大画面で楽しむことも可能です。
Anker 332のレビュー解説!注意点と口コミ
Anker 332の購入前に知るべき注意点
Anker 332は非常にコストパフォーマンスに優れた製品ですが、購入前にいくつか知っておくべき注意点が存在します。
第一に、パススルー充電を行う際、ハブ本体が動作するために約15Wの電力を消費する点です。
仮に100W出力の充電器を使用しても、ノートパソコンへ供給される電力は最大で85Wとなります。
この点を理解しておかないと、期待した速度で充電できない原因になります。
第二に、データ転送用のUSB-AおよびUSB-Cポートは、デバイスの充電には対応していません。
あくまでデータ転送専用と割り切って使用する必要があります。
第三に、前述の通りHDMIポートの出力は4K/30Hzが上限です。
より滑らかな60Hzでの出力を求める場合は、Ankerの上位モデルなどを検討する必要があります。
最後に、公式に「ニンテンドースイッチには非対応」と明記されています。
ゲーム機への映像出力や周辺機器接続を目的としている方は、対応を謳った別の製品を選びましょう。
Anker 332で充電できない時の原因
Anker 332を使用していて「ノートパソコンが充電できない」という問題に直面した場合、その原因の多くは充電器の出力不足にあります。
このハブは、自身が機能するために15Wの電力を必要とします。
例えば、ノートパソコンの充電に最低45Wが必要な場合に、45W出力の充電器をハブに接続しても、パソコンに供給されるのは「45W – 15W = 30W」となり、電力不足で充電が開始されません。
実際に30Wの充電器で試したレビューでは、ハブを介すと出力が12W程度まで低下したという報告もあります。
このような事態を避けるためには、使用するノートパソコンが必要とする電力に、ハブが消費する15Wを加えた、余裕のある出力を持つ充電器を用意することが重要です。
一般的なノートパソコンであれば65W、MacBook Proなどの高性能モデルであれば100WクラスのUSB PD対応充電器の使用が推奨されます。
Anker 332の評判とリアルな口コミ
多くのレビューサイトやECサイトでの評判を見ると、Anker 332は全体的に高い評価を得ています。
良い評判・口コミ
良い評価としては、「軽量・コンパクトで持ち運びに便利」「必要十分なポート構成で価格が安い」「Ankerブランドなので接続が安定しており安心感がある」といった声が多数見られます。
特に、出張や外出先での作業が多いユーザーからは、カバンに入れても邪魔にならないサイズ感と軽さが支持されているようです。
気になる評判・口コミ
一方で、気になる点としては「本体がプラスチック製で高級感はない」「長時間使用すると少し熱を持つ」といった意見があります。
また、一部のユーザーからは「接続が不安定になることがある」「ケーブルの根元が断線しそうで少し心配」といった耐久性に関する指摘も見られました。
とはいえ、これらは価格を考慮すれば許容範囲と考えるユーザーが多く、総合的には「迷ったらこれを買っておけば間違いない」という評価に落ち着いています。
Anker 332のおすすめな点を総まとめ
ここまで解説してきた内容を踏まえ、Anker 332がどのような人におすすめできるのかをまとめます。
この製品は、特に以下のような方に最適な選択肢と言えるでしょう。
- ポートの少ない最新ノートパソコン(MacBookなど)をメインで使っている方
- 在宅ワークやオフィスで手軽にデュアルモニター環境を構築したい方
- 外出先やカフェなどで作業する機会が多く、軽量なハブを探している方
- USB-A接続のマウスやキーボード、USBメモリなどをまだ利用する機会がある方
- 多機能すぎず、基本的なポート拡張ができれば十分だと考えている方
Ankerという信頼性の高いブランドでありながら、比較的手頃な価格で入手できるのが最大の魅力です。
USB-Cハブを初めて購入する方の「入門機」としても、自信を持っておすすめできる製品です。
まとめ:Anker 332 レビュー解説を参考に最適なハブ選びを
- Anker 332は5つのポートを1つに集約したUSB-Cハブである
- USB-C充電、USB-Cデータ、USB-A×2、HDMIの構成である
- 最大85Wのパススルー充電に対応し、作業しながらPCを充電可能
- HDMIポートは最大4K(30Hz)の映像出力に対応する
- データ転送ポートは最大5Gbpsの高速転送を実現
- USB-C搭載のiPhone 15やAndroidデバイスでも使用できる
- ハブ本体の動作に15Wの電力を要するため充電器の出力に注意が必要
- データ転送用ポートはデバイスの充電には非対応である
- 軽量コンパクトで持ち運びに便利だが、本体はプラスチック製である
- コストパフォーマンスに優れ、USB-Cハブの入門機として最適である