「ヴィンテージデザインの高級スピーカーが気になるけど、400万円以上の価値があるのか分からない」「タンノイからの乗り換えを検討しているが、Fyne Audioの実力はどうなのか」——そんな悩みを抱えていませんか?
Fyne Audioは、タンノイで30年以上の経験を持つDr.ポール・ミルズ氏をはじめとする技術者たちが2017年に創業したスコットランドのスピーカーブランドです。
その中でも「Vintage Ten」は、伝統的なキャビネットデザインと最新のオーディオ技術を融合させたフロア型スピーカーとして、世界中のオーディオファイルから注目を集めています。
本記事では、Vintage Tenの詳細なスペックから実際のユーザー評価、競合製品との比較、そして購入前に知っておくべきメリット・デメリットまで徹底的に解説します。
この記事を読むことで、400万円を超える投資に見合う価値があるかどうか、ご自身の環境や好みに合っているかどうかを判断できるようになります。
FYNE AUDIO Vintage Tenの特徴・概要
元タンノイ技術者が追求した「レトロ×最新技術」の融合
Fyne Audio Vintage Tenは、「レトロなスタイルとモダンなエンジニアリングの融合」というDr.ポール・ミルズ氏の開発理念を体現したスピーカーです。
1970年代の英国高級スピーカーを彷彿とさせる家具調のキャビネットデザインは、オーディオ黄金期への敬意を表しています。
しかし、その外観とは裏腹に、内部には最先端の音響技術が惜しみなく投入されています。
Fyne Audioの創業メンバーは、タンノイが2017年にフィリピンのMusic Tribeに買収された際に独立した技術者たちです。
彼らは「スコットランドにオーディオ・ラウドスピーカー製造の経験とノウハウを残す」という使命を掲げ、新会社を設立しました。
その結果、タンノイで培った同軸ドライバー技術の系譜を受け継ぎながらも、より進化した独自技術を開発することに成功しています。
Vintage Tenは、2022年に発表されたVintageシリーズの中核モデルとして位置づけられています。
上位モデルのVintage Fifteen(15インチ)やVintage Twelve(12インチ)と同じ技術を採用しながら、より扱いやすいサイズに収められているため、小中規模のリスニングルームにも対応できる設計となっています。
10インチIsoFlare同軸ドライバーの革新性
Vintage Tenの心臓部となるのが、250mm(10インチ)のIsoFlare(アイソフレアー)ポイントソース同軸ドライバーです。
このドライバーは、低域/中域を担当するマルチファイバーコーンの中央に、75mmチタン合金ドーム・コンプレッション・ツイーターを配置した同軸構造を採用しています。
同軸ドライバーの最大の利点は、高域と低域の音源が同一点から発せられるため、位相が完璧に揃うことです。
一般的な2ウェイスピーカーでは、ツイーターとウーファーが物理的に離れた位置にあるため、リスニングポイントによっては音の到達時間にズレが生じます。
IsoFlareドライバーは、この問題を根本的に解決し、どの角度から聴いても一貫した音像定位を実現しています。
さらに、IsoFlareドライバーには独自の「FyneFlute(ファインフルート)」技術が採用されています。
これはスピーカーエッジに刻まれた特殊な溝のことで、エッジから振動板への反射による固有周波数共振を大幅に低減します。
この技術により、不要な音の色付けが抑えられ、よりクリアで自然なサウンドが実現されています。
ツイーターには、強力なネオジウムマグネット磁気回路が採用されており、軽量かつ剛性の高いチタンドームを俊敏に駆動します。
75mmという大口径のツイーターは、クロスオーバー周波数を750Hzという低い位置に設定することを可能にし、人間の声の大部分をツイーターで再生できるようになっています。
これにより、ボーカルの自然さと明瞭度が大幅に向上しています。
スコットランド製ハンドクラフトの高品位キャビネット
Vintage Tenのキャビネットは、スコットランド・グラスゴー郊外のベルズヒルにあるFyne Audio自社工場で、熟練職人の手によって製造されています。
高密度バーチプライを使用したキャビネットは、オイル仕上げのウォールナット突板とソリッドウォールナットのトリムで装飾され、まさに「高級家具」と呼ぶにふさわしい佇まいです。
キャビネット内部には、定在波を低減し機械的なパフォーマンスを最適化するための特殊な輪郭が施されています。
ツインキャビティ構造を採用することで、バスレフポートのチューニング周波数を広げ、コーンの振幅を抑えながら豊かな低域再生を可能にしています。
金属パーツには、すべてスコットランド国内で製造されたゴールド・アノダイズド仕上げのものが使用されています。
この美しい金色の装飾は、ヴィンテージ感を演出するだけでなく、耐久性にも優れています。
多くのユーザーが「100万ドルに見える」と評するほどの高級感は、写真では伝わりきらないと言われています。
低域再生において特筆すべきは、「BassTrax(ベース・トラックス)」と呼ばれる独自のダウンファイアリング・ポートシステムです。
一般的なバスレフスピーカーは背面にポートを配置することが多いですが、この方式では壁に近づけた際に低音が過剰になりやすいという問題があります。
BassTraxは、ポートを底面に配置し、トラクトリックス・プロファイル・ディフューザーで低域エネルギーを360度方向に分散させることで、設置位置による低音の変化を最小限に抑えています。
FYNE AUDIO Vintage Tenのスペック・仕様
基本スペックと電気特性
Vintage Tenの基本的な電気特性は、高級スピーカーにふさわしい優れた数値を示しています。
感度は94dB(2.83V/1m)という高い値を実現しており、これは現代のスピーカーとしては非常に優秀な数値です。
この高能率設計により、わずか20Wのアンプでも十分な音量を得ることができます。
特に、300Bなどのシングルエンド真空管アンプとの組み合わせでは、その繊細な音色を存分に引き出すことが可能です。
公称インピーダンスは8Ωで、ほとんどのアンプと問題なく接続できます。
推奨アンプ出力は20W〜280W(RMS)と幅広く、小出力の真空管アンプからハイパワーのソリッドステートアンプまで対応しています。
許容入力は140W(RMS)、ピークで560Wとなっており、大音量再生時にも余裕を持った動作が期待できます。
周波数特性は26Hz〜26kHz(-6dB、室内標準)と広帯域をカバーしています。
26Hzという低域の伸びは、10インチドライバーとしては驚異的な数値であり、パイプオルガンの最低音域やエレクトロニック・ミュージックの重低音も再生可能です。
高域の26kHzという数値は、可聴帯域を超えていますが、倍音成分の再生に寄与し、より自然な音色に貢献しています。
ドライバー構成とクロスオーバー設計
Vintage Tenは、1基の250mm IsoFlareポイントソース同軸ドライバーを搭載した2ウェイシステムです。
ウーファー部分は、マルチファイバー(多繊維混抄)ペーパーコーンを採用しています。
Fyne Audioは開発段階でさまざまな素材を試験しましたが、最終的に紙が最も自然な音質を提供するという結論に達しました。
このコーンには、独自の「FyneFlute」ロールサラウンドが組み合わされており、優れた過渡応答特性を実現しています。
ツイーターは、75mmチタン合金ドーム・コンプレッション方式を採用しています。
背面に通気口を設けた大型ネオジウムマグネット構造により、低域共振周波数をクロスオーバー領域よりはるかに下に配置しています。
軽量ながら剛性の高いチタンドームは、ブレークアップモードを可聴帯域のはるか上に押し上げ、歪みのない高域再生を可能にしています。
クロスオーバー周波数は750Hzに設定されています。
この低いクロスオーバーポイントにより、人間の声の大部分(特に重要な2kHz〜5kHzの帯域)がツイーターで再生されます。
これは、ボーカルの一貫性と明瞭度を高める上で大きなメリットとなっています。
クロスオーバーネットワークは、ハンドワイヤードで組み立てられ、専用の繊維板にマスティック(粘弾性素材)で固定されることで振動を最小化しています。
低損失の積層鉄芯インダクター、非誘導性厚膜抵抗器、高品位ポリプロピレンコンデンサーを使用し、すべての部品にはFyne Audio独自のディープ・クライオジェニック(深冷)処理が施されています。
この処理は、素材やはんだ接合部の応力を緩和し、金属の結晶構造を改善することで、音質向上に寄与すると言われています。
調整機能と外形寸法
Vintage Tenには、リスニング環境に合わせて音質を微調整できる2つのコントロールが搭載されています。
1つ目は、背面パネルに配置された「HFエネルギー」コントロールです。
これは750Hz〜26kHzの帯域を±3dBの範囲で調整できます。
部屋の吸音特性が高い場合は+方向に、反射が多い部屋では-方向に調整することで、最適なバランスを得ることができます。
2つ目は、フロントバッフルに配置された「プレゼンス」コントロールです。
これは2.5kHz〜5.0kHzという人間の声に最も敏感な帯域を±3dBで調整します。
ボーカルの前後感や明瞭度を微調整する際に有用で、聴取距離や部屋の特性に合わせた最適化が可能です。
外形寸法は、高さ1040mm×幅468mm×奥行489mmとなっており、フロア型スピーカーとしては大型の部類に入ります。
特に幅468mmという数値は、一般的なトールボーイ型スピーカーよりもかなり広く、設置スペースの確保が必要です。
重量は1本あたり54.6kgと非常に重く、搬入や設置には複数人の作業が必要になります。
接続端子は、バイワイヤリング対応のバインディングポストを採用しています。
シングルワイヤリングでの使用も可能ですが、付属のジャンパーケーブルを使用するか、高品質なジャンパーに交換することで、より良い結果が得られます。
また、アース端子も備えており、静電気対策にも配慮されています。
別売のSuperTraxスーパーツイーターを追加する場合は、キャビネット前端から100mmの位置に設置することが推奨されています。
また、S-Traxスーパーツイーターの場合は124mmの位置が最適とされています。
FYNE AUDIO Vintage Tenのおすすめポイント
高能率94dBで真空管アンプとの相性抜群
Vintage Tenの最大の魅力の一つは、94dBという高い感度にあります。
この数値は、現代の高級スピーカーとしては非常に優秀であり、アンプ選びの自由度を大幅に広げてくれます。
特に注目すべきは、真空管アンプとの相性の良さです。
300Bシングルエンドアンプのような出力8W〜10W程度の低出力アンプでも、Vintage Tenは十分な音量と豊かな表現力を発揮します。
真空管アンプ特有の温かみのある音色と、Vintage Tenのナチュラルなサウンドが組み合わさることで、まさに「音楽に没入できる」体験が得られると高く評価されています。
実際に、Audio Note Meishu Tonmeisterのような300B真空管アンプとの組み合わせでは、「大きな笑顔になるほどの満足感」が得られたという報告があります。
シングルエンド真空管アンプの持つ繊細さと、Vintage Tenの高能率・高解像度が相乗効果を生み出し、特にジャズやクラシックの再生において卓越したパフォーマンスを発揮します。
もちろん、ハイパワーのソリッドステートアンプとの組み合わせも可能です。
推奨アンプ出力の上限は280Wとなっており、大音量でのダイナミックな再生にも対応できます。
ただし、高能率ゆえにアンプのノイズも拾いやすいため、低ノイズ設計のアンプを選ぶことが推奨されています。
BassTrax設計による設置の柔軟性と豊かな低域再生
Vintage Tenに搭載されたBassTrax(ベース・トラックス)システムは、設置の柔軟性と優れた低域再生を両立させる革新的な技術です。
一般的なバスレフスピーカーでは、ポートが背面に配置されることが多く、壁からの距離によって低音の量感が大きく変化します。
壁に近づけすぎると低音が過剰になり、離しすぎると低音が不足するという問題がありました。
BassTraxは、ポートを底面に配置し、トラクトリックス・プロファイル・ディフューザーで低域エネルギーを360度方向に分散させることで、この問題を解決しています。
Fyne Audioの推奨設置位置は、後壁から約48cm(19インチ)、側壁から約99cm(39インチ)ですが、実際のユーザー報告では、後壁・側壁から約43cm(17インチ)でも良好な結果が得られています。
これは、日本の住宅事情においても設置の可能性を広げる大きなメリットです。
低域の再生能力も特筆に値します。
26Hzまで伸びる周波数特性は、10インチドライバーとしては驚異的であり、ダブルベースの最低音やパイプオルガンの重低音も余裕を持って再生できます。
しかも、単に「出る」だけでなく、タイトでコントロールされた低音が特徴です。
ジャズのウォーキングベースラインは軽快に弾み、ロックのキックドラムは力強くパンチがあり、クラシックのティンパニは深く響きます。
同軸ドライバーとBassTraxの組み合わせにより、低域から高域まで一貫した音場が形成されることも大きな魅力です。
音像が明確に定位し、楽器やボーカルの配置が立体的に再現されます。
特に、アコースティック楽器の胴鳴りやホールの残響など、空間情報の再現性において高い評価を得ています。
聴き疲れしない音楽的なサウンドと圧倒的な所有満足度
Vintage Tenのサウンドは、「速い、ダイナミック、エネルギッシュ、楽しい」と表現されることが多く、同時に「聴き疲れしない」という評価も多く見られます。
この一見矛盾するような特性が、Vintage Tenの音楽的な魅力の核心です。
B&W 805D4のような現代的なモニタースピーカーと比較すると、Vintage Tenはより「音楽的」なアプローチを取っています。
B&Wが「科学的・外科的な精密さ」で音楽を分析的に提示するのに対し、Vintage Tenは「音楽を楽しく聴かせる」ことを優先しています。
ディテールは十分に豊富でありながら、耳に刺さるような鋭さがなく、長時間のリスニングでも疲れにくいのが特徴です。
ボーカルの再生は特に優れており、声の抑揚やニュアンスを余すことなく伝えます。
クロスオーバー周波数が750Hzと低いため、人間の声の大部分が一つのドライバー(ツイーター)で再生され、声の一貫性が保たれています。
シビランス(歯擦音)も適度にコントロールされており、「硬い」や「キツイ」という印象を与えません。
シンバルの繊細な響き、ピアノの打鍵の強弱、弦楽器の倍音の美しさなど、楽器の質感表現も高く評価されています。
特に、ジャズの再生では各ミュージシャンの演奏を個別に聴き取れる解像度と、バンド全体の一体感を両立させています。
そして、所有する喜びという点でも、Vintage Tenは圧倒的な満足度を提供します。
オイル仕上げのウォールナット突板とソリッドウォールナットのトリム、ゴールド・アノダイズドの金属パーツ、美しいグリルクロス——すべてが「高級家具」としての佇まいを持っています。
「写真では伝わらない美しさ」と評されるその仕上げは、毎日眺めるだけでも喜びを感じられるものです。
FYNE AUDIO Vintage Tenの注意点・デメリット
大型サイズと重量による設置条件の制約
Vintage Tenを検討する上で最も重要な注意点は、その大きなサイズと重量です。
高さ1040mm×幅468mm×奥行489mmという外形寸法は、日本の一般的なリビングルームにとってはかなりの存在感となります。
特に幅468mmという数値は、一般的なトールボーイ型スピーカーの約2倍に相当します。
左右2本を設置すると、スピーカーだけで約1mの幅を占めることになります。
また、推奨される設置位置(後壁から約50cm、側壁から約100cm以上)を確保すると、さらに大きなスペースが必要になります。
専門家の見解では、Vintage Tenを最大限に活かすには最低でも17×21フィート(約5×6.4m)以上のリスニングルームが理想とされています。
これは約20畳以上に相当し、日本の住宅事情を考えると、専用のオーディオルームを持つユーザーでなければ厳しい条件かもしれません。
重量も大きな問題です。
1本あたり54.6kg、ペアで約109kgという重さは、搬入・設置に複数人の作業が必要になることを意味します。
マンションの場合は、エレベーターの積載制限や廊下の幅、ドアの開口部などを事前に確認する必要があります。
また、床の耐荷重にも注意が必要で、スパイクを使用する場合は床面の保護対策も必要になります。
上位モデルのVintage Fifteen(15インチ)やVintage Twelve(12インチ)と比較すると、Vintage Tenは「Vintageシリーズの中で最も部屋のサイズに左右されないモデル」とされていますが、それでも一般的なスピーカーと比べると大型であることは間違いありません。
400万円超の価格と限られた試聴環境
Vintage Tenの価格は、2025年7月の価格改定後で4,180,000円(ペア/税込)となっています。
これは、多くのオーディオファイルにとって「清水の舞台から飛び降りる」覚悟が必要な金額です。
この価格帯には、国内外の多くの競合製品が存在します。
たとえば、同じFyne Audio内でも、F1-10S(6,490,000円)という上位モデルがあり、逆にVintage Classic X(1,540,000円)というより手頃なモデルも用意されています。
また、タンノイのPrestigeシリーズや、B&Wの800シリーズ、KEFのReferenceシリーズなども競合として考えられます。
問題なのは、この価格帯のスピーカーを試聴できる環境が限られていることです。
Vintage Tenを常設展示している店舗は、日本国内でもそれほど多くありません。
大都市圏のオーディオ専門店やFyne Audioの取扱店に限られるため、地方在住のユーザーにとっては試聴のハードルが高くなります。
試聴なしで購入することを検討する場合は、返品ポリシーを事前に確認しておくことをお勧めします。
400万円以上の買い物で「思っていたのと違った」という事態は避けたいところです。
一部のユーザーは、試聴なしで購入して成功した例を報告していますが、これはリスクを伴う判断であることを認識しておく必要があります。
また、2025年7月に価格改定が行われたことも注意点です。
旧価格は3,960,000円でしたが、スコットランド本国の価格改定に伴い約5.6%値上げされました。
今後も為替変動や輸入コストの上昇により、さらなる価格改定が行われる可能性があります。
ヴィンテージデザインの好み分かれる外観
Vintage Tenのデザインは、1970年代の英国高級スピーカーを彷彿とさせるクラシックなスタイルです。
このヴィンテージ感は、オーディオ黄金期を知る世代やクラシカルなインテリアを好む方には大きな魅力となりますが、モダンなインテリアを好む方にとっては受け入れがたいかもしれません。
幅広のキャビネット、金色の金属パーツ、伝統的なグリルクロス——これらの要素は、「レトロ」「クラシック」「家具調」というキーワードで表現されます。
現代のスリムなトールボーイ型スピーカーや、ミニマルなデザインの製品と比較すると、明らかに「主張の強い」外観です。
インテリアとの調和という点では、「配偶者の許容度(WAF: Wife Acceptance Factor)」が問題になる可能性があります。
実際に、「ソファと色が合うから許可が出た」という報告もあれば、「大きすぎて却下された」という声も聞かれます。
購入を検討する際は、リビングルームに設置する場合は家族との相談が必要になるかもしれません。
仕上げがウォールナットのみという点も、デメリットとして挙げられます。
ブラックやホワイトなど、モダンなインテリアに合わせやすいカラーオプションがないため、部屋のテイストによっては選択肢から外れることになります。
F1シリーズやF500SPシリーズではピアノグロス仕上げが用意されていますが、Vintageシリーズはウォールナット一択となっています。
FYNE AUDIO Vintage Tenの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
Vintage Tenを実際に使用しているユーザーからは、サウンド面での高い評価が寄せられています。
最も多く聞かれる評価は、「effortlessly good(努力なしに良い音が出る)」という表現です。
高能率設計のおかげで、アンプに無理をさせることなく、余裕を持った音楽再生が可能です。
音量を上げなくても細部まで聴き取れ、大音量時も破綻しない安定感があります。
ボーカルの再生品質は特に高く評価されています。
「声の抑揚とニュアンスを余すことなく伝える」「硬い印象やシビランスのキツさがない」「長時間聴いても疲れない」といった感想が多く見られます。
ジャズボーカルやクラシックの声楽など、ボーカル中心の音源を好む方からは特に支持されています。
低域の再生能力も高い評価を得ています。
「タイトでコントロールされた低音」「ジャズのウォーキングベースが軽快に弾む」「ダブルベースの最低音域も余裕で再生」といった具体的な評価があります。
BassTraxシステムによる360度拡散方式が、部屋の影響を受けにくい安定した低域を実現していると評されています。
音場表現については、「3次元的に広い」「楽器の配置が明確に分かる」「ホールの響きが自然に再現される」といった評価があります。
同軸ドライバーによる正確な位相特性が、立体的な音場形成に寄与していると考えられています。
仕上げの美しさも、多くのユーザーが絶賛するポイントです。
「写真では伝わらない美しさ」「毎日眺めるだけで幸せ」「高級家具としても一級品」といった感想が寄せられています。
スコットランドの職人によるハンドクラフトの品質は、実物を見て初めて実感できるレベルだと言われています。
真空管アンプとの相性の良さも、多くのユーザーが推薦するポイントです。
「300Bシングルエンドとの組み合わせは至福」「真空管の繊細さを余すことなく引き出す」「低出力アンプでも十分に鳴る」といった報告があります。
購入前に確認すべき注意点
一方で、購入前に確認すべき注意点も多く報告されています。
サイズと重量については、「想像以上に大きかった」「搬入に苦労した」という声が聞かれます。
特に、写真で見るのと実物を見るのでは印象が大きく異なるようで、「実物はかなり存在感がある」という報告が多いです。
購入前に実物を確認するか、設置予定場所の寸法を正確に測っておくことが推奨されています。
部屋のサイズについては、「最低でも20畳以上が理想」という専門家の見解があります。
小さすぎる部屋では低域が過剰になったり、スピーカーの能力を十分に発揮できない可能性があります。
逆に、適切なサイズの部屋であれば、設置位置にあまり神経質になる必要はないという報告もあります。
デザインの好みについては、「ヴィンテージ感が好きでないと受け入れられない」という意見があります。
モダンなインテリアとの相性については、「合わせにくい」という声と「むしろアクセントになる」という声の両方が聞かれます。
試聴の重要性については、多くのユーザーが強調しています。
「この価格帯なら必ず試聴すべき」「音の好みは人それぞれなので、自分の耳で確認することが大切」という意見が主流です。
ただし、「試聴なしで購入したが満足している」という報告も一部にはあります。
価格については、「コストパフォーマンスは良い」という評価と、「やはり高い」という評価が分かれています。
競合製品と比較した場合、同等の仕上げ品質と音質を持つ製品の中では競争力があるという見方がある一方、絶対的な金額としては「清水の舞台」であることは否定できません。
競合製品・他モデルとの比較評価
Vintage Tenは、いくつかの競合製品や関連モデルと比較されることが多いです。
タンノイとの比較は最も多く議論されるテーマです。
「Tannoy Prestige(Canterbury GRなど)のスピリチュアルな後継者」という見方がある一方、「より現代的でモダンな音」という評価もあります。
タンノイからの乗り換えを検討しているユーザーの中には、「タンノイの温かみとFyneのモダンさの中間を期待していた」という声もあります。
全体的には、「エネルギー感とコヒーレンスは維持しつつ、より洗練された音」という評価が多いようです。
B&W 805D4との比較では、音の傾向の違いが強調されています。
「B&Wは科学的・分析的、Fyneは音楽的・有機的」という対比がよく使われます。
B&Wのユーザーからは、「詳細すぎて聴き疲れする」という不満からFyneに乗り換えたという報告があります。
一方で、「モニター的な正確さを求めるならB&W」という意見もあります。
Fyne Audio内での比較では、F1-10S(6,490,000円)との違いが話題になります。
F1-10Sは同じ10インチドライバーを搭載しながら、モダンなキャビネットデザインと更なる高剛性設計を採用しています。
「音質的にはF1-10Sが上」という見方がある一方、「ヴィンテージデザインに価値を見出すならVintage Ten」という意見もあります。
Vintage Classicシリーズとの比較では、「Vintage TenとClassic Xの価格差は約260万円だが、その差に見合う価値があるか」という議論があります。
Vintage Classicシリーズは MDF キャビネットを採用しており、より手頃な価格設定となっています。
「音質的には大きな差を感じない」という意見もあれば、「仕上げとディテールでVintageの価値がある」という意見もあります。
まとめ:FYNE AUDIO Vintage Ten
Vintage Tenをおすすめできる人・できない人
FYNE AUDIO Vintage Tenは、特定のニーズと環境を持つオーディオファイルに最適なスピーカーです。
おすすめできる人としては、まずヴィンテージデザインを好み、スピーカーに「高級家具」としての価値も求める方が挙げられます。
次に、真空管アンプ(特に300Bシングルエンドなど低出力タイプ)をお使いの方、またはこれから導入を考えている方にも最適です。
さらに、20畳以上の専用リスニングルームを持つ方、「分析的」ではなく「音楽的」なサウンドを好む方、そしてジャズやクラシック、ボーカル中心の音楽を主に聴く方にもおすすめです。
一方、おすすめできない人としては、コンパクトなスピーカーを必要とする方、モダン・ミニマルなデザインを好む方が挙げられます。
また、予算に厳しい制約がある方や、試聴なしでの高額購入に抵抗がある方には向いていません。
モニター的な正確さや「原音忠実」を最優先する方も、別の選択肢を検討された方が良いでしょう。
購入を検討する際の最終チェックポイント
- 94dBの高能率設計により、20W程度の真空管アンプでも十分にドライブ可能
- 250mm IsoFlare同軸ドライバーによる正確な位相特性と広い指向特性を実現
- BassTrax設計により、設置位置の制約が少なく、26Hzまで伸びる豊かな低域再生
- 周波数特性26Hz〜26kHz、クロスオーバー750Hzの2ウェイ構成
- HFエネルギーとプレゼンスの2系統の調整機能で、部屋に合わせた最適化が可能
- スコットランド製ハンドクラフトのバーチプライキャビネットに、ウォールナット仕上げ
- 外形寸法1040×468×489mm、重量54.6kg/本は、設置スペースと搬入経路の確認が必須
- 価格は4,180,000円(ペア/税込)、メーカー保証は7年間
- 試聴可能店舗は限られるため、購入前に必ず確認を
- The Ear誌「Best Hi-Fi of 2025」選出など、専門メディアからも高い評価を獲得
