有線イヤホンの名門ブランドTANCHJIM(タンジジム)が手掛ける完全ワイヤレスイヤホン「MINO」が、オーディオファンの間で話題を集めています。
1万円を切る価格帯でありながら、こだわり抜かれたドライバー構成と美しいデザイン、そして同社の看板キャラクター「浅野てんき」をフィーチャーした限定版の存在など、魅力的な要素が満載です。
しかし、購入を検討するにあたって「実際の音質はどうなのか」「ノイズキャンセリングは実用的か」「アプリの使い勝手は悪くないか」といった点は非常に気になるところでしょう。
この記事では、TANCHJIM MINOの音質傾向から機能性、メリット・デメリットまでを詳細に解説します。
スペック上の数値だけでなく、実際の使用感を想定した具体的な評価をまとめていますので、イヤホン選びの参考にしていただければ幸いです。
TANCHJIM MINOのレビュー!特徴と基本スペックを解説
TANCHJIM MINOは、有線イヤホンで培った技術を惜しみなく投入した、音質特化型の完全ワイヤレスイヤホンです。
まずは、その外観や基本的なスペック、そしてファン必見の限定版の違いについて詳しく見ていきましょう。
おしゃれなスケルトンデザインと軽量な装着感
MINOの最大の特徴の一つは、その洗練されたデザインにあります。
充電ケースの蓋部分は透明なスケルトン素材が採用されており、内部のイヤホンが透けて見える仕様は非常にスタイリッシュです。
イヤホン本体は「うどん型」とも呼ばれるスティックタイプを採用していますが、ハウジング部分は耳への収まりが良い形状に設計されています。
装着感は「フェザーライト」と表現されるほど軽く、耳への圧迫感が少ないのが特徴です。
カナル型特有の閉塞感が苦手な方でも、長時間ストレスなく使用できる着け心地を実現しています。
カラーバリエーションもパステルカラーを取り入れた淡い色合いが用意されており、ガジェット特有の無骨さを感じさせない、ファッションアイテムのような雰囲気を持っています。
基本スペック一覧:価格・Bluetoothコーデック・防水性能
TANCHJIM MINOの主な仕様は以下の通りです。
| 項目 | スペック |
| 定価 | 約8,000円前後 |
| ドライバー | 10mmダイナミック型 |
| Bluetoothバージョン | 5.3 |
| 対応コーデック | SBC, AAC |
| ノイズキャンセリング | 対応(最大-45dB) |
| 連続再生時間(単体) | 約5時間(ANC ON) / 約6時間(ANC OFF) |
| 連続再生時間(ケース込) | 最大約31〜37時間 |
| 防水性能 | IPX4 |
| 重量 | イヤホン片側 約4.2g |
1万円以下のエントリーからミドルクラスの価格帯でありながら、最新のBluetooth 5.3や十分なバッテリー性能を備えています。
防水性能はIPX4となっており、スポーツ時の汗や急な雨程度であれば問題なく使用できる仕様です。
通常版と浅野てんき限定版(Asano Tanch Ver.)の違いとは?
本機には通常版に加え、TANCHJIMの公式キャラクター「浅野てんき(Asano Tanch)」とコラボレーションした限定版が存在します。
基本スペックや搭載ドライバーなどの音質に関わる基礎部分は共通ですが、以下の点が異なります。
まず、デザイン面では限定版専用のカラーリングが施され、充電ケースやイヤホン本体にキャラクターをイメージした装飾やイラストがプリントされています。
次に、システムボイスです。
限定版では、浅野てんきの声優による録り下ろしボイスが収録されており、日本語と中国語のガイダンスを選択可能です。
接続時やモード切り替え時にキャラクターの声でアナウンスされるため、ファンにはたまらない仕様となっています。
さらに、アクリルスタンドやポストカードといった限定グッズが同梱される点も、通常版との大きな違いです。
TANCHJIM MINOの音質評価:ボーカルが際立つ「癒やし系」サウンド
TANCHJIMはもともと、透明感のある美しいサウンドチューニングに定評があるメーカーです。
ワイヤレスイヤホンであるMINOにおいても、その「TANCHJIMらしさ」はしっかりと継承されています。
ここでは、具体的な音の傾向について深掘りしていきます。
中高域の透明感と低音域のバランスはどう?
MINOのサウンドは、一言で表すと「ボーカル重視のシルキーサウンド」です。
多くの完全ワイヤレスイヤホンが採用しがちな、低音を過剰に強調したドンシャリ傾向とは一線を画しています。
中高域は非常にクリアで伸びやかでありながら、耳に刺さるような鋭さは抑えられており、優しく包み込まれるような感覚を覚えます。
低音域に関しては、量感自体は必要十分に確保されていますが、ボワつかずタイトに鳴る印象です。
全体を暖かく下支えするようなバランスでチューニングされており、ボーカルやメイン楽器の邪魔をしません。
解像度はこの価格帯としては高く、音の粒立ちを感じられますが、分析的すぎて聴き疲れするような音ではありません。
あくまでリスニングの心地よさを最優先にした、柔らかく上品な音作りと言えるでしょう。
得意なジャンルは?J-POPやバラード、ASMRとの相性
このイヤホンの特性が最も発揮されるのは、女性ボーカルの楽曲です。
J-POPやアニソン、バラードなど、歌声をじっくりと味わいたいジャンルとは極めて高い相性を示します。
息遣いや声のニュアンスが繊細に表現されるため、しっとりとした曲調では特にその実力を感じられるはずです。
また、刺激が少なく聞き疲れしにくい音質であるため、ASMRや音声作品の視聴にも適しています。
一方で、EDMやハードロックのように、重低音の迫力やキックのアタック感を重視するジャンルでは、少し大人しすぎると感じる場合があるかもしれません。
LDAC非対応(SBC/AACのみ)でも音質は満足できるか
スペックを見て「ハイレゾコーデックのLDACに対応していないのか」と残念に思う方もいるかもしれません。
しかし、結論から言えば、MINOに関してはコーデックの仕様を気にする必要はほとんどありません。
イヤホンの音質を決める最大の要因は、ドライバーユニットの性能とメーカーによるチューニングです。
MINOは、ベリリウムメッキドームを採用した高品質な10mmドライバーを搭載し、巧みなチューニングが施されています。
そのため、AAC接続であっても、LDAC対応の安価なイヤホンを凌駕するほどの美しいサウンドを鳴らします。
接続の安定性という面でも、AACは有利に働くことが多いため、実用性と音質のバランスにおいて理にかなった仕様と言えます。
ノイズキャンセリングと外音取り込み性能の実力チェック
近年、必須機能となりつつあるアクティブノイズキャンセリング(ANC)と外音取り込み機能。
カタログスペックでは「-45dB」の低減効果を謳っていますが、実際の使用環境ではどのように機能するのか解説します。
ANC(-45dB)は電車やカフェの騒音をどこまで消せる?
MINOのノイズキャンセリング性能は、強力にすべての音を消し去るタイプではなく、実用的な範囲で不快な音を軽減する「マイルド」な効き具合です。
電車やバスの走行音、エアコンのファンノイズといった低周波の騒音に対しては、しっかりとした低減効果を感じられます。
音楽を流していれば、周囲の雑音はほとんど気にならなくなるレベルです。
一方で、人の話し声や高音域の突発的な音(アナウンスなど)は、完全には消えずに少し遠くで鳴っているような聞こえ方になります。
「静寂」を求める方には物足りない可能性がありますが、圧迫感が少なく自然な効き味であるため、ノイキャン特有のツーンとした感覚が苦手な方にはむしろ好ましい調整です。
外音取り込み機能の自然さとホワイトノイズの有無
外音取り込み機能(トランスペアレンシーモード)は、非常に優秀です。
マイクで拾った音を無理やり増幅したような不自然さがなく、イヤホンを外している状態に近い感覚で周囲の音を聞くことができます。
コンビニのレジでの会話や、電車内でのアナウンス確認など、日常的なシーンで違和感なく使用可能です。
また、このモード使用時にありがちな「サーッ」というホワイトノイズも比較的少なく抑えられています。
常時オンにしていてもストレスを感じにくいため、「ながら聴き」用途でも活躍するでしょう。
通話品質テスト:マイク性能はリモート会議に使えるか
通話用のマイク性能は、価格相応からやや良好といったレベルです。
静かな室内であれば、声の輪郭をクリアに捉え、相手に聞き取りやすい音声を届けることができます。
ENC(環境ノイズキャンセリング)機能も搭載されており、周囲の定常ノイズはある程度カットしてくれます。
ただし、風が強い屋外や、周囲が極端に騒がしい環境では、ノイズ処理が追いつかず声が埋もれてしまう場面もあります。
テレワークや自宅でのオンライン会議など、比較的落ち着いた環境での使用であれば、十分に実用的です。
機能性と使い勝手を検証:遅延やアプリの挙動について
毎日使うイヤホンだからこそ、接続の安定性やアプリの操作性は重要です。
ここでは、カタログスペックだけでは見えてこない、実際の使い勝手に関する部分を検証します。
ゲームモードは使える?動画視聴やゲームプレイ時の遅延状況
MINOには低遅延を実現するモードが搭載されているという情報がありますが、ファームウェアのバージョンによっては「ゲームモード」という名称の設定項目が見当たらない場合があります。
現状では、標準状態でSBC接続時でも比較的遅延が少なくなるよう調整されている「半ゲームモード」のような挙動を示します。
YouTubeやNetflixなどの動画視聴においては、アプリ側の補正も働くため、口の動きと声のズレ(リップシンク)はほとんど気になりません。
ゲームに関しては、RPGやパズルゲーム程度なら問題なくプレイできます。
しかし、FPSや音ゲーのようなコンマ数秒の遅延がスコアに直結するシビアなジャンルでは、わずかなズレを感じることがあるため、過度な期待は禁物です。
専用アプリ「TANCHJIM」の使い方とパラメトリックEQの設定
MINOは専用アプリ「TANCHJIM」に対応しており、タッチ操作のカスタマイズやイコライザー(EQ)設定が可能です。
特に注目すべきは、プリセットEQの豊富さと、自由度の高いパラメトリックEQ機能です。
「バランス」「ボーカル強化」「ハーマンターゲットカーブ」など、多彩なプリセットから好みの音質を選べるほか、周波数やゲインを細かく調整して自分だけの音を作ることもできます。
ただし、Android版アプリに関しては、Google Playストアで配信されていない時期があったり、公式サイトからAPKファイルをダウンロードする必要があったりと、導入に手間取るケースが報告されています。
最近ではPlayストアで配信されているという情報もありますが、OSのバージョンや機種によっては動作が不安定な場合がある点は留意が必要です。
接続安定性とマルチポイント非対応の注意点
Bluetooth 5.3を採用しているため、基本的な接続安定性は確保されています。
満員電車や繁華街など、電波が極端に混雑する場所では稀に音飛びが発生することもありますが、日常使用でストレスを感じる頻度ではありません。
機能面での注意点として、本機は「マルチポイント接続」には非対応です。
スマホとPCなど、2台のデバイスに同時に接続してシームレスに切り替えることはできません。
接続先を変える場合は、一度元のデバイスのBluetoothを切断するか、手動で再ペアリングする必要があります。
複数のデバイスを頻繁に行き来する使い方を想定している方は、この点を考慮しておくべきでしょう。
TANCHJIM MINOの良い口コミ・評判(メリット)
実際にTANCHJIM MINOを使用しているユーザーからは、どのような点が評価されているのでしょうか。
肯定的な意見や評判を整理すると、以下の3つの大きなメリットが見えてきました。
1万円以下とは思えない繊細でシルキーな高音質
最も多くの賞賛を集めているのは、やはりその音質です。
「この価格でこれほど綺麗なボーカルが聴けるとは思わなかった」「音が柔らかくてずっと聴いていられる」といった声が多く聞かれます。
特に有線イヤホンでTANCHJIMの音を知っているファンからも、ワイヤレスでこのクオリティを再現できている点が高く評価されています。
低価格帯のワイヤレスイヤホンにありがちな「ドンシャリで誤魔化す音」ではなく、基礎体力の高いドライバーによる「質の良い音」を楽しめる点が最大の魅力です。
浅野てんき限定版のシステムボイスと特典が豪華
限定版を購入したユーザーからは、キャラクター要素の作り込みに対する満足度が高いです。
単なるパッケージ違いにとどまらず、システムボイスまで専用に収録されている点は、ファンにとって所有欲を大きく満たすポイントとなっています。
日本語ボイスが選択できる点も親しみやすく、毎回の接続時に癒やされるという感想も多く見られます。
長時間のリスニングでも疲れにくい「フェザーライト」な聴き心地
装着感の良さも高く評価されています。
本体が軽量であることに加え、耳への圧迫感が少ない形状であるため、「着けていることを忘れるくらい快適」という意見があります。
また、聴き疲れしにくい音質傾向と相まって、作業中や移動中など長時間着けっぱなしで音楽を流していても苦にならないという点が、実用上の大きなメリットとして挙げられています。
TANCHJIM MINOの悪い口コミ・購入前の注意点(デメリット)
一方で、購入前に知っておくべきネガティブな側面や注意点も存在します。
これらを許容できるかどうかが、満足度を分ける鍵となるでしょう。
ノイズキャンセリング性能は強力ではない
「ノイズキャンセリングがおまけ程度」「期待していたほど消えない」という口コミも散見されます。
前述の通り、MINOのANCはマイルドな調整であるため、最新のハイエンド機のような「無音空間」を作り出す性能はありません。
あくまで音楽を聴きやすくするための補助機能として捉えておくのが無難です。
強力な遮音性を最優先で求める方にとっては、物足りなく感じる可能性があります。
アプリのインストール手順やファームウェア更新の注意点
アプリ周りの使い勝手については、不満の声がいくつか挙がっています。
特にAndroidユーザーの場合、アプリの導入ハードルが少し高い場合があることや、接続が認識されにくいといった不安定さが指摘されることがあります。
また、過去にはファームウェアのアップデートを行うとゲームモードの設定項目が消えてしまうといった事象も報告されており、ソフトウェア面での完成度は発展途上な部分が見受けられます。
バッテリー持ちは単体5〜6時間と標準的
イヤホン単体での連続再生時間が、ANC使用時で約5時間というのは、現代のTWSとしては「ごく普通」か「やや短め」の部類に入ります。
片道1〜2時間の通勤・通学であれば全く問題ありませんが、半日以上ぶっ通しで使用したいというヘビーユーザーには心許ないスペックです。
こまめにケースに戻して充電する運用が必要になる点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
【結論】TANCHJIM MINOはどんな人におすすめ?
ここまでTANCHJIM MINOの特徴や評判を詳しく解説してきました。
最終的に、このイヤホンはどのようなユーザーに適しているのでしょうか。
おすすめな人:女性ボーカル重視でデザインにも拘りたい方
MINOは、以下のような方に強くおすすめできます。
- 女性ボーカルの曲をメインに聴く方:繊細で透明感のある中高域は、この価格帯では随一のクオリティです。
- デザイン性を重視する方:スケルトンケースやパステルカラーなど、他とは違うおしゃれなイヤホンを持ちたい方に最適です。
- 浅野てんきファンの方:限定版のボイスやグッズは、ファンなら手に入れる価値が十分にあります。
- 聴き疲れしないイヤホンを探している方:優しい音質と軽い装着感で、作業用BGMやリラックスタイムのお供にぴったりです。
おすすめしない人:重低音重視や音ゲーをガチプレイする方
一方で、以下のようなニーズを持つ方には、他の選択肢を検討することをおすすめします。
- 重低音の迫力を最優先する方:EDMやヒップホップなどで、脳を揺らすような低音を求めるなら、他の重低音モデルの方が満足度は高いでしょう。
- 音ゲーを本格的にプレイする方:シビアなタイミング判定が求められるゲームでは、わずかな遅延がストレスになる可能性があります。
- マルチポイント機能が必須の方:複数デバイスを頻繁に切り替える使い方には対応していません。
まとめ:TANCHJIM MINO レビュー解説
TANCHJIM MINOは、1万円以下という手頃な価格ながら、ブランドの哲学である「美しく自然な音」をしっかりと体現した完全ワイヤレスイヤホンです。
多少の機能的な制約はあるものの、それを補って余りある音質の魅力とデザイン性の高さを持っています。
- 有線メーカーならではの、ボーカルが際立つシルキーで高解像度な音質
- おしゃれなスケルトンデザインと、長時間着けても痛くなりにくい軽量な装着感
- 通常版だけでなく、システムボイスや特典が豪華な「浅野てんき限定版」も展開
- LDAC非対応だが、優れたドライバーとチューニングによりSBC/AACでも高音質を実現
- ノイズキャンセリングはマイルドな効き目で、圧迫感が少なく自然な使用感
- 外音取り込み機能は非常に自然で、日常会話もスムーズに行える
- アプリでのEQ設定が充実しており、自分好みの音質にカスタマイズ可能
- Androidアプリの導入や安定性にはやや注意が必要な場合がある
- バッテリー持ちは標準的で、マルチポイント接続には非対応
- 「音質」と「デザイン」を優先し、音楽に浸りたいユーザーにとって有力な選択肢となる
