高齢のご家族にとって、テレビは日々の情報収集や大切な娯楽の時間に欠かせない存在です。
しかし、年齢を重ねると「最近のテレビは操作が難しい」「ニュースやドラマのセリフが聞き取りにくい」といった悩みも増えてきます。
リモコンのボタンが多すぎて混乱したり、音声がこもって聞こえたりすると、せっかくのテレビ時間がストレスになってしまうかもしれません。
この記事では、高齢者向けテレビの失敗しない選び方を解説し、「音が聞き取りやすい」モデルや「リモコン操作が簡単」なモデルを中心におすすめの8機種を厳選してご紹介します。
ご本人や、ご家族へのプレゼントとして最適な一台を見つけるための手助けとなれば幸いです。
高齢者向けテレビで失敗しない選び方5つのポイント
高齢の方が安心して使えるテレビを選ぶためには、画質やサイズだけでなく、操作性や音質に注目することが重要です。
ここでは、失敗しないために押さえておきたい5つのポイントを解説します。
① 操作がシンプルでリモコンが分かりやすいか
最も重視したいのが操作の簡単さです。
最近のテレビは多機能ですが、使わない機能が多いと、かえって混乱の原因になります。
リモコンのボタンが大きく、「電源・チャンネル・音量」といった普段よく使うボタンが分かりやすく配置されている機種が安心です。
また、聴力の低下を補うために「字幕表示」ボタンが押しやすい場所にあるかもチェックしましょう。
② 音声が聞き取りやすい設計か(スピーカー)
年齢とともに、特定の周波数の音が聞き取りにくくなることがあります。
音がこもったり、BGMにセリフがかき消されたりするとストレスになります。
人の声だけを強調する「音声モード」や、AIが自動で音声を調整してくれる機能(REGZAの「クリア音声」など)を搭載したモデルがおすすめです。
テレビ本体のスピーカーだけでは不安な場合は、手元で音が聞ける「ワイヤレススピーカー」の併用も非常に有効です。
③ 字幕機能や文字の大きさに配慮があるか
音声が聞き取りづらい時でも、字幕機能があればニュースやドラマの内容をしっかり把握できます。
字幕が標準搭載されていることはもちろん、リモコンのボタン一つで簡単に表示・非表示を切り替えられるかが大切です。
機種によっては、番組表(EPG)や設定画面の文字サイズを調整できるものもあり、視力の低下に配慮された設計となっています。
④ 画面サイズと画質のバランス
画面サイズは、設置する部屋の広さや視聴距離に合わせて選びます。
高齢者の方には、小さすぎず大きすぎない43インチから55インチ程度のサイズが見やすいと人気があります。
また、4Kや有機ELといった高画質テレビは、コントラスト(明暗の差)がはっきりしているため、テロップなどの文字がくっきりと見やすいというメリットもあります。
⑤ 安全性(転倒防止)と必要な機能
見落としがちなのが安全性です。
特に地震の際などに備え、パナソニックの「転倒防止スタンド」のように、倒れにくい工夫がされているモデルを選ぶと安心です。
また、録画機能をよく使うかどうかもポイントです。
録画予約の操作が不安な方には、REGZAの「タイムシフトマシン」のように、自動で録画してくれる機能があると「録り逃した」というストレスがなくなります。
【音が聞きやすい】高齢者におすすめのテレビ(スピーカー重視)
まずは、ニュースやドラマのセリフがはっきり聞こえる「音の聞きやすさ」に優れたモデルをご紹介します。
REGZA(レグザ) Z770Rシリーズ
「レグザAI快適リスニング」機能を搭載したモデルです。
AIが人の声や音の種類を自動で判別し、聞き取りにくい音声をクリアに再生してくれます。
ニュースのアナウンスやドラマのセリフが自然な音響で楽しめるため、耳が遠く感じ始めた方でもストレスなく視聴できます。
ソニー BRAVIA 7(ブラビア セブン) XR70シリーズ
ソニー独自の「アコースティック マルチ オーディオ」技術により、まるで画面から音が出ているかのような臨場感が特徴です。
ニュースや会話劇の音声もくっきりと聴こえるため、音量を必要以上に上げなくても快適に楽しめます。
耳にやさしい音設計は、高齢者の方に特におすすめです。
パナソニック VIERA(ビエラ) Z95Bシリーズ
「360立体音響サウンドシステム+」を搭載し、部屋全体に音が広がるような体験が可能です。
映画館のような迫力だけでなく、ニュースやドラマの声も聞き取りやすく調整されており、ご家族で同じ音量で楽しめます。
また、独自の「転倒防止スタンド」を採用しており、安全性にも優れています。
【操作が簡単】高齢者におすすめのテレビ(リモコン・シンプル機能)
次に、「機能は多くなくていいから、とにかく簡単に使えるものがいい」という方や、リモコン操作に不安がある方におすすめのモデルです。
REGZA(レグザ) Z970Rシリーズ (タイムシフトマシン)
「録画予約」という操作自体を不要にしてくれる「タイムシフトマシン」搭載モデルです。
指定したチャンネルをまるごと自動で録画し続けるため、後から番組表を見る感覚で見逃した番組を視聴できます。
複雑な予約操作が苦手な方に最適な機能です。
アペックス 32型液晶テレビ (AP3240BJ)
高画質やネット機能よりも「シンプルさ」を追求したモデルです。
必要十分な機能に絞っており、価格も安価なのが魅力です。
付属のリモコンはボタンが大きく、日本語表記で分かりやすい設計になっています。
「字幕」ボタンも独立して配置されており、高齢の方が使うことをよく考えて作られています。
【補足】汎用(はんよう)かんたんリモコンの活用
「テレビ本体は気に入っているが、リモコンだけが使いにくい」というケースも多いです。
その場合、テレビ本体を買い替えるのではなく、「かんたんリモコン」を別途購入するのも賢い選択です。
電源、チャンネル、音量など、日常で使うボタンだけを大きく配置した汎用リモコンが各社から販売されており、今お使いのテレビを格段に使いやすくできます。
持ち運びたい方へ:高齢者向けポータブルテレビのおすすめ
「キッチンで料理をしながら見たい」「寝室に持ち運んで使いたい」という方には、持ち運び可能なポータブルテレビが便利です。
パナソニック「プライベート・ビエラ」UN-10E11
防水(IPX6・IPX7相当)に対応しており、お風呂やキッチンなどの水回りでも安心して使用できるモデルです。
本体やリモコンも水濡れを気にせず使えるため、家事の合間やリラックスタイムのお供に最適です。
パナソニック「プライベート・ビエラ」(UN-19FB10H)
ポータブルタイプとしては大きめの19インチ画面を搭載したモデルです。
画面が大きいだけでなく、付属リモコンのボタンも大きく押しやすい設計になっています。
チューナー部をアンテナ線につなげば、本体は家の中の好きな場所へ持ち運んで視聴できます。
高齢者向けテレビのよくある質問(Q&A)
最後に、高齢者向けテレビに関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 高齢者にはどんなサイズのテレビが適していますか?
A. 設置する部屋の広さや視聴距離にもよりますが、一般的には43インチから50インチ前後が最も見やすく人気があります。
目が悪くなってきた方には、ある程度大きな画面のほうが見やすいですが、大きすぎると圧迫感や目の疲れにつながることもあるため、バランスを考えて選びましょう。
Q. テレビでゲームをしたい「老人 テレビ ゲーム おすすめ」は?
A. テレビでゲーム(老人 テレビ ゲーム おすすめ)を楽しみたい場合は、映像の遅延を抑える「ゲームモード」が搭載されたモデルを選びましょう。
本格的なアクションゲームでなければ、REGZA Z770Rシリーズやソニー BRAVIA 7 XR70シリーズなど、今回ご紹介した高画質なモデルであれば、美しい映像でゲームを楽しむことが可能です。
Q. 「認知症のおすすめテレビ」や注意点はありますか?
A. テレビ視聴と認知症について、いくつかの注意点があります。
長時間のテレビ視聴は、情報を一方的に受け取る「受け身」の状態になりがちで、運動不足にもつながる可能性があります。
認知症の予防や進行を遅らせるためには、テレビを見た後に「あの番組は面白かったね」「昔はこうだった」など、内容についてご家族や友人と話す(アウトプットする)ことが、脳の良い運動になります。
また、操作が複雑なテレビは混乱の原因にもなるため、機能がシンプルなモデルや、前述の「かんたんリモコン」を活用するのがおすすめです。
まとめ
高齢者向けのテレビを選ぶ際は、最新の画質や機能だけでなく、「操作が簡単か(リモコン)」「音が聞きやすいか(スピーカー)」「字幕が見やすいか」という3つのポイントを重視することが大切です。
音にこだわるならREGZAやソニー、パナソニックの高機能モデル、シンプルさを求めるならアペックスのような機種、場所を選ばず使いたいならプライベート・ビエラがおすすめです。
この記事で紹介した選び方やおすすめモデルを参考に、ご本人やご家族が毎日を楽しく過ごせる、最適な一台を見つけてください。

