テレビの買い替えを検討しているものの、液晶、有機EL、Mini LEDといった種類の違いや、メーカーごとの特徴が複雑で、どのモデルを選べば良いか迷っていませんか。
「アメトーーク!」の家電芸人のように、専門知識を持つ人のおすすめするテレビが知りたい、と考える方は多いでしょう。
しかし、2024年に放送された「家電芸人」の回(7月11日、12月30日)では、実はテレビ本体の紹介はありませんでした。
そこでこの記事では、家電量販店での勤務経験を持ち、現在Youtuberとしても活躍する吉本興業の芸人・市川義一さんの詳細な解説動画を基に、2025年の最新テレビトレンドと、主要メーカー7社の特徴を徹底的に解説します。
家電芸人・市川義一さんが解説する2025年テレビ4大トレンドを紹介
市川さんによると、現在主流のテレビディスプレイは大きく4種類に分けられます。
それぞれの特徴を理解することが、最適な一台を選ぶための第一歩となります。
1. 液晶テレビ(従来型)
バックライト(LED)の光を液晶フィルターで制御して映像を映す、最もスタンダードなタイプです。
技術が成熟しているため、小型から大型までサイズが豊富で、コストパフォーマンスに優れています。
市川さんも「今1番コスパがよく手に入る」と解説しており、予算を抑えたい場合の基本の選択肢となります。
2. Mini LED(ミニLED)テレビ
液晶テレビの進化系です。
従来のLEDバックライトを約1/100サイズまで極小化し、高密度に敷き詰めた技術です。
バックライトをより細かく制御できるため、液晶テレビの弱点だった「黒の表現力」が飛躍的に向上し、有機ELに近い高いコントラスト(明暗差)を実現します。
市川さんによれば、現在の主流はこのMini LEDになりつつあり、各メーカーが力を入れている分野です。
3. 有機ELテレビ
画素(ピクセル)一つひとつが自ら光る「自発光ダイオード」を使用したテレビです。
バックライトが不要なため、市川さんが「小指の爪よりも薄い」と表現するほどの圧倒的な薄型化が可能で、壁掛けにも適しています。
黒を表現する際は画素を「オフ」にできるため、完全な黒を映し出すことができ、応答速度も非常に速いのが特徴です。
4. QD-OLED(量子ドット有機EL)
有機ELに「量子ドット(Quantum Dot)」技術を組み合わせた、最新かつ最上位のパネルです。
光を制御し、より狭い範囲から濃い色を出す技術により、従来の有機ELをさらに超える鮮やかさと色の純度を実現しています。
市川さんによれば、ソニーやシャープの一部最上位モデルに採用されており、最高画質を求める方向けの技術です。
テレビ選びの基本用語(押さえておきたいチェックポイント)
パネルの種類以外にも、選ぶ際に知っておくべき基本用語がいくつかあります。
- パネル方式 (VA / IPS):液晶テレビの駆動方式です。VA方式はコントラストが高く黒が綺麗ですが、視野角が狭い(斜めから見ると白っぽくなる)傾向があります。IPS方式は視野角が広く、斜めから見ても色の変化が少ないですが、VAに比べるとコントラストが低めです。
- 解像度 (4K / 8K):画素の数を示します。フルHD(約207万画素)に対し、4K(約829万画素)、8K(約3317万画素)と、それぞれ4倍ずつ画素数が増えます。ただし、市川さんが指摘するように、画素数が多くてもテレビのインチ(画面サイズ)が小さいと、その細かさを実感しにくいため、サイズに応じた解像度選びが重要です。
- チューナー数:同時に受信できる放送波の数です。例えばチューナー数が「3」の場合、「1つを視聴」しながら、同時に「2番組を録画(裏録)」できます。「1」の場合は視聴している番組しか録画できません。
- HDR (ハイダイナミックレンジ):肉眼で見る景色に近い、自然な明暗や色彩を表現する技術です。現在の4Kテレビのほとんどが対応しています。
- 倍速機能:動きの速い映像(スポーツなど)を滑らかに表示する機能です。コマ数を倍にして残像感を減らします。
- OS (基本ソフト):ネット動画の使い勝手を左右します。Android TV / Google TV(ソニー、シャープなど)はアプリ追加が自由でスマホに近く、webOS(LG)は海外アプリに強い、VIDAA(ハイセンス)は操作がシンプル、といった特徴があります。
【メーカー別】主要7社の特徴とおすすめ
国内で人気の主要テレビメーカー7社の特徴をまとめました。
ソニー (BRAVIA) – 映像と音響の専門家
「黒物家電」の分野で抜群の人気を誇るメーカーです。
市川さんによれば、ソニーは映像と音響(プレステ除く)に特化している専門集団であり、大型テレビではトップレベルの販売実績があります。
人の認知特性(どのように世界を見ているか)を取り入れたプロセッサー「XR」が特徴で、臨場感と没入感は随一です。
有機ELモデルでは画面自体を振動させて音を出す技術、液晶モデルでは複数のスピーカーで音の定位感を高める技術など、音響にも強いこだわりがあります。
映画監督が使うマスターモニターに近い画質を家庭で楽しめるモデルもあり、映画やライブ映像を重視する人におすすめです。
パナソニック (VIERA) – 信頼のブランドとAI画質
総合家電メーカーとしての信頼感が強いメーカーです。
市川さんによると、ポータブルテレビや防水テレビなど、ライフスタイルに合わせた多様な製品ラインナップも特徴です。
独自の「オートAI画質」機能が優秀で、AIが放送や映画といったシーンを自動で判別し、常に最適な画質に補正してくれます。
また、「ゲームモードエクストリーム」など、4K120Hz入力や高速処理に対応したゲーム向け機能も充実しています。
シャープ (AQUOS) – 液晶とMini LEDの雄
「液晶のアクオス」として長年高い評判を得てきたメーカーです。
市川さんのおすすめは、やはりMini LED(アクティブmini LED駆動)モデルです。
Mini LEDを緻密に制御し、液晶でありながら高いコントラストと色の再現性を実現しています。
また、光の反射を抑える「N-Blackパネル」を採用しているモデルも多く、日光が差し込む明るいリビングでの視聴に強いのがシャープの特徴です。
TCL – 圧倒的コストパフォーマンス
中国の総合メーカーで、世界トップクラスのシェアを誇ります。
市川さんが指摘する最大の特徴は、その圧倒的なコストパフォーマンスです。
他社であれば30万円を超えるようなMini LEDや量子ドットを搭載したハイスペックモデルが、10万円以上安く購入できる場合があります。
映像エンジンも進化しており、「とにかく安く、大きくて綺麗なテレビが欲しい」というニーズに最適です。
LG – 有機ELの本家・最先端技術
世界で初めて大型有機ELテレビの開発に成功した韓国のメーカーです。
市川さんによれば、LGは有機ELパネルを自社生産しており、日本の多くのメーカー(ソニー、パナソニック、レグザ、シャープ)にもパネルを供給している「本家」です。
そのため、自社製品の有機ELテレビは他社より安価な傾向があります。
AIによる映像・音声の自動最適化機能も搭載し、薄さは小指の爪よりも薄いモデルもあるなど、最先端の技術力が魅力です。
ハイセンス – レグザの技術を継承したコスパ機
こちらも中国の総合メーカーですが、2018年に東芝のテレビ事業(現在のTVS REGZA)を買収し、傘下に収めたことで大きく進化しました。
市川さんも、レグザ譲りの画質の良さとコストパフォーマンスの高さを評価しています。
同クラスの他社製品より安価でありながら、メーカー保証が標準で3年付いている点も安心材料です。
独自のOS「VIDAA」は操作がシンプルで、複雑な操作が苦手な人にも見やすいとされています。
TVS REGZA (レグザ) – 独自の映像エンジンと「タイムシフトマシン」
1960年に日本で初めてカラーテレビを発売した東芝の流れを汲むメーカーです。
市川さんが「今一番売れている」と評するのがこのレグザです。
最大の武器は、独自の映像処理エンジン「レグザエンジン」と、録画機能「タイムシフトマシン」です。
タイムシフトマシンは、別売りの対応HDDを接続することで、最大6チャンネルの地デジ番組を常時録画し続ける機能。
これにより、テレビ番組の「見逃し」という概念がなくなります。
Mini LEDモデル(Z970Mシリーズなど)の画質も非常に高く、AIが背景と被写体を識別して立体感を出す技術や、肌を美しく見せる「美肌AIフェイストーン」など、映像処理技術に強みがあります。
PS5に最適なゲーム用4Kテレビ
PS5の性能をフルに引き出すための「ゲーミングテレビ」についても詳しく解説していきます。
PS5は、HDMI 2.1規格に対応し、4K解像度で120Hz(1秒間に120コマ)の滑らかな映像や、カクつきを抑えるVRR(可変リフレッシュレート)に対応しています。
これらの性能を活かすには、テレビ側も対応している必要があります。
結論:PS5用テレビの選び方
PS5用テレビを選ぶ際の結論として以下の選び方を推奨します。
- コスパで選ぶなら:ハイセンス U6R量子ドット技術による高画質と144Hzのリフレッシュレートに対応しながら、価格が抑えられているため、コストパフォーマンスが最高クラスです。
- 暗室で遊ぶなら(画質重視):LG B4有機ELパネルを搭載し、完璧な黒と残像のないクリアな映像が魅力です。暗い部屋でゲームに没入したいなら最高の選択肢です。HDMI 2.1端子を4つ搭載している点も他社より優れています。
- 迷ったら(安心の国内メーカー):レグザ Z670R または シャープ GN2どちらも日本のテレビ市場で高いシェアを持つメーカーの信頼できるモデルです。144Hz(レグザ)や120Hz(シャープ)に対応し、ゲームモードも充実しています。
- ブランド志向(高性能・高価格):ソニー BRAVIA 5 XR50 または パナソニック W90BソニーはMini LEDを搭載し、PS5との公式連携機能(オートHDRトーンマッピングなど)が強みです。パナソニックはFire TV OSを搭載し、144Hzに対応します。どちらも高性能ですが、価格は高めになります。
注目モデルスペック比較
| 機種名 | パネル | 量子ドット | リフレッシュレート |
| ハイセンス U6R | 液晶 | 対応 | 144Hz |
| LG B4 | 有機EL | 非対応 | 120Hz |
| レグザ Z670R | 液晶 | 非対応 | 144Hz |
| シャープ GN2 | 液晶 | 非対応 | 120Hz |
| ソニー XR50 | 液晶 (Mini LED) | 非対応 | 120Hz |
| パナ W90B | 液晶 | 非対応 | 144Hz |
アメトーーク!「家電芸人」近年の放送情報
近年の「アメトーーク!」家電芸人回でのテレビの扱いは以下のようになっています。
- 2024年(7月11日、12月30日放送回):この年は、掃除機、脱臭機、トースター、ヒーターなどが中心で、テレビ本体の紹介はありませんでした。
- 2023年5月放送回:この回では、パナソニックの当時の最上位機種「パナソニック 4K有機ELテレビ TH-65LZ2000」が紹介されました。このモデルは、テレビ本体に上向き・横向きのスピーカーを搭載し、単体で立体音響(ドルビーアトモス)を実現する「360立体音響サウンドシステム」が特徴でした。
この傾向から、番組では「画質」だけでなく、「音響」など分かりやすい付加価値を持つハイエンドモデルが取り上げられやすいことがわかります。
まとめ
この記事では、吉本興業の家電芸人・市川義一さんの詳細な解説を基に、2025年の最新テレビトレンドとメーカー別の選び方をまとめました。
市川さんのような専門家は、単に「家電芸人おすすめ」と括るのではなく、「Mini LED」や「有機EL」といった最新技術や、各社の「映像エンジン」「タイムシフトマシン」のような独自機能、さらには「PS5との相性」まで、利用シーンに合わせて細かく分析しています。
テレビ選びは、まずご自身の視聴スタイル(映画、スポーツ、ゲーム、録画)を明確にすることがスタートです。
この記事で解説したメーカーごとの強み(例:画質のソニー、録画のレグザ、コスパのハイセンス、有機ELのLG)を参考に、ご自身の予算とライフスタイルに最適な一台を見つけてください。
