液晶テレビの購入を検討しているものの、種類が多すぎてどれを選べば良いか迷っていませんか。
有機ELテレビとの画質の違いや、最近よく聞く「ミニLED」「量子ドット」といった新しい技術について、詳しく知りたい方も多いでしょう。
この記事では、液晶テレビと有機ELテレビの基本的な違いから、最新の高画質技術、後悔しないための選び方のポイントまで徹底解説します。
さらに、主要メーカーの特徴を比較し、厳選したおすすめの液晶テレビをランキング形式で15機種ご紹介します。
この記事を読めば、あなたの視聴スタイルや予算に最適な一台がきっと見つかります。
そもそも液晶テレビとは?有機ELとの違いを解説
テレビ選びの最初の分かれ道が、「液晶」と「有機EL」のどちらを選ぶかです。
この二つのディスプレイは、映像を映し出す仕組みが根本的に異なります。
液晶テレビは、画面の裏側にある「バックライト」の光を、液晶パネルで制御することで映像を表示します。
一方、有機ELテレビは、画素一つひとつが自ら発光するため、バックライトが必要ありません。
この仕組みの違いが、画質や価格、消費電力などにさまざまな影響を与えます。
| 比較項目 | 液晶テレビ | 有機ELテレビ |
|---|---|---|
| 明るさ | ◎(バックライトで高輝度) | 〇 |
| コントラスト | 〇 | ◎(完全な黒を表現可能) |
| 視野角 | △~〇(方式による) | ◎(斜めからでも綺麗) |
| 応答速度 | 〇 | ◎(動きの速い映像に強い) |
| 寿命/焼き付き | 〇(焼き付きにくい) | △(焼き付きのリスクあり) |
| 価格 | ◎(比較的安価) | △(高価な傾向) |
| 消費電力 | ◎(比較的少ない) | 〇 |
| 得意な環境 | 明るいリビング | 照明を落とした部屋 |
簡単にまとめると、液晶テレビは明るいリビングでの視聴に強く、サイズや価格帯の選択肢が豊富なためコストパフォーマンスに優れています。
対して有機ELテレビは、引き締まった黒の表現力が高く、映画館のような没入感を求める方に最適な選択肢といえるでしょう。
液晶テレビの最新トレンド!「ミニLED」「量子ドット」とは?
かつては有機ELに画質で一歩譲るとされていた液晶テレビですが、技術の進化は止まりません。
近年登場した「ミニLED」と「量子ドット」という2つの技術により、液晶テレビの画質は飛躍的に向上しています。
ミニLEDテレビ:液晶の弱点「黒」を克服した高画質モデル
ミニLEDテレビは、バックライトに従来よりもはるかに小さいLEDを高密度に敷き詰めた液晶テレビです。
LEDをより細かくエリアに分けて点灯・消灯を制御できるため、液晶テレビが苦手としていた「黒」の表現力が大幅に向上しました。
これにより、夜景のシーンでは星のまたたきと漆黒の夜空のコントラストが際立ち、有機ELに迫るほどの高画質を実現しています。
明るい映像表現は液晶の得意分野なので、まさに液晶と有機ELの「いいとこ取り」ともいえる技術です。
量子ドットテレビ:より鮮やかで豊かな色彩表現が可能に
量子ドットテレビは、バックライトの光を「量子ドットシート」に通すことで、色の純度を高め、より広範囲な色を表現できる液晶テレビです。
特に緑や赤の表現力に優れており、自然の風景や人物の肌などを、より現実に近い鮮やかな色彩で映し出します。
これらの高画質技術を搭載したモデルが増えたことで、液晶テレビは単なる「コスパの良い選択肢」から、「画質にもこだわれる選択肢」へと進化を遂げています。
後悔しない液晶テレビの選び方6つのポイント
数ある液晶テレビの中から最適な一台を見つけるために、押さえておきたい6つの選び方のポイントをご紹介します。
① 部屋の広さと視聴距離に合った「画面サイズ」
テレビのサイズは、設置する部屋の広さと、テレビから視聴位置までの距離を基準に選ぶのが基本です。
一般的に、4Kテレビの場合、快適な視聴距離の目安は「画面の高さ×1.5倍」とされています。
| 部屋の広さ | おすすめの画面サイズ |
|---|---|
| ~6畳 | 32~43V型 |
| 8畳前後 | 40~55V型 |
| 10畳以上 | 55V型以上 |
最近のテレビはフレーム(ベゼル)が非常にスリムになっているため、同じ設置スペースでも一昔前のテレビより大きな画面サイズのモデルを置けることがよくあります。
買い替えの場合は、今使っているテレビの外寸よりも大きいモデルを選ぶと、サイズアップを実感しやすいでしょう。
② 主要メーカーの特徴で選ぶ
テレビ選びでは、メーカーごとの特徴を知ることも重要です。
各社が独自の映像エンジンや機能でしのぎを削っており、得意分野が異なります。
| メーカー | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| REGZA(レグザ) | 高画質エンジンと豊富な録画機能(タイムシフトマシン)が強み。ゲームモードも人気。 | テレビ番組をとことん楽しみたい人、ゲームをする人 |
| SHARP(シャープ) | 映り込みを抑えるパネル技術と、聞き取りやすい音質に定評あり。2画面機能も便利。 | 明るいリビングで見る人、ながら見をしたい人 |
| SONY(ソニー) | 映像と音の一体感、ネット動画の快適な操作性が魅力。映画専用モードも搭載。 | 映画やネット動画を高画質・高音質で楽しみたい人 |
| Panasonic(パナソニック) | 自然な色再現と安定した品質。転倒防止スタンドなど安心設計も特徴。Fire TV搭載モデルも。 | 誰でも使いやすい安心のモデルを求める家族 |
| Hisense(ハイセンス) | 高いコストパフォーマンスが最大の魅力。3年間の長期保証も安心材料。 | 予算を抑えつつ大画面や高機能モデルが欲しい人 |
| TCL(ティーシーエル) | 世界的な大手メーカーでコスパに優れる。Google TV搭載でスマート機能も充実。 | コスパ重視でネット動画を中心に楽しみたい人 |
| LG(エルジー) | 有機ELパネルの世界的なメーカー。液晶でも視野角の広いIPSパネル採用モデルが多い。 | 家族など複数人で斜めから見る機会が多い人 |
2024年の国内テレビ市場シェアでは、1位レグザ、2位シャープ、3位ハイセンスとなっており、機能性と価格のバランスに優れたメーカーが人気を集めています。
③ 映像美を左右する「パネル」と「映像エンジン」
液晶パネルには、主に「VA方式」と「IPS方式」の2種類があります。
VA方式はコントラストが高く、黒が引き締まった映像が得意ですが、斜めから見ると色が変わって見えやすいという弱点があります。
一方、IPS方式は視野角が広く、どこから見ても色の変化が少ないのが特長ですが、コントラストではVA方式に一歩譲ります。
また、画質の心臓部といえるのが「映像エンジン」です。
地上デジタル放送やネット動画など、元の映像の解像度が低い場合でも、映像エンジンが高精細に補正(アップコンバート)してくれます。
この映像エンジンの性能が、各メーカーの腕の見せ所です。
④ ネット動画を楽しむなら「スマート機能」
今やテレビでYouTubeやNetflixなどの動画配信サービス(VOD)を観るのは当たり前になりました。
これらのサービスを利用するには、インターネットに接続できる「スマートテレビ」である必要があります。
搭載されているOSによって操作性が異なり、特に「Google TV」や「Fire TV」は、スマホのようにアプリを追加できたり、複数のサービスを横断してコンテンツを検索できたりと、使い勝手に優れています。
リモコンに動画配信サービスのダイレクトボタンがあると、さらに快適に操作できます。
⑤ 録画機能やゲーム対応もチェック
見たい番組を録画したい場合、ほとんどのテレビは外付けのUSBハードディスク(HDD)を接続することで対応可能です。
複数の番組を同時に録画したり、番組を見ながら別の番組を録画(裏番組録画)したりするには、搭載されている「チューナー」の数が重要になります。
また、PlayStation®5などの最新ゲーム機を最高のパフォーマンスで楽しみたいなら、「HDMI2.1」規格に対応しているかを確認しましょう。
「4K/120fps」「VRR」「ALLM」といった機能に対応していれば、より滑らかで遅延の少ない映像でゲームをプレイできます。
⑥ 臨場感を高める「音質」
薄型テレビはスピーカーを搭載するスペースが限られるため、音質が弱点とされがちでしたが、近年は各社とも音質向上に力を入れています。
映画館のような立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」に対応したモデルや、画面自体を振動させて映像と音を一体化させるソニーの技術など、様々な工夫が凝rasaれています。
音の聞こえ方は言葉で表現するのが難しいため、可能であれば実際に店舗で聞き比べてみることをおすすめします。
【2025年】液晶テレビおすすめランキング15選
ここからは、テレビのプロの視点も踏まえ、厳選したおすすめの液晶テレビをランキング形式でご紹介します。
ミニLEDや量子ドットを搭載した高画質モデルから、コスパに優れたモデルまで幅広くピックアップしました。
1位:REGZA 65Z970R
液晶テレビの最高峰を求めるなら、このレグザのフラッグシップモデルが筆頭候補です。
Mini LEDと量子ドット技術により、有機ELに迫る黒の締まりと、液晶ならではの明るく色彩豊かな映像を両立しています。
映り込みが非常に少ないARコートと広視野角シートも採用しており、どこから見ても美しい映像を楽しめます。
さらに、テレビ単体とは思えない最大150Wの迫力あるサウンド、地デジ自動録画機能「タイムシフトマシン」、AI音声操作など、機能面に死角はありません。
2位:SONY BRAVIA 9 K-65XR90
ソニーの本気が詰まった、現状の液晶テレビ市場でトップクラスの性能を誇るモデルです。
新開発のLEDドライバーによる緻密なバックライト制御は、有機ELと遜色ないほどのコントラストを実現しています。
壁や天井に音を反射させる「ビームツイーター」を搭載し、立体感のあるサウンドを楽しめるのも大きな特徴です。
価格も最高クラスですが、液晶テレビで到達できる極限の画質を求める方におすすめします。
3位:REGZA 55Z875R
画質・音質・使い勝手の三拍子が揃った、現在のミニLED液晶テレビにおける最もバランスの取れた売れ筋モデルです。
上位機種譲りの高画質と高音質に加え、最大6チャンネルを自動録画できる「タイムシフトマシン」が最大の魅力。
さらに、テレビに話しかけて番組を探したり、2つの画面を同時に表示したりできるAI機能も搭載し、テレビの楽しみ方を広げてくれます。
どのモデルにすべきか迷ったら、まずこの一台を基準に考えると良いでしょう。
4位:SONY BRAVIA 7 K-55XR70
ソニーらしい自然で美しい映像を求める方におすすめのミニLED搭載モデルです。
量子ドット技術を採用し、人肌や風景などをリアルな色彩で表現します。
Google TV搭載によるネット動画の快適な操作性も魅力。
スタンドの組み立て方が4パターンあり、サウンドバーをすっきりと設置できるデザイン性の高さもソニーならではです。
5位:Hisense 55U8R
「高画質なミニLEDテレビが欲しい、でも予算は抑えたい」という方に最適な、コストパフォーマンス最強の一台です。
ミニLED、量子ドット、低反射広視野角パネルといった上位モデルに匹敵するスペックを備えながら、驚異的な低価格を実現しています。
AIによる自動画質調整も優秀で、難しい設定なしで様々なコンテンツを最適な画質で楽しむことが可能です。
6位:SHARP AQUOS HP1シリーズ 4T-C55HP1
明るく色彩豊かな「味付けしっかり目」の画質が特徴的なシャープのモデルです。
ドラマやバラエティ番組では、出演者の血色が良く、生き生きとした映像を楽しめます。
音質もはっきりとして聞き取りやすく、年配の方からも好評です。
録画番組と放送中の番組を同時に表示できる独自の2画面機能も便利で、テレビを隅々まで楽しみたい方におすすめです。
7位:Panasonic VIERA W95Bシリーズ TV-55W95B
Amazonと共同開発した「Fire TV OS」を搭載し、ネット動画の検索や操作が非常にスムーズなモデルです。
量子ドットは非搭載ながら、独自のバックライト制御技術で自然な色合いを表現しています。
また、地震の揺れでも倒れにくい独自の「転倒防止スタンド」を採用しており、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して設置できます。
8位:REGZA 50Z670R
Mini LED非搭載の液晶テレビの中では、トップクラスの画質を誇る高コスパモデルです。
全面直下型LEDバックライトと高性能な映像エンジン「レグザエンジンZR」により、従来の液晶テレビとは思えないメリハリのある映像を実現。
倍速機能も搭載しているため、動きの速いスポーツ観戦やゲームにも最適です。
9位:TCL 55Q6C
ハイセンスと並び、高いコストパフォーマンスで世界的にシェアを伸ばしているTCLのミニLEDモデルです。
量子ドット技術も採用しており、価格を抑えながらも鮮やかな色彩表現が楽しめます。
OSにはGoogle TVを搭載しているため、スマートテレビとしての機能性やアプリの豊富さも国内メーカーに見劣りしません。
10位:REGZA 55Z770R
レグザのミニLEDテレビを手頃な価格で体験したい方におすすめのスタンダードモデルです。
人気の「タイムシフトマシン」は非搭載ですが、ミニLEDによる高画質とレグザの優れたAIエンジンはしっかりと受け継いでいます。
スタンドの高さを調整できるため、サウンドバーを設置しやすいのも嬉しいポイントです。
11位:SHARP AQUOS 4T-C50FL1
国内メーカーの高コスパモデルとして安定した人気を誇るのが、シャープAQUOSのFL1ラインです。
AIが映像のノイズを低減しつつ、被写体の質感を向上させる画像処理エンジン「Medalist S4」を搭載。
Google TVによる快適な操作性も備えており、バランスの取れた一台です。
12位:Hisense 65U9R
ハイセンスのミニLED技術を結集した、国内市場向けの最上位モデルです。
主力モデルの「U8R」をさらに上回る緻密なバックライト制御と高い輝度で、圧倒的な映像美を追求しています。
価格は上がりますが、海外トップメーカーのフラッグシップモデルが持つ実力を体感したい方におすすめです。
13位:Hisense 32A4N
寝室用のセカンドテレビや、一人暮らしのメインテレビとして絶大な人気を誇る32インチモデルです。
フルHD解像度ながら、ネット動画視聴に特化したスマートテレビ機能を搭載し、価格は非常に安価。
地デジはあまり見ず、YouTubeやNetflixなどの視聴が中心という方には最適な一台です。
14位:REGZA 40V35N
40インチという絶妙なサイズで、ネット動画もテレビ録画もしっかり楽しみたい方におすすめの高コスパモデルです。
フルHDながら高画質エンジン「レグザエンジンHR」を搭載し、ノイズの少ないクリアな映像が楽しめます。
2チューナー搭載で裏番組録画にも対応しており、非常に実用性が高い一台です。
15位:iFFALCON 55U85
TCLが展開するブランド「iFFALCON」のミニLEDテレビで、2025年のダークホース的な存在です。
ミニLEDと量子ドットを搭載しながら、従来の液晶テレビと変わらない価格帯を実現しています。
価格を最優先で高画質技術を体験してみたいという、チャレンジングな方におすすめのモデルです。
壊れやすい液晶テレビメーカーはある?故障を避けるポイント
「特定のメーカーのテレビは壊れやすい」といった噂を聞くことがありますが、一概に「このメーカーだから壊れやすい」と断言することは困難です。
実際には、メーカーそのものよりも、製品の選び方や使い方、個体差が故障の要因となるケースが多くあります。
例えば、相場より極端に安い無名メーカーの製品は、品質管理やサポート体制に不安がある場合があります。
また、HDDやブルーレイが内蔵された多機能モデルは、構造が複雑な分、故障のリスクが高まる傾向にあります。
近年、急速にシェアを伸ばしているハイセンスやTCLといった海外メーカーについては、品質が飛躍的に向上しています。
特にハイセンスは東芝の映像事業を買収したことで技術力を高め、標準で3年のメーカー保証を付けるなど、サポート面でも安心感が増しています。
故障を避けるためには、メーカーの評判だけでなく、保証期間の長さやサポート体制、購入者のレビューをしっかりと確認することが重要です。
また、直射日光が当たる場所や湿気の多い場所を避けて設置するなど、テレビに負担をかけない使い方も長持ちさせる秘訣です。
まとめ
本記事では、2025年最新のおすすめ液晶テレビをランキング形式でご紹介するとともに、有機ELとの違いや選び方のポイントを詳しく解説しました。
液晶テレビは技術の進化により、ミニLEDや量子ドットといった技術で有機ELに迫る高画質を実現しつつ、コストパフォーマンスの高さという大きなメリットを維持しています。
テレビ選びで大切なのは、ご自身の視聴スタイルや部屋の環境、予算に合わせて、必要な機能や性能を見極めることです。
今回ご紹介した選び方のポイントやおすすめランキングを参考に、あなたにとって最高のエンターテインメント体験を提供してくれる一台を見つけてください。
