Windowsの標準機能だけでは物足りない、もっと作業を効率化したいと感じたことはありませんか。
Microsoft公式が提供する「PowerToys」は、そうしたWindowsユーザーの生産性を劇的に向上させるための無料ツール群です。
しかし、多機能であるがゆえに「どんな便利機能があるのかわからない」「使い方が難しいのでは?」と導入をためらっている方もいるかもしれません。
この記事では、PowerToysの全機能一覧から、具体的な使い方、おすすめの便利機能、さらには導入時の注意点まで、2025年の最新情報に基づき網羅的に解説します。
Microsoft PowerToysとは? Windowsを最強にする公式無料ツール
PowerToysで何ができる? 導入メリットを分かりやすく解説
Microsoft PowerToysとは、Windows 10およびWindows 11のパワーユーザー向けに、Microsoft自身が開発・提供している無料のユーティリティソフトウェア群です。
導入する最大のメリットは、Windowsの標準機能にはない、かゆいところに手が届く多彩な「便利機能」を追加できる点にあります。
例えば、ウィンドウのレイアウトを細かくカスタマイズしたり、画像内の文字をコピーしたり、複数のファイル名を一括で変更したりするなど、日々のPC作業の生産性を大幅に向上させる機能が揃っています。
PowerToysの危険性やデメリットは? インストールしても安全?
PowerToysはMicrosoftが公式に開発し、オープンソースで公開しているツールであるため、危険性は極めて低いと言えます。
安心してインストールして問題ありません。
ただし、いくつかのデメリットや注意点も存在します。
第一に、常駐型(バックグラウンドで常に動作する)のツールが多いため、PCのメモリやCPUリソースをわずかながら消費します。
第二に、機能が非常に豊富なため、全ての機能を使いこなすには時間がかかる場合があります。
また、一部の機能は開発者やデザイナー向けであり、一般のユーザーにはなじみが薄いものも含まれています。
「便利だけどいらない」は本当? どんな人におすすめ?
「PowerToysはいらない」という意見は、主にWindowsの標準機能だけで満足している方や、PCのリソース消費を極限まで抑えたい方から聞かれることがあります。
確かに、PCの基本的な操作しか行わないのであれば、必須のツールではありません。
しかし、以下のような方にはPowerToysの導入を強くおすすめします。
- 複数のウィンドウを同時に開いて作業することが多い方
 - ファイル操作(リネームやリサイズ)を頻繁に行う方
 - デザイナーや開発者で、色の取得やホストファイルの編集が必要な方
 - PC作業全般の効率を少しでも上げたいと考えているすべての方
 
PowerToysのダウンロードとインストール方法【日本語対応】
Microsoft Storeから入手する一番簡単な手順
PowerToysは日本語に完全対応しており、最も簡単で安全なインストール方法はMicrosoft Storeを利用することです。
- スタートメニューから「Microsoft Store」を起動します。
 - 検索バーで「PowerToys」と入力し、検索します。
 - 検索結果に表示された「Microsoft PowerToys」を選択し、「入手」または「インストール」ボタンをクリックします。
 - ダウンロードとインストールが自動的に完了します。
 
GitHubから最新版をダウンロードする方法
常に最新の機能やプレビュー版を試したい場合は、開発元であるGitHubから直接ダウンロードすることも可能です。
- WebブラウザでPowerToysの公式GitHubリリースページにアクセスします。
 - 最新バージョンの「Assets」セクションにある「PowerToysSetup-(バージョン)-x64.exe」のようなインストーラーファイルをクリックしてダウンロードします。
 - ダウンロードした 
.exeファイルを実行し、画面の指示に従ってインストールを完了させます。 
インストール後の初期設定と基本的な使い方(ダッシュボード)
インストールが完了すると、PowerToysは自動的に起動し、Windowsのタスクトレイ(画面右下のアイコン領域)に常駐します。
基本的な使い方は、このタスクトレイにあるPowerToysアイコンを右クリック(または左クリック)して「設定」を選ぶだけです。
これにより「PowerToys ダッシュボード(設定画面)」が開きます。
このダッシュボードでは、PowerToysに含まれる全ての機能が一覧表示されており、個別にオン・オフを切り替えたり、各機能の詳細な設定(ショートカットキーの変更など)を行ったりすることができます。
【2025年最新】PowerToys 全機能一覧(カテゴリ別ガイド)
PowerToysには多岐にわたる機能が搭載されています。
ここでは主要な機能をカテゴリ別に分類し、一覧で紹介します。
ウィンドウ管理系(Always On Top, FancyZones, トリミングとロック)
- Always On Top (常に手前に表示): 指定したウィンドウを、他のどのウィンドウよりも常に最前面に固定します。
 - FancyZones (ファンシーゾーン): 画面を複雑なレイアウトに事前分割し、ウィンドウをドラッグするだけで指定のゾーンにスナップ配置できます。
 - トリミングとロック: ウィンドウの一部分だけを切り抜いて、独立した小さなウィンドウとして表示・操作できるようにします。
 
ファイル操作系(PowerRename, Image Resizer, File Locksmith, プレビュー)
- PowerRename (パワーリネーム): 複数のファイルやフォルダの名前を、検索・置換や正規表現を用いて一括で変更できます。
 - Image Resizer (イメージリサイザー): 画像ファイルを右クリックするだけで、定義済みのサイズ(大・中・小など)やカスタムサイズに一括リサイズします。
 - File Locksmith (ファイルロックスミス): 「別のプログラムが使用中」で削除や移動ができないファイルが、どのプロセスによってロックされているかを特定します。
 - プレビュー (File Explorer add-ons): エクスプローラーのプレビューウィンドウで、SVG画像やMarkdownファイル、PDFなど、標準では表示できないファイルの中身を確認できるようにします。
 
入力・コピペ支援系(PowerToys Run, Text Extractor, プレーンテキストとして貼り付け)
- PowerToys Run (ラン): 高機能なランチャーを起動し、アプリの検索・起動、ファイル検索、計算、Web検索などを素早く実行します。
 - Text Extractor (テキストエクストラクター): 画面上のあらゆる場所(画像、動画、アプリ内)からテキストをOCR(光学文字認識)で抽出し、クリップボードにコピーします。
 - プレーンテキストとして貼り付け (Advanced Paste): コピーしたテキストの書式(太字、色、リンクなど)を全て除去し、純粋なテキスト情報(プレーンテキスト)として貼り付けます。
 
マウス・キーボード系(マウス ユーティリティ, Keyboard Manager)
- マウス ユーティリティ: マウスカーソルの位置をハイライト表示する「マウスの検索」や、クリック箇所を視覚化する「マウス蛍光ペン」などの詰め合わせです。
 - Keyboard Manager (キーボードマネージャー): キーボードの特定のキーの割り当てを変更したり(例:
Caps LockをCtrlに変更)、ショートカットキーをカスタマイズしたりできます。 
システム・開発者向け(Awake, Color Picker, ホスト ファイル エディター)
- Awake (アウェイク): PCがスリープ状態やスクリーンセーバーに移行するのを一時的に、または無期限に防止します。
 - Color Picker (カラーピッカー): 画面上の任意の位置のカラーコード(HEX, RGBなど)をスポイトで取得し、クリップボードにコピーします。
 - ホスト ファイル エディター: Web開発などで使用する 
Hostsファイルを、グラフィカルなインターフェースで安全に編集できます。 
最近のアップデートで追加された新機能は?
PowerToysは活発に開発が続けられており、最近のアップデートでは以下のような機能が追加・強化されています。
- ZoomIt (ズームイット): もともとSysinternalsツールとして有名だった画面のズーム、描画、タイマー機能がPowerToysに統合されました。プレゼンテーション時に非常に強力です。
 - Workspaces (ワークスペース): 現在開いているアプリ群とウィンドウの配置を「ワークスペース」として保存し、ワンクリックでその状態を復元できる機能です。
 - Light Switch (ライトスイッチ): OSのライトモードとダークモードを、スケジュール(日の出・日の入り)やショートカットキーで自動的に切り替えられるようになりました。
 
絶対使うべき!PowerToys おすすめ便利機能と使い方
多機能なPowerToysの中でも、特に多くのユーザーの作業効率を上げる「おすすめ機能」の使い方をピックアップして解説します。
【おすすめ①】FancyZones:ウィンドウ分割レイアウトを完全制御
ウルトラワイドモニターや高解像度ディスプレイを使っている方には必須の機能です。
Windows標準のスナップ機能より遥かに柔軟なレイアウトが可能です。
使い方は、まずPowerToys設定の「FancyZones」から「レイアウトエディターの起動」を選びます。
好みのテンプレート(列、行、グリッドなど)を選ぶか、カスタムレイアウトを作成して画面を分割する「ゾーン」を決定します。
あとは、ウィンドウをドラッグ中に Shift キー(デフォルト設定)を押すだけでゾーンが表示され、目的の場所へドロップすれば自動的にリサイズ・配置されます。
【おすすめ②】Text Extractor (OCR):画像や動画内の文字を瞬時にコピー
Webサイト上の画像や、動画のキャプチャ、エラーメッセージのダイアログなど、通常はコピーできない文字をテキストとして抽出できます。
デフォルトのショートカットキー Win + Shift + T を押すと、画面が暗くなり、マウスで範囲を指定できます。
コピーしたい文字が含まれる領域をドラッグして選択すると、認識されたテキストが自動的にクリップボードにコピーされます。
【おすすめ③】Always On Top:「常に手前に表示」をショートカットで実現
電卓、メモ帳、参考資料のWebページなど、特定のウィンドウを常に最前面に表示させておきたい場合に活躍します。
固定したいウィンドウをアクティブ(一番手前に表示)にした状態で、デフォルトのショートカットキー Win + Ctrl + T を押すだけです。
ウィンドウの周囲に青い枠が表示され、固定されたことが視覚的にわかります。
もう一度同じショートカットキーを押せば解除されます。
【おすすめ④】PowerRename:複数ファイル名を正規表現で一括変更
大量のファイル名を一度に変更したい場合に非常に強力です。
名前を変更したいファイルを複数選択し、右クリックメニューから「PowerRename」を選択します。
専用のウィンドウが開き、「検索する文字列」と「置換後の文字列」を入力します。
プレビューで変更後のファイル名を確認しながら、正規表現の使用や連番の追加なども柔軟に行えます。
【おすすめ⑤】Image Resizer:画像を右クリックで一括リサイズ
ブログやメール添付用に、複数の画像ファイルのサイズを一度に小さくしたい場合に便利です。
リサイズしたい画像ファイルを複数選択し、右クリックメニューから「画像のサイズ変更」を選びます。
「小」「中」「大」「スマートフォン」などのプリセットサイズを選ぶか、「カスタム」で任意のピクセル数を指定して「サイズ変更」をクリックするだけで、元の画像とは別にリサイズされた画像ファイルが生成されます。
【おすすめ⑥】Color Picker:画面上のあらゆる色をスポイト
デザイナーやWeb開発者でなくても、資料作成などで画面上の特定の色を使いたい時に役立ちます。
デフォルトのショートカットキー Win + Shift + C を押すと、スポイトツールが起動し、マウスカーソル周辺が拡大表示されます。
目的の色の上でクリックすると、その色のカラーコード(デフォルトではHEX形式)がクリップボードにコピーされます。
【おすすめ⑦】PowerToys Run:高機能ランチャーで作業を高速化
キーボード操作中心の方におすすめなのが、Alt + Space(デフォルト)で起動する高機能ランチャーです。
アプリ名を入力して起動するのはもちろん、「=」に続けて数式を入力すれば計算結果を表示したり、「?」に続けてキーワードを入力すればWeb検索を行ったりできます。
プラグインを有効にすることで、開いているウィンドウの検索やシステムコマンド(シャットダウン、再起動など)の実行も可能です。
PowerToys 主要ショートカットキー一覧(早見表)
PowerToysの多くの機能はショートカットキーで素早く呼び出すことができます。
以下は主要な機能のデフォルト設定のショートカットキー一覧です。
なお、これらのキーはすべてPowerToysの設定ダッシュボードから自由に変更可能です。
覚えておくと便利な共通ショートカットキー
| 機能 | デフォルトショートカットキー | 概要 | 
| PowerToys Run | Alt + Space | 高機能ランチャーを起動 | 
| 設定(ダッシュボード) | (タスクトレイから起動) | PowerToys全体の機能オン/オフや設定を変更 | 
各機能(ユーティリティ)を呼び出すショートカットキーまとめ
| 機能 | デフォルトショートカットキー | 概要 | 
| Always On Top | Win + Ctrl + T | アクティブなウィンドウを最前面に固定/解除 | 
| Color Picker | Win + Shift + C | カラーピッカー(スポイト)を起動 | 
| FancyZones | Win + Shift + @ | レイアウトエディターを起動 | 
| マウスの検索 | Ctrl キーを2回押す | マウスカーソルの位置をハイライト | 
| Screen Ruler | Win + Shift + M | 画面上のピクセル数を測定するルーラーを起動 | 
| Shortcut Guide | Win + Shift + / | Windowsキー関連のショートカット一覧を表示 | 
| Text Extractor | Win + Shift + T | 画面上のテキストをOCRでコピーする範囲選択を起動 | 
| プレーンテキスト貼り付け | Win + Ctrl + Alt + V | 書式なしでテキストを貼り付け | 
| ビデオ会議のミュート | (v0.88で廃止) | (以前はマイクとカメラを一括ミュートできた) | 
PowerToysのよくある質問と対処法
PowerToysが起動しない・設定画面が開かない時の対処法は?
PowerToysが正常に起動しない、または設定画面が開けない場合、以下の対処法を試してみてください。
- PCを再起動する: まずは基本的な対処法として、PCの再起動を試みます。
 - 管理者として実行: タスクトレイのアイコンを右クリックし、「管理者として実行」で起動し直してみます。
 - .NET ランタイムの確認: PowerToysは .NET デスクトップランタイムに依存しています。最新版がインストールされているか確認してください。
 - 再インストール: PowerToysを一度アンインストールし、Microsoft StoreまたはGitHubから再度インストールし直します。
 
特定の機能だけをオフ(無効化)にする方法は?
PowerToysの機能はすべてモジュール式になっており、不要な機能は個別にオフにすることができます。
タスクトレイのPowerToysアイコンから「設定」を開き、左側のメニューから無効化したい機能(例: 「Awake」)を選択します。
画面上部にある「Awakeを有効にする」のトグルスイッチを「オフ」に切り替えるだけです。
これにより、その機能は完全に無効化され、PCのリソースも消費しなくなります。
PowerToysをアンインストール(削除)するには?
PowerToysが不要になった場合、他の通常のアプリケーションと同様の手順でアンインストールできます。
Windowsの「設定」アプリを開き、「アプリ」→「インストールされているアプリ」(または「アプリと機能」)に進みます。
一覧から「Microsoft PowerToys」を見つけ、メニュー(...)から「アンインストール」を選択して実行してください。
まとめ:PowerToys 機能一覧の完全ガイド
この記事では、Microsoft公式の無料ツール「PowerToys」の機能一覧、インストール方法、おすすめ機能の使い方について詳しく解説しました。
PowerToysは、Windowsの操作性を格段に向上させる、まさに「パワーユーザー」のためのツール群です。
多くの機能が搭載されていますが、すべてを一度に使いこなす必要はありません。
まずは本記事の「おすすめ機能」の中から、ご自身の作業スタイルに合いそうなものを一つ選んで試してみてはいかがでしょうか。
きっと、その便利さに驚き、日々のPC作業がより快適になるはずです。
- Microsoft PowerToysは、Windowsの生産性を向上させる公式無料ツール群である
 - 導入により、ウィンドウ管理、ファイル操作、テキスト抽出などの便利機能が追加される
 - 公式ツールのため危険性は低いが、常駐によるわずかなリソース消費がデメリットとなる場合がある
 - Microsoft StoreまたはGitHubから日本語版をダウンロード・インストール可能
 - インストール後はダッシュボード(設定画面)で全機能のオン・オフや詳細設定を行える
 - 主要な機能一覧には「FancyZones」「Text Extractor」「Always On Top」「PowerRename」などがある
 - 「FancyZones」はウィンドウ分割レイアウトを自由にカスタマイズできる
 - 「Text Extractor」はショートカットキーで画像や動画内の文字をOCRコピー可能
 - 「Always On Top」は特定のウィンドウを常に最前面に固定する
 - 不要な機能はダッシュボードから個別に無効化できる
 
