「Windows10のサポート終了は嘘だった」という声や、「Microsoftは嘘つきだ」といった戸惑いを感じていませんか。
かつて「Windows10が最後のOS」という情報があったにもかかわらず、Windows 11が登場し、さらにサポート終了の期限が迫っていることに疑問を持つのは当然です。
しかし、最近になって個人向けに「1年間の無料サポート延長」が発表され、情報が錯綜しています。
この記事では、なぜ「嘘つき」と言われるようになったのか、その背景にある3つの理由を解説します。
さらに、公式に発表された本当のサポート終了日、決定した1年間の無料延長(ESUプログラム)の詳しい受け取り方、そしてサポートが切れたPCを使い続けることの重大なリスクについて、専門家の見解も交えながら網羅的に解説します。
なぜ「Windows10サポート終了は嘘つき」と言われるのか?3つの理由
Windows10のサポート終了に関して「Microsoftは嘘つきだ」という声が上がる背景には、主に3つの理由や誤解が存在します。
理由1:「Windows10が最後のOS」発言は本当だった?
過去にMicrosoft関係者が「Windows10はWindowsの最後のバージョンになる」といった趣旨の発言をしたことがありました。
これは多くのユーザーに「Windows10を使い続ければ、継続的にアップデートされていく」という印象を与えました。
しかし、2021年に後継OSである「Windows 11」が発表・リリースされたため、「話が違う」「嘘だったのか」という不信感につながったのが最大の理由です。
理由2:「永久サポート」という誤解とMicrosoftの真意
「最後のOS」という言葉が、一部で「永久にサポートが続く」という意味に誤解されて広まった側面もあります。
Microsoftの真意としては、OSを数年ごとに入れ替える「メジャーアップデート」方式から、機能追加や改善を随時行っていく「サービスとしてのWindows」モデルへ移行するという意味合いが強かったと考えられます。
しかし、結果としてWindows 11という新しいOSが登場したため、過去の発言との整合性が取れない形となりました。
理由3:サポート期間は本当に「早い」?(過去OSとのサポート期間比較)
「サポート終了が早すぎる」という感覚も、「話が違う」という不満につながっています。
しかし、Windows10の初回リリースは2015年7月です。
サポートが終了する2025年10月は、実に10年以上にわたるサポート期間となり、これは過去のOS(Windows XPやWindows 7など)と同等か、それ以上の手厚いサポート期間です。
決してサポート期間が「早い」わけではなく、従来のWindows OSと同様のライフサイクルと言えます。
【結論】Windows10のサポート終了日はいつ?延長の噂は本当?
情報が錯綜していますが、Windows10のサポート終了日と延長に関する最新の結論は以下の通りです。
2025年10月14日で基本サポートは終了(22H2が最終)
Microsoftが公式に発表しているWindows10(HomeおよびProエディション)のサポート終了日は、2025年10月14日です。
これは変更されておらず、現在利用できる最終バージョン「22H2」も、この日をもってセキュリティ更新プログラムの提供などが停止します。
【朗報】個人向けに1年間の「無料延長」が正式決定
本来のサポート終了日は変わりませんが、2025年6月、Microsoftは個人ユーザーを対象に、サポートを1年間無料で延長するプログラムを提供することを正式に発表しました。
これにより、対象となる個人ユーザーは「2026年10月13日」まで、セキュリティ更新を無料で受け続けることが可能になります。
延長の正体は「ESUプログラム」の無料提供
この無料延長の正体は、「ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)」と呼ばれるサービスです。
ESUは、本来、サポートが切れたOSを使い続けなければならない法人向けに、高額な料金で提供される有償の延命措置です。
今回、これを特定の条件を満たした個人ユーザーに限り、1年間無料で提供するというのが、延長の真相です。
サポート終了後にWindows10を使い続けるとどうなる?
無料延長(ESU)を適用しない場合、または無料延長期間が終了した後にWindows10を使い続けると、非常に重大なリスクにさらされます。
最大のリスク:セキュリティ更新が停止し「鍵のない家」状態に
2025年10月14日を過ぎると、新たなセキュリティ上の欠陥(脆弱性)が見つかっても、それを修正するプログラム(セキュリティパッチ)が提供されなくなります。
これは、例えるなら「家の玄関の鍵を開けたまま長期旅行に出かける」ようなものです。
専門家からは「自殺行為」とも表現されるほど危険な状態であり、サイバー攻撃者にとって格好の標的となります。
「ネット閲覧だけ」でも危険?専門家の回答
「個人情報は入れていないし、ネットを見るだけだから大丈夫」と考える人も多いかもしれません。
しかし、専門家は「インターネットに接続するだけで危険」と警鐘を鳴らしています。
悪意のあるWebサイトを閲覧しただけで、PCがマルウェアに感染する可能性があります。
また、PCが乗っ取られ、気づかないうちに他者を攻撃するための「踏み台」として悪用されるケースもあります。
ウイルス対策ソフト(ノートンやマカフィー)を入れても防げない理由
市販の高機能なセキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)を入れていても、OSのサポート終了リスクは防げません。
セキュリティソフトが守るのは、例えるなら家の「表面」です。
しかし、OSのサポート終了によって放置される「セキュリティホール」は、家の「土台や壁の根本的な欠陥」にあたります。
セキュリティソフトでは防ぎきれない、OSの根幹部分を狙った攻撃に対しては無防備なままです。
プリンターやソフトが使えなくなる・動作不良が起きる
セキュリティリスクに加え、実用面でも問題が発生します。
新しく発売されたプリンターやWebカメラなどの周辺機器が、Windows10用のドライバーを提供しなくなり、使えなくなる可能性が高いです。
また、新しいソフトウェアやアプリもWindows 11以降にのみ対応するようになり、Windows10ではインストールすらできなくなることが予想されます。
PCが乗っ取られ「闇バイト」に加担させられる危険性
実際に、サポートが切れたOSを使い続けた結果、PCが乗っ取られたケースも報告されています。
自分でも気づかないうちに、自分のPCから闇バイト募集のDM(ダイレクトメッセージ)が大量に送信されていたり、犯罪予告の踏み台にされたりする可能性があります。
単に情報が盗まれるだけでなく、自分が意図せず犯罪に加担してしまうリスクも存在します。
【やり方】Windows10を1年間無料で延長する「ESU」の登録手順
個人ユーザーが1年間無料でサポートを延長する(ESU)ためには、いくつかの条件と手順が必要です。
あなたは対象?無料ESUを受けられる人の条件
まず、無料延長の対象は「個人ユーザー」のみです。
法人が利用するPCは対象外となります。
また、以下の前提条件を満たしている必要があります。
- Windows10のバージョンが「22H2」であること。
 - PCにMicrosoftアカウントでサインインしていること。
 - そのアカウントが「管理者用アカウント」であること(子供用アカウントは不可)。
 
無料の条件1:「PC設定の同期」とは?(非推奨の理由)
無料延長を受けるための条件は2つあり、どちらか1つを満たせばOKです。
1つ目は「PC設定の同期(Windowsバックアップ)」を有効にすることです。
これは、PCの設定やフォルダをMicrosoftのクラウドストレージ「OneDrive」に同期する機能です。
しかし、OneDriveの無料容量は5GBまでと非常に少なく、バックアップ対象のデータ(ドキュメント、写真など)が5GBを超えると、すぐに容量不足の警告が出てしまいます。
また、同期を中途半端に解除するとデータを見失うリスクもあるため、あまり推奨されません。
無料の条件2:「1000リワードポイント」とは?(推奨)
2つ目の条件は、「Microsoft Rewards(リワード)ポイント」を1,000ポイント獲得することです。
こちらが現実的で簡単な方法として推奨されています。
Microsoft Rewardsとは、Microsoftのサービスを使うことで貯まるポイント活動(ポイ活)のようなものです。
Microsoftリワードポイントの簡単な貯め方(Bing検索など)
1,000ポイントは、比較的簡単に貯めることができます。
まず、Microsoft Edgeブラウザを立ち上げ、お持ちのMicrosoftアカウントでログインします。
右上のアカウントアイコンから「Microsoft Rewards」ページにアクセスします。
主な貯め方は以下の通りです。
- Bingアプリ(スマホ)をダウンロードして2日間検索する(500ポイントなど)。
 - 毎日EdgeブラウザでBing検索を行う(1日最大30ポイントなど)。
 - Rewardsページに表示される「毎日のタスク」(特定のページをクリックするなど)をこなす。
 
これらを5日~10日ほど続けるだけで、1,000ポイントはすぐに貯まります。
ESUの申し込み方法と登録手順(Windows Update画面)
前提条件を満たし、1,000ポイントを貯めたら、ESUの登録を行います。
登録は2025年7月頃から8月にかけて順次可能になる予定です。
- Windows10の「設定」を開きます。
 - 「更新とセキュリティ」→「Windows Update」に進みます。
 - 条件を満たしていると、ESUライセンスをもらうためのボタンやリンクが表示されるようになります。
 - 画面の指示に従い、無料延長の条件として「Microsoftリワードを1000ポイント貯めた」を選択します。
 - 登録が完了すると、2026年10月13日までセキュリティ更新が配信されるようになります。
 
1年の無料延長が終わったら?(2026年10月14日以降)
無料延長期間は2026年10月13日までです。
その翌日、2026年10月14日以降は、今度こそ本当にサポートが切れます。
その際に取るべき選択肢は、主に以下の4つです。
選択肢1:Windows 11へアップグレードする(PC要件の確認方法)
お使いのPCがWindows 11のシステム要件を満たしている場合、無料でアップグレードするのが最も一般的な対策です。
要件を満たしているかは、Microsoftが提供する「PC正常性チェック」アプリで簡単に確認できます。
選択肢2:Windows 11搭載PCに買い替える
PC正常性チェックアプリで「このPCは現在、Windows11システム要件を満たしていません」と表示された場合は、そのPCではWindows 11を動作させることができません。
これが最も安全かつ快適な選択肢であり、Microsoftも買い替えを強く推奨しています。
選択肢3:有料でさらにサポートを延長する(個人向けESU)
無料延長は1年限りですが、個人向けESUは本来「1年30ドル」の有償プログラムです。
無料期間終了後、さらに有償でサポートを延長できる可能性も残されています(最大3年まで)。
選択肢4:Linux(ChromeOS Flex)など他のOSを導入する
これは専門的な知識が必要な上級者向けの選択肢ですが、Windowsの代わりに「Linux(リナックス)」などの無料OSをインストールしてPCを使い続ける方法もあります。
ただし、Windows用のソフトは動かなくなり、操作感も全く異なるため、自己責任での対応となります。
Windows10サポート終了に関するよくある質問
最後に、Windows10のサポート終了に関する、よくある疑問について回答します。
法人(会社)のPCはどうなる?
今回の「1年間無料延長」は、あくまで個人ユーザーが対象です。
法人が利用しているPCは対象外となり、サポート終了後に使い続ける場合は、有償のESUプログラム(1年目は61ドル)に契約する必要があります。
無料延長(ESU)はいつから申請できる?
ESUライセンスの無料配布(申し込み)は、2025年7月から8月の間にかけて、順次開始される予定と発表されています。
まだWindows Update画面に表示されていなくても、慌てずに待つようにしてください。
Windows 11にアップグレードしたくない場合はどうすればいい?
Windows 11のスタートメニューが中央にあるのが馴染めない、不具合が怖いなどの理由で、アップグレードしたくないという声も多くあります。
その場合の選択肢は、「1年間の無料ESUで延命する」か、「その間に新しいPCやOSへの移行を検討する」かのどちらかになります。
2026年10月13日を過ぎると、どのような理由があれ、使い続けることは非常に危険な状態となります。
まとめ:Windows10サポート終了と「嘘つき」の真相
「Windows10 サポート終了 嘘つき」という疑問について解説しました。過去の発言と現状に食い違いがあるのは事実ですが、サポート終了自体は既定路線です。個人向けに1年間の無料延長措置が決定しましたが、これはあくまで一時的な延命策にすぎません。
- 「Windows10が最後のOS」発言が「嘘つき」と言われる主な理由である
 - Windows10の基本サポートは2025年10月14日で終了する
 - 個人ユーザーは条件を満たせば2026年10月13日まで1年間無料で延長可能
 - 無料延長の正体は「ESUプログラム」であり、法人は対象外である
 - 無料条件は「PC設定の同期」または「1000リワードポイント獲得」のどちらか
 - 1000リワードポイントの獲得(Bing検索など)が推奨される
 - サポート終了後に使い続けるとセキュリティリスクが極めて高い
 - ウイルス対策ソフトを入れてもOSの根本的な脆弱性は防げない
 - PCが乗っ取られ、犯罪の踏み台にされる危険性もある
 - 無料延長終了後はWindows 11への移行かPCの買い替えが必須である
 
