FOSTEXの平面駆動型ヘッドホン「T60RPmk2」の購入を検討しているものの、実際の音質や使い勝手、初代モデルからの進化点がわからず、決断できずにいませんか。
7万円弱という価格に見合う価値があるのか、自分の聴く音楽ジャンルに合っているのか、購入前にリアルな評判を知りたいと感じている方も多いでしょう。
この記事では、FOSTEX T60RPmk2に関する様々なレビューや公式情報を徹底的に分析し、その特徴からスペック、音質の詳細、おすすめな点、そして購入前に知っておくべき注意点まで、あらゆる角度からレビュー解説します。
最後まで読めば、T60RPmk2があなたにとって「買い」なのかどうかが明確になり、後悔のないヘッドホン選びができるようになります。
FOSTEX T60RPmk2レビュー解説:結論、買うべき?
【総評】初代からの正統進化!音質と質感が所有欲を満たす傑作
結論から言うと、FOSTEX T60RPmk2は、初代T60RPの長所を受け継ぎつつ、弱点を的確に克服した「正統進化モデル」です。
新開発の第4世代RPドライバーによる解像度の向上と、黒胡桃無垢材ハウジングが織りなす自然で豊かな響きは、価格以上の満足感をもたらします。
モニターヘッドホン由来の正確性と、リスニング用途の音楽的な楽しさを見事に両立させており、真剣な音楽鑑賞に没頭したいオーディオファンにとって、間違いなく魅力的な選択肢となるでしょう。
その高い質感と完成度は、長く愛用できる一台として所有欲を十分に満たしてくれます。
T60RPmk2はどんな人におすすめ?購入を推奨する5つのタイプ
T60RPmk2は、特に以下のような方に強くおすすめできるヘッドホンです。
- 平面駆動型ならではの高解像度なサウンドを求める方
音の分離が良く、細かな音までしっかり聴き取りたい人には最適です。 - ジャズやクラシック、アコースティック音楽をメインに聴く方
楽器一つ一つの音色やアンサンブルの一体感を重視する音楽で真価を発揮します。 - ヘッドホンのデザインや質感にもこだわりたい方
黒胡桃無垢材の美しいハウジングは、インテリアとしても映え、所有する喜びを感じさせます。 - 初代T60RPから音質のグレードアップを考えている方
解像感、音場の広がり、低音の締まりなど、あらゆる面で明確な進化を体感できます。 - リケーブルで自分好みの音を追求したい方
汎用性の高い3.5mm両出し仕様になったことで、ケーブル交換の選択肢が大幅に広がりました。
逆にT60RPmk2がおすすめできない人は?
一方で、以下のような目的や好みを持つ方には、T60RPmk2は最適ではない可能性があります。
- 完全にフラットなモニターサウンドを求めるプロフェッショナル
リスニング寄りのチューニングが施されているため、純粋な音の分析・確認作業にはT50RPmk4などの方が向いています。 - FPSなど、足音の定位が重要なゲーミング用途で使いたい方
音場の特性上、敵の位置を正確に把握するのには不向きとの意見があります。 - 持ち運びやすさ(ポータビリティ)を最優先する方
折り畳み機構がなく、セミオープン型で音漏れもあるため、屋外での使用には適していません。 - 強いキレやアタック感のある重低音を好む方
低音は豊かですが、EDMなどで求められるようなタイトで制動力のあるサウンドではありません。 - コストパフォーマンスを最重視する方
約7万円という価格は、付属品のシンプルさなどを考えると、割高に感じる可能性があります。
FOSTEX T60RPmk2の主な特徴とスペック
第4世代に進化した「RPドライバー」がもたらすサウンドとは?
T60RPmk2の心臓部には、50年以上の歴史を持つFOSTEX独自の「第4世代RP(Regular Phase)ドライバー」が搭載されています。
これは、フィルム状の振動板全体を均一に駆動させる平面駆動型の一種で、音の歪みが極めて少なく、位相のズレを抑えた正確なサウンドを実現します。
第4世代では、マグネットの増量やコイルパターンの新設計により、振動板の不要共振を抑制。
これにより、音の立ち上がりが鋭いレスポンスと、滑らかな周波数特性、優れた過渡特性を同時に達成し、より高い解像度と正確な定位感、音場の再現能力を獲得しています。
美しい黒胡桃(ウォールナット)無垢材のハウジングデザイン
T60RPmk2のもう一つの大きな特徴は、高級家具や楽器にも使用される黒胡桃(ブラックウォールナット)の無垢材を削り出して作られたハウジングです。
落ち着いた深い茶色の美しい木目は、見た目に高級感を与えるだけでなく、音響的にも重要な役割を果たします。
ウォールナット材は、豊かでしっかりとした低音域の深みと、濁りのない伸びやかな高音域を生み出すのに貢献し、ヘッドホン全体のサウンドに自然な響きと温かみを加えています。
天然木のため一点ごとに木目が異なり、自分だけの個体という愛着が湧くのも魅力です。
ケーブルは待望の「左右両出し」に変更!リケーブルの自由度が向上
初代T60RPの片側出しから、T60RPmk2ではユーザー待望の左右両出し(Y字ケーブル)仕様に変更されました。
ヘッドホン側の端子は汎用性の高い3.5mm 2極(TS)ミニプラグとなり、市販のアップグレードケーブルへの交換が非常に容易になっています。
これにより、ケーブルの線材を変えて音質の変化を楽しんだり、好みの長さのケーブルを使ったりと、カスタマイズの自由度が大幅に向上しました。
また、ヘッドバンドを跨ぐ内部配線がなくなったことで、見た目がスッキリし、断線のリスクが低減したのも嬉しいポイントです。
詳細スペック一覧表(インピーダンス・感度・重量など)
T60RPmk2の主な仕様を以下にまとめました。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式 | セミオープンダイナミック型 |
| ドライバー | RP方式平面振動板 |
| インピーダンス | 28Ω |
| 感度 | 96dB/mW |
| 最大入力 | 3,000mW |
| 再生周波数帯域 | 10Hz ~ 40,000Hz |
| 本体質量 | 約360g(ケーブル含まず) |
| ケーブル端子(本体側) | 3.5mm 2極ミニプラグ ×2 |
| ケーブル端子(プレーヤー側) | 3.5mm 3極ステレオミニプラグ |
| ケーブル長 | 約2m |
付属品は何が入っている?開封して中身をチェック
T60RPmk2のパッケージには、以下のものが同梱されています。
- ヘッドホン本体
- φ3.5mm(2極)⇔ φ3.5mm(3極)ステレオミニプラグ・ケーブル(約2m)
- φ3.5mm → φ6.3mm ステレオフォーン変換コネクタ
- 専用ポーチ
- 取扱説明書・安全上のご注意
業務用モデルがベースということもあり、パッケージや付属品は比較的シンプルです。
4.4mmバランスケーブルは別売り(ET-RP4.4BL2Y)となっている点に注意が必要です。
【徹底音質レビュー】FOSTEX T60RPmk2のリアルな実力
全体の音質傾向は?モニター的でありながら音楽的なリスニングサウンド
T60RPmk2のサウンドは、一言で表すと「モニター由来の正確さと、音楽鑑賞の楽しさを見事に両立させた」音です。
RPドライバーならではの色付けの少ないニュートラルなサウンドを基本としながらも、ウォールナットハウジングの効果により、適度な響きと温かみが加わっています。
音源の情報をありのままに提示する解像度の高さを持ちつつ、分析的になりすぎず、音楽全体の調和やグルーヴ感を損なわないチューニングが施されています。
まさに、制作用途とリスニング用途の「いいとこ取り」を実現したサウンドと言えるでしょう。
高音・中音・低音のバランスをプロの音楽家はどう評価した?
各帯域のバランスについては、多くのレビュワーやプロの音楽家から高く評価されています。
- 高音域: 繊細で伸びやか。シンバルやハイハットの切れ味も良く、刺さるような刺激は感じさせません。初代と比較してレンジが大幅に拡張され、空気感の表現力も向上しています。
- 中音域: T60RPmk2の最も得意とする帯域です。ボーカルやピアノ、弦楽器の質感が非常にリアルで、艶やかさと厚みを両立しています。声が前に出てくるため、ボーカル曲との相性は抜群です。
- 低音域: 量感はありつつも、不自然に膨らむことなく引き締まっています。ベースラインの輪郭が明確で、リズム隊のグルーヴ感を的確に伝えてくれます。プロの音楽家からも「地を這うような超低音」と評されるほどの表現力があります。
音場の広さや定位感はどう?セミオープン型の実力を分析
T60RPmk2はセミオープン型ですが、一般的な開放型ヘッドホンのように広大な音場がどこまでも広がるタイプではありません。
音像は頭内や耳元ではなく、一歩引いた前方にスクリーンが広がるように定位します。
この適度な距離感が、個々の楽器の位置関係を明確にし、優れた定位感につながっています。
特筆すべきは「場の一体感」で、別々に録音された楽器がバラバラに聴こえることなく、「同じ空間で演奏している」という臨場感を巧みに描き出します。
得意な音楽ジャンルと苦手なジャンルは?
その音質特性から、T60RPmk2は特に以下のような音楽ジャンルで真価を発揮します。
- 得意なジャンル:
- ジャズ:楽器の質感、アンサンブルの一体感、ライブの空気感をリアルに再現します。
- クラシック:オーケストラのような複雑な構成でも、各パートを分離しつつ全体の調和を描き出します。
- ボーカル曲:声の繊細なニュアンスや息遣いまで感じ取れます。
- 質の高いダンスミュージック:制作者が意図した精密な音作りを余すことなく表現します。
- 少し苦手な可能性のあるジャンル:
- ポピュラーなロックやポップス:ボーカルやメイン楽器を極端に目立たせる鳴り方ではないため、物足りなく感じる場合があります。
- 録音状態の良くない音源:音源のアラを隠さず提示してしまうため、聴き疲れすることがあります。
初代T60RPと比べて音質はどう変わった?
初代T60RPのユーザーが最も気になる音質の違いは、あらゆる面で「明確な進化」を遂げている点です。
まず、解像度と情報量が大幅に向上し、これまで聴こえなかった細かな音まで捉えられるようになりました。
高域はより伸びやかに、低域はよりタイトに引き締まり、サウンド全体のレンジがワイドになっています。
初代のやや緩やかでリラックスしたサウンドも魅力的ですが、mk2は音楽のより深い部分まで見通せる、次世代のサウンドステージへと進化しています。
実際の使い勝手はどう?装着感や鳴らしやすさをレビュー
装着感は良い?長時間の使用でも疲れないか
T60RPmk2の装着感は、多くのレビューで高く評価されています。
頭頂部にフィットするハンモック式のヘッドバンドと、耳を優しく包み込む低反発素材のイヤーパッドにより、圧力が分散され、長時間のリスニングでも疲れにくいのが特徴です。
側圧も強すぎず弱すぎず絶妙で、安定したフィット感が得られます。
ただし、一部のレビューでは、頭を上に傾けると少しズレやすいという指摘もありました。
堅牢な作りと快適な装着感の両立は、老舗メーカーならではのノウハウと言えるでしょう。
鳴らしやすさは?スマホやDAP直挿しでも十分な音量を出せるか
鳴らしやすさは、初代から大きく改善されたポイントです。
インピーダンスが50Ωから28Ωに下がり、感度も92dB/mWから96dB/mWに向上したことで、スマートフォンやポータブルオーディオプレーヤー(DAP)直挿しでも十分な音量を確保できるようになりました。
初代ではパワー不足を感じた機器でも、mk2なら問題なく楽しめる可能性が高いです。
しかし、T60RPmk2が持つポテンシャルを最大限に引き出すには、やはり駆動力のある据え置きヘッドホンアンプや、パワフルなDAPと組み合わせることをおすすめします。
音漏れ・遮音性はどのくらい?セミオープン型としての注意点
T60RPmk2はセミオープン型のため、音漏れはしますし、外部の音もある程度聞こえます。
ハウジング上部のダクトから音を逃がす構造なので、密閉型のような高い遮音性はありません。
そのため、電車内や図書館、オフィスなど、静かな公共の場所での使用は避けるべきです。
自宅で音楽に集中したい場合も、テレビの音や家族の会話などは聞こえてくるため、完全に没入したい場合は環境を選ぶ必要があります。
逆に言えば、周囲の気配を感じながらBGM的に使いたい場合には適しています。
リケーブルで音は変わる?おすすめケーブルと端子の注意点
T60RPmk2はリケーブルによる音質変化を楽しめるヘッドホンです。
基礎性能が高いため、ケーブルの変更による音の変化を感じやすく、特にバランス接続にすることで、音場の拡大や定位感の向上、低音域の解像度アップといった効果が期待できます。
Nobunaga Labsの「霧降」などがレビューでも使用されており、相性の良いケーブルの一つとして挙げられます。
注意点として、ヘッドホン側の3.5mm端子を差し込む穴の径が約8.5mmと狭いため、コネクタ部分が太いケーブルは物理的に入らない可能性があります。
購入前にコネクタのサイズを確認することをおすすめします。
【効果あり?】別売スエードパッド「EX-EP-RP-SUEDE」の実力
公式オプションとして、東レ社のウルトラスエードを採用したイヤーパッド「EX-EP-RP-SUEDE」が用意されています。
標準の合皮パッドと比較して、肌触りが非常に滑らかで快適性が向上し、長時間の使用でも蒸れにくいのがメリットです。
音質面では、音像が少し遠ざかりフォーカスは甘くなるものの、音場が広がる感覚が得られます。
低音と高音が強調される、いわゆるドンシャリ傾向に近づきますが、ボーカルは綺麗に通るため、音楽のジャンルや好みによっては魅力的な選択肢となり得ます。
ただし、価格が約13,000円と高価なため、導入は慎重に検討する必要があるでしょう。
旧モデルやライバル製品との徹底比較
【初代 vs mk2】買い替える価値はあるのか?スペックと音質の違いを解説
初代T60RPとmk2は、価格差(約3万円)以上の進化を遂げており、初代ユーザーが買い替える価値は十分にあると言えます。
| 比較項目 | 初代 T60RP | T60RPmk2 |
|---|---|---|
| ドライバー | 第3世代RPドライバー | 第4世代RPドライバー |
| ハウジング | アフリカンマホガニー | 黒胡桃(ウォールナット) |
| ケーブル | 片側出し (3.5mm TRRS) | 両側出し (3.5mm TS x2) |
| インピーダンス | 50Ω | 28Ω |
| 感度 | 92dB/mW | 96dB/mW |
| 音質傾向 | 暖かくリラックスした音 | 高解像度でレンジが広い音 |
音質は前述の通り、解像度、レンジ感、レスポンスの速さなど全方位でmk2が上回ります。
さらに、リケーブルの汎用性向上や鳴らしやすさの改善といった使い勝手の面でも進化しており、総合的な満足度は非常に高いです。
限定モデル「T60RP 50th」との違いは?
2023年に発売された創業50周年記念モデル「T60RP 50th Anniversary」は、mk2とは異なる方向性のモデルです。
最大の違いは、搭載されているドライバーが初代と同じ旧世代のものである点です。
サウンドは初代をベースに、ハウジング材(アフリカンパドック)の効果で低音域が非常に豊かにチューニングされています。
mk2が次世代のモニターサウンドを目指したのに対し、50thは旧世代ドライバーの魅力を最大限に引き出した、濃厚でラグジュアリーなサウンドが特徴です。
解像度を求めるならmk2、豊かな響きを求めるなら50thという選択になります。
業務用モデル「T50RPmk4」との違いは?どちらを選ぶべきか
T60RPmk2と同じ第4世代ドライバーを搭載する「T50RPmk4」は、プロ向けの業務用モニターヘッドホンです。
プラスチックハウジングを採用し、より分析的でシャープ、臨戦態勢といった趣のサウンドです。
一方、T60RPmk2はウッドハウジングによって響きがアレンジされ、全体の重心が低く落ち着いたバランスに仕上がっています。
純粋なモニタリングやスタジオでの業務用途ならT50RPmk4、PCデスクでの編集作業から音楽鑑賞まで、より汎用的に高音質を楽しみたいのであればT60RPmk2がおすすめです。
同価格帯のライバル機種と比較してどう?
T60RPmk2の約7万円という価格帯には、様々なライバル製品が存在します。
例えば、HIFIMANの平面駆動型ヘッドホンは、より広大な音場表現を特徴とします。
beyerdynamicの「DT 1990 PRO MK II」は、同じくモニター由来の半開放型として比較対象になりますが、より分析的なサウンドキャラクターです。
これらのライバルと比較した際のT60RPmk2の強みは、モニター的な正確性とウッドハウジング由来の自然な響きを両立させた、唯一無二のバランス感覚にあると言えるでしょう。
特定の性能に特化するのではなく、総合力で勝負する優等生的なモデルです。
購入前に知りたい評判・口コミと注意点
【良い評判・口コミ】「解像度が高い」「質感が良い」など高評価の声
T60RPmk2には、多くのユーザーから高い評価が寄せられています。
- 「初代と比べて階調が豊かで深く厚くなった。価格帯的に本当に1ランク上がった印象」
- 「広大な空間を感じさせる音場、繊細でシルキーな高音、歪みのない高解像度な中音域、そして地を這うような超低音。恐ろしいまでの完成度」
- 「見た目が超カッコいい。ウォールナットの質感が所有欲を満たしてくれる」
- 「長時間聴いても疲れないバランスのいいチューニングが素晴らしい」
- 「両出しの汎用ジャックになったこと、細いケーブルが無くなったことは大きな改善点」
【悪い評判・口コミ】「高音にクセがある?」「低音が物足りない?」などの気になる声
一方で、いくつかの気になる点も指摘されています。
- 「ピアノの高音部分に若干の金属的なクセが付帯してアタックが鈍る感覚がある」
- 「FPSなどでは足音の場所(定位)がわかりにくく、ゲーミング用途には向かない」
- 「バランス接続にしても恩恵があまり感じられないという意見も」
- 「低音は量感はあるがややキレや制動が足りないかも」
- 「リスニング寄りのサウンドでモニター向けではないかも」
これらの点は、聴く音楽ジャンルや使用用途によって評価が分かれる部分と言えそうです。
T60RPmk2の弱点・注意点は?購入前に確認すべき5つのこと
購入後に後悔しないために、以下の5つの注意点を確認しておきましょう。
- セミオープン型であること: 音漏れはするため、公共の場所での使用には向きません。また、遮音性も高くないため、静かな環境での使用が推奨されます。
- 高音域の特性: 一部のレビューで指摘されている通り、ピアノなどの特定の音源で高音に金属的な響きを感じる可能性があります。試聴して確認するのが最も確実です。
- 携帯性の低さ: 折り畳み機構やスイーベル機能がないため、カバンに入れての持ち運びには不便です。基本的には自宅での使用が前提となります。
- 付属品のシンプルさ: 4.4mmバランスケーブルやハードケースは付属しません。これらが必要な場合は別途購入する必要があります。
- 音源の質を選ぶ傾向: 解像度が高いため、圧縮音源や録音の悪い音源のアラが目立ちやすいです。高品質な音源で聴くことで真価を発揮します。
コストパフォーマンスは高い?価格(約7万円)に見合う価値はあるか
T60RPmk2の価格は約7万円と、決して安価ではありません。
しかし、第4世代RPドライバーの搭載、黒胡桃無垢材の採用といった内容を考えると、その価格設定には十分な説得力があります。
昨今の物価高騰を考慮すれば、この品質でこの価格を実現している点は、むしろコストパフォーマンスが高いと評価できます。
7万円弱で手に入る本格的な音楽鑑賞用ヘッドホンとして、音質と所有欲の両方を満たしてくれる、非常に価値のある一台と言えるでしょう。
まとめ:FOSTEX T60RPmk2 レビュー解説
- T60RPmk2は初代から音質・使い勝手ともに正統進化した傑作
- 第4世代RPドライバー搭載で、解像度が飛躍的に向上
- 黒胡桃無垢材ハウジングは美しく、自然で豊かな響きに貢献
- 音質はモニター的な正確さと音楽的な楽しさを高い次元で両立
- インピーダンスが下がり、スマホやDAPでも鳴らしやすくなった
- ケーブルが左右両出しになり、リケーブルの自由度が大幅に向上
- 装着感は良好で、長時間のリスニングでも疲れにくい
- セミオープン型のため音漏れはあり、公共の場での使用は不向き
- 高音に若干のクセを感じるという意見もあり、試聴が推奨される
- 価格は約7万円だが、その性能と質感を考えればコストパフォーマンスは高い
あなたのリスニング体験を次のレベルへ引き上げるヘッドホン
FOSTEX T60RPmk2は、単なるモデルチェンジに留まらない、確かな進化を遂げたヘッドホンです。
その実直でありながら音楽の魅力を余すことなく引き出すサウンドは、これまで聴き慣れた楽曲から新たな発見をもたらしてくれるでしょう。
ヘッドホン自体の個性に足を引っ張られることなく、100%音楽に集中できる環境は、真剣な音楽鑑賞にとって何よりの価値です。
もしあなたが、今より一歩上のリスニング体験を求めているのであれば、T60RPmk2はその期待に応えてくれる最適なパートナーとなるはずです。
