ASUS Chromebook CR1は、特に教育現場や家庭での学習用途を想定して設計された、堅牢性と多機能性を両立したノートパソコンです。
「Chromebookは初めてだけど使いやすい?」「子供に使わせても大丈夫?」といった疑問を持つ方や、手頃な価格で手に入るサブPCを探している方にとって、このモデルは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
この記事では、ASUS Chromebook CR1のレビューを多角的に解説します。
その特徴やスペック、実際の性能を示すベンチマーク、そしてユーザーからの評判や購入前に知っておくべき注意点まで、詳しく掘り下げていきます。
この記事を読めば、ASUS Chromebook CR1があなたの求める一台かどうかが明確になるはずです。
ASUS Chromebook CR1のレビュー解説|性能と特徴
asus chromebook cr1の主な特徴
ASUS Chromebook CR1は、日常的な利用、特に教育現場でのハードな使用を想定して開発された、多くの優れた特徴を持つモデルです。
この製品の最大の特徴は、その卓越した堅牢性にあります。
本体の四方をラバー製バンパーで保護し、米国国防総省が定める軍用規格「MIL-STD-810H」に準拠した設計がなされています。
これにより、机からの落下や日々の持ち運びで発生しうる衝撃から内部の精密部品をしっかりと守ります。
さらに、360度回転するヒンジを備えた2-in-1デザインも大きな魅力です。
通常のノートパソコンスタイルはもちろん、キーボードを回転させてタブレットのように使ったり、テント型に立てて動画を視聴したりと、利用シーンに合わせて柔軟に形を変えることができます。
また、学習用途での利便性を高める機能も豊富です。
標準的なインカメラに加えて、キーボード上部にはアウトカメラも搭載。
タブレットモードで、見たままの風景や資料を手軽に撮影できます。
一部のモデルでは、本体に収納して充電できるUSIスタイラスペンにも対応しており、メモ取りやお絵かきも直感的に行えます。
衛生面への配慮として、キーボードやパームレストには抗菌加工が施されており、複数人での使用や子供の利用においても安心感が高い設計となっています。
これらの特徴により、ASUS Chromebook CR1は、ただ安価なだけでなく、実用性と耐久性を兼ね備えた非常にバランスの取れた一台と言えます。
asus chromebook cr1のスペックを解説
ASUS Chromebook CR1の性能を理解するためには、その基本的なスペックを把握することが不可欠です。
ここでは、代表的なモデルである「CR1100FKA-BP0003」を基準に、その技術仕様を詳しく見ていきましょう。
項目 | スペック詳細 |
---|---|
OS | ChromeOS |
CPU | インテル Celeron プロセッサー N4500 |
動作周波数 | 1.1GHz (最大2.8GHz) |
メモリ | 4GB (LPDDR4X-2933) |
ストレージ | 64GB eMMC |
ディスプレイ | 11.6型ワイドTFTカラー液晶 (1,366×768ドット, WXGA) |
画面仕様 | グレア (光沢), タッチパネル搭載 |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス (CPU内蔵) |
カメラ | インカメラ: 92万画素, アウトカメラ: 800万画素 |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6) |
インターフェース | USB3.2 (Type-C/Gen1)×2, USB3.2 (Type-A/Gen1)×2, microSDカードリーダー, オーディオジャック |
バッテリー駆動時間 | 約12時間 |
サイズ (幅×奥行×高さ) | 294.6mm × 204.9mm × 20.7mm |
重量 | 約1.42kg |
その他 | JIS配列キーボード, 360度回転ヒンジ |
スペックの中心となるCPUには、エントリークラスのインテル Celeron N4500プロセッサーが採用されています。
Windowsパソコンであれば処理能力に物足りなさを感じる場面もありますが、軽量なChromeOSを動かすには十分な性能です。
メモリは4GB、ストレージは64GBのeMMCとなっており、これもChromebookの標準的な構成と言えます。
データは主にGoogleドライブなどのクラウド上に保存することを前提としているため、ローカルのストレージ容量は控えめです。
ディスプレイは11.6型で解像度はWXGA(1366×768ドット)です。
フルHD(1920×1080)ではないため、高精細な映像を求める方には物足りないかもしれませんが、この画面サイズであればWebブラウジングや文書作成には十分な解像度です。
光沢のあるグレア仕様で、タッチ操作に対応しています。
インターフェースが充実している点もポイントです。
最新のUSB Type-Cポートと従来のType-Aポートを2つずつ備えており、周辺機器との接続性も確保されています。
Wi-Fi 6に対応しているため、高速で安定した通信が可能です。
asus chromebook cr1のベンチマークと性能
ASUS Chromebook CR1の実際の性能は、搭載されているCPU「インテル Celeron N4500」の処理能力に大きく依存します。
このCPUの性能を客観的な指標であるベンチマークスコアを元に解説します。
一般的にCPUの性能を測る指標として知られる「PassMark」において、Celeron N4500のスコアは約1840とされています。
この数値は、最新の高性能なノートパソコンと比較すると見劣りしますが、Chromebookの性能を評価する上では注意が必要です。
なぜなら、ChromebookはWindowsに比べてOS自体が非常に軽量に作られているため、同程度のスペックでも体感的な動作ははるかに軽快になるからです。
実際に、ASUS Chromebook CR1のユーザーレビューを見ると、「サクサク動く」「起動が速い」といった肯定的な意見が多く見られます。
具体的な性能としては、以下のような作業であればストレスなくこなすことが可能です。
- Webブラウジング: 複数のタブを開いても、比較的スムーズに動作します。
- 動画視聴: YouTubeなどのストリーミング動画をフルスクリーンで視聴しても、カクつくことはほとんどありません。
- ドキュメント作成: Googleドキュメントやスプレッドシートを使った文書作成や表計算は快適に行えます。
- Androidアプリ: Google Playストアからダウンロードした多くの学習アプリや軽めのゲームは問題なく動作します。
一方で、以下のような高負荷な作業には向いていません。
- 本格的な動画編集: 長い動画の書き出しや、複雑なエフェクト処理には非常に時間がかかります。
- 3Dグラフィックスを多用するゲーム: ほとんどの3Dゲームは、快適にプレイすることは困難です。
- 専門的なソフトウェア: プロ向けの画像編集ソフトやCADソフトなどの実行は想定されていません。
結論として、ASUS Chromebook CR1の性能は、Webベースの作業や学習、エンターテイメントといった日常的な用途に最適化されており、その範囲内では十分なパフォーマンスを発揮すると言えるでしょう。
asus chromebook cr1の堅牢性と防滴設計
ASUS Chromebook CR1が特に教育現場や子供向けのパソコンとして推奨される最大の理由は、その卓越した堅牢性にあります。
日常的に起こりうる様々なアクシデントを想定し、本体を保護するための工夫が随所に凝らされています。
米国軍用規格「MIL-STD-810H」準拠
このモデルは、米国国防総省が定める耐久試験「MIL-STD-810H」の基準をクリアしています。
これは、単なる謳い文句ではなく、具体的なテストによってその頑丈さが証明されていることを意味します。
- 落下テスト: 電源が入った状態で、一般的な机の高さ(76cm)を大きく超える120cmからの落下に耐える設計です。
- 圧力テスト: 天板と底面にそれぞれ28kgの圧力をかけても耐えられるように作られており、満員電車での圧迫などからも内部を守ります。
- ヒンジテスト: ディスプレイを開閉するヒンジ部分は、2万回もの開閉テストをクリアしており、長期間の使用でも壊れにくい構造です。
- ポート耐久試験: USBポートなどの接続端子は、5,000回の抜き差しテストに耐える高い耐久性を誇ります。
日常使いを想定した保護機能
軍用規格だけでなく、日々の細かなトラブルを防ぐための設計も秀逸です。
- ラバー製バンパー: 本体を囲むように配置されたゴム製のバンパーが、落下時の衝撃を効果的に吸収します。
- 防滴キーボード: キーボード上に飲み物をこぼしてしまっても、最大66ccの液体であれば内部の基盤に到達しにくい防滴設計になっています。
- 外れにくいキーキャップ: 子供がキーをこじ開けようとしても、簡単には外れないように工夫されています。
- 傷が目立ちにくい加工: 本体表面にはマイクロディンプル加工が施され、細かな傷や指紋が付きにくくなっています。
これらの堅牢な設計により、ASUS Chromebook CR1は、活発な子供たちが使う最初のパソコンとして、また、外出先へ頻繁に持ち運ぶサブ機として、非常に安心して選べる一台となっています。
ASUS Chromebook CR1のレビュー解説|評判と注意点
asus chromebook cr1の評判・口コミ
ASUS Chromebook CR1は、そのユニークな特徴から、多くのユーザーから様々な声が寄せられています。
ここでは、実際の評判や口コミをまとめ、製品の長所と短所を客観的に見ていきましょう。
良い評判・口コミ
ユーザーから特に高く評価されているのは、以下の点です。
- コストパフォーマンス: 「この価格でこの機能性は十分すぎる」「子供の初めてのPCとして最適」など、手頃な価格でありながら、必要な機能と耐久性を備えている点が好評です。
- 起動と動作の速さ: 「電源を入れてすぐに使える」「Webブラウジングがサクサク」といった、ChromeOSならではの軽快な動作に満足する声が多く見られます。
- 頑丈さへの安心感: 「子供が多少乱暴に扱っても安心」「持ち運ぶのに気を使わない」など、MIL規格準拠の堅牢性が、特に子供を持つ親から高く評価されています。
- バッテリーの持ち: 「一度の充電で一日使える」というレビューが多く、外出先での使用や、学校での授業中にバッテリー切れの心配が少ない点が支持されています。
- 2-in-1の利便性: 「タブレットモードで動画を見るのが楽」「テントモードが意外と便利」など、シーンに合わせてスタイルを変えられる点を評価する声もあります。
気になる点・改善要望
一方で、以下のような点については、用途によって不満を感じるユーザーもいるようです。
- 画面の解像度とサイズ: 「画面が小さい」「解像度(1366×768)が低いので、文字が少し粗く見える」といった意見があります。フルHDに慣れていると、物足りなさを感じる可能性があります。
- 処理性能の限界: 「複数のAndroidアプリを同時に動かすと重くなる」「ゲームには向かない」など、やはりCeleronプロセッサーと4GBメモリの性能には限界があるという指摘です。
- キーボード: 「キーボードが少し小さいので慣れが必要」という声や、バックライトがない点を指摘するレビューも見られます。
- ストレージ容量: 「64GBは少ない」と感じるユーザーもいますが、これはChromebookの特性を理解しているかどうかで評価が分かれる点です。
総じて、ASUS Chromebook CR1は「Webブラウジング、動画視聴、簡単な文書作成」といったライトな使い方や、「子供の学習用」と割り切って使う場合には非常に満足度の高い製品ですが、メインのPCとして高性能を求めるユーザーには不向きである、という評価にまとめることができます。
asus chromebook cr1のおすすめな点
ASUS Chromebook CR1は、特定のニーズを持つユーザーにとって、非常に優れた選択肢となります。
この製品がどのような方におすすめできるのか、具体的なポイントを挙げて解説します。
子供用の初めてのパソコンとして
この製品が最も輝くのは、子供向けの学習用端末としてです。
その理由は以下の通りです。
- 圧倒的な頑丈さ: MIL規格準拠の耐衝撃性や防滴キーボードは、子供の予測不能な使い方にも耐えうる安心感があります。
- 安全なOS: ChromeOSはセキュリティが高く、ウイルス対策ソフトが不要です。また、Googleの「ファミリーリンク」機能を使えば、保護者が子供の利用時間やアクセスできるコンテンツを簡単に管理できます。
- 直感的な操作性: タッチパネルに対応しているため、スマートフォンやタブレットに慣れた子供でも直感的に操作を覚えることができます。
- 手頃な価格: 万が一故障してしまっても、精神的なダメージが少ない価格帯であることも、保護者にとっては大きなメリットです。
大人のサブ機・ライトユース向けとして
メインのWindows PCやMacを持っている方が、手軽に使える2台目のパソコンとして導入するのにも最適です。
- 起動の速さ: ちょっとした調べ物やメールチェックをしたい時に、電源オンから数秒で起動する手軽さは大きな魅力です。
- メンテナンスフリー: OSのアップデートはバックグラウンドで自動的に行われ、ウイルス対策も不要なため、面倒なメンテナンスの手間がかかりません。
- 持ち運びやすさ: 約1.42kgと特別軽量ではありませんが、コンパクトなサイズ感と頑丈さから、気軽にカバンに入れて持ち運ぶことができます。
特定の用途に特化したい方に
360度回転ヒンジと2つのカメラを活かして、特定の用途に特化して使うのもおすすめです。
- プレゼンテーション用: スタンドモードやテントモードを使えば、対面でのプレゼンテーションや画面共有がスムーズに行えます。
- 動画視聴用: テントモードで立てておけば、場所を取らずに快適な角度で動画コンテンツを楽しめます。
このように、ASUS Chromebook CR1は、メインPCとして万能性を求めるのではなく、特定の用途に絞って活用することで、その真価を発揮するノートパソコンです。
asus chromebook cr1の注意点
ASUS Chromebook CR1の購入を検討する際には、その魅力的な特徴だけでなく、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。
これらを事前に把握しておくことで、購入後のミスマッチを防ぐことができます。
WindowsやMacとの違い
最も重要な注意点は、搭載されているOSが「ChromeOS」であるという点です。
これはWindowsやmacOSとは根本的に異なるOSであり、以下のような制約があります。
- ソフトウェアの互換性: Microsoft Office(デスクトップ版)やAdobe Photoshop/Premiere Proといった、Windows/Mac向けに作られた専門的なソフトウェアはインストールできません。
これらの作業は、機能が限定されたWeb版やAndroidアプリ版で代替することになります。 - 周辺機器の対応: プリンターやスキャナーなどの周辺機器は、多くが対応していますが、一部の古いモデルや特殊な機器では専用ドライバーがなく、使用できない場合があります。
- ファイル管理: ファイルは基本的にGoogleドライブ上に保存されます。オフラインでも作業は可能ですが、クラウド利用が前提の設計思想であることを理解しておく必要があります。
性能の限界
前述の通り、本機に搭載されているCeleronプロセッサーと4GBメモリは、あくまで軽作業向けのスペックです。
Webブラウジングや動画視聴は快適ですが、複数の処理を同時に行うと動作が遅くなることがあります。
特に、多くのAndroidアプリをバックグラウンドで動かしたり、多数のブラウザタブを開きっぱなしにしたりするような使い方は避けた方が賢明です。
あくまで「シンプルで軽快な作業」を得意とするパソコンだと認識しておきましょう。
ディスプレイの品質
11.6インチという画面サイズと、WXGA(1366×768)という解像度は、携帯性とコストのバランスを取った結果です。
フルHD(1920×1080)以上の高解像度ディスプレイに慣れている方にとっては、画面の狭さや表示の粗さが気になる可能性があります。
また、グレア(光沢)パネルは色が鮮やかに見える反面、照明などの映り込みが気になる場合があるため、使用環境によっては注意が必要です。
これらの注意点は、ASUS Chromebook CR1の欠点というよりも、製品のコンセプトや価格帯からくる「特性」です。
ご自身の使い方と照らし合わせ、これらの特性が許容できるかどうかを判断することが、満足のいく購入への鍵となります。
asus chromebook cr1の2-in-1機能とペン入力
ASUS Chromebook CR1の大きな魅力の一つが、360度回転するヒンジによって実現される「2-in-1」機能です。
これにより、一台で様々なスタイルに変形し、幅広い用途に対応することができます。
4つの利用モード
- ノートブックモード:
通常のノートパソコンと同じスタイルです。キーボードを使った長文のレポート作成や、資料作成など、生産性の高い作業に適しています。 - タブレットモード:
ディスプレイを360度完全に折りたたむことで、タブレットとして使用できます。タッチ操作で直感的にWebサイトを閲覧したり、Androidアプリを操作したりするのに便利です。 - スタンドモード:
キーボード面を底にして、ディスプレイを立てかけるスタイルです。机の上で動画を視聴する際や、対面で相手に画面を見せながらプレゼンテーションする際に役立ちます。 - テントモード:
「く」の字に立てるスタイルで、スタンドモードよりもさらに省スペースで設置できます。新幹線のテーブルなど、狭い場所での動画視聴に最適です。
デュアルカメラの活用
この2-in-1機能をさらに便利にするのが、インカメラとアウトカメラの2つを搭載している点です。
タブレットモードにした際に、アウトカメラ(800万画素)を使えば、スマートフォンのように風景や黒板、資料などを手軽に撮影・記録することができます。
オンライン授業で課題を撮影して提出する、といった学習シーンで特に活躍するでしょう。
USIペンによる手書き入力
一部のモデル(例: CR1100FKA-BP0002)は、USI(Universal Stylus Initiative)規格に対応したスタイラスペンをサポートしています。
このペンを使えば、画面に直接文字を書き込んだり、イラストを描いたりすることが可能です。
- 学習での活用: 数学の問題を解いたり、漢字の書き取り練習をしたりと、紙のノートに近い感覚で学習を進められます。
- クリエイティブな活動: メモ書きやアイデアスケッチ、簡単なお絵かきなど、創造性を刺激します。
対応モデルに付属するASUS USI Penは、本体に収納しながら充電できるため、紛失の心配が少なく、使いたい時にいつでも使えるという利便性も兼ね備えています。
これらの機能により、ASUS Chromebook CR1は単なる入力デバイスにとどまらず、多様な学びと創造のツールとして機能します。
まとめ:ASUS Chromebook CR1 レビュー解説
- ASUS Chromebook CR1は教育現場向けの堅牢な2-in-1ノートPCである
- 米国軍用規格MIL-STD-810Hに準拠し、高い耐衝撃性と防滴性を備える
- ChromeOS搭載で起動が速く、ウイルス対策ソフトも不要で安全性が高い
- CPUはCeleron N4500で、Web閲覧や文書作成などの軽作業に適している
- 360度回転ヒンジにより、ノートPCやタブレットなど4つのモードで利用可能
- インカメラとアウトカメラのデュアルカメラを搭載し、写真や動画の撮影が容易
- 一部モデルはUSIペンに対応し、手書き入力による学習や創作活動が可能
- 注意点として、Windows用ソフトは使えず、性能は高負荷な作業に不向き
- ディスプレイ解像度はフルHDではなくWXGAである点を理解する必要がある
- 子供用の初めてのPCや、大人のサブ機として高いコストパフォーマンスを誇る