Android搭載の携帯ゲーム機「GPD XP Plus」に興味はあるものの、実際の性能や使い勝手はどうなのか、購入を迷っていませんか。
従来モデルから大幅にスペックアップしたと話題ですが、具体的にどのくらい快適にゲームが遊べるのか、ベンチマークの数値やユーザーのリアルな評判が気になるところです。
また、特徴的なモジュール式コントローラーの操作性や、購入前に知っておくべき注意点など、詳しい情報が欲しい方も多いでしょう。
この記事では、そんな「GPD XP Plus」のレビュー解説として、その特徴からスペック、性能評価、そしてユーザーの口コミまで、あらゆる情報を徹底的に掘り下げていきます。
この記事を読めば、GPD XP Plusがあなたにとって本当に「買い」なのか、その答えが見つかるはずです。
GPD XP Plusのレビュー解説|特徴とスペック
GPD XP Plusの主な特徴
GPD XP Plusは、単なるAndroid端末ではなく、ゲームプレイに特化した数々のユニークな特徴を持つ携帯型ゲーム機です。
このデバイスの最大の特徴は、高性能なプロセッサの搭載、プレイするゲームに合わせて物理的に換装できるモジュール式コントローラー、そして長時間のプレイを支える強力な冷却システムにあります。
理由として、まず心臓部であるSoC(プロセッサ)に、従来モデルから大幅に性能が向上した「MediaTek Dimensity 1200」を採用している点が挙げられます。
これにより、人気の3Dゲーム『原神』のような高いグラフィック性能を要求するタイトルから、PS2などのエミュレーターまで、幅広いゲームを快適に動作させることが可能です。
さらに、GPD XP Plusはアクティブ冷却ファンを内蔵しています。
高負荷なゲームを長時間プレイすると、通常スマートフォンでは熱による性能低下(サーマルスロットリング)が発生しがちですが、本機はファンによって内部の熱を強制的に排出し、安定したパフォーマンスを維持します。
そして、最もユニークなのが、本体右側のコントローラーを磁石と物理端子で付け替えられる「モジュール式」を採用している点です。
これにより、一般的なコンソールゲーム、FPS、MOBAといった異なるジャンルのゲームに対して、それぞれ最適な物理コントローラー環境を構築できるのです。
このように、GPD XP Plusは、高い基本性能と、それを安定して引き出す冷却機能、そしてあらゆるゲームに対応する柔軟な操作性を兼ね備えた、まさに「遊ぶため」に生まれたデバイスと言えるでしょう。
GPD XP Plusのスペック詳細
GPD XP Plusは、快適なゲーム体験を実現するために、各パーツがバランス良く高性能にまとめられています。
そのスペックは、一般的なスマートフォンとは一線を画す、ゲーム特化型の構成となっています。
CPUには前述の通り「MediaTek Dimensity 1200」を搭載し、これはハイエンドスマートフォンに匹敵する処理能力を誇ります。
メモリは高速な「LPDDR4x」を6GB、ストレージには読み書き速度が非常に速い「UFS 3.1」規格のものを256GB搭載しており、ゲームのロード時間やデータ転送のストレスを大幅に軽減します。
ディスプレイは6.81インチと大画面で、解像度は2400×1080と鮮明です。
また、7,000mAhという大容量バッテリーを搭載しているため、外出先でも長時間のプレイが楽しめます。
以下に、GPD XP Plusの主要なスペックをまとめました。
項目 | スペック詳細 |
---|---|
OS | Android 11 (GPD Metro UI) |
CPU | MediaTek Dimensity 1200 (8コア) |
GPU | ARM Mali-G77 MC9 |
RAM | 6GB LPDDR4x |
ストレージ | 256GB UFS 3.1 |
ディスプレイ | 6.81インチ IPS液晶 (2400×1080) |
リフレッシュレート | 60Hz |
バッテリー | 7,000mAh (30W PD急速充電対応) |
通信 | Wi-Fi 6, Bluetooth 5.2, 4G LTE (データ通信のみ) |
SIMスロット | デュアルSIM (nanoSIM×2 or nanoSIM+microSD) |
外部ストレージ | microSDカード (最大2TB) |
インターフェース | USB Type-C (DisplayPort映像出力対応), 3.5mmイヤホンジャック |
スピーカー | ステレオスピーカー |
冷却 | アクティブ冷却ファン搭載 |
本体重量 | 約330g~370g (モジュールにより変動) |
特筆すべきは、USB Type-CポートがDisplayPort映像出力に対応している点です。
これにより、テレビやモニターにGPD XP Plusの画面を映し出し、大画面でゲームを楽しむことも可能です。
また、Wi-Fi 6への対応や、データ通信専用ながら4G LTEに対応している点も、オンラインゲームを快適にプレイするための重要な要素と言えるでしょう。
ゲームに合わせて変形するモジュール式コントローラー
GPD XP Plusが他のAndroidゲーム機と一線を画す最大の要因は、革新的な「モジュール式コントローラー」システムです。
これは、本体右側のコントローラー部分を、プレイするゲームのジャンルに応じて3種類の中から自由に付け替えられるという画期的な機能です。
このシステムの利点は、単なるギミックに留まらず、あらゆるゲームで最適な操作性を提供することにあります。
接続はBluetoothなどの無線ではなく、マグネットと物理的な端子(ポゴピン)による有線接続のため、充電の必要がなく、遅延や接続切れの心配もありません。
3種類の専用モジュール
具体的には、以下の3つのモジュールが用意されています。
- Xboxモジュール:
右アナログスティックとABXYボタン、R1/R2トリガーを備えた、最も標準的なコントローラーです。
一般的なコンソールゲームや、クラウドゲーミング、エミュレーターなどをプレイする際に最適で、家庭用ゲーム機と遜色ない操作感を提供します。 - FPSモジュール:
前面に縦一列に並んだ5つのボタンと、側面のショルダーボタンを備えた、シューティングゲームに特化したモジュールです。
多くのボタンを瞬時に押し分ける必要があるFPSやTPSで、複雑な操作を快適に行うために設計されています。 - MOBAモジュール:
ボタン類を一切搭載しない、シンプルなカバー状のモジュールです。
『リーグ・オブ・レジェンド』のようなMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)では、スキルの発動などで画面のタッチ操作が必須となります。
このモジュールを装着することで、右側のコントローラーが邪魔にならず、しっかりと本体をホールドしながら快適にタッチ操作に集中できます。
キーマッピング機能
さらに、GPD XP Plusには強力な「キーマッピング」機能が標準で搭載されています。
これは、本来コントローラーに対応していないタッチ操作専用のゲームでも、画面上の仮想ボタンに物理コントローラーのボタンを割り当てることができる機能です。
これにより、事実上ほとんどのAndroidゲームを、物理コントローラーの快適な操作性で楽しむことが可能になります。
このモジュールシステムとキーマッピング機能の組み合わせにより、GPD XP Plusは他の追随を許さない、究極のカスタマイズ性を実現しているのです。
GPD XP Plusのおすすめな点
GPD XP Plusは、特定のニーズを持つユーザーにとって、他のどのデバイスにも代えがたい価値を提供する、非常におすすめできる一台です。
その理由は、Androidゲーム、エミュレーター、そしてクラウドゲーミングという3つの領域において、卓越した体験を提供できる点にあります。
Androidゲームを最高の環境でプレイしたい方
まず、スマートフォンでAndroidゲームをプレイしているものの、タッチ操作に限界を感じている方には最適です。
前述の通り、物理コントローラーとキーマッピング機能により、アクションゲームやFPSでの操作性が劇的に向上します。
さらに、冷却ファンのおかげで長時間のプレイでもパフォーマンスが安定し、大容量バッテリーで電池切れの心配も少ないです。
エミュレーターで過去の名作を遊び尽くしたい方
次に、高性能なプロセッサを活かして、様々なレトロゲーム機のエミュレーターを楽しみたい方にも強くおすすめします。
GPD XP Plusは、PSPやニンテンドーDSはもちろん、これまで携帯機での快適な動作が難しかったPS2やゲームキューブ、ニンテンドー3DSといった世代のゲームまで、安定して動作させることが可能です。
物理コントローラーの存在は、これらのゲームを当時の感覚でプレイする上で不可欠と言えるでしょう。
クラウドゲーミングをどこでも楽しみたい方
そして、Xbox Game PassやSteam Linkといったクラウドゲーミングサービスを最大限に活用したい方にも、GPD XP Plusは最高のパートナーとなります。
Wi-Fi 6や4G LTEに対応しているため、自宅でも外出先でも安定した通信環境を確保しやすく、PCや家庭用ゲーム機のAAA級タイトルを、遅延を抑えながら手元で楽しむことができます。
これらの点から、GPD XP Plusは単なる高性能なAndroid端末ではなく、「あらゆるデジタルゲームを快適に遊ぶ」という目的に特化した、非常に強力な専門機として、多くのゲーム好きにおすすめできるデバイスです。
GPD XP Plusのレビュー解説|性能と評価
GPD XP Plusのベンチマークスコア
GPD XP Plusの性能を客観的に評価する上で、ベンチマークスコアは重要な指標となります。
結論から言うと、本機はハイエンドクラスのAndroidスマートフォンに匹敵する、非常に高い数値を叩き出します。
この高いスコアの源泉は、搭載されているプロセッサ「MediaTek Dimensity 1200」の優れた性能にあります。
このプロセッサは、一世代前のGPD XPに搭載されていたHelio G95と比較して、総合性能で2倍以上という飛躍的な向上を遂げています。
AnTuTuベンチマークの結果
Androidデバイスの総合的な性能を測る「AnTuTu Benchmark」において、GPD XP Plusは70万点前後のスコアを記録します。
これは、Qualcomm社のSnapdragon 870とほぼ同等のパフォーマンスであり、多くの3Dゲームや高負荷なアプリケーションを快適に動作させるのに十分すぎる性能です。
参考までに、冷却ファンの動作状況によってスコアは変動し、ファンを「High」に設定した状態では、より高いスコアを安定して維持することが可能です。
項目 | スコア(参考値) |
---|---|
総合スコア | 約700,000点 |
CPU | 約180,000点 |
GPU | 約240,000点 |
このGPUスコアの高さが、GPD XP Plusのゲーム性能を支える大きな要因となっています。
このベンチマーク結果は、GPD XP Plusが単にコントローラーが付いているだけでなく、中身もしっかりと高性能な「ゲーミングマシン」であることを明確に示しています。
価格帯を考慮すると、このパフォーマンスは非常にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
ゲームやエミュレーターの動作性能を検証
GPD XP Plusの真価は、実際のゲームやエミュレーターを動かした際の快適さにあります。
ベンチマークスコアの高さに裏打ちされたその性能は、多くのゲームでユーザーを満足させることでしょう。
人気Androidゲームの動作
まず、高いマシンパワーを要求されることで知られる人気オープンワールドRPG『原神』ですが、GPD XP Plusではグラフィック設定を「最高」にしても、安定して動作します。
内蔵の冷却ファンが効果的に機能するため、スマートフォンで起こりがちな熱によるカクつきもほとんどなく、長時間の探索や戦闘を快適に楽しむことが可能です。
また、キーマッピング機能を使えば、タッチ操作を物理コントローラーに割り当てられるため、コンシューマ機に近い感覚でプレイできます。
エミュレーターの動作性能
エミュレーター性能に関しても、GPD XP Plusは非常に高いポテンシャルを秘めています。
特に注目すべきは、これまで携帯機での安定動作が難しかったPlayStation 2(PS2)のエミュレーター「AetherSX2」が、多くのタイトルで快適に動作する点です。
RPGやアドベンチャーゲームはもちろん、一部のアクションゲームもストレスなくプレイできるレベルに達しています。
同様に、ニンテンドー3DSのエミュレーター「Citra」などもサクサクと動作し、過去の名作ゲームを携帯機で手軽に楽しめる環境が整っています。
ただし、エミュレーターのパフォーマンスは、エミュレーターアプリ自体の完成度や設定、ゲームタイトルとの相性にも左右されるため、すべてのゲームの完璧な動作を保証するものではない点には留意が必要です。
クラウド・リモートプレイ
さらに、Steam LinkやXbox Game Passといったクラウドゲーミング、PS4/PS5のリモートプレイも快適に利用できます。
Wi-Fi 6に対応しているため、家庭内の通信環境が整っていれば、PCやコンソール機のゲームを低遅延でストリーミングプレイすることが可能です。
このように、GPD XP Plusは、ネイティブのAndroidゲームからエミュレーター、クラウドまで、あらゆるゲームを一台で遊び尽くせるパワフルな性能を備えています。
GPD XP Plusの評判・口コミまとめ
GPD XP Plusは、そのユニークなコンセプトと高い性能から、多くのガジェット好きやゲーム愛好家から注目を集めています。
ここでは、実際に使用したユーザーからの評判や口コミを、肯定的な意見と注意を要する意見に分けてご紹介します。
良い評判・口コミ
多くのユーザーが、特にパフォーマンスの向上と操作性を高く評価しています。
- 「旧モデルから乗り換えたが、Dimensity 1200のパワーは本物。PS2のエミュレーターがここまで快適に動くのは感動的。」
- 「冷却ファンのおかげで、長時間『原神』をプレイしても本体が熱くならないのが良い。」
- 「モジュール式コントローラーは思った以上に便利。ゲームに合わせて付け替えるのが楽しい。」
- 「キーマッピング機能が優秀で、コントローラー非対応のゲームでも物理ボタンで遊べるのが最大のメリット。」
- 「画面が大きくて綺麗なので、ゲームへの没入感がすごい。動画視聴にも使える。」
このように、特にゲームプレイにおける快適性や、従来機では性能的に厳しかったエミュレーターが動作するようになった点を評価する声が多数見受けられます。
気になる評判・口コミ
一方で、いくつかの点については改善を望む声や、好みが分かれるという意見もあります。
- 「スピーカーの音量が、最小設定にしてもかなり大きい。静かな場所では使いにくい。」
- 「左上のパンチホールカメラが、ゲームによってはUI(ユーザーインターフェース)に被ってしまい邪魔に感じることがある。」
- 「アナログスティックの位置が高く、ABXYボタンを押す際に指が触れてしまうことがある。操作には慣れが必要。」
- 「トリガーボタンがアナログ式ではなく、カチカチとしたマイクロスイッチ式なので、レースゲームなどでの微調整が難しい。」
- 「一部の個体で、ボタンの物理的な故障(反応しなくなるなど)があったという報告がある。」
これらの口コミから、GPD XP Plusはコアなゲーマーの要求に応える高い性能を持つ一方で、細かな使い勝手の部分では、ユーザーによって評価が分かれる側面もあることがわかります。
GPD XP Plusの購入前に知るべき注意点
GPD XP Plusは非常に魅力的なデバイスですが、購入してから後悔しないために、いくつか知っておくべき重要な注意点が存在します。
これらは主に、デバイスの立ち位置、操作性のクセ、そして画面仕様に関する点です。
スマートフォンとしての利用は限定的
まず最も重要な点として、GPD XP PlusはSIMカードスロットを搭載し4G LTE通信に対応していますが、音声通話機能は持っていません。
あくまでデータ通信専用であり、スマートフォンとして日常的に使うことはできません。
LINEやSkypeなどのアプリを使えばボイスチャットは可能ですが、電話番号を使った通話は不可です。
また、約330g~370gという重量と、コントローラーが一体化した独特の形状から、気軽にポケットに入れて持ち運べるような携帯性はありません。
あくまで「ゲームを遊ぶための専用機」と割り切る必要があります。
操作性には慣れが必要な部分も
次に、操作性に関する点です。
一部のユーザーから指摘があるように、アナログスティックの背が高く、ABXYボタンとの距離が近いため、操作中に指が干渉することがあります。
また、L2/R2トリガーは、家庭用ゲーム機のコントローラーのような無段階に押し込めるアナログ式ではなく、クリック感のあるマイクロスイッチ式です。
これにより、レースゲームでのアクセルワークのような繊細な操作には向きません。
これらの操作感は、慣れによってある程度は解消されますが、購入前に知っておくべきポイントです。
画面の仕様について
最後に、ディスプレイに関する注意点です。
画面左上に配置されているパンチホール型のインカメラは、ゲームによってはUIやマップ表示と重なってしまい、視認性を損なう可能性があります。
また、画面のアスペクト比が20:9と縦長なため、古いゲームや一部のエミュレーターでは、画面の左右に黒帯が表示されることがあります。
これらの点は、致命的な欠点ではありませんが、人によっては気になる部分かもしれません。
これらの注意点を理解し、自分のプレイスタイルや許容範囲と照らし合わせた上で、GPD XP Plusの購入を検討することが重要です。
まとめ:GPD XP Plusのレビュー解説
- MediaTek Dimensity 1200搭載でパフォーマンスが大幅に向上
- 3種類のモジュール式コントローラーで多様なゲームに対応
- PS2や3DSなど高性能を要求するエミュレーターも動作可能
- キーマッピング機能でタッチ操作のゲームも物理ボタンで遊べる
- 冷却ファン内蔵で長時間の高負荷プレイでも安定
- 6.81インチの大画面と7000mAhの大容量バッテリーを搭載
- 4G LTE通信に対応し外出先でもオンラインゲームが楽しめる
- 音声通話は非対応でスマートフォンとしては使えない
- 音量調整やパンチホールカメラの位置など細かな注意点がある
- Androidゲームやエミュレーターを本格的に楽しむための専用機である