「軽くて安いノートパソコンが欲しいけど、性能が心配…」そんな風に考えている方も多いのではないでしょうか。
ASUS E210KAは、2022年3月に発売された11.6インチのコンパクトなノートパソコンです。
約1kgという軽さと5万円前後という手頃な価格、さらにMicrosoft 365 Personalが1年間使えるという特典付きで、一見すると非常に魅力的に映ります。
しかし、その心臓部であるCPUの性能やメモリ容量には注意が必要です。
この記事では、ASUS E210KAの購入を検討している方に向けて、スペックや特徴、実際のベンチマークスコアから見えてくる性能、そしてユーザーの評判や口コミを徹底的にレビュー解説します。
この記事を読めば、ASUS E210KAが本当にあなたの使い方に合ったパソコンなのか、購入後に後悔しないための判断材料がすべて手に入ります。
ASUS E210KAの基本情報をレビュー解説
ASUS E210KAの主な特徴とは
ASUS E210KAの最も際立った特徴は、「優れた携帯性」「ユニークなデザイン」「便利な独自機能」の3つに集約されます。
まず、携帯性については、11.6インチというコンパクトなサイズ感と約1.088kgという軽さが挙げられます。
これはA4用紙よりも一回り小さいサイズであり、普段使っているカバンにもすっぽりと収まるため、外出先への持ち運びが全く苦になりません。
次にデザイン面では、単なる安価なノートパソコンにはとどまらない遊び心が随所に見られます。
天板にはASUSロゴをモチーフにしたモダンな模様が施され、カラーバリエーションも見る角度によって色合いが変わる「ピーコックブルー」や、可愛らしい「ローズピンク」、清潔感のある「ドリーミーホワイト」といった個性的な3色が用意されています。
さらに、キーボードのエンターキーだけがイエローで縁取られており、デザインのアクセントになっています。
そして機能面での大きな特徴が、ASUS独自の「NumberPad」です。
これは、タッチパッド部分をワンタッチでテンキーに切り替えられる機能で、コンパクトな筐体でありながら快適な数字入力を可能にします。
表計算ソフトなどでの作業効率を大きく向上させるでしょう。
他にも、ディスプレイが180度フラットに開くヒンジ構造を採用しており、向かい合った相手との画面共有が容易な点や、CPUの省電力性からファンが不要となり、図書館のような静かな場所でも動作音を気にせず使えるファンレス設計である点も、このモデルならではの魅力と言えます。
ASUS E210KAの詳しいスペック一覧
ASUS E210KAの性能を理解するためには、まずその具体的なスペックを知ることが不可欠です。
このモデルは、手頃な価格を実現するために、性能を割り切ったエントリークラスの構成となっています。
以下に主要なスペックをまとめましたので、一つずつ確認していきましょう。
項目 | スペック詳細 | 補足 |
---|---|---|
OS | Windows 11 Home (S モード) | セキュリティ重視のモード。アプリはMicrosoftストアからのみ。無料解除可(元には戻せない) |
CPU | Intel Celeron N4500 | 2コア2スレッド。基本的なタスク向けのエントリーCPU |
メモリ | 4GB (DDR4-2933) | 現代のPCとしては最小限。マルチタスクには不向き。増設不可 |
ストレージ | 128GB eMMC | SSDより読み書きが遅い。起動やデータ保存にやや時間がかかる |
ディスプレイ | 11.6インチ、HD (1366×768)、非光沢 | フルHDではないため、高精細な表示には向かない。非光沢で映り込みは少ない |
Webカメラ | 30万画素 | 画質はかなり低い。Web会議での本格的な使用は厳しい |
Wi-Fi | Wi-Fi 5 (IEEE802.11a/b/g/n/ac) | 標準的な無線LAN規格に対応 |
USBポート | USB 3.1 Type-C(Gen1) x1, USB 3.2 Type-A(Gen1) x1, USB 2.0 x1 | Type-Cはデータ転送のみ対応。映像出力や充電は不可 |
その他I/F | HDMI, マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック | 外部ディスプレイへの出力も可能 |
バッテリー | 約9.2時間 | 1日持ち歩いて使うには十分な駆動時間 |
サイズ | 幅279.1mm × 奥行191.2mm × 高さ16.9mm | A4用紙より小さいコンパクトサイズ |
重量 | 約1.088kg | 持ち運びに便利な軽量設計 |
オフィスソフト | Microsoft 365 Personal (1年間使用権) | Word, Excel, PowerPoint等が1年間利用可能。2年目以降は有料 |
このスペック表からわかるように、ASUS E210KAはWebサイトの閲覧やメールの送受信、簡単な文書作成といったライトな用途に特化した構成です。
特に注意したいのは、OSが初期状態で「Sモード」である点です。
セキュリティは高まりますが、普段使っているブラウザやアプリをインストールするには、Sモードを解除する必要があります。
解除は簡単ですが、一度行うと元に戻せないため、購入後はまずその点を考慮する必要があります。
デザイン性と約1kgという携帯性の魅力
前述の通り、ASUS E210KAの最大の魅力の一つは、その優れたデザイン性と携帯性です。
数値で示すと、本体サイズは幅279.1mm×奥行き191.2mm、そして重量は約1.088kg。
これは、500mlのペットボトル約2本分という軽さであり、女性でも片手で軽々と持ち上げることができます。
日々の通勤や通学でPCを持ち歩く必要がある方にとって、この軽さは大きなアドバンテージとなるでしょう。
デザイン面においても、このPCは所有する喜びを感じさせてくれます。
多くの低価格PCがコスト削減のために無個性なデザインに陥りがちな中で、ASUS E210KAは独自のスタイルを確立しています。
天板にあしらわれたASUSロゴを再構築したかのような幾何学的なパターンは、光の当たり方で表情を変え、見る人を飽きさせません。
3色展開されているカラーも特徴的です。
「ピーコックブルー」や「ドリーミーホワイト」は、見る角度によって微妙に色合いが変化する特殊な塗装が施されており、まるで玉虫色のような輝きを放ちます。
「ローズピンク」は派手すぎない落ち着いた色味で、上品な印象を与えます。
このようなデザインへのこだわりは、キーボードを開いた内部にも見られます。
一際目を引くのが、蛍光イエローで縁取られたエンターキーです。
このワンポイントのアクセントが、PC全体にポップで楽しい雰囲気をもたらしています。
このように、ASUS E210KAは単なる作業の道具としてだけでなく、ファッションアイテムのように持ち歩きたくなるデザイン性を備えています。
性能よりも携帯性やデザインを重視するユーザー、特に学生やPC初心者の方にとっては、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
安さが際立つASUS E210KAのおすすめな点
ASUS E210KAを語る上で、その圧倒的なコストパフォーマンスは外せません。
発売当初の希望小売価格が49,800円(税込)と、大手メーカー製のWindowsノートパソコンとしては非常に安価な設定です。
現在では、ECサイトなどでさらに手頃な価格で入手できるケースもあります。
この価格だけでも十分に魅力的ですが、本機には「Microsoft 365 Personal」の1年間使用権が付属している点が、コストパフォーマンスをさらに高めています。
Microsoft 365 Personalは、WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリケーションが使えるサブスクリプションサービスで、単体で契約すると年間13,000円程度の費用がかかります。
つまり、PC本体の価格からこのOfficeの価値を差し引くと、実質的な本体価格は3万円台と考えることもできるのです。
レポート作成や資料作りでOfficeソフトが必須となる学生や社会人にとって、これは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
さらに、ASUSの提供する保証サービスもおすすめな点の一つです。
本機は「ASUSのあんしん保証」の対象製品であり、通常のメーカー保証ではカバーされない落下や水没、災害による故障、さらにはコンピュータウイルスによる故障といった、ユーザー側に責任があるトラブルにも対応してくれます(※保証プランにより内容は異なります)。
PCの扱いに慣れていない初心者の方や、お子様専用のPCとして購入する場合でも、この手厚い保証があれば安心して使うことができます。
加えて、ASUS Storeでの購入であれば「30日間返品保証キャンペーン」の対象となる場合もありました。
「性能が自分に合うか不安」という方でも、実際に試してから購入を最終決定できるため、購入のハードルを大きく下げてくれます。
これらの点から、ASUS E210KAは「用途を割り切って使うサブ機」や「お子様の学習用PC」、「とにかく安くOffice付きPCを手に入れたい」といった特定のニーズを持つユーザーにとって、非常におすすめできる一台です。
性能と評価をASUS E210KAレビュー解説
ASUS E210KAのベンチマークスコア
ASUS E210KAの使い心地を客観的に判断する上で、CPUの性能を示すベンチマークスコアは重要な指標となります。
本機に搭載されているCPUは「Intel Celeron N4500」です。
このCPUの性能をCPU-ZやPassMarkといったベンチマークソフトで測定したスコアは、パソコンの処理能力を数値化したものです。
レビューサイトなどで広く用いられているPassMarkのスコアを見てみましょう。
Celeron N4500のPassMarkスコアは「1882」です。
この数値がどの程度のレベルなのかを理解するために、他のCPUと比較してみます。
例えば、本機の前世代にあたるCPU、Celeron N4020のスコアは約1560、少し上位のCeleron N4120は約2499です。
この比較からも、N4500はエントリークラスの中でも、性能が控えめなモデルであることがわかります。
多くのPCレビューサイトでは、PassMarkのスコアが2500を下回ると、Webブラウジングや文書作成といった日常的な作業でも、動作の遅さや「もたつき」を感じやすくなると言われています。
スコアが1882である本機は、この基準を大きく下回っているのが実情です。
このベンチマークスコアから想定される作業の快適度は以下のようになります。
快適にできる可能性が高い作業
- Webサイトの閲覧(タブを少数に限定)
- YouTubeなどの動画視聴(HD画質まで)
- WordやExcelでの簡単な文書・表の作成
- メールの送受信
動作が重くなる、または困難な作業
- 複数のアプリケーションの同時起動
- ブラウザで多くのタブを開きながらの作業
- ZoomなどでのWeb会議(特に多人数での会議)
- Photoshopなどでの画像編集
- 動画編集
- PCゲーム全般
結論として、ASUS E210KAのベンチマークスコアは、現代のPCとしてはかなり低い水準です。
購入を検討する際は、この性能で自身のやりたい作業が本当に可能なのかを慎重に見極める必要があります。
購入前に知っておきたいASUS E210KAの注意点
ASUS E210KAは低価格で魅力的なモデルですが、その価格を実現するために、いくつかの割り切りが必要な点が存在します。
購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、以下の注意点を必ず理解しておきましょう。
性能面での根本的な限界
最も重要な注意点は、CPU「Celeron N4500」とメモリ「4GB」という組み合わせがもたらす性能の低さです。
前述のベンチマークスコアが示す通り、このPCは複数の作業を同時にこなす「マルチタスク」が非常に苦手です。
例えば、「Webで調べ物をしながらWordでレポートを作成し、裏で音楽を流す」といった、ごく一般的な使い方でも、動作が著しく遅くなる可能性があります。
ストレージがSSDではなく、より低速なeMMCであることも、アプリの起動やファイルの読み書きに時間がかかる一因となっています。
Microsoft 365 Personalは「1年間の使用権」
本機に付属するOfficeは、買い切り型の永続ライセンスではありません。
これは1年間限定で利用できるサブスクリプションサービスです。
便利な点として常に最新版が使えますが、1年が経過すると自動的に契約が更新され、2年目からは年間約13,000円の利用料金が発生します。
Officeを使い続ける場合はこの費用がかかること、不要な場合は忘れずに契約を解除する手続きが必要であることを覚えておきましょう。
長期的に見ると、永続版Officeが付属するPCの方がトータルコストで安くなるケースもあります。
Webカメラとディスプレイの品質
オンラインでのコミュニケーションが当たり前になった現在、Webカメラの性能は重要です。
しかし、本機のWebカメラは30万画素しかありません。
これは一般的なノートPCに搭載される92万画素カメラの3分の1程度の画素数で、映し出される映像はかなり粗くなります。
相手に自分の顔をはっきりと見せる必要があるWeb会議やオンライン授業での使用は、実質的に困難と言わざるを得ません。
また、ディスプレイの解像度もHD(1366×768)です。
スマートフォンや他のPCでフルHD(1920×1080)以上の高精細な画面に慣れている方にとっては、文字や画像の粗さが気になるかもしれません。
操作性に関する細かい注意点
一部のユーザーレビューでは、キーボードの右上、Deleteキーの隣に電源ボタンが配置されているため、タイピング中に誤って押してしまうという指摘があります。
また、タッチパッドをテンキーとして使えるNumberPadも、慣れないうちは使いにくさを感じる可能性があります。
これらの注意点を総合すると、ASUS E210KAは「用途を明確に限定できる上級者のサブ機」または「性能を問わない超ライトユーザー向け」の製品であり、PC初心者がメイン機として選ぶには多くのハードルがあると言えるでしょう。
ネットでのASUS E210KAの評判・口コミ
製品の実際の使い心地を知る上で、購入者の生の声である評判や口コミは非常に参考になります。
Amazonや価格.com、Yahoo!ショッピングなどに寄せられたASUS E210KAのレビューを分析すると、評価は「価格と用途を理解した上での高評価」と「性能不足に対する低評価」にはっきりと分かれる傾向があります。
ポジティブな評判・口コミ
- 「3万円台でOfficeも1年ついてくるなら文句なし。コスパは最高。」
- 「とにかく軽くて薄いので、外出用のセカンドPCとして重宝している。」
- 「子供の学校用に購入。レポート作成や調べもの程度なら十分使える。」
- 「Web閲覧やブログの更新がメインなので、動作に不満はない。起動も思ったより速い。」
- 「デザインが可愛くて気に入っている。持っているだけで気分が上がる。」
このように、ポジティブな評価をしているユーザーの多くは、本機の低価格と携帯性を高く評価しています。
また、「性能が低いことを承知の上で、用途を限定して使っている」という点が共通しています。
サブ機としての運用や、子供用の初めてのPCといった、明確な目的を持って購入した方の満足度は高いようです。
ネガティブな評判・口コミ
- 「Excelで少し複雑な関数を使うとすぐに固まる。仕事では使えない。」
- 「YouTubeを見ながらネットサーフィンをするだけでカクカクになる。」
- 「Zoom会議で使ったら、映像も音声も途切れ途切れで使い物にならなかった。」
- 「Netflixを見ていたら頻繁に止まる。かなりストレスがたまる。」
- 「タッチパッドのテンキー機能は誤操作しやすく、結局外付けテンキーを買った。」
- 「液晶の視野角が狭く、少し角度が変わると色が変わって見づらい。」
- 「購入してすぐに充電ができなくなった。安かろう悪かろうだった。」
一方、ネガティブな評価は、やはり性能不足に起因するものが大半を占めています。
メインPCとして日常的な様々な作業をこなそうとしたり、複数のアプリを同時に使おうとしたりすると、スペックの限界が露呈し、強い不満を感じる結果となっています。
Webカメラの画質の悪さや、液晶の見え方、初期不良に関する指摘も見られます。
これらの評判から、「何をするためにこのPCを買うのか」という目的意識が、購入後の満足度を大きく左右する製品であることが明確にわかります。
最新の価格情報と販売状況まとめ
ASUS E210KAは、2022年3月4日に発売されたモデルです。
発売から時間が経過しているため、2024年現在、多くの家電量販店のオンラインストアなどでは「販売終了」となっており、新品を店頭で見つけることは難しくなっています。
しかし、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手ECサイトでは、現在も在庫を持つショップから新品を購入することが可能です。
価格は変動しますが、おおむね4万円前後で販売されていることが多いようです。
ただし、これらはメーカー直販ではなく、マーケットプレイスに出品している販売店からの購入となる点に注意が必要です。
一方で、中古市場では本機は活発に流通しています。
フリマアプリや中古PC販売サイトでは、状態にもよりますが2万円台から3万円台前半で取引されているケースが多く見られます。
より安価に手に入れたい場合は、中古品を狙うのも一つの選択肢です。
ただし、中古品の場合はバッテリーの消耗具合や、付属するはずのMicrosoft 365 Personalの使用権が既に使われている、あるいは期限切れである可能性が高いため、購入前によく確認する必要があります。
まとめると、ASUS E210KAの現在の入手方法は以下のようになります。
- 新品: 大手ECサイトのマーケットプレイス出品者から購入可能。価格は4万円前後が目安。
- 中古品: 活発に流通しており、2万円台から入手可能。バッテリーやOfficeのライセンス状態に注意が必要。
- 家電量販店: 在庫はほとんどなく、販売終了している場合が多い。
購入を検討する際は、これらの販売状況と価格帯を把握した上で、後継モデルや他社の同価格帯の製品(Chromebookなども含む)と比較検討することをおすすめします。
特に性能に不安がある場合は、少し予算を足して、より新しいCPUや8GBのメモリを搭載したモデルを探す方が、結果的に満足度の高い買い物になるかもしれません。
まとめ:ASUS E210KAをレビュー解説!購入は慎重に
- ASUS E210KAは11.6インチで約1.09kgと軽量コンパクトなノートPCである
- CPU性能は低く、Web閲覧や文書作成などライトな用途に限定される
- PassMarkスコアは約1882で、普段使いでも動作のもたつきを感じる水準である
- メモリ4GB、ストレージ128GB eMMCという構成も性能のボトルネックとなる
- 天板のデザインやカラーバリエーションなど、デザイン性は高い評価を得ている
- タッチパッドがテンキーになる「NumberPad」機能を搭載している
- Microsoft 365 Personalの1年間使用権が付属する点はコストパフォーマンスが高い
- 1年後にはOfficeの自動更新で年間約1.3万円の費用が発生する点に注意が必要である
- Webカメラは30万画素と低画質で、オンライン会議での使用には向かない
- 用途を割り切れる上級者のサブ機や子供用PCとしては選択肢になるが、メイン機には推奨しにくい