3Dプリンターの世界で大きな注目を集めているBambu Labから、家庭用マルチカラー3Dプリンター「A1 Combo」が登場しました。
これまでの3Dプリンターの常識を覆すほどの高性能と使いやすさで、多くの方から高い評価を得ています。
しかし、実際に購入を検討する際には「本当に自分に合っているのか」「どんな特徴があるのか」「注意すべき点はないのか」といった疑問が浮かぶのではないでしょうか。
この記事では、Bambu Lab A1 Comboのレビュー情報を徹底的に解説し、その特徴からスペック、価格、そして実際の評判まで、購入前に知っておきたい情報を網羅的にお届けします。
これから3Dプリンターを始めたい初心者の方から、より表現力豊かな作品を作りたい経験者の方まで、A1 Comboがあなたの創造性をどのように広げてくれるのか、その全貌を明らかにしていきます。
Bambu Lab A1 Comboのレビュー解説|基本性能
Bambu Lab A1 Comboの主な特徴
Bambu Lab A1 Comboは、これまでの家庭用3Dプリンターとは一線を画す、多くの革新的な特徴を備えています。
その中でも特に注目すべきは、「マルチカラー印刷機能」「全自動キャリブレーション」「高速かつ高品質な印刷」の3点です。
まず、A1 Comboの最大の魅力は、付属の「AMS lite」によって最大4色のフィラメントを自動で切り替え、手軽にマルチカラー印刷が楽しめる点にあります。
これにより、単色では表現できなかったカラフルで複雑なデザインの作品を、特別なスキル 없이も作成可能です。
次に、初心者にとって非常にハードルの高かった各種調整作業を、完全に自動化した点も大きな特徴と言えるでしょう。
電源を入れてからのZオフセット、ベッドレベリング、振動補正、さらにはフィラメントの流量制御まで、プリンターが全て自動で行います。
このため、ユーザーは面倒な手動調整から解放され、誰でも簡単に高品質な印刷を始めることが可能です。
さらに、クリップ1つで簡単に着脱できる新設計のノズルや、静音性に優れたアクティブモーターノイズキャンセリング機能も搭載しており、使いやすさと快適な印刷環境の両立を実現しています。
これらの特徴により、A1 Comboは3Dプリンター初心者から上級者まで、幅広いユーザーのニーズに応えることができる一台となっています。
Bambu Lab A1 Comboのスペック一覧
Bambu Lab A1 Comboの性能を正確に理解するためには、その詳細なスペックを確認することが重要です。
ここでは、A1 Comboの主要な仕様を表にまとめました。
この表を見ることで、本体のサイズ感や印刷能力、対応する素材などを一目で把握することができます。
スペック項目 | 詳細 |
---|---|
メーカー | Bambu Lab |
モデル名 | A1 Combo |
本体構造 | ベッドスリンガー方式 |
マルチカラーシステム | AMS lite(最大4色対応) |
最大造形サイズ (W×D×H) | 256 × 256 × 256 mm³ |
本体サイズ (W×D×H) | 385 × 410 × 430 mm (AMS lite含まず) |
本体重量 | 8.3 kg (AMS lite含まず) |
最大印刷速度 | 500 mm/s |
最大加速度 | 10000 mm/s² |
最大ノズル温度 | 300 ℃ |
最大ヒートベッド温度 | 100 ℃ |
標準ノズル径 | 0.4 mm (ステンレススチール製) |
対応フィラメント | PLA, PETG, TPU, PVA (ABS, ASA等は非推奨) |
ディスプレイ | 3.5インチ カラータッチスクリーン |
カメラ | 搭載 (1920×1080, タイムラプス対応) |
接続方法 | Wi-Fi, microSDカード |
キャリブレーション | 全自動(レベリング、Zオフセット、振動補正等) |
このスペック表からわかるように、A1 ComboはBambu Labの上位機種であるX1シリーズやP1シリーズに匹敵する広い造形サイズと高速印刷性能を誇ります。
一方で、本体構造はオープンなベッドスリンガー方式を採用しているため、ABSのような高温を必要とするフィラメントの印刷は公式では非推奨とされています。
この点を理解した上で、自身の作りたいものと照らし合わせて検討することが大切です。
Bambu Lab A1 Comboの造形サイズについて
Bambu Lab A1 Comboを選ぶ上で、非常に大きなメリットとなるのがその造形サイズです。
A1 Comboは、幅256mm、奥行き256mm、高さ256mmという、広々とした造形エリアを提供します。
このサイズは、一般的な家庭用3Dプリンターでよく見られる220mm四方のサイズよりも一回り大きく、Bambu Labの上位機種である「X1-Carbon」や「P1S」と全く同じです。
造形エリアが広いことの利点は、単に大きなものが作れるというだけではありません。
例えば、複数の小さなパーツを一度に並べて印刷することができるため、生産効率が格段に向上します。
夜間に印刷をセットしておけば、朝にはたくさんのパーツが完成している、といった使い方も可能です。
また、これまでサイズの問題で分割して印刷し、後から接着する必要があったようなパーツも、A1 Comboなら一体で造形できる可能性が広がります。
これにより、パーツの強度が増し、後処理の手間も省けるでしょう。
コンパクトなモデルである「A1 mini」の造形サイズが180mm四方であることと比較すると、A1 Comboがいかに大きなものを作れるかがよくわかります。
もし設置スペースに余裕があり、作るもののサイズに制約を受けたくないと考えているのであれば、この広い造形サイズはA1 Comboを選ぶ強力な理由となるでしょう。
Bambu Lab A1 Comboの印刷速度はどのくらい?
Bambu Lab A1 Comboの性能を語る上で欠かせないのが、その圧倒的な印刷速度です。
公式スペックでは、最大ツールヘッド移動速度500mm/s、最大加速度10,000mm/s²という驚異的な数値を掲げています。
これがどれほど速いかというと、数年前の一般的な3Dプリンターと比較して、印刷時間を数分の一に短縮できるレベルです。
実際のレビューでも、3Dプリンターの性能を測るベンチマークとして有名な「3DBenchy(船のモデル)」が、わずか14分程度で完成したという報告があります。
通常であれば1時間以上かかることも珍しくないモデルが、これほどの短時間で印刷できるのは、A1 Comboの高速性能を如実に示していると言えるでしょう。
この高速印刷を支えているのが、剛性の高いオールメタルのリニアレールや、高度なモーションコントロールシステムです。
高速で動くことによって発生しがちな振動(リンギング)も、印刷前に自動で行われる振動補正機能によって効果的に抑制され、速度と品質の両立を実現しています。
ただし、注意点として、これは単色印刷の場合の速度です。
A1 Comboの大きな特徴であるマルチカラー印刷を行う際は、フィラメントを切り替えるための時間が必要になります。
色の切り替えが多いモデルほど、印刷時間は長くなる傾向にあることを理解しておく必要があります。
それでも、基本的な印刷速度が非常に速いため、トータルで見れば他のプリンターよりもはるかに効率的に作業を進めることが可能です。
Bambu Lab A1 Comboのレビュー解説|購入前の評価
Bambu Lab A1 Comboのおすすめな点
Bambu Lab A1 Comboが多くのユーザーから支持される理由は、単に高性能であるだけでなく、使う人のことを考え抜かれた数々のおすすめな点にあります。
最大の魅力は、やはり「初心者でも手軽に高品質なマルチカラー印刷を楽しめる」ことでしょう。
これまで専門的な知識や技術が必要だったマルチカラー印刷が、付属のAMS liteをセットするだけで実現できます。
加えて、全自動キャリブレーション機能により、印刷前の面倒な準備が一切不要です。
箱から出して組み立て、電源を入れれば、あとはプリンターが最適な状態に自動で調整してくれます。
この手軽さは、3Dプリンターが初めての方にとって、この上なく心強い機能です。
また、ソフトウェアとの連携も非常にスムーズです。
PC用のスライスソフト「Bambu Studio」や、スマートフォン用のアプリ「Bambu Handy」を使えば、印刷データのワイヤレス送信や、内蔵カメラを通じた遠隔モニタリング、タイムラプス動画の作成などが簡単に行えます。
まるで家電製品のような感覚で、ストレスなく操作できる点も高く評価されています。
さらに、特筆すべきは「アクティブモーターノイズキャンセリング機能」による静音性の高さです。
高速で動作するにもかかわらず、その動作音は非常に静かで、公式サイトによればサイレントモード時には図書館内と同程度の48dB以下に抑えられます。
これにより、時間や場所を気にせず、快適な印刷環境を維持することが可能です。
Bambu Lab A1 Comboの価格情報
Bambu Lab A1 Comboは、その高い性能と多機能性にもかかわらず、非常に戦略的な価格設定がされています。
購入を検討する上で、価格は最も重要な要素の一つです。
2024年現在、Bambu Lab A1 Combo(AMS lite付属モデル)の価格は、Bambu Lab公式ストアや日本の正規代理店(サンステラ、SK本舗など)、そしてAmazonといったオンラインストアで、おおよそ79,800円から99,000円前後で販売されています。
この価格は、セールやキャンペーンによって変動することがあります。
この価格設定は、マルチカラー印刷に対応した3Dプリンターとしては、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
例えば、Bambu Labの上位機種である「P1S Combo」が約16万円前後であることを考えると、A1 Comboはその半額程度でマルチカラー環境を手に入れることができるわけです。
これからマルチカラー印刷を始めてみたいと考えている方にとって、この価格は大きな魅力となるでしょう。
なお、マルチカラー機能が必要ない場合は、「A1」の単体モデルも販売されており、こちらはさらに価格が抑えられています。
後からAMS liteを買い足すことも可能なので、最初は単色で試してみたいという選択もできます。
購入時に一点注意したいのが、電源ケーブルのプラグ形状です。
A1 Comboに付属する電源ケーブルは3ピンプラグになっているため、ご家庭のコンセントが2ピンの場合は、別途3ピンから2ピンへの変換アダプタが必要になります。
数百円程度で購入できるものなので、あらかじめ準備しておくとスムーズに設置できます。
Bambu Lab A1 Comboの注意点とは?
Bambu Lab A1 Comboは非常に優れた3Dプリンターですが、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。
マルチカラー印刷時のフィラメント消費と時間
最も注意すべき点は、マルチカラー印刷に伴うフィラメントの浪費と印刷時間です。
色を切り替える際、ノズル内に残った前の色のフィラメントを完全に排出し、新しい色と混ざらないようにする必要があります。
この排出されたフィラメントは「poop(プープ)」と呼ばれ、造形物本体とは別にゴミとして大量に発生します。
モデルによっては、造形物よりも多くのフィラメントを消費することもあり、これは運用コストに直結します。
また、フィラメントの交換作業ごとに時間がかかるため、色の切り替え回数が多いほど、トータルの印刷時間は大幅に長くなります。
対応フィラメントの制限
A1 Comboはオープンフレーム構造(筐体で覆われていない)のため、使用できるフィラメントの種類には制限があります。
主にPLAやPETGといった、比較的低温で扱える素材が推奨されています。
一方で、ABSやASAのように、印刷時に高温を維持する必要があり、温度変化によって反りやすい素材は公式では非推奨です。
これらの素材を使いたい場合は、筐体で覆われた上位機種の「P1S」や「X1-Carbon」を検討する必要があります。
AMS liteのトップマウントに関する懸念
A1 Comboでは、省スペース化のためにAMS liteを本体上部のガントリーに取り付ける「トップマウント」が可能です。
しかし、AMS lite本体と4つのフィラメントスプールを合わせると総重量は5〜6kgにもなり、これを上部に常設することに不安を感じるユーザーもいます。
高速印刷時の揺れや、プリンター本体への長期的な負荷が懸念される点です。
レビューでは印刷品質への大きな影響はないとされていますが、この設置方法については個人の判断が求められる部分と言えるでしょう。
Bambu Lab A1 Comboの評判・口コミ
Bambu Lab A1 Comboの実際の使い心地を知る上で、ユーザーからの評判や口コミは非常に参考になります。
ここでは、各種レビューサイトやオンラインストアに寄せられた声をまとめ、良い点と悪い点の両方からその評価を探ります。
高く評価されている点
全体的に、A1 Comboは「高品質」「高速」「使いやすい」という点で非常に高い評価を得ています。
特に初心者ユーザーからは、「全自動キャリブレーションのおかげで、何の調整もせずに綺麗な印刷ができた」「箱から出して1時間ほどで、驚くほど高品質な造形が始められた」といった感動の声が多く見られます。
また、経験者からも「これまでの3Dプリンターの常識を覆す速さと精度」「この価格でこの性能は信じられない」といった、コストパフォーマンスの高さを称賛する意見が目立ちます。
マルチカラー印刷機能についても、「作品の表現力が格段に上がった」「子供のおもちゃを作るのが楽しい」など、創造性の広がりを実感しているユーザーが多いようです。
静音性の高さや、ソフトウェアの使いやすさも、満足度を高める要因となっています。
注意点として挙げられている点
一方で、いくつかの注意点や不満の声も挙がっています。
最も多いのは、前述の通り「マルチカラー印刷時のフィラメントのゴミ(poop)の量とコスト」に関するものです。
想像以上のフィラメントを消費することに驚くユーザーは少なくありません。
また、組み立てに関しては、「A1 mini」と違ってある程度の手間がかかるため、「少し戸惑った」「ネジが合わない箇所があった」といった声も見られます。
ごく少数ですが、初期不良や故障に関する報告もあり、その際のサポート対応について「返信が遅い」といった不満が寄せられるケースもあるようです。
これらの評判・口コミを総合すると、A1 Comboは製品の性能や使いやすさにおいて圧倒的な満足度を誇る一方で、運用コストや一部の組み立て、サポート面で注意が必要な点がある、ということが言えるでしょう。
まとめ:Bambu Lab A1 Comboのレビュー解説!購入前に知るべきこと
- Bambu Lab A1 ComboはAMS liteにより最大4色のマルチカラー印刷が可能である
- 各種キャリブレーションが全自動で、初心者でも高品質な印刷が容易である
- 最大500mm/sの高速印刷と、高精度な造形品質を両立している
- 造形サイズは256mm四方と広く、大型モデルや複数パーツの同時印刷に対応する
- アクティブモーターノイズキャンセリング機能により、動作音が非常に静かである
- PC・スマホアプリとの連携がスムーズで、遠隔操作やモニタリングが便利である
- 価格は約8万~10万円で、多色3Dプリンターとして高いコストパフォーマンスを誇る
- マルチカラー印刷時はフィラメントの排出(poop)が多く、コストと時間がかかる
- オープンフレーム構造のため、ABSなど高温が必要なフィラメントは非推奨である
- 組み立てには1時間程度を要し、電源プラグは3ピンのため変換アダプタが必要な場合がある