安価なノートパソコンやタブレットを探していると、必ずと言っていいほど目にする「CHUWI(ツーウェイ)」というメーカー。
多くの製品が驚くほどの低価格で販売されており、魅力的に感じる一方で、「聞いたことがないけれど、CHUWIってどこの国の企業なの?」という疑問や、その安さゆえの危険性、製品がすぐに壊れやすいのではないかといった不安を感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、CHUWIがどこの国のメーカーであるかという基本的な情報から、製品の評判、指摘されている危険性や安全性、過去のトラブル事例まで、インプットした情報とWeb検索による最新の情報を基に、網羅的に解説していきます。
CHUWIはどこの国の企業?会社概要と評判
CHUWIの評判はコストパフォーマンスが高い?
CHUWIの評判を調べると、最も多く見られるのが「コストパフォーマンスの高さ」を評価する声です。
その理由は、他の大手メーカーでは考えられないような価格で、高いスペック(大容量メモリやSSDなど)を備えた製品を提供している点にあります。
例えば、5万円以下のノートパソコンでも、日常的な作業には十分過ぎるほどのメモリ16GBを搭載したモデルが見つかるなど、価格に対する性能の高さは大きな魅力と言えるでしょう。
しかし、その評価は決して手放しで賞賛されているわけではありません。
安さの裏側には、後述する耐久性の問題やサポート体制への懸念も存在します。
そのため、CHUWIの評判は「価格を最優先し、ある程度のリスクを許容できるユーザーからは高く評価される」一方で、「品質の安定性や長期的な安心を求めるユーザーからは敬遠されがち」という、賛否両論あるのが実情です。
主力製品であるCHUWIタブレットの特徴
CHUWIは、ノートパソコン、ミニPC、そしてタブレットを主力製品として展開しています。
特にAndroidやWindowsを搭載したタブレットは、1万円台から購入できるモデルもあり、動画視聴や電子書籍、ウェブブラウジングといったライトな用途で非常に人気があります。
その最大の特徴は、やはり価格からは想像しにくい高品質なディスプレイを搭載している点です。
多くのモデルで高解像度のIPS液晶が採用されており、鮮やかで美しい映像を楽しめることは、多くのレビューで高く評価されています。
以下に、CHUWIの代表的なタブレット製品のスペック例をまとめました。
モデル名 | OS | ディスプレイ | CPU | メモリ | ストレージ | 参考価格(税込) |
Hi10 XPro | Android 13 | 10.1インチ | Unisoc T606 | 4GB | 128GB | 14,900円 |
HiPad Plus | Android 10 | 11インチ | MT8183 | 4GB | 128GB | 31,999円 |
Hi10 Max | Windows 11 | 12.96インチ | Intel N150 | 12GB | 512GB | 54,100円 |
このように、用途や予算に応じて幅広い選択肢が用意されています。
ただし、これらのスペックはあくまで数値上のものです。
実際の使用感としては、3Dゲームや動画編集といった高い負荷のかかる作業には向いておらず、あくまで日常的な用途で快適に使えるレベルと考えるのが良いでしょう。
製品は壊れやすい?バッテリーの故障事例
CHUWI製品について語る上で避けて通れないのが、「壊れやすい」という評判と、それを裏付けるような故障事例です。
中でも特に有名なのが、2023年に明らかになった徳島県の県立高校で導入されたタブレットの大量故障問題です。
この問題では、県が導入したCHUWI製タブレット「UBook」約16,500台のうち、最終的に6割を超える1万台以上がバッテリーの熱膨張などが原因で使用不能になるという深刻な事態に至りました。
この一件は、CHUWI製品の耐久性に対する大きな懸念を抱かせるきっかけとなったのです。
もちろん、納入業者側は「学校の保管環境に問題があった可能性」を指摘しており、一概に製品のみが原因とは断定できません。
しかし、SNSなど個人のユーザーからも、購入から1〜2年でバッテリーが膨張した、充電ができなくなったといった報告が散見されるのも事実です。
これらの事例から、CHUWI製品、特にバッテリー周りの耐久性には一定のリスクがあることを認識した上で、購入を検討する必要があります。
CHUWIの安全性とサポート体制は?
CHUWIの製品は、Amazonや楽天などの公式ストアを通じて日本国内でも正規に販売されており、基本的な安全性は確保されていると考えてよいでしょう。
これらのプラットフォームは購入者保護の仕組みを備えているため、初期不良などがあった場合には返品や交換の対応が期待できます。
しかし、メーカー独自のサポート体制については、いくつかの注意点があります。
CHUWIは日本向けの公式サイトや問い合わせ窓口を設けていますが、ユーザーのレビューによれば、修理対応の際に製品を海外へ発送する必要があったケースなど、国内メーカーと同等の迅速できめ細やかなサポートを期待するのは難しいかもしれません。
また、安全性に関連する過去の事例として、2023年4月に一部のPCがWi-Fiの5GHz帯に関する技術基準適合証明(技適)を取得していなかったとして、総務省から行政指導を受けたことがあります。
この件については、後に同社が謝罪し、ソフトウェアアップデートと技適の取得手続きで対応しました。
この出来事は、製品の安全性そのものに直接的な問題があったわけではないものの、海外メーカー製品を購入する際に留意すべき、日本の法規制への対応に関する一つの事例と言えるでしょう。
CHUWIはどこの国か知った上で見るべき危険性
CHUWI製品に指摘される危険性
CHUWI製品について指摘される「危険性」とは、スパイウェアや情報漏洩といったサイバーセキュリティ上の脅威よりも、むしろ物理的な製品品質に関するリスクを指す場合がほとんどです。
最も大きな危険性として挙げられるのは、前述したバッテリーの熱膨張です。
リチウムイオンバッテリーは、膨張した状態で使用を続けたり、衝撃を加えたりすると、最悪の場合、発火や破裂に至る可能性があります。
これはCHUWI製品に限った話ではありませんが、膨張事例の報告が他メーカーに比べて目立つ点は、物理的な危険性として認識しておくべきでしょう。
もう一つの危険性としては、法規制への準拠に関する問題が挙げられます。
過去の技適未取得の件は、ユーザーが意図せず法律に違反した状態で無線機器を使用してしまうリスクを示唆しています。
購入を検討する際は、日本国内での使用が法的に認められているモデルかどうかを、販売ページなどで確認することが重要です。
バックドアが仕込まれている可能性は?
「中国メーカー」と聞くと、ファーウェイの問題などを背景に「バックドア(不正な侵入経路)が仕込まれているのではないか」と心配する方もいらっしゃるかもしれません。
バックドアは、製造段階で意図的に組み込まれ、第三者がユーザーに気づかれずにデバイスへアクセスすることを可能にするものです。
これについて、結論から言うと、現時点(2025年7月)でCHUWI製品にバックドアが発見されたという信頼できる公的な報告や、セキュリティ専門家による具体的な指摘は見当たりません。
ユーザー間での憶測や不安の声は存在しますが、それらはあくまで中国という国全体に向けられた懸念が反映されたものであり、CHUWI製品に特化した証拠に基づくものではないのが現状です。
世界中のセキュリティ研究者が常に新しいデバイスを監視・分析していることを考えると、もしメジャーなブランドにバックドアが存在すれば、大きなニュースになる可能性が高いでしょう。
したがって、過度に心配する必要はないと考えられますが、このような懸念が一部で存在することは事実として知っておくとよいかもしれません。
過去にあったマルウェア混入の報告
バックドアと同様に、購入した時点ですでにマルウェア(ウイルスなどの悪意あるソフトウェア)が混入しているのではないか、という点も懸念されがちです。
この点についても、CHUWI製品が出荷段階からマルウェアに感染していたという確かな証拠や広範な報告は確認されていません。
一般的に、パソコンやタブレットがマルウェアに感染する経路の多くは、購入後にユーザー自身が信頼性の低いウェブサイトからファイルをダウンロードしたり、不審なアプリをインストールしたりすることによるものです。
これは、どのメーカーの製品であっても等しく存在するリスクです。
CHUWI製品だからといって、新品の状態でのマルウェア混入リスクが特段高いというわけではありません。
もちろん、万全を期すためには、メーカーを問わず、購入後は信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保って使用することが最も重要です。
公式が注意喚起する情報漏洩のリスク
興味深いことに、CHUWIの公式サイトでは、過去に「情報漏洩」に関する注意喚起がなされています。
ただし、これはCHUWI製品自体から情報が漏洩するという意味ではありません。
注意喚起の内容は、「CHUWIを装った偽の販売サイト(フィッシングサイト)が存在し、そこで個人情報やクレジットカード情報を入力すると、情報が盗まれてしまう危険性がある」というものです。
これは、CHUWIのブランド名がある程度知られており、詐欺のターゲットになるほどの知名度があることの裏返しとも言えます。
このようなリスクを避けるためには、製品を購入する際に、URLが正規のものであるかを十分に確認し、CHUWIの公式サイトや、Amazon、楽天などに出店している「CHUWI公式ストア」といった、信頼できる販売元から購入することが不可欠です。
安さに釣られて、少しでも怪しいと感じるサイトでは決して購入手続きを進めないようにしましょう。
まとめ:CHUWIはどこの国のメーカー?総括
- CHUWIは中国の深圳に本社を置く電子機器メーカーである
- 主にノートPC、タブレット、ミニPCを低価格で提供している
- 高いコストパフォーマンスが評価される一方で、評判は賛否両論である
- 特にタブレットのバッテリー膨張など耐久性に関する問題が報告されている
- 徳島県の教育用タブレット大量故障問題で広く知られるようになった
- バックドアやマルウェアがプリインストールされているという確証はない
- ユーザーが懸念する情報漏洩は、主に偽サイト経由のものである
- 総務省からWi-Fiの技適未取得で行政指導を受けた過去がある
- サポート体制は存在するが、海外メーカー特有の課題も指摘されている
- 価格を最優先し、ある程度のリスクを理解できるユーザー向けの製品である